@itan-journ@l praha

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『ハイテンション』過激で陰惨!生理的嫌悪感が持続する仏産スプラッター


       

[DVD] ハイテンション

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あ~~~~怖かった。本当に怖かった。「マーターズ」の感想を書いた時にコメントを頂いた方から本作のことを教えてもらい、今回鑑賞してみたわけなんですが。フランス語圏のホラーってどうしてこんなに怖いの?と、またまた度肝を抜かれました。個人的には深淵なテーマ性のある「マーターズ」よりも本作の方がずっと単純な分、恐ろしかったですね。フランス語圏のホラーは英語圏のそれとは全然違う怖さなんですよ。もっと根源的というか生理的というか・・・黒板を引っ掻いたときの「キィィィィ〜〜〜ッ」って音みたいな嫌~な感じが最初から最後まで持続するんですね。「嫌だな、嫌だな~、怖いな、怖いな~」って鑑賞中は始終筆者の中の小さな稲川淳二がビクついていましたよ。

タイトルもなんだか怖いですよね。ハイテンションって・・・。個人的には日本のお笑い番組でやっていた「寝起きハイテンション選手権」(本当に寝て、朝起こされてカメラの前でどれだけハイテンションになれるかという企画)とか思い出しますが、そういうお笑いとは真逆のハイテンションですから・・・。どんな得体の知れないハイテンションなんだろうか・・・と胃にズドーンと来るんですよ。


予告はこちら



※ガッツリとネタバレします。



女子大生のマリー(セシル・ド・フランス)は友人のアレックス(マイウェン)と共に田舎にあるアレックスの実家を訪れます。家族に挨拶をして夜もふけ皆が寝静まった頃、怪しいボロボロの錆びたトラックが家の前に横付けされ、大きなカミソリを持った太った中年男(フィリップ・ナオン)が出て来るのでした・・・という導入部。冒頭に「ずっとあなたを離さない・・・」と独り言をループする裸足の女のカットが入りますが、カンの良い方ならばもうここでオチがわかるのかもしれません。私は鈍いので途中違和感を感じつつも最後まで、まるっと騙されました。確かに映画を振り返る とヒントが散りばめられているんですよ。

まずマリーはショートカットでちびTシャツにデニムを着たボーイッシュな女の子(余談だが、筆者も学生のころはこんな格好だった)。彼女はタバコを一服するために家の外へ出るんですが、そのときにアレックスがシャワーを浴びているのを見ます。その後、寝室に戻ったマリーはヘッドホンで音楽を聴きながら自分を慰めるんですよ(そのときに中年男がやってくる)。「ああ、この子はレズビアンなんだな」ってことが提示されるんです。しかし、そこから怒濤のように中年男がアレックスの家族を殺し始めるので、そっちに飲み込まれてしまうんですよね。

中年男は、まずお父さんと犬を殺します。階段の手すりを支える柱の間にお父さんの顔を入れて 動けなくして、タンスをスライドさせて首にぶつけると首チョンパ(そして血がドバー)。書いてるとアホみたいだし、過剰すぎるホラー描写はコメディになるというセオリーがあるじゃないですか。アメリカ映画なんかだと血がドバドバ出てるけどポップで面白い感じになることがよくあるじゃないですか。不思議と本作にはそういうアメリカのホラー映画が持っている「隙」というか「愛らしさ」が一切ないんです。ただ、生理的に不快なドン引きがあるのみ。これは不思議ですよね~。やってることは一緒なのに、どうしてこう神経を逆撫でするような嫌~な感じに出来るんでしょうか。

中年男はその後、アレックスの部屋に行き鈍い物音と悲鳴が聞こえるわけですが、マリーは恐ろしくて部屋から出ることが出来ません。でもアレックスの叫び声がやまないので殺害されてはないようです。 中年男はリビングに飾ってあった家族写真を見て、アレックスの顔の部分だけを破って懐に入れます。ここで彼がアレックスのストーカーで彼女に執着するあまりに彼女の家族を殺害するのだということがわかります。一番心臓がバクバクしたのは中年男がマリーの寝室をチェックするシーンでした。マリーは乱れたシーツを直し、滞在客の気配を消してベッドの下に隠れます。中年男が洗面台の蛇口が濡れてないかチェックするんですよ。コワ~ッ!入念すぎるだろ!そいやさっきマリーはダイレクトにそこから水を飲んでいました。絶対バレる!!!と怯える訳ですが、何故かバレないんです。ベッドの下なんてベタな場所絶対に見つかると思っていたのに中年男は部屋を出て行きます。ここもヒントですね。

しかし時代設定 がちょっと謎。マリーは携帯を持っていないんですよ。どうやら固定電話しかない世界みたいなんですね。2003年の映画でしたが、ここは少し不思議なのでした。マリーはアレックスの部屋へ忍び入ると、彼女は鎖で拘束され猿ぐつわを噛まされていました。マリーが「シーッ、私よ」と言ってもアレックスは泣きながら声をあげるばかり。少なくともマリーは無事なのだから、ここは静かにしておいた方が生存の確率が上がるのに・・・と思っていたのですが、ここもヒントですね。

マリーは固定電話を探して両親の寝室へ向かいます。電話があった!と思ったら誰かがこちらへやって来る音がするのでクローゼットに隠れます(ここもまたベタな隠れ場所)。マリーがドアの隙間から見たものは惨殺されるア レッ クスのお母さんでした。首をスパっと切られ、返り血が真っ白いクローゼットに飛びます。中年男は執拗に何回もお母さんを刺して殺害。男が去った後でマリーはクローゼットから出てお母さんを看取ります。お母さんは「なぜなの・・・」と言って息絶えるのでした。色々な解釈が出来ますが、ここもヒントですね。アレックスには小学生くらいの弟がいたんですが、トウモロコシ畑に向かって逃げる弟も鉄砲で殺されてしまいます。子供だけが妙にアッサリとした方法で殺されているのは、やっぱりPTA的なものに気を使っているんでしょうかね。

中年男は拘束したアレックスをトラックの荷台に入れ、他にも生存者がいないか辺りを伺います。キッチンに向かったマリーは電話を見つけますが、電話線が切られてい ました。外に出たマリーは扉が半開きになったトラックの中にいるアレックスの元へ行き「私が助けてあげるから、しっかり!」と励ますのですが、そのままトラックの扉が閉められ男は車を発進させるのでした。あれ?マリーがいたの見えなかったんだ?と違和感が残りますが、もうここらへんになると、かなり濃厚にヒントをばらまいているのでしょう。

ここまでが田舎の家を舞台にした惨劇です。周囲をトウモロコシ畑に囲まれた一軒家なので、いくら叫んでも誰も来ないという設定。マリーとアレックスが家に向かう途中でトウモロコシ畑の中に迷いこむシーンも、特に何も起きないんだけど嫌~な感じがビンビン!ザザザ・・・と風が吹いているだけなのに、畑の中に超変態の殺人鬼が潜んでいる様な不穏な 雰囲気がビンビンなんですよ。ビンビンなんですよ!(二回目)その畑のそばに中年男のボロボロのトラックが停まっていて、男が女の生首を農道にボトっと落とすシーンがあり、こいつが夜やってくるんだな・・・という演出になっています。この部分は不要だし、なんかおかしくね?という意見もあるようです。確かにそれもわかるんですが、もう勢いに飲まれて細かいことはどうでもよくなる・・・というマジックにかかってしまった筆者なのでした。

あと中年男の顔がハッキリと見えないんですよね。特に目は絶対に映さない。でも太ってて体臭がキツそうで小汚い、みんなが想像するであろう殺人犯の汚いオッサンというビジュアルなんですよ。彼はアレックスに執着していて、このままどこかに監禁しようと思っている様です。しかし・・・ここで筆者の頭の中に疑問が。アレックスって、タレントのフィフィみたいな顔じゃね・・・?」ということなのですよ。特に拘束後グチャグチャに泣いている顔が。「・・・なんで、このオッサン、そこまでフィフィに執着してるわけ・・・?マリーの方が全然可愛いじゃん?」となってしまうんですよね。

ということで、アレックスを演じているマイウェンさんはについて調べて観ました。名前と顔がエキゾチックな通り、アルジェリアとベトナムの血を引いています。フィフィはエジプト人なので北アフリカ系のルックスは納得。彼女はリュック・ベッソンの「フィフス・エレメント」で真っ青な宇宙人オペラディーヴァ を演じていた人なんだそうです!あー、いた!確かにいたね!懐かしいですな~。しかも彼女は16歳という若さでベッソンとの間にできた子を出産しているそうですよ。「フィフス・エレメント」と言えば映画好きの方はご存知の通り、ベッソンと主演女優のミラ・ジョボビッチがデキた映画でもあります。てことは、旦那をミラジョボに取られちゃったのか。ベッソンは昔「ニキータ」の主演女優アンヌ・パリローとも結婚していたことがあるし、なんか色々凄いなあと思いました・・・。

さて、ここからはお家を出て、ガソリンスタンドと森編になります。スタンドで給油する中年男。マリーはトラックから出て店へ助けを求めに行きます。あれ、カギかかってると思ったんだけど、どうやって出られたんだろうか・・・?と思うんですが、ここもヒントなのかな。隠れながら店まで到達することができました。よかったー!早く、早く助けを・・・!と気持ちが急ぎます。マリーは店のお兄さんに通報を頼みますが、そのときに中年男がやって来ます。マリーは棚の後ろに隠れ、お兄さんは中年男を接客。「一番いい酒を出せ」と言われたお兄さんがケースからお酒を出し振り向くと、斧の一撃が。はい、やはりお兄さんも殺されてしまいました・・・。その後、中年男は店を出ます。マリーは店の電話から警察に助けを求めますが、現在地がよくわかりません。「場所がわからないんだったら、どうしようもできませんねえ〜」と警察。そうこうしているうちに、男が車を発進させたので「もういいわ!」とマリーは電話をガチャ切りするのでした。順序は前後するかもしれませんがスタンドのトイレ でもマリーと中年男の隠れんぼ的なシーンがありました。結局またマリーは見つからないんですが、ここもヒントですね。

スタンドにあった車を盗んで、マリーはトラックを追いかけます。トラックは深い森の中へ。追跡していると、いつの間にかトラックがマリーの後ろに付いているではありませんか!サディスティックな笑みを無精髭だらけの汚い口元に浮かべた男はマリーの車をあおり、車は樹に激突。車から這い出たマリーは打ち捨てられた温室へ逃げ込みます。何か武器になるものを探したマリーは木の棒に有刺鉄線を巻き付け、それを握りしめます。マリーを探す懐中電灯。マリーは武器を持ってそちらに近づきます。ところが、ユラユラと動く懐中電灯は紐で括り付けられたダミーでした。それに気が付いた瞬間、 後ろから男がマリーの首を絞めます!ヒー!キモイ中年男だけど意外と頭いい!ここで死闘が起こるわけですが、形勢逆転したマリーは男の上に馬乗りになり叫びながら有刺鉄線が付いた棒でタコ殴りにするのでした・・・。例によって、死んだ!と思ったのになかなか死んでなかった!というお約束がありますが、それでも完全な勝利です。よかった・・・。

またまた順序が前後するかもしれませんが、通報を受けた警察が例のガソリンスタンドにやってきます。血の海になった店を見て「応援をよこせ」と呟く刑事さん。店内の防犯カメラを再生すると・・・斧でお兄さんに一撃を加えるマリーの姿が映っていました。ここで完全なネタバレです。あー、そうだったのね、自分オチだったのね・・・。劇中を通して感じていた違和感の意味が解ける瞬間ですよ。それはまるで詰まっていた水道管にパイプユニッシュを流したかのようなスッキリ感でもあり、何で気が付かなかったんだという一抹の悔しさでもあり。

マリーはトラックの方へ戻り、アレックスを解放しようとします。「アレックス!もう大丈夫よ!」と親友に抱きつくマリー。しかし、アレックスは怯え切っていてマリーに「来ないで!」と叫ぶのでした。一体どうしたの?とマリー。すると森から中年男がチェーンソーを持って爆走して来るではありませんか!ええーっ、死んだはずだよ、お富さん!まさかの中年男リバイバルですよ。そこへ偶然通りかかった車があり、アレックスは助けを求めるのですが中年男(=マリー)がフロントガラス越しにチェーンソーでドライバーを切り刻んで殺害。もうこれ以上は・・・食べられません、お腹いっぱいです!という感じ。更に車の中のアレックスにチェーンソーが迫るという阿鼻叫喚も。そして結局マリーは正当防衛でアレックスに刺されて倒れるのでした(中年男はいつの間にか消えてた)。

あー、怖かった・・・。そしてオープニングシーンに逆戻り。「ずっとあなたを離さない・・・」と言っているのは精神病院に収容されたマリーだったのです。ガラスの向こうにいるアレックスを見つけたマリーはパッと輝く様な笑顔になり、手かせをはめられた手を広げるのでした。はあ~、すごいものを見てしまった・・・という感じで思わずグッタリする観賞後・・・。でも、最後の最後まで救いがない感じもイイですね!ラストでさえもホッと一息とか安心とかさせてくれない、手綱を一瞬でも緩めない演出が凄い。始終、観客もテンションを張りつめっぱなし、すなわちハイテンション!なんですな。ギャグにまったくかすりもしないドン引きなスプラッター殺害シーン、劇中ずっと持続する、なんだかジメっとしてて生理的に嫌~な感じ。この演出は見事としか言いようがないです。どうしてアメリカのホラーとはそこが違うのか?それはやはりフランスとアメリカの精神性の違いなのでしょうか。筆者には上手くその違いを言語化することができません。

監督兼脚本のアレクサンドル・アジャは当時若干25歳。まさにアンファン・テリーブルである。筆者は知らなかったんですが「ヒルズ・ハブ・アイズ」の監督もアジャさんだったんですね。これは昔観ましたよ(夫が勧めて来た)。「あ、コレ町山さんが言ってたやつだ〜!」と思いました。「サランドラ」ってホラー映画のリメイクなんだそうです。ヒルズも面白かったですね~。当時、私はあまりこういうジャンルの映画って観てなかったから、それだけ衝撃も大きかったです。俳優も無名の人ばかりなのもなんか怖かったし。「世界は、まだまだ、広い・・・」と思わされましたね。その後、アジャ監督は「ピラニア3D」なども手掛けている様です(こちらは未見)。フレンチ・エクストリーム・ホラー界にはまだまだ恐ろしい色々な作品があるみたいなので、少しずつ鑑賞していきたいですね。まあ刺激が強過ぎるので、観るのはあと三ヶ月後ぐらいでいいですけど・・・(笑)


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Comment

Noriko says... ""
あー!
観たんですね\(^o^)/

ハイテンションとマーターズと、他の方も書いてましたが屋敷女
のどれをみようかと、1番最初にハイテンションを観て
逆にテンションだだ下がりで何年もたってしまいました^_^;

最後のオチ、私もだまされたんですが、わけわからず
巻き戻ししてみたり^_^;

今年の目標で、両方観れたらみようかな笑

ホステルとか、コメントできてないですが大丈夫だったんで
だいぶ復活してきたかもです(^_^)/

イギリス産ですけど、「ディセント」もおすすめですよ(^^♪
もし観てないようでしたらぜひ。


2016.01.14 19:48 | URL | #- [edit]
aitantanmen says... "Re: タイトルなし"
Norikoさん

そうです!ブログにコメントされた方というのはNorikoさんのことだったんです。やっとやっと「ハイテンション」をチェックしました。いや凄かった・・・。観賞後に「いや〜・・・これは・・・」と、思わず独り言が出ちゃいましたよ。しかしタイトルさえも知らなかったのはお恥ずかしい限りです。Norikoさんおすすめの「ディセント」もリストに入れておきます!いつもどうもありがとうございます〜。今年も素敵な映画と巡り会えますように!!!
2016.01.14 22:01 | URL | #- [edit]

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