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@itan-journ@l praha

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『愛と憎しみの伝説』それでも針金ハンガーはあると便利



      
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愛と憎しみの伝説
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ハリウッド黄金期の大女優、ジョーン・クロフォードの養女だったクリスティーナがクロフォードの死後に書いた暴露本を元にした映画だそうです。この映画の評判は聞いていたのですが、やっと観ることが出来ました。82年のラジー賞総なめだったそうですが・・・映画としてはとっても面白かったですよ。何より退屈させない映画になっているというところはもっと評価されるべきでは・・・と思いました。

ジョーン・クロフォードの映画、私は一本も観たことないんですが、ハリウッドのトップ女優だったんだそうです。演じるのはフェイ・ダナウェイ。彼女のやり過ぎてギャグに昇華してしまった演技(本作でオスカー主演女優賞を狙っていたらしい)が後世にも語り継がれていることからも、そこが本作の見所です。ジョーン・クロフォードはお金持ちの映画スター、でも彼女の人生に欠けているものは子供の存在でした。今でこそ映画スターが海外からエスニシティの違う養子をもらうことは全然珍しくありませんが、当時は離婚歴がある独身者が養子をもらうことが大変だったみたいですね。しかし恋人の弁護士が奔走してくれたお陰でジョーンは女の子の赤ちゃんを迎えることが出来ました。

赤ちゃんはクリスティーナと名付けられ、何一つ不自由のない環境でスクスクと成長。しかし次第に女優業がパッとしなくなり、娘のクリスティーナは精神の均衡を崩したジョーンから虐待を受けるようになります。この映画はクリスティーナとジョーンの愛憎に満ちた奇妙な親子関係をメインに描かれています。高橋ヨシキさんもラジオ(下のyoutube参照)で仰っていまし たが、ジョーンはそもそも完璧主義者。冒頭の掃除シーンでもそれが描写されています。メイドが掃除した部屋の棚を指でサーッと撫でてホコリをチェック。観葉植物の鉢をどかしたらまだ汚いところがあった、という場面ですね。そういう完璧主義者にとって子育てというのは向いていないんですね。なぜなら子供ってのは不完全のかたまりだからです、ということですが本当になるほどなあという感じです。だから子供が自分が定めた領域からちょっとでもはみ出すと、フェイ・ダナウェイが整えた太眉をクワッっと上げて怒り出す・・・ということになるわけです。


※ネタバレします。



この映画の白眉とも言えるシーンが「ノーモア、ワイヤーハンガーズ!」のセリフでもおなじみ「針金のハンガーを使うなーッ!」と言って針金ハンガーでクリスティーナをバシバシと叩くシーンです。そのすぐ前のシーンが、落ち目だったジョーンがオスカー主演女優賞を受賞し家族で喜ぶシーンだったので「これで少しはジョーンの機嫌がよくなって家庭内が平和になるだろう」と思っていたので、えっ、その次がコレ?とビックリしました。このときのジョーンがマスクかなんかを顔に塗っていて真っ白なんですよ。そんな状態になったババアが夜にクローゼットを荒らし、娘に買ってやった高いドレスが針金のハンガーにかかっているのを見つけて激怒。ノーモア、ワイヤーハンガーズ!になるんですが、その常軌を逸脱した具合がスゴイ。顔は真っ白だし口は赤いしで、まるで「バットマン」のジョーカーみたいでしたし、子役の子、仕事とはいえトラウマになったりしないのかな・・・とちょっと心配になるくらいでした。

その後、バスルームの床が汚れているといって粉洗剤をぶちまけたりして、もう大変。クリスティーナの下に二番目の養子である男の子がいるんですが、何故か矛先は全部クリスティーナに向かうんです。弟はほぼ空気。でもこの子は寝る時に何故か拘束具みたいなものを付けさせられていて、これが地味に怖かったですね。当時は普通に行われていた医療行為かなんかなんでしょうかね。その他にも鏡台の前で自分の真似をして遊んでいる娘を見つけて「お前は、あたしのことをバカにしてんのかーッ!」と娘の髪をザクザク切ったり。殺伐としているように聞こえますが、それでも親子関係においていい時はあって愛情をお互いに示しているシーンも あるんですよ(原題の「Mommie Dearest」と心を込めて呼んだりね)。ドメスティック・バイオレンスなんかもDV期とそこから回復するハネムーン期というのを繰り返すそうですが、ドツボに落ち込んだ濃い人間関係ってのはどこか共通するものがあるのかもしれませんね・・・。

しかし先述した通り、退屈な瞬間が全然ない映画なんですよ。2時間ちょいなんだけど、あっという間。ジョーンのキャリア浮き沈みと(ペプシコーラの社長夫人だった時代もあったのね)、クリスティーナが成長して昼メロに出る女優になるまでの構成もバランスがよくてシームレスな印象。クリスティーナが大人になって独立すると、意外と仲良くなってたりしてるし「子育て期や思春期は戦争のようだったけど、こうして大人になるとちゃんと対人間として付き 合いが出来るようになって、よかったじゃないか」とも思えるんですね。色々あったけど、母はこうして私のことを立派に育て上げてくれたし・・・って着地になるのかと思っていたら。

昼メロ出演していたクリスティーナは病気になって入院。キャリアが中断されてしまうことを恐れるのですが、なんと彼女の代役となったのは・・・ジョーンだったのです。28歳の若妻の役なのに!病院のベッドでテレビを見て愕然とするクリスティーナ。そしてついにジョーンが病気になってしまいます。業界がジョーンに功労賞的な賞を贈りますが、病気で出席出来ないジョーンに代わってクリスティーナが賞を受け取ります。壇上で母の代理として感謝の言葉と母への愛をスピーチするクリスティーナ。そしてジョーンは亡くなるのでした。再び、色々あったけど、母はこうして私のことを立派に育て上げてくれたし・・・って着地になるのかと思っていたら。

なんとクリスティーナと弟には財産分与が一切ありませんでした。
弁護士のオフィスでそのことを聞かされ、え・・・?となる二人。弟が「ママは最期のとき何か言おうとしていた」と言うのを聞いてそれは何かとクリスティーナが訊ね、映画が終ります。いやー・・・てっきりリコンシリエーションなエンディングかと思ったらコレかよ!という着地でした。映画スターの家にもらわれて超ラッキーだったはずなのに、その実態は茨の道だったということで、人生ってうまく行かないんだなあという感じですね。

フェイ・ダナウェイの熱演を通り越してコミックになってしまった と言われている演技ですが、私はそこまでギャグになっているとも思えませんでしたね。ただこの役でオスカー取ったるで~!という気合いはビンビンに感じました。しかし皮肉なもので、その年のラジー賞では最低作品賞、最低女優賞、最低助演男優賞、最低助演女優賞、最低脚本賞を受賞。特に主演女優のフェイ・ダナウェイが見事に空回ってしまっている点もこの映画の変わったチャームになっていると思います(笑)。でもだからといって決してつまらない作品じゃないんですよ。噴飯ものの駄作というわけでもないし・・・。ちょっとでも気になっている方は是非ご覧になってみて下さい。

余談:今は滑り止めが付いた超薄型の高性能ハンガーなんかが売っていますが、針金ハンガーが一番場所を取らないという点で便利じゃないですか?夫のシャツなんかは全部針金ハンガーです。自分の服はIKEAで買ったハンガーにかけてるけど(笑)。


ヨシキさんによる解説





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