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『アデル、ブルーは熱い色』こんなふうになっているのか・・・

        

アデル、ブルーは熱い色[DVD] / 洋画

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価格:3,825円(税込、送料別)



昨年の11月にプラハで行われていたフランス映画祭。本作も中心的な作品として特集されていて気になっていました。観に行った友人からは「とにかく、すごい(ラブシーンが)」という噂を聞いていたので楽しみにしていたのですが、映画祭期間中は行けず。その後も劇場でロードショーがありましたが学校等で行けず。DVD待ちか・・・と思ったら帰省中に下高井戸シネマで観ることが出来ました。余談ですが、下高井戸シネマでは今後あの名作「冒険者たち」がかかる予定なんだそうです。わたしもスクリーンでまた観たい!!!



※ネタバレします。




アデル(アデル・エクザルクロプス)は真面目なリセエンヌ。同じ高校の男子トマ(ジェレミー・ラユルト)と付き合うようになり彼と初めてのセックスを経験しますが、「なんか・・・思ってたのと違う!」という違和感を拭いきれません(同映画祭で上映された「17歳」もそんな感じでしたな)。彼と別れることにしたアデル。ある日偶然入ったレズビアンバーで青い髪をした女子大生エマ(レア・セドゥ)と出会います。実はエマとは一度街中ですれ違っておりアデルは彼女のことが忘れられなかったのでした。一緒に遊ぶようになったアデルとエマは肉体関係を持つようになります。エマとのめくるめくようなセックスと知的な会話に「これが私の探していた人」とばかりに夢中になるアデル。時が経ち、アデルは幼稚園の先生に、エマは新進気鋭のアーティストになり同棲生活を送るようになります。アートに没頭するエマに寂しさを感じたアデルは同僚の男と浮気。それがエマの知るところとなり彼女から「出て行け!」と言われてフラレてしまうのでした。ボロボロになったアデルは復縁を打診しますが、エマには既に画家の恋人(もちろん女性)がおり、アデルは改めて失ったものの大きさに気が付くのでした。

というあらすじですよ!映画の上映時間が3時間と長丁場な割に短くまとまってしまうようなストーリーです。でも、登場人物の心情を丁寧に丁寧に、いやこれでもか!というくらい緻密に描いている映画なのでもう中身がパンパンにつまっているんですよね。町山さんの解説をポッドキャストで聞きましたが、女優たちにとってかなり精神的にハードな撮影だったんだそうです。でもパルムドール賞を主演女優たちも連名で受賞されていてよかったです。

アデルを演じるエクザルクロプスは、まだあどけない顔つきの女の子です。彼女が「くかー 」と口を開けて正体なく眠っている顔は、動物みたいで本当に可愛い。私が何より羨ましかったのはヘアゴムで適当に作ったお団子ヘアがさりげなく決まっているところ!適当に結わえてるから顔にパラっと後れ毛が落ちて来るんですが、それさえも計算されつくした無造作という風に見えてしまうんですよね。黒髪剛毛の私がやると合戦で負けた落ち武者みたいになるんですが、私が柔らかい髪質になるにはもう西洋人に生まれ変わらないと無理ですね(笑)。

エマを演じるのは最近フレンチ産小悪魔女優として順調にキャリアを積んでいるレア・セドゥです。今まではどちらかと言うとフェミニンなキャラクターだと思っていましたが(プラダの香水「CANDY」のCMのイメージ)この映画では登場した瞬間から、もうレズのタチ役にしか見えないのが凄いですね。何気ない表情もボーイッシュ。でも女性的な色気もあって、アデルでなくてもちょっとドキドキしてしまいます。

プラダの香水、CANDYのCM。監督はソフィア・コッポラのお兄さんで、ヌーヴェルバーグっぽい三角関係がモチーフになってますよ!↓




そんな二人がレズバーで出会います。周りのレズビアンに狙われたアデルをさり気なくエマが助けるんですよ。その後アデルが通っている高校にエマが現れます。公園でサルトルの実存主義とか難しい哲学の話をする二人。キラキラと輝く午後の光に透けるエマのブルーの髪と目が美しい。もうアデルが彼女にメロメロになっているのがわかります。この映画は何故かほとんどがキャラクターの顔のドアップ。画面いっぱいに女優の顔が映し出されるので微妙な瞳の演技とかもよく見えて、何を考えているのか手に取るようにわかる仕掛けになっています。数回の公園デートを経て、ついにベッドインした二人。西洋人の女の子は服着てるとわりと普通に見えるんだけど、脱ぐと凄いですね。西洋絵画に出て来る女神様のように豊満。特にエマの薄いピンクの乳首はメッチャ綺麗だったな・・・。

で、18禁指定されているセックスシーンなんですが・・・わたしゃ、レズビアンのセックスシーンを微に入り細に入りガッツリと見たのは初めてだったので「こんなふうになっているのか・・・」と、まるで社会科見学のような視点を持ってしまいました。ピストン運動に重きを置いた異性愛やホモセクシュアルのセックスよりも演じるのが大変なのは見ていて明らかで、例えばオーラルセックスとか「こ、これ本当にやってるの・・・?!」とビックリしてしまいました。そして尺が長い!!!全然観客を解放してくれないのです。しかも同様のシーンが3回くらいあって(お互いの実家でご飯食べた後とか)、どれも超リア充な性生活をこれでもか!どや!どや!どや! と惜しげもなくとことん見せてくれます。アデルとエマ、身体の相性がこれ以上ないくらいにバッチリということがよくわかるわけですよ。しかしフランス映画って、フランス女優って、本当に凄いですね・・・。

時間が経過し、リセエンヌだったアデルは幼稚園教諭に。一方エマは売り出し中の画家になりました。堅実派でレズビアンということを家族等には隠しているアデルと、芸術家肌でオープンなエマ。お互いの実家で夕食を食べるシーンがあるんですがエマの家では生牡蠣が出て、アデルの家ではスパゲッティボロネーゼが出ます。お呼ばれされて生牡蠣と白ワインが出て来たらかなり嬉しいですね〜(アデルは牡蠣が苦手という設定なのだが、フランス人でもそういう人いるんだな)。一方アデルの家はいつもスパゲッティーばかり食べています。町山さんのポッドキャストでは夕飯のメニューに家庭環境の違いが出ているという指摘がありました。でもアデルが実に美味しそうにスパゲッティーを食べるんですよ(もちろんアップで)。「わんわん物語」のレディとトランプに匹敵するくらいミートソースが美味しそうです。これは映画観た後で、食べたくなっちゃいますよね。アデルの得意料理はもちろんスパゲッティで大勢を呼んでのホームパーリーでも大皿に大量のミートソースを作って皆から絶賛されているシーンもあります。

エマの髪色はブルーから金髪にチェンジし、二人の関係にも変化が訪れます。仕事に没頭するエマをアデルは支えていますが、何故か元気がないアデル。パーティー会場でエマと古い友人のリーズ(モナ・ヴァルラヴェン)が話に夢中になっているのを遠くから見て不安になっています。パーティーが終わり、寝る前にイチャイチャタイムをしようとしたらエマに「今日生理だから無理」と断られたり。しかしレズビアンカップルって生理周期×2の日数を禁欲しなければならないと考えると結構大変ですね。パーティーのシーンから二人の恋愛は一気に減速してしまうのでした。寂しいアデルは手近な男性と浮気(ただ寂しさを埋めるだけの関係)。ところがある夜エマの知るところとなり大げんかになります。裏切られたエマの怒りもわかるけど「お願い、そんなこと言わないで!あんたを愛してるのよ!」と泣いて必死で許しを請うアデルも可哀相。だったら浮気なんか最初からしなきゃいいじゃん?ってことなんですが、映画はアデル目線で進行しているのでどうしても彼女に肩入れしてしまうんですよ。

エマから拒絶されてひとりぼっちになったアデル。もうこの世の終わりみたいな気の落ちようです。子供たちの前で仕事も頑張ってるけど、なんとか普通を保とうとしているのがわかるんですよね。そういえば幼い頃、幼稚園の先生がたまにいつもと違って機嫌悪い日とか元気のない日とかあったな。先生だって20代前半から中盤のお年頃だったはずで、そりゃあ色々プライベートあったでしょうと思うのでした。エマがいない生活はアデルにとって生きていないのとほぼ同義。なんであんなことしたんだろう・・・なんであんなことになっちゃったんだろう・・・と後悔の念に苛まれながら、1人部屋で嗚咽したりしてて本当に可哀相です。

ほとぼりが冷めた頃にアデルはエマとカフェで待ち合わせします。エマはリーズと同棲していました。色々と話をして「リーズとのセックスライフはどうなの?」とアデルは聞きます。正直、あまり満足していないと言うエマ。スイッチが入ってしまったアデルはペッティングを仕掛けます(ここ、カフェなんだけども)。「ハモン・ハモン」とかもそうですが、ヨーロッパのカップルって公共の場所でいきなり始めたりすることがあるんだなあとビックリします(実際に目撃したことはないんですが)。しかも女性の鼻息とかがフガフガ言っててすごいイメージ。でもエマはやっぱりヨリを戻す気になれずカフェを去るのでした。残されたカフェで号泣するアデル。アデル・・・もうダメ、ダメなんだよ!辛いのはわかるけど諦めな!!!と見てる方も辛いです。

その後成功したエマの展覧会に呼ばれてやって来たアデル。エマの好きな色だと思われるブルーのワンピースを着ています。エマと短い挨拶を交わすアデル。エマはリーズや関係者に囲まれて忙しそうです。なんとなくその場に居辛くなったアデルは1人ギャラリーを後にします。寂しそうに遠ざかる彼女の後ろ姿に、アデルと始めて出会った時に流れていたエスニック音楽のパーカッションが被ってEND・・・。もうそれが物悲しくて寂しくて、なんだか私もエマに失恋した気分!!!あんなに夢中になれる人に、この先アデルは出会えるのでしょうか・・・。

いや〜、遅れてしまったけど字幕で観られてよかったです。哲学の話とかチンプンカンプンですからね。アデル・エクザルクロプスとレア・セドゥはmiu miuの2013春夏キャンペーンにモデルとして起用されていたそうで。広告でレアはセミロングで金髪ですが、この二人のカップリングはやっぱりしっくり来ますね。劇中ではちょいダサなリセエンヌだったアデルは結構美人に撮れていますよ。二人のインタビュー映像をいくつかyoutubeで見ましたが、アデルが先にガーっと話してリードし、後からレアが静かに話すというパターンが多くて、素だと映画と違って逆なのがなんだか面白かったです。

miu miuの撮影シーン↓




気になったのが原題なんですけど、「La vie d'Adèle – Chapitres 1 et 2」(Chapitresは章)ってことは続編で3章と4章もあるの?って思っちゃうじゃないですか〜。思わせぶりな原題ですよ。そうとうハードな撮影だっただろうからアデルが出るかどうかは、なさそうな気もしますが・・・。

追記:同性愛の経験がある女友達が、この映画について語っていたので追記します。彼女曰く、芸術の世界に生きるエマと教職についたアデルでは世界が違い過ぎるとのこと。エマはセクシャリティーを含め自己を解放して表現することが推奨される芸術世界の人間ですが、アデルは違います。アデルの職場は学校で周囲も保守的な固い職場。その為セクシャリティーを隠して生活しています。保守的な職場で働くレズビアンにとっては本当の自分と社会にいる自分との間で葛藤があり、結構悩ましいことなのだそう。社会的な制約の少ない学生時代はイキイキしたレズビアンライフを送っている女の子でも、就職してからアデルのように思い悩むことが多いんだそうです。だから男に走ったりしてしまったりするのだとか。

な、なるほど〜!映画の中でもエマのいる世界/アデルのいる世界の違いが結構強調されていたけど、女友達に言われて初めてアデルが男と浮気したのかわかった気がします。「別れたくない!」って泣きわめくくらいなら浮気なんかしなきゃいいじゃん?しかも手近な男なんかと・・・って思ったけど、アデルも色々煮詰まっていたんだなあ。汲み取れなくてごめんよ、アデル・・・。そうやって振り返るとまた深みが増す映画ですね。
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