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『ウォールフラワー』繊細さが光る、リア充へのシンデレラストーリー


       

ウォールフラワー [ ローガン・ラーマン ]

ウォールフラワー [ ローガン・ラーマン ]
価格:1,000円(税込、送料込)



強烈な映画の後は後味爽やかな青春ものを・・・ということでチョイスしてみました。本当、ソーダ水みたいな爽やかさのある映画でしたねえ・・・。でもそれだけじゃない複雑で繊細な味わいの映画でした。主人公の男子高校生チャーリー(ローガン・ラーマン)は、いじめられていた過去を持つ男の子。高校に入ってもパッとしない日々が過ぎ去るのをただ待つのみと思っていましたが、美少女サム(エマ・ワトソン)とその義理の兄パトリック(エズラ・ミラー)と出会い、灰色だった世界が変わって行く・・・というお話です。






小学生、中学生、高校生というのは、学校とクラブ活動がすべてみたいなもんじゃないですか。だからそこで快適な環境にいないということは人生真っ暗と同じなんですよね。そこでいじめられたり、友達がいなかったりってのは毎日が針のむしろみたいなもんですよ。子供の社会ってのは学校がすべてなんです。チャーリーは幸運なことにそこでかけがえのない友人(しかも校内で一目置かれるほどイケてる)に出会うことが出来たし、素晴らしい先生(ポール・ダノ)にも出会えた。これってすごく幸せなことなんですよ。ロクな友達、先生しかいない学校生活ってのも全然普通にあるわけですから。十代の多感な時期に、どういう人と付き合うかってことはその後の人生において非常に重要だと思うんですよね。

しかし非リアみつるからリアみつるへ華麗に転身するチャーリーが本当に羨ましいですよ。サムとパトリックが上から目線でフックアップしてやるよ、って感じじゃなくって、ちゃんとチャーリーの本質を見抜いて友達になっているのがいい。それにサムとパトリックがスクールカーストの上位に君臨するステレオタイプな人達じゃないのがお洒落じゃないですか。個性派な生徒でカーストとは距離を置き独自のコロニーを作り上げている。しかもそのコロニーにも知的で感じのいい子たちが集まってるって言うね・・・。チャーリーは本当はサムのことが好きなんですけど彼氏持ちのサムには言い出せなくて、なりゆきでコロニーのメンバーの女子(ちょっと太めだけどいい子)と付き合うことになって迫られたりするんですけど、現役DK(男子高校生)から見れば充分に羨ましいシチュエーションではないでしょうか。

メインを貼る役者たちが皆素晴らしかったですね。美少女サムを演じるショートカットのエマ・ワトソンが輝いていました。本当に本当に素晴らしい女優さんになったんだなあ・・・という感じですよ。美しい茶色の瞳から滲み出る気品と知性がないと、この役は演じられなかったでしょう。エマちゃんの凄いところは、どうしようもないバカ女も同じくらいのハイクオリティーで出来るところです(例えば「ブリングリング」のキャラクターとか)。

サムの義理の兄パトリックを演じるのはエズラ・ミラー。私はこの映画で初めましてなんですが、陽気なゲイ(でも反面傷つきやかったりする)を安定した演技で熱演していました。彼はちょっと日本人っぽい顔をしてますよね。綾野剛に顔の感じが似ています。パトリックの話し方や身振りを見ていたら、デザイナーのアレキサンダー・ワンのことを思い出しました。彼も華奢で可愛い系の人ですよね。主人公チャーリーのローガン・ラーマンも初めまして。一見地味で道端に落ちてる石ころのような目立たない少年なんですが、主演としての存在感があるという相反するものを持っていたと思います。彼の繊細な演技なくしてはこの映画は成り立たなかったでしょう。

脇役ですが、チャーリーの国語の先生役で「アントマン」のポール・ダノが出てました。今回はダメ人間じゃなくてちゃんとした大人ですよ!(当たり前か)。先生はチャーリーの文学的素養を見抜いて、色々とおすすめの本を貸してくれるんですよ。先生は「華麗なるギャツビー」を貸してくれるんですが、やっぱりアメリカ文学っていったらギャツビーなんでしょうかね。

感動的なのは、やっぱり走ってる車から顔を出して一人タイタニックポーズをするシーン。「この瞬間こそ、僕らは無限だ」というチャーリーのモノローグ。これだけでオバチャンもう落涙!青春時代の最もプレシャスな瞬間が見事に切り取られているんですよ。甘・・・甘・・・甘酸っぺー!!!!!!思わず心の中のBGMとしてスピッツが流れちゃうんですよ(世代ですな)。でも青春時代の素晴らしい部分だけではなく、三人が抱えるトラウマみたいなものもさり気なく描かれています。チャーリーは大好きな叔母さんが交通事故で死んだことをずっと自分のせいにしていたんですが、セラピーを受けて叔母さんから性的虐待を受けていたことを思い出すんです。サムも幼い頃にお父さんの友達にいたずらされていたり、パトリックは裏切られた恋人から「カマ野郎」と罵られたり・・・。このバランスがまたフラジャイルな思春期感を出していたと思います。

しかも驚くべきことに、原作者と監督、脚本は同じ人!スティーブン・チョボスキーさんという方なんですが、なんて多才な方なんでしょう・・・とため息しか出ませんね。しかもこれが監督処女作ですよ。原作は99年に出版され大反響を呼び、映画化のオファーがたくさんあったそうなんですが、機が熟すまで待ったのが吉と出たのでしょうね。なんか変態チックな映画ばかり喜んで鑑賞している汚れた私が褒めるのもなんですが、青春の様々なきらめきがギュッとつまったこの映画、大人の人にこそ観て欲しいですね。


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Comment

Noriko says... ""
こんにちは。今年もよろしくお願いします。

ウォールフラワー、大好きな映画です。
いろいろ昔のこと思い出しちゃったり(映画みたいにリア充じゃあなかった
ですが^_^;)ちょうど、走ってる車のシーンにデヴィッド・ボウイがかかって
たなぁ(>_<)と。

また観たくなりました(^^)

2016.01.14 19:14 | URL | #- [edit]
aitantanmen says... "Re: タイトルなし"
Norikoさん

あけましておめでとうございます!あの曲はデビッド・ボウイだったんですか〜。そう考えるとまたグっと来ますねえ。R.I.P....
2016.01.14 21:57 | URL | #- [edit]

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