@itan-journ@l praha

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『The Forest』記憶に残るのはエビのみ





日本の富士山の裾野に広がる青木ヶ原樹海が舞台とのことで、チェックしてみました。主演はナタリー・ドーマー。私が観ている映画では「ラッシュ/プライドと友情」でクリへム様のお相手をしていたり、「悪の法則」でブラピのお相手をしていたりしている「スターのお相手女優」というイメージがあります。愛嬌があって魅力的な女優さんなんですよね。前にも書いたけど、海外ドラマ「アリーmyラブ」のアリーの秘書で、カラオケやダンスが大好きなエレインを演じたジェーン・クラコウスキーに感じが似ていると思います。

そんなナタリー・ドーマー扮するサラが、日本の青木ヶ原樹海で行方不明になった双子のジェス(同じくナタリー・ドーマー)を探しに行くというホラー映画です。演じるのはどちらもナタリー・ドーマーだけど、サラはブロンドでジェスは黒髪なので見分けがつくという設定になっています。双子の片割れジェスは日本の高校で英語教師をしていたのですが、富士山の下に広がる青木ヶ原樹海に足を踏み入れてそのまま行方不明になったということ。一卵性双生児ならではの直感でジェスが助けを求めていると察したサラは、彼氏の制止を振り切って日本へ向かいます。


※以下、ネタバレします。


日本キター!!!ってことなんですが、渋谷や新宿の路上で撮影されていて、私は郷愁をかき立てられます。カラオケやファストフードの無秩序に並ぶ看板、すれ違えない程道幅の狭い歩行者用の道、そんな雑多な雰囲気さえも懐かしく、エキゾチシズムをかきたてられてしまいます。サラは東京を彷徨い「ロスト・イン・トランスレーション」な感じを味わうのですが・・・。そもそも失踪した家族を探しに来た旅なので、彼女の顔は険しいままです。ネガティブな日本描写、出るかな出るかな~とちょっとドキドキしながら観ていたら、やっぱりデター!!!

寿司屋に入ったサラは、カウンターに座っています。職人さんが「ヘイお待ち!」と寿司下駄を出すと・・・そこに乗っていたのはまだピチピチと動くエビの頭とシッポ・・・。「あら活きがいいわね」と思うでしょうか?でも、それが実にゲテモノっぽく撮られているんですよね。確かにピチピチと動く間隔が細かくてちょっと気持ち悪いんですよ(海外人気の高いホラー映画「オーディション」で切り取られた舌がピチピチと動いているシーンを思い出した)。「ヒッ!」とひるむサラ。「し、死んだのを下さい!」と言うんですが、それをカウンターに座っている他の日本人客が排他的な視線込みで笑っているというシーンがありました・・・。はあ~、やっぱり出ちゃった日本ディス。しかし、世界中に普及したスシが今さら気持ち悪いってセンス古くね・・・?とも思います。

サラは東京から富士山のふもとへ移動。青木ヶ原樹海の最寄り駅にある観光案内所に立ち寄ります。そこの地下は霊安室になっており、樹海で見つかった自殺者が一時的に安置されているのでした。しかしジェスの遺体はそこにはありませんでした。しかし観光案内所のおばちゃんもそこの娘も普通の日本人にしちゃ英語上手だな。サラは居酒屋(「やきそば」とか食べ物の名前が書かれた提灯が室内に置いてある妙なインテリア)で、オーストラリア人のジャーナリスト、エイダン(テイラー・キニー)と知り合います。エイダンは土地の事情に明るく日本語も少し話せます。サラは双子を探しに来た自分のことを記事にする約束で、エイダンと一緒に樹海へ入ることにしたのでした。

この肉厚バディな男優、どこかで見たことあるなあと思ったら、ガガ様の婚約者のテイラー・キニーですよ。私が観た映画では「The Other Woman」というBSOL映画でキャメロン・ディアスの相手役をしていました。そして、樹海のガイド役ミチに小澤征悦です(小澤さんはもちろん英語が流暢)。翌日、ミチを雇ったエイダンとサラは樹海に入るのですが 、ミチは行方不明の双子探しには否定的です。ここは自殺の名所であり、気をしっかり持っていないと、悪いスピリットに足下をすくわれっぞ!みたいな感じ。ちなみに、青木ヶ原樹海という設定の森は本当の樹海ではなく、セルビアの森なのだそうです。日本政府から樹海での撮影許可が降りなかった為の処置だとか。許可が降りないって大人の事情でしょうか、それとも危険だから?もしくはその両方?気になります。でも本物の樹海でなくても、薄暗く不気味な森の感じはまあまあ出ていたと思います。

森の中で三人は首つり死体を見つけます。死体を樹から下ろすミチとエイダン。怖いな、怖いな~。だって普通に歩いていたら自殺した人の遺体がある森なんて、恐ろし過ぎる・・・。その後、サラは森の奥深くでジェスのテントを発見します。中には見覚えのあるジェスの荷物、近くには彼女の洗濯物も干してありました。ここで待っていたらジェスはやって来る !ということでサラは残ることにします。ミチから反対されますが、エイダンもサラと残ることに。明日の朝またやってくると言ってミチは森から出るのでした。

・・・とまあ行方不明の双子を探しに来たわけですが、盛り上がるのはここまで。後はB級ともなんとも形容し難いホラー?てかそもそもこれホラーなの?という残念な映画です。サラとジェスの双子は幼い頃に両親が亡くなっているんですが、ジェスだけがその現場を目撃していたんです。だからジェスにはダークサイドに引き寄せられる性質みたいなものがあって、樹海に来た・・・みたいな回想があるんですね。サラとエイダン二人のキャンプシーンが延々と続きますが、信用出来る男だと思っていたエイダンが実は・・・みたいなくだりもあったりして、なんだったら心霊よりもそっちの方が怖いわと思いました。

サラは夜、森の中でホチコ(この名前は・・・?)という制服姿の女子高生と出会います。彼女はジェスの教え子で、ジェスの居場所を知っていると告げるのでした。女子高生ホチコは幽霊であり、おそらくジェスももう死んでいるのではないかと思っていたのですが、実は彼女は生きていたのです。それが判明するまでに森の中でサラが悪いスピリットに追いかけられたり、転んでケガしたり、穴の中に落ちたりとドタバタしますが、ここが本当につまらない。怖くもないし、ヒロインを応援したくもならないんですね。ナタリー・ドーマーは愛嬌のある女優さんと書きましたが劇中ではずっと追い詰められている顔をしているので、彼女のファニーな持ち味が全然活かされていません。

結局、行方不明になっていたジェスは無事で、探しに行ったサラが青木ヶ原樹海の悪霊にとらわれて命を落としてしまうという入れ替わりの話でした。姉妹の運命を隔てていたと思われる両親の事故にみせかけた自殺は一体なんだったのか?禍々しいものを全部目撃したジェスの方がピンピンしていて助かっていて、よくわかりません。捜索隊の中にははるばる駆けつけたサラの彼氏もいましたが、これはサラの彼氏に横恋慕したジェスがサラ破滅の為に仕組んだことで実は影でほくそ笑んでる→邪悪な双子の片割れ!みたいな話でもなかったし(そうだったとしても、どうやって悪霊をコントロールするんだってことですが)。しかし危険をおかして樹海にやってきた優しいサラがなんか気の毒という感じでもなく、結局はガイド小澤征悦が散々警告したにもかかわらず、それを聞かなかったアホなガイジン二人が樹海で無理やって自滅・・・という話なのでした。

・・・つ、つ、つ、つまらない・・・!!!せっかくの妖しい魅力に満ちた青木ヶ原樹海が可哀相!もったいない!そして筆者の心に残ったのは、寿司下駄の上でピチピチと動く切り離されたエビの頭とシッポとのみいう映画なのでした。エビのこと書いてたら、寿司が喰いたくなったわい!ということで、アカデミー賞が終ったので、名作続きの映画鑑賞はひとまず落ち着いた感じです。これからは、新作をチェックしながら、見逃していた旧作、駄作っぽいけどな〜んか気になるものをバランスよく観て行きたいものです。



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