@itan-journ@l praha

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『みんなで一緒に暮らしたら』ビタースイートな終活映画

        



義理の母マミンカが「悲喜劇で面白かったわ」と言っていたので、帰省中にレンタルして実の母と観てみました。老境に差し掛かった長年の友人である五人の男女。それぞれに病気だったり痴呆だったりがあったりして、今のまま生活していくのはちょっと心配・・・。だったら、みんなで一緒に暮らしてみましょうか、 というお話です。

お年寄りの男女が数人集まって生活するというのは、最近だと「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」なんかがありました。マリーゴールド・ホテルは老いていても、勇気を出して一歩踏み出せば新しいことは待ってるんだよ!というすごくポジティブなラストでした。一方の本作はマミンカが「悲喜劇」と言った通り、いいこともあれば悪いこともある、セラヴィ ・・・(それが人生)という甘じょっぱい塩キャラメルのようなお味でしたね。



※ネタバレします。



ジャンヌ(ジェーン・フォンダ)はハツラツとして素敵マダムですが実は病気を患っていました。彼女の夫アルベール(ピエール・リシャール)は痴呆症があり、足腰も悪く愛犬の散歩もこなすのにひと苦労しています。一方、彼らの友人クロード(クロード・リッシュ)は75歳になるのにも関わらず、アクティブなセックスライフを満喫しています。しかし娼婦の家で突然倒れてしまい、老人ホームに入ることに。同じく彼らの友人夫婦、アニー(ジェラルディン・チャップリン)とジャン (ギイ・ドブス)はクロードの哀れな姿を見て「大事な友達をこんなところで死なせられない」と彼らの家で五人揃っての共同生活を提案します。

気の合った友達同士で一軒家(家庭菜園が出来る庭付き、プールも設置予定)をシェアして、感じのいいお手伝いさんを雇う。これってもう最高の老後ではありませんか?しかし、そうスンナリいかないところがこの映画の面白い所です。二組の夫婦と1人の男(クロード)という仲良し五人組なんですが。実は奥様方のジャンヌとアニーはその昔、クロードと愛人関係だったんですね。しかも同時期に。図解すると、


アルベール&ジャンヌ⇆クロード⇆アニー&ジャン
(夫婦)      ♥    ♥  (夫婦)
       

という風に、クロードを通じてまっつぐにそれは綺麗な一直線の関係が出来てしまうというわけです。1つ屋根の下に棒姉妹と穴兄弟が同居っていう、異常事態なわけですよ。今は愛人関係は落ち着いていて友情に変わっている訳ですが、女性二人が墓まで持って行こうとしていた秘密が夫たちの知る所となり、大げんか。し かし最後は握手して終わるという、実に大人な感じ。夫たちが偉いわけなんです。

このクロードおじいちゃんが75歳なんだけど、精力びんびんで孫のような年頃の娼婦を買ったり、バイアグラを買って来てもらって街の女性を探しに行ったりしてるんですよ。もう本当にジジイどうしようもねーな!(毒まむし三太夫風)って言うわけなんですが、演じている俳優さんがとても可愛らしいのでなんか許せちゃうって感じ。彼と不倫してた女性陣ジャンヌとアニーが「私は◯◯ホテルで火曜日に会ってたのよ」「私は同じホテルで木曜日だったわ」と言うシーンも微笑ましいっちゃ微笑ましいです。これが現役時代の出来事だったら血の雨が降る悲劇になると思いますが、年を経た今では喜劇になるという・・・長い時間はエグい事態も中和してしまう不思議な力があるので、年を取ることはネガティブなこ とばかりではないんだなと思いますよ。

しかも彼女たちの中でクロードとの恋が今もいい思い出として残ってるのがいいんです。ジャンヌとアルベール夫婦が犬の散歩の為にやとったドイツ人青年ディルク(ダニエル・ブリュール)がいて、彼とジャンヌがよく散歩に行くんですが、この青年ディルクが民俗学の研究をしている学生なんですね。で、研究テーマが老人の共同生活ということなんです。で、ジャンヌが「老人にだって性欲があるのよ。私は昔いた愛人のこと考えて自慰するわ」と彼に言う訳です。それがクロードのことなんですね。40年を経た後もオナ・・・・・・・・ニー!(岩井志麻子風。最近間が長くなりました)のオカズになる愛人って素晴らしいことじゃないですか?

し かしジェーン・フォンダは今でも充分素敵なマダムです。贅肉が殆どないスレンダーさだし、腰の位置が高くてシャツをパンツにインしたなんて〜ことない格好 がものすごくカッコイイ。腰の位置が高いってことは歳を取ってからも、もの凄いアドバンテージなんだな〜と思いましたよ。こればっかりは整形出来ませんしね。さすが元「バーバレラ」ですよ(我らがドリュー・バリモアが「バーバレラ」の権利を買ってリメイクプロデュース&主演ってニュースが結構前にありましたが・・・)。

ドイツ人青年ディルクを演じたアンパンマンみたいな顔のダニエル・ブリュールは英語もフランス語も堪能ですね。こんな性格のいい子に身の回りのお世話をしてもらえるなんて最高じゃないですか。老人たちに振り回されるシーンに彼のいい人感が滲み出ていますよ。

ジャンヌが病気亡くなったあとに、彼女が生前頼んでいたもう1人のお手伝いさんが来るんですが、それがエキゾチックかつ巨乳というディルクがジャンヌに言って いた好みど真ん中の子なんですよね。で、若い二人はすぐに仲良くなり地下室でセックスするするわけなんですが、それをクロードおじいちゃんが覗き見ていて 「よしよし・・・」みたいな顔をして去って行くんですよ。老人映画なんですが、病気とか痴呆とか以上に結構セックスシーンやセクシャルな話題がいっぱい出 て来て「ああ、性からは一生離れることが出来ないんだなあ・・・」と思うのでした。西洋と日本ではまた違うのでしょうけれども。

40年前の 不倫発覚があった他にも、風呂の水出しっ放しで家が水浸しになったり、病気や痴呆が進行したりと、色々あるんですがやっぱり昔からの友人と送る共同生活は とても楽しそうです。病気だったジャンヌが亡くなった後、庭にアニー待望のプールが完成しました。冒頭で 「孫が全然遊びに来てくれないからプールを作る」と言っていましたが、元気盛りの孫たちの相手はかなり重労働。「もうヘトヘトよ」とアニー。さんさんと太 陽があたるお庭と元気な孫たちが遊ぶプール、そしてワインを片手に談笑する老人たち、なんて幸せな老後の風景なんでしょう・・・で、終わりなのかな?と 思ったら、痴呆が進んだアルベールが既に亡くなった妻のジャンヌを探しているシーンになります。

誰も何も言わずにアルベールと一緒にジャ ンヌのことを探し続けます。家を出て道を渡り、彼女がよく散歩していた公園に行き「ジャンヌ!」「ジャンヌ!」と呼んでも決して返事をしない名前を叫び続ける老人たちと青年ディルク。ジャンヌを探し続けてだんだんと画面から遠くなって行く彼らの後ろ姿に重なって、エンドクレジットが。う〜ん、と思わず唸ってしまいました。安易に「みんなで一緒に暮らしたらハッピー☆」で終わってないのが、さすがフランス映画。映画全編を通して楽しいこと、悲しいこと、切ないことが絶妙なバランスで盛り込まれていて味わい深い!ラストは切ないかもしれないけど、きっとアルベールが独りで探すより幸せなことだと思うから、ビターに見えるハッピーエンドなのかな〜、と思いました。
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