@itan-journ@l praha

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』チャラチャラして観に行ったら大ケガした映画


        



プラハで開催中の国際フィルムフェスティバルで上映されていた一本です。この映画祭、色んな国の新旧映画がなんとたったの89コルナ(@450円!!!)で観られるという、とっても太っ腹で素敵なイベント。プログラムを見て「おっ!ゴズリングの最新作が。それにブラッドリー・クーパーさんも出てる!旬なイケメンが共演、うほっ!」と食いついた訳です。

プログラムの紹介文では、バイクレーサーのゴズリングが家族のために銀行強盗に手を染めて、それを追いかける警官がブラッドリーさんだと書いてありました。うわー、超面白そう〜♪ ゴズリングはまたドライバー役なんだ。「ドライヴ」みたいな映画なのかな〜と、その程度の知識だけを持ってチャラチャラと出かけて行きましたよ。89コルナでイケメン二人の最新作、こりゃオトク☆とね・・・。

しかし・・・そんな私のチャラチャラとした気持ちは木っ端みじんに打ち砕かれました。上映後の気分は、まるで焼肉の帰りみたいに胃が重〜い。なんか胃だけじゃなくてテンションもどんよりするし、ぐったりする。帰りがけに買物でもしようと思っていたけど、そんな気分になれず直帰。劇場を出ると3月も後半だと言うのに雪が降っていました・・・。ハア・・・。とにかく静かな場所で休みたい・・・。

ネガティブなことばかり言ってしまっていますが観客の気分を変えてしまうほどに、よく出来た映画なんですよ。内容もギッチリ詰まってるし3パートに別れているので、まるで3本の映画を一気に観たかの様な満足感・・・。これで450円なんて、コスパが良過ぎて怖い!生涯稀に見るコスパのよい映画鑑賞ではないだろうか・・・。あとから「すみません、やっぱり1800円でした」って集金の人が来たら「やっぱりそうですよね、おかしいなって思ったんですよ」って残りの1,350円を払ってしまいそうですよ。とにかく密度が濃くて、なんともいえない気持ちがいっぱいに広がる映画でしたねえ・・・。ゲップ!(失礼)





※ここからネタバレしますので、まっさらなまま鑑賞したいという方は今すぐブラウザを閉じて下さい※





あらすじですが、先に述べた通りにサーカスのバイクスタントをやっているゴズリングがいて、元カノ(エヴァ・メンデスはリアルでもゴズリングの彼女!この映画で知り合ったらしい)との間に息子が生まれていたことを知るんですよ。「なんで隠してたんだよ!」と言うことで、責任を感じたゴズリングは元カノと息子のためにお金を稼ごうとします。しかし、バイクスタントの仕事だと移動もあるしそんなに稼げない(着ているTシャツもボロッボロだし)。修理工のおじさん(ベン・メンデルソン)のところに住み込みで働くことにします。しかし、この修理工のおじさんが元銀行強盗で「一緒に仕事やるか?」と誘われるんですね。

バイクスタントで培ったドライビングテクニックで、銀行強盗をして犯罪の味を知ってしまうんですよ。大金も手に入って、元カノと息子もハッピー。ヨリが戻ったかの用に見えたけど元カノには新しい彼氏がいて、その彼氏が息子のステップファザーみたいになってしまってるわけです。で、新彼氏と喧嘩(というか傷害事件)したりして刑務所に入るんですが、修理工のおじさんのお陰で釈放。おじさんにもう銀行強盗はやらないと言われ、ゴズリングは1人で強盗をやることにします。しかし協力者がいないので上手く行かずに、警察に追い詰められ死んでしまうのでした。ここまでが第一部、ゴズリング編です(勝手にパート分けしています)。

最初のゴズリング登場シーンから、もう不思議な魔力にかけられたようにグーっと画面に引き込まれてしまいます。ずーっと至近距離から背中だけ写して、メット装着のシーンでゴズリング、キター!ってなるわけなんですよ。ずーっと至近距離で写されている撫肩の後ろ姿が、サソリのスカジャンを着ていた「ドライヴ」を彷佛とさせます。

元カノとのシーンも、「色々あった末に別れた元カノなんだろうな・・・」ってのが一目でわかる。説明台詞一切ナシ!視線の演技だけでわかるんですよね。それを撮影当時、現在進行形の(と決めつけてますが)ゴズリングとエヴァ・メンデスがやるのが、く〜!役者やのう!と舌を巻いてしまうんですよ。ええカメレオンみたいに。しかしアメリカのオナゴはピッチピチのタンクトップ着用時でもノーブラなんだのう・・・。

実はゴズリングの息子を密かに生んでいた元カノ。「俺稼ぐ」と懸命になるゴズリングですが、カタギではなく銀行強盗なのが切ないです(初仕事では、違う部屋に向かいそうになってたし)。バイクで逃げるシーンは、ものすごい迫力。アクション映画ではなく人間ドラマなんだけど、アクションシーンのクオリティが高過ぎ。猛スピードのときの視野狭窄感なんか、他のアクション映画でもあまり見たことないです。まるで自分も並走しているみたい。なんか画面が走り書きした絵みたいに見えました。

家族のための犯罪を犯すし傷害事件も起こしちゃうしで、結局破滅まっしぐらに突き進んでしまったゴズリング。あーあ、死んじゃった・・・。と、ここでゴズリングを撃った警官としてブラッドリーさん登場。事がすべて終わった後の停止状態で、警官の顔をよく見るとブラッドリーさんだったという感じに撮られています。なんと、二人のイケメンは同じ画面で共演しなかったのでした。

ここから第二部、ブラッドリー編。ゴズリングに脚を撃たれて入院したブラッドリーさん。彼にもゴズリングの息子と同じくらいの赤ちゃんがいて、助かってよかったよかったという安堵のシーンから始まります。警察の上司が取り調べにやってきて「どっちが先に撃った?」と聞くんですが、「犯人が先」ということはあえて言わず、上司の言葉に沿うように自分は先に撃っていないとするブラッドリーさん。観客は現場を目撃しているのでブラッドリーさんが先だったということはみんな知っています。ほとんど同時くらいだったけど、ちょっと先だったかなくらいですが・・・。

ブラッドリーさんは世間や職場にヒーローとして迎えられますが、自分の中では少しひっかかったものを感じています。まあ、別に自分が先に撃ったって言っても正当防衛として認められると思うんですが、警官である以上、生きたままの犯人確保がベストなんでしょうね。褒められつつも「う〜ん、俺、みんなが言う程・・・ヒーローって言われる人じゃないんだ・・・よね」と違和感を感じ続けるブラッドリーさんの微妙な演技も良いです。彼の感じている居心地の悪さが、こちらにも伝わって来てこちらも「ああなあ・・・」とやりきれない気分にさせられます。

ブラッドレーさんの先輩がレイ・リオッタ(レクター博士に脳みそ食べられた人ですね)なんですが、こいつが悪い奴なんだ!もう、オープニングクレジットで”レイ・リオッタ”って出ただけで「どうせ、なんか悪さするんでしょ?」と思うくらい(笑)。オフィシャルな捜査じゃないのにエヴァ・メンデスの家にガサ入れしてゴズリングが強盗したお金を探し、仲間内で山分けするという悪徳警官っぷり。ここでゴスリングの残された息子を抱っこすることになったブラッドレーさん。不思議な運命の邂逅シーンである。「こんなお金・・・」と良心の呵責を感じたブラッドレーさんは個人的にエヴァ・メンデスにお金を返そうとするんだけど、受け取ってもらえず。思い切って上司に山分けの件を打ち明けることに。

上司にはスルーされてしまいますが、先輩レイ・リオッタが「お前、上にチクっただろ・・・」とストーカーしてくるんですよ。怖いな、怖いな〜!(稲川淳二風)人里離れた場所に行って話そうとか、マジ怖い!山の中に埋められる!思わずガンを握ってしまうブラッドリーさんの気持ち、ちょっとわかる・・・。ということで、バック急発進で正解でした。キレてるやつからは逃げるに限る!その後、証拠固めをして先輩と仲間を告発。ブラッドリーさん偉い!相当悩んだみたいだけど、もう発砲のちっぽけな嘘なんて過去のことですよ・・・と言ってあげたくなります。

そして時は流れて15年後、二人の息子編です。ブラッドリーさんのお父さんのお葬式から始まります。てっきりブラッドリーさんが亡くなったのかと思ったら、生きてました。赤ちゃんだった息子AJ(エモリー・コーエン)もふてぶてしいティーンネイジャーに成長しています。ブラッドリーさんは奥さんと離婚しており、AJを新しい学校に転校させることになりました。新しい学校でAJが友達になったのは、どことなく暗い目をした金髪の少年ジェイソン(デイン・デハーン。17歳役だけど26歳なんだって!すごい童顔だ)。あれ〜この子はもしかして・・・?私気付いちゃったんですよ!(稲川淳二風)この子が成長したゴスリングとエヴァ・メンデスの息子なんですね。

ああ、親世代は色々あったけど息子同士は友達になって終わるんだなあ〜・・・と思いきや、ここからがまた結構長い!第三部は息子同士が友達になってすぐ終わると思ったけど、このパートが一番色んなことが起きてる様な気が!つるんでドラッグをやるようになった息子二人。警察にパクられるも、AJは警察OBで議員になっているブラッドリーさんのお陰ですぐ釈放。ジェイソンは少年院送りに。少年院から出て来て、またすぐにつるみ始める二人。ジェイソンのお母さんであるエヴァ・メンデスは彼氏と結婚しており、娘がいるという設定。エヴァ・メンデスの生活に疲れ切った老け感がすごいです。髪の毛ぐちゃぐちゃで、100均みたいなバレッタってのがポイントなんだな。

「俺の父ちゃんのこと教えてくれよ!」と母に詰め寄るジェイソン。結局、養父が本当のお父さんの名前を教え、ググって事件のことを知ってしまうジェイソンなのだった。ゴスリングが死ぬ間際に電話で「俺のことは息子に言わないでくれ」的なことを言っていたので、親パートは現在よりも少し昔、ネットがない時代くらいのことなのかな?たぶん。父を撃った警官の顔と名前も知ってしまうジェイソン。そしてまた偶然にAJのお父さんがあの警官だと知ってしまうんですね。ここから暴走し始めるジェイソン。AJは甘やかされて育ってしまったバカボンっぽいんだけど、ジェイソンのグレ方はもっと本質的で純文学っぽい。西村賢太風なのである。

ジェイソンは凶行に走ってしまうのか・・・?!このまま親父の世代からの負の連鎖が続いて行くのか・・・?!と非常にヘビーな気分での見守りになりますが、最悪の自体は免れホッ・・・。ラスト、ジェイソンは盗んだバイクで走り出すのだった・・・(注:ちゃんとお金は払っていました)。嫌なことばかりあった田舎に何もかも捨てて、1人でどこかへ旅立って行くという「ゴーストワールド」的ソリューションですね。まあ、希望があるっちゃある終わり方でよかったよ、本当に・・・。

観賞後のテンションは前に述べた通りです。もうお腹いっぱいで、動くのもやっと!2時間座っていただけで、15年分の歳を取った気分である。そういえば、この映画オスカーにかすったりしてたのかな?アメリカ公開は今年みたいだから、来年の賞レースに絡んでくるのかしら??みんな熱演だったから、取り立ててどの俳優が突出しているとも言い難いので監督賞か作品賞か脚本賞にノミネートされるのでは?と思うのですが・・・。

しかし、家に帰って来てから色々調べた訳ですよ。親子二代に渡る長い話しだから原作小説とかあるの?と思ったら、監督/脚本は・・・あの”鬼畜の所行なり”でおなじみ「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督によるものでした。もう納得ですよ。観た後に、生気を吸い取られた感じになるのが似てる!!!(本作の方がずっとシリアスですが)ゴズリングはブルーバレンタインに続いての主役起用なんだ〜。ところでシアンフランス監督、目が鼻の方に寄っていて奥目ってところがなんとなくゴズリングと似ていませんか?

日本公開は5月だそうです。出来れば次の日仕事がある日曜日ではなく、土曜日に観るのがおすすめかな・・・なにせグッタリするのでね。そのあとで出来れば飲み/デザートに行くことをおすすめします。
関連記事
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。