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『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』珍しく普通の男を演じてるヴァンサンが見られる貴重な映画

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こんなヴァンサンのビジュアルもファンには嬉しいわけで。


五日物語」と「美女と野獣」を鑑賞してヴァンサン・カッセル熱が再燃し、彼について検索などしていたらこんなELLEの記事を発見しました。何?ヴァンサンが愛すべきダメ男を演じるって?これは観なきゃイカン!しかし、私はこの映画の存在を前から知っていたんですね。居住国で毎年行われるフランス映画祭の中のラインナップに入っていたのです。ヴァンサン出演だけど、フランス語についていけなさそうだからスルーしてたんですよ。

しかしヴァンサンが変態(from「変態村」「破戒僧」)でも野獣(from「美女と野獣」「ジェヴォーダンの獣」)でもギャング(from「ジャック・メスリーヌ」「イースタン・プロミス」)でもクセモノ(from その他すべてのヴァンサン出演映画)でもない、普通の生活の中にいるダメ男を演じるということでダメ男好きの私はそれに突き動かされて鑑賞してみたのでした。まずどういう話がザックリ知りたいと思い、普段はなるべく見ないようにしている予告編をチェックしたところ、セリフが少なくわかりやすいものだったということも背中を押したのでした。





「モン・ロワ」は「私の王様」という意味ですが、タイトルから連想してちょっとBSOL風味のラブコメ映画なのかな~って思ってました。ダメな男なんだけど、どうしようもなく魅力的で私にとっては王様の様な男だから、色々尽くしちゃうのよね~。でも私は幸せだからいいの!みたいな。そんな王の座に君臨するのがヴァンサンってことで、最高の映画じゃないですか?と思っていたんですが。しかし、内容は「ブルーバレンタイン」を思わせる現在と過去が交錯するカップルの蜜月から離婚、その後の共生までを描いた話です。途中ドラッグ中毒や自殺未遂なども出て来てちょい重いんですが、観賞後の印象は軽やかでした。

監督はマイウェン。この名前はどこかで聞いたことが・・・と思ったら、フレンチ・エクストリーム・ホラーの「ハイテンション」に出ていた女優さんでした。へえ、こんないい映画を撮るんだな~と驚き。脚本も兼ねています。非常にリアルな肌触りなので「これ経験談だよね」と思ったらやはりそうでした。マイウェンと元パートナーの間に起こった出来事がたたき台になっていて、自殺未遂を計るパートナーの元カノであるモデルはリアルではカレン・マルダーだったそうです。知らなかった。ちなみに本作の日本公開は17年春だそうです。

ヒロインのトニー(エマニュエル・ベルコ)はスキーで脚を負傷して、海辺にあるリハビリ施設で過ごしています。そこで治療を受けながら、彼女とかつての夫ジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)との10年間に渡る思い出を回想するという構成になっています。弁護士のトニーは、仲の良い弟ソラル(ルイ・ガレル)とその彼女バベス(イスリッド・ス・ベスコ。監督マイウェンの妹)とクラブに出かけます。そこで偶然に昔から知っていたレストラン経営者のジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)に再会します。そこから彼との蜜月が始まり、トニーは妊娠し、二人は結婚式をあげます。しかし、それを知ったジョルジオの元カノであるアニエス(クリステル・サン・ルイ・オー ギュスティン)が自殺未遂を起こし、責任を感じたジョルジオは彼女の世話をすることに。一方、それに耐えられないトニーは家を出て行こうとします。このままではうまくいかないと悟ったジョルジオはトニーの住むアパートの向かいに部屋を借り、別居の結婚生活を提案します。険悪だった二人の仲ですが、息子の誕生を機に和解します。しかし、二人の結婚生活はアップダウンの激しいものでした・・・というお話です。




※ネタバレします。




なんといっても、ヴァンサンが普通の市井に暮らすカタギである男を演じているのが貴重!あ、元嫁モニカと結婚するきっかけとなった「アパートメント」でも一応普通の男役でしたっけ。そういう普通の男役が極端に少ない俳優ヴァンサン・カッセル(ラブストーリーにもほぼ出てないですよね)。この映画では、そんな彼と出会い(再会)、初デートし、初ベッドインし、妊娠検査薬を一緒に見て、結婚式して、妊婦検診一緒に行って、立ち会い出産をする・・・と、カップルとしての幸せなプロセスを追体験できるという、ヴァンサンファンならたまらないシーンがいっぱいなのです。てか今までいかに普通とかけ離れた役ばかりやっていたんだ、ヴァンサンという感じもしますが(汗)。

あとこの映画のヴ ァンサンはとにかく陽気!場を盛り上げておどけたりして、周囲の人々を楽しませることが大好きな人なんですね。だから一緒にいるとすごく楽しいんですよ。いつものクセモノ演技とはまったく違う優しい眼差しもいいし。何度か彼のインタビュー画像を見ましたが、本作のキャラクターは素のヴァンサン・カッセルに近いんじゃないかなと思いました。クセモノといえばヒロインの弟役ルイ・ガレルもいつもクセモノを演じることが多い俳優ですが、この映画では普通に姉思いのいい弟でしたね。

まあでも蜜月は長くは続かないんですよ。既に妊娠中から亀裂が入り、カップルとしては空中分解しかけ。だからこそ短くも濃い蜜月時代が輝くんでしょうかね。息子が産まれたので、そのためにやり直したりするんですがやはり暗礁に乗り上げてしまうんですね。夫は見知らぬ女(と言い張っているが)と浮気するし、妻は精神的に不安定になり薬を飲むよ うになりますが飲み過ぎて危ない状態になったりするし。これじゃお互いによくないってことで結局離婚することになるんですが、離婚した途端に関係がよくなったりするのがまた面白いところですね。この離婚=不仲ではないってところが、なんとなくヨーロッパぽい感じがします。フランスのミュージカル映画「愛のあしあと」でも別れた夫婦が再会してベッドインしたりするシーンがありましたっけ。

元夫婦と息子で一緒に旅行するシーンがあるんですが、これが本当に楽しそうなんですよね。わざわざ結婚という選択肢を選ばなくても、というか選ばなかった方がずっと幸せそうに見えるので、何故二人が結婚をしたのかが不思議です。そして夫が妻にカルティエの腕時計(しかも金の)をプレゼントするんですよ。前は負債を抱えていて家具を差し押さえられていたのに、たいしたもんです。ラッピングがなかったから中古かもしれないけど、羨ましい~。

息子抜きのときでも二人の友好的な付き合いは続いていたんですが、妻のキャリアが上向きになってくると夫が嫉妬するようになるんですよね。あれ、夫ってそんなキャラだったっけ?って思うんですが明らかに面白くない様子。ヴァンサンの演技も陽気な今までと全然違って、不穏な周波数を出すようになります。この辺の切り替えが上手いなあ~という感じ。この時点でもう10年くらいの時が経過しています(息子も大きくなっている)。

監督や主演の二人のインタビューを見ましたが、この映画はお互いに愛し合っているけれど、一緒に歩むことが出来ないカップルの悲喜劇を描いているのだそうです。若い頃だったら「愛し合っているなら、何があっても添い遂げられるはず!」と固く信じて疑っていませんでしたが、大人になった今は「そういうカップルは山ほどいるに違いない・・・」と思えるようになりましたねえ。人生色々、夫婦/カップルも色々、なんですよね。

ラストシーン、妻と息子の学校の先生との面談が行われているところに夫がやってきます。息子は学校の成績も良く先生にも褒められていて、嬉しそうな妻と夫。面談の間に二人の間で交わされる視線は穏やかで、嵐が過ぎ去った後の海原のような平和さです。妻は夫の横顔をじっと見つめます。愛しあったり、喧嘩したり、色々あったなあ・・・という視線。これが実に味わい深いんですね。

映画のいいところは色々なこと を追体験出来るというところですが、私自身もヴァンサンと色々あった10年間を過ごした様な気分にさせてくれました。あと、ヒロインの現在であるリハビリの様子が挟まれていて嵩高になっていた構成もよかったと思います。この構成は決して物語の濃度を薄めることはなかったし(そもそもずっとカップルのアップダウンを見させられたら、観客もくたびれてしまうだろう)まるで、お好み焼きに入れたキャベツのようにいいボリューム感を出していたと思いました。評価も良かったようで、フランスのアカデミー賞的なセザール賞では主要部門で軒並みノミネート。カンヌではトニー役のエマニュエル・ベルコが主演女優賞受賞したし、パルムドール賞にノミネートされたということだそうです。

ということで、珍しく普通の男を演じている「私の王様」ヴァンサンとの波乱に満ちた10年間を追体験できる貴重な貴重な映画なのでした。


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Comment

あい says... "来たー"
あけましておめでとうございます🎍
今年もよろしくお願いします✨
管理人さんバンサン祭りですね!
大丈夫ですか?そろそろ胸焼けしません!?(笑)
もう〜ダメ男演じさせたら超一流ですよね
なぜこーいう男に女の人はハマってしまうんでしょー
私は嫌ですね!でも当事者にしか分からないんでしょーね、こういう複雑な関係は…これでまた再婚したらうまくいかないんでしょうね
とりあえずハッピーエンドならよしです!
機会があったら観たいです💗
2017.01.02 00:39 | URL | #7nYXjm8g [edit]
aitantanmen says... "Re: 来たー"
あいさん

あけましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願い致します。

見たんですよ、見たんですよ!年末はちょっとしたヴァンサン祭りでした。
それもこれも、あいさんに五日物語を教えて頂いたお陰です。ありがとうございました〜。
若い頃のヴァンサンってことで「アパートメント」も、もう一度観たいですねえ。胸焼けどころかおかわりです!(笑)

この映画のヴァンサンの役どころは珍しく普通の男なので、とっても貴重です。
年も年だし、もうこんなラブストーリー(というにはひねくれてますが)には出ないかも・・・?とも思っちゃったりします。
是非とも劇場でご覧になって下さい。そして私が聞き取れてないヴァンサン萌えセリフを教えて下さいませ!!

2017.01.02 02:56 | URL | #- [edit]
あるばとろす says... "初めまして"
はじめまして。あるばとろすといいます。東京でレンタルでモンロワを見てしびれて、ネットで検索していたらこちらにたどり着きました。ヴァンサンの魅力が伝わる記事だったので弊ブログで紹介させていただきました。また時々お邪魔せてくださいね。
http://albatrossyoko.blog.fc2.com/
2017.09.11 00:10 | URL | #9K64Lzaw [edit]
aitantanmen says... "Re: 初めまして"
あるばとろす様

モンロワの感想文をご紹介頂き恐縮です。あるばとろす様ブログからの流入がいくつか確認出来ました!どうもありがとうございます。最近はもっぱらTwitterばかりですが、またのお越しをお待ちしております。


2017.09.11 01:10 | URL | #- [edit]

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