@itan-journ@l praha

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『ロブスター』私はオランウータン希望




奇妙な味わいを残す映画、ロブスター。45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられてしまうという世界で、さあどうする・・・?というお話です。もう本当に鬼の様な設定ですが・・・。設定もさることながら、出演者が非常に魅力的。主演にコリン・ファレル(昔は狂犬ぽいイメージあったけど、すっかりお腹の出たオッサンに)、彼と恋に落ちる女にレイチェル・ワイズ、独身者を組織しているゲリラのリーダーにレア・セドゥ、なんとか相手を見つけようとする男にベン・ウィショーたん。レイチェル・ワイズにレア・セドゥにベン・ウィショー、みんなダニエル・クレイグの関係者/共演者じゃないですか。

コリン・ファレルは嫁と別れて、シングルの収容所みたいなところに入所させられます。収容所といってもホテルのような個室があって、一応普通の生活が出来る場所(しかしマスターベーション禁止!ホテルのメイドによるオーガズムに至らない程度の性的刺激受容はなんと強制!)。ここで45日以内に相手を見つけないと動物に変えられてしまうのです。でも施設からの脱走者を捕まえることができれば、それに応じて日数が加算されるそうです。いいところは、変えられる動物は本人のリクエストを受け付けてくれるところ。そこでコリン・ファレルはロブスターを選択するのでした。自分だったらどうする・・・?一日中寝てても怒られない猫か、自由に空を飛び回れる鳥か、それとも人間から比較的スムーズに移行出来そうなオランウータンか・・・?・・・あれ、結構夢が広がる!(笑)




※以下ネタバレします。





ということで、コリン・ファレルは多数の男女が収容されたホテルで集団お見合いをさせられます。男性はシャツとズボン、女性は花柄ワンピースという同じ服を着せられています。服装の自由がない!と思うか、制服があってむしろ楽と思うかは見る人次第でしょう。独身者たちは時折、セミナールームのようなところに集められて「パートナーがいないとどうなるか」という寸劇みたいなものを見せられます。一人だと、食事中喉に何かつまらせても助けてくれる人がいない。女性が一人だと犯罪に巻き込まれたりする。でもパートナーさえいればこんな事態にはなりません。というのがホテル従業員のシュールな棒演技でプレゼンされます。

ベン・ウィショーたんは、鼻血をよく出す若いオナゴ(ジェシカ・バーデン)に目を付け、自らも作為的に鼻血を出し彼女の共感をゲット、カップル成立の運びとなるのでした。カップルが成立すると夜のダンスパーティーでお祝いされ出所することになります(一応、仮出所的な感じで本当にうまく行くか観察するモニタリング期間がある)。鼻血を出すオナゴといつも一緒にいた彼女の友達が、このことでケンカ別れするシーンがいいですね。カップル成立した者と、そうでない者。鼻血の子が友達に「あなたにも早くパートナーが見つかりますように」みたいなカードをあげるんですが、それを読んだ友達が鼻血の子を殴るんですよ(気持ちはわかるぞ)。結局パートナーが見つからなかった友達はヤギだか羊だかに変えられてしまうんです。

半強制的な集団お見合い、パートナー不在による不都合を説く世間、自らを偽ってのパートナー獲得戦略、結果が出た者とそうでない者との決裂、そしてその中に入れずにただ 見ているコリン・ファレル・・・。こういう現象って、どこでも起こりえるんだなあ・・・と思ったのでした。45日以内に、というのはシングルたちに対する世間の外圧がルール化されたものにも見えなくもないです。そもそも恋愛というものは意識的にしようと思ってするものではないと思っているので、こんなセットアップされた環境で「さあ相手を探して下さい」と言われるのは非常にシンドイことだなあ・・・と息苦しさを感じ、心の中に寒風がびゅうびゅうと吹きすさぶのです。恋愛と相手探しが=でない人もいるかとは思うのですが。

さてコリン・ファレルも積極的ではないものの、一人の変わった冷たい女性(アンゲリキ・パプリア)とカップル成立するのですが、トラブルになり彼女に愛犬(元々はコリン・ファレルお兄さんだったが、パートナーが見つからず犬に変えられてしまったのだった)を殺されてしまいます。そしてコリン・ファレルはホテルメイド(アリアーヌ・ラベド)に助けられ、森の中に逃げ込むのでした。その森では元は人間だった動物と、施設から逃げ出したシングルによって構成されたゲリラ部隊が暮らしていました。ここでやっとナレーターをしていたレイチェル・ワイズが登場。レイチェル・ワイズ、最近では奇跡の46歳と言われたりしてますが、本当に知的美人ですね。彼女のイギリス英語もキレが良くってわかりやすい。こんな風に話してみたいというお手本です。

このゲリラを仕切っているのがレア・セドゥ。彼女なんかボンドガールなので、こんなところにいる人ではないんじゃないかと思うんですけども・・・普通に素敵なパートナーいるでしょ?とも思うんですが、厳しく張りつめた感じもあって納得の感じに仕上がっています。非常に統制の取れたゲリラ集団で、恋愛は禁止。しかし、コリン・ファレルはメンバーのレイチェル・ワイズと恋に落ちてしまうのでした。うーん、禁止されたところでは相手が見つかっちゃうってのも・・・これは人生じゃないかと思いますよ。だから恋愛ってのは強制されるものではないんですよ。誰か名のある人が言ってるじゃないですか。「恋とはするものではなく、落ちるものである」と。

恋に落ちた二人は恐ろしいレア・セドゥや周囲にバレないように二人だけのジェスチャーを作り上げ連絡をします。社内恋愛で秘密のサインを決めておいて「今夜会える?」というのを連絡しあうサラリーマンとOLみたい・・・(笑)。 でもこういう禁止されてる中でってのがイイんだろうなあ、いや絶対イイに違いない、もうびんびんでしょ、びんびん!びんびん!と社内恋愛の経験がない私は大変に羨ましいのでした。

ゲリラはずっと森にいる訳ではなく、ビジネススーツを着て街へ行くというミッションもあります。レア・セドゥ隊長率いる出張風の一団は街で用を足したり、レア隊長の両親の家にお呼ばれしたりします。そこでフェイクの恋人同士という設定を与えられたコリン・ファレルとレイチェル・ワイズ。もう好きなだけイチャイチャするのですが、あまりにイチャイチャが過ぎるためにレア隊長から「オマエら、いい加減にしろや!」と文字通りベリっと引き離されてしまうのでした(笑)。これは現実の話ですが「007 スペクター」のプレミアでの写真を思い出してしまいましたね。夫ダニエル・クレイグを後ろからハグして、ピッタリと張り付いている笑顔のレイチェル・ワイズを撮った写真があるのですが、奥に仏頂面したレア・セドゥが写っているんですよ。レアの表情が非常に白けていてニコニコのレイチェル・ワイズとのコントラストがなんか面白かったです。写真はコチラ。

ゲリラなんですが、コリン・ファレルを助けてくれたメイドさんが実はレア隊長と繋がっていたんですね。ある夜レア隊長率いるゲリラはシングル収容所となっているホテルを襲撃します。ホテル支配人(オリヴィア・コールマン)とその夫の寝込みを襲います。銃で脅し、夫に「妻を殺せばお前だけは助けてやる」とピストルを渡すのでした。究極の選択。そしてなんと夫は妻に向かって引き金を引くんですよ。でも空砲だったんですね。呆然とする支配人夫婦。勝ち誇ったように笑うレア隊長。これはある意味死ぬよりも恐ろしいですね〜。世間で素晴らしいものと喧伝されている結婚とモノガミーの欺瞞を暴く!って感じでなんかグっと来てしまいました。

そしてゲリラに参加したコリン・ファレルは、小さな娘を与えられて家族化しながらベン・ウィショーたんと過ごしている鼻血の女の子に「こいつの鼻血、フェイクだから」と告げるのでした。あーあ、これもやっちゃった(笑)。鼻血の女の子は「えっ!」と心底驚いていた様子なので、たぶんこれから修羅場展開という感じでした。この映画の中ではあまり明確に「結婚」という定義は出て来ないのですが、もうかなり無理が来ているこの制度の存続やそれを妄信している人たちのことを風刺しながら、自然恋愛上げしているのかなという感じもするんですね。

コリン・ファレルとレイチェル・ワイズが愛し合っており、二人してゲリラから逃げようしていることを突き止めたレア隊長は、レイチェルを治療の為と騙して街の眼科医に連れて行きます。しかし、恐ろしいことにそれは全盲になる手術だったのです。視力を失ったレイチェルを助ける為に、コリン・ファレルはレア隊長をやっつけて、二人は森から逃げ出します。まったく見えなくなった彼女を助けながら、森を抜けて道路を歩き、街までやって来ました。ダイナーのようなところで、向かい合って座る二人。コリン・ファレルはおもむろに洗面所に行き、自らの目をつぶすのでした。

愛した人が全盲なので自分も同じようにするという・・・谷崎潤一郎の「春琴抄」みたいですね。こういう終り方なのか・・・と少しゾっとしました。今まで抑えた感じのコメディーっぽかったに、最後はマジかよ・・・と言う。型にはまった欺瞞多き結婚やカップリングを見せられて「こんなのやだな〜」と思わされる。やっぱり真実の愛というものに生きてみたい。でもね、真実の愛ってものは純度が高過ぎる故にこんな狂気に走ってしまうものなんですよ・・・あなたにその覚悟がありますか?と言われた様な感じがします。そのどちらにも振り切ることが出来ない私の様な人間は、その間で右往左往するしかないのでした。

監督兼脚本はギリシャ人のヨルゴス・アンティモスさん。これは過去作チェックやで・・・と思いフィルモグラフィーをチェックしましたが、実はこの作品が初の英語劇なんですね。帰省したときにチェックするボックス入りですな。ということで、私は強制されてパートナーを見つけることはできないし、かといって硬派にゲリラ活動をするガッツもないので、確実に動物行きだと思います・・・。動物はやっぱりオランウータンになることにします。オランウータンに変えられた後は、出来ればボルネオの森に放ってやって下さい。あたたかい熱帯雨林の中で、バナナやマンゴーを食べながらのんびり暮らしたいです。



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そうなったらなったで、マレーシア移住も出来るし結構幸せかも・・・? にしても高いぬいぐるみ。

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