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@itan-journ@l praha

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『スポットライト 世紀のスクープ』ペンは剣よりも強し、を地で行く実録もの






実話ベースの社会派骨太な映画ということで、楽しみにしていました。しかし・・・しかし・・・今回も英語が難しかった・・・。マネーショート」よりはいくらかマシでしたが、敏腕記者たちが話す高速英語の聞き取りは難易度が高かったです。「マネーショート」といや、「華麗なる大逆転」という邦題サブタイトルが付いていますが、本作も「世紀のスクープ」という邦題サブが付いています。前者の邦題サブには困惑させられましたが、本作の方は内容と非常に合ってましたね。

本作はアカデミー賞の作品賞と脚色賞を受賞。 マーク・ラファロとレイチェル・マクアダムスがそれぞれ助演男優、女優でノミネートされていました。この通り、アカデミー会員も太鼓判を押すハイクオリティな映画なんですよ。スクープ の内容は聖職者による組織的な少年性暴行事件という非常にヘビーなものなんですが、当時の被害者一人一人に会ってインタビューし、記事にしていくという地味な地味な仕事に密着。記事発表の朝までの取材を静かに追った映画です。

ボストン・グローブ紙のジャーナリストに扮するのは「バードマン」のマイケル・キートン、リーヴ・シュレイバー、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズら。彼 らが「スポットライト」というコーナー担当で、チームを組んで取材にあたります。やっぱり実話ベースってことで「マネーショート」とどうしても比べてしまうんですが、やはり新聞記者たちのキャラ立ちに期待しちゃうじゃないですか。80年代はコウモリをモチーフにした自警団的ヒーローをしていた叩き上げの敏腕デスクがマイケル・キートン、手から極太の針を出す、クマのように獰猛になるミュータントのリーヴ・シュレイバー(同じ能力を持つ弟のヒュー・ジャックマンとは決別)、いつもは温厚だけどひとたび怒らせると緑の巨大怪物になって暴れ回るマーク・ラファロ、名探偵を翻弄する手練手管にたけた女スパイのレイチェル・マクアダムス(マーク・ラファロに想いを寄せられていたりする)・・・みたいなキャラ立ちを!(中の人過去の出演作が色々と混じってますが)

でも、そんなキャラ立ちないんですよ(てか当たり前)。みんな市井の普通の人なんですね。いかにもな劇映画っぽくわかりやすくしていないところがまたいいですね。制作側の真摯な姿勢が感じ取れますよ。フィクションの中でよくあるマスコミっぽいお約束描写(原稿書いてる横には吸い殻が山盛りになった灰皿、食べ散らかした中華料理のテイクアウト、会社のソファーで寝る、家に帰ってなくて襟が汚れていくシャツ)みたいなものもほぼなかったような気がします。

このメンツの中でマーク・ラファロは若手っぽいんですけど、年齢調べたら48歳なんですね!若々しく見えるので実年齢は意外でした。「フォックスキャッチャー」の助演も記憶に新しいですが、彼が脇にいると非常に映画が安定するような気がします。ガッチリとした助演。マーク・ラファロは主演よりも脇で輝く俳優さんなのかな。彼が出てる映画のクオリティーもそこまで「あれれ?」ってのはない気がしますし。取材中も彼の誠実な感じの人柄が出ていて、なんか好印象でした。紅一点のレイチェル・マクアダムスは敬虔なカトリッ ク教徒のおばあちゃんがいるんですが、取材を進めるごとに発覚していくカトリック神父たちの闇とおばあちゃんとの間で悩むんですね。これは辛い!宗教って、一体何なんだろう・・・とまで思ってしまいますね。

清廉潔白さが求められる職業の人が立場の弱い子供を狙って、普段から性的に虐待したり暴行したりしていたのを隠蔽していた・・・というのは、韓国映画の「トガニ」を思い出しました。あの映画も実話ベースでしたが、実際に子供たちが虐待されるシーンをホラー映画のように撮っていて胸が詰まるように恐ろしい映画でした。本作はそのようなシーンはないのですが、大人になった被害少年たちの目の死にっぷりとかが被害の深刻さを物語っているような感じでしたね。

取材の内容が内容だけに、被害者から話を聞くのは困難を極めるのだろう・・・と思ったんだけど、そこまで大変という描写はなかったように感じます。もちろん途中で泣き出したりする人もいるんですが。もしこれが日本だったら、被害者に取材するのはもっと大変なんじゃないかな・・・と思いました。取材内容が固まって来た頃に9月11日のテロが発生。アメリカ国内は色々なことが自粛ムードになり、スポットライトチームの準備していた記事も「こんな時にそんな記事誰が読みたがるんだ」ということで影響を受けてしまうのでした。打ち拉がれた時にすがりたいのは神様、でもその神様の代理人が・・・というパラドックス!

結局、ほとぼりが冷めた頃に記事を発表することになるのですが、ここの描写が静かな興奮を伝えていてよかったです。もの凄い勢いで回転する印刷所の巨大プリンター、紐で束ねられた新聞がトラックで運ばれて配達されて行きます。なんでもない早朝の風景ですが、汗と血と努力の結晶がついに世に出るのです。そして朝のオフィス、スポットライト班の部屋で鳴る電話。取ってみると記 事を読んだ読者からでした。そしてまた一本、また一本と鳴る電話・・・。それは読者だったり同じように被害を受けた人だったりの反応でした。記事は大きな 反響を呼び、隠蔽されていた忌むべき事件が世の中の人の知る所となったのです。ラストで事件が起きた場所のリストが表示されますが、もう一カ所づつ読めな いくらい多くの場所で起きていたのです・・・。恥ずかしながら、こんな事件が起きていたなんてこの映画を観るまで全然知りませんでしたよ・・・。

これは字幕か吹き替えでもう一度おさらいしなくては、と思いましたね。最近では報道の姿が問われたりしていますが、こんな風に真摯に取材を重ねて真実を伝えている人たちもいるんだ、世の中捨てたもんじゃないなと思わされました。マスコミでお仕事を頑張るレイチェル・マクアダムスといえば「恋とニュースのつくり方」というBSOL映画もありますので、キュートな彼女を見たい人はこちらも是非ご覧下さい。



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