@itan-journ@l praha

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『はなればなれに』やはりチェックのスカートが欲しくなる

         

はなればなれに [ アンナ・カリーナ ]

はなればなれに [ アンナ・カリーナ ]
価格:4,665円(税込、送料込)



アンナ・カリーナ時代のゴダール作品はほぼ観ていると思っていましたが、本作については未見でした。なんでも日本ではこれだけしばらくDVD化されてなかったようですね。もちろんファッション先行なのでカリーナの女学生ルックはもちろん知っていましたが。ダンスシーンの写真から、これも「女は女である」みたいな映画なんだろうな〜と勝手に思っていたんですが、全然違いました。

一応、これは犯罪映画なんですね(原作小説もあり)。アルチュール(クロード・ブラッスール)とフランツ(サミー・フレイ)は親友同士。ある日、二人はオディール(アンナ・カリーナ)という女学生と出会います。オディールが一緒に住んでいる親戚の家に大金が隠してあるということを知った三人は、それを盗もうとするのですが・・・という話。

オディール、アルチュール、フランツ三人のアップがパチパチと切り替わるオープニングこそポップな感じですが、モノクロだし全体的に地味だしアンナ・カリーナの服は2パターンくらいしかありません(スカートはいつも一緒)。三角関係の話ということではあるようなんですが、メンズ二人が地味だしイケメンじゃないし、ちょっと高圧的な感じなんですよ。ヒロインもいわゆる小悪魔なアンナ・カリーナじゃなくって、いつも不安そうにオドオドとしていて少し頭の足りない娘といった風。だからあんまり楽しい話じゃないんですね。なんか退屈だな〜、フランス語も高速でよくわからないし、早く終らないかな〜と思っていましたが、最後の方でドンデン返しがあって、そこはテンポもよく楽しめました。

邦題の「はなればなれに」というのは原題の意味を汲み取り結末に触れながらも、一見手に取りやすい恋愛もののように見えて秀逸です。英語では「Band Of Outsiders」と言うそうな。タランティーノ監督はこの映画のファンのようで自身の制作会社の名前はこの映画にちなんで付けられたんだとか。タラちゃんて、たまにオリーブ少女っぽいよね・・・と思うのはこんなとき。あと「パルプ・フィクション」のユマ・サーマンとトラボルタのダンスシーンもこの映画に影響されているんだとか。DVDパッケージにもなっている三人がカフェでダンスをするシーンが元ネタなんだそう。このカフェでのダンスシーンも筋とは関係ないのにものすごく長い。単純な振り付けなんですがいつまでも見ていたくなる(そして真似したくなる)不思議な魅力があります。








三人がルーブル美術館の最短見学記録に挑戦するシーンもありますが、これは「ドリーマーズ」で本作のシーンが実際に使われていました。これもおそらく、真似をする輩がわいたのではないかと・・・ルーブルの人も「またか」って感じなのかもしれませんが。

私的にはとにかく俳優がイケメンじゃないのがダメでした。アルチュールがベルモンド、フランツがブリアリで作ればよかったのに〜。しかもアルチュール役のクロード・ブラッスールなんて背も低くてイケメンでもなんでもないのに、なぜかいつも自信満々(んで優しさの欠片もなし)。しかし、美人なのにオドオドしてて自己評価が低そうなアンナ・カリーナが落ちてるという図式にはなんだか納得。しかし、アンナ・カリーナは他のゴダール作品とはまるで違うキャラクターを見事に演じていたと思います。「だって私は綺麗なんだから」と恍惚とした表情で歌っていた人と同じとは思えません。ゴダールのミューズとしての評価が先に来がちですが、意外と演技派だったんだなあと思った次第です。

とりあえず今回もカリーナの衣装であるタータンチェックのキルトスカートを買いに行きたくなります。映画はモノクロだから色はわかりませんが赤を貴重にしたスカートなんじゃないかと思いますね。クルーネックのセーターを着て、タイツを履いてフラットシューズを履く。アウターはピーコートですよ。この格好!働き始めたころにしてました、してました。映画は観たことなかったのにファッションではガッツリと影響を受けていたので日本におけるゴダール・ミューズの影響力、恐るべしですよ。渋谷パルコのスナオ・クワハラで大胆にアレンジされたタータンチェックのスカートを買ったんですよ。たしか3万円くらいだったかな〜、高かった・・・。その後スカートを全く履かなくなったので売っちゃうか友達にあげるかしたんですけど、取っておけばよかったなあと思うのでした。



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『グリーン・インフェルノ』洗練された2010年代の食人族たち

                         

グリーン・インフェルノ[DVD] / 洋画

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価格:3,652円(税込、送料別)



本作を観たあとで本家の「食人族」を鑑賞しましたが、あまりに「食人族」のインパクトが強過ぎた為にそちらの感想を先にアップした次第です。いや~、インスパイア元のが荒削りな分インパクトが強かったんですが、「グリーン・インフェルノ」は「食人族 2013」(制作年は2年も前!)という感じで随分とモダンになりソフィスティケートされている感じです。インスパイア元の食人族の皆さんは結構フレンドリーなので、よそ者と一緒に水浴びもするし、宴席にも呼ぶし、悪ささえしなけりゃ取って食ったりしないまっとうな食人族なんですが、「グリーン・インフェルノ」の食人族さんたちはもう最初から食う気満々。悲しいかなこの30年あまりで彼らは随分と変化してしまったようです。

監督は「ホステル」シリーズで有名になったイーライ・ロス監督。タランティーノ監督の舎弟っぽい感じなんでしょうか。主演女優のロレンツァ・イッツォ(友人Iは柴崎コウに似ていると証言)とロス監督は実生活で夫婦ということで、ミューズ女優と監督の公私ともに幸せなマリアージュなんだのう・・・と心がホッコリと温まります。まるで、ホラー映画界のゴダールとアンナ・カリーナですね。

あらすじは至極単純。南米のジャングルを開発する大企業への反対活動をする学生たちからなる活動グループが、現地で反対運動を行いそれをスマホで録画して世界に発信。俺たちの主張が世界に広まった!と喜び祝杯をあげる学生たちですが、帰りに乗った小型飛行機がジャングルのど真ん中で墜落。そこは食人族たちがウヨウヨいる場所だったのでした・・・ということで、エコで意識高い系の学生たちが一人また一人と食人族に食べられる話です。

もともとSNSを中心に拡散し、ワンクリックで社会的な運動に支持を表明できるお手軽なソーシャルジャスティスなムーブメントに疑問を持っていたというロス監督。「ソーシャルジャスティスを振りかざすウザい奴らは食人族に喰われればいんじゃね?」といったところがベースにあったようです。自然破壊からジャングルを守ろう、そしてそこに暮らすネイティブたちを助けよう!と立ち上がって行動する若者達の志は素晴らしいですが、善意で行ったのにもかかわらず逆にそのネイティブたちから喰われてしまう・・・というパンチの効きすぎたブラックコメディーのような展開がたまりません。

学生たちということなんですが、全体的にみんな老けてるんですよね。ヒロインのジャスティンを演じるロレンツァ・イッツォはまだフレッシュな感じなんですが、学生運動家のカリスマであるアレハンドロ(アリエル・レヴィ)は一体何年留年してるんじゃ!という感じ。カリスマ具合もちょっと足りないかも。その彼女カーラ(イグナシア・アラマンド)も性悪そうな顔がたまりません が、結構なオバさんに見えます。その他の学生も女子はまだ若そうに見えますが男子は普通にオッサンっぽい感じ。なのであんまりチャラチャラしてないんですよ。ここがとっても惜しいところ。学生たちの描き方が、それこそ活動している自分たち自身に酔ってる上辺だけのエコロジー・シンパで、SNSを使って意識高い系な主張を発信!トレンドに乗ってバズって世界を変えようぜ!みたいな広告業界志望のいけ好かないリア充野郎ばっかりだったら、喰われてもメシウマなんですがねえ・・・。そこらへんは強調して描かれてないのが残念でした。

そういえば「ホステル」はバカなバックパッカーの下心を利用したスラブ美女による血祭りが待っていましたが、今回も構造的には似ています。南米のジャングルを守ろうぜ!な学生グループが現地に行ってネイティブに喰われるんですからね。こういう思慮の浅い若者が旅先で大失敗というパターンの映画は、今後も角度を変えて色々と作れそうな気がしますね。








※ネタバレします。



ヒロインのジャスティンはいたって普通の女の子。彼女自身は結構真面目にエコ問題に取り組んでいるんですよ。しかしお父さん(リチャード・バージ)が国連の弁護士をしている為、学生運動グループに利用価値があると思われているんですね。この弁護士のお父さん、どっかで見覚えがと思ったら「ホステル2」でエリート・ハンティングクラブのメンバーのアメリカ人富豪をやってた人じゃないですか。まさか役名同じだったりしないよね?とちょっと心配してしまいましたが(笑)。ヒロインには家族からもらった思い出のネックレス(笛付き)があり、それをジャングルに持って行くんですが、これが後々彼女を助けるアイテムになるのです。親からもらったものはたとえダサくても趣味に合わなくても大切にせなアカン・・・というメッセージを感じたりして。

飛行機が落ちた後で、真っ赤にボディペインティングした食人族の村に連れて行かれる学生たち。食材の大量入荷にテンション上がった食人族からもみくちゃにされて恐怖のズンドコに ・・・という場面は宣伝写真でよく使われています。食人族がペタペタと彼らに触るんですが、これは肉付きをチェックしているんだとか。全員、オリみたいなケージの中に閉じ込められるんですが、まず喰われるのが一番デブだった人(まあ合理的な順番だわな)。目玉と舌をオードブルにされ、あっという間に解体され大きな石釜のようなものでローストされるのでした。食人族のみなさんが血みどろになった人肉を見て「たまらんな」と舌なめずりしてるんですが、これは美味しくグリルされたステーキやマグロの解体ショーを目の当たりにした私達の反応と同じですよね。食べてるものが人か動物かってだけで・・・。だから「なんて野蛮で恐ろしいのか・・・」というふうにはあまりなりませんでしたね。所変われば食も変わる、ですな。

解体グロ描写はもうギャグへ昇華されているような感じでしたね。一応臓器系も腹から取り出されるんですけど、私もだいぶ免疫がついたせいであまり引きません。モツは栄養たっぷりだからそりゃ食べるよなあ・・・という感じですよ。腹の中身で引いたのはやっぱり「冷たい熱帯魚」ですね(食人映画の識者である高橋ヨシキさんがこの脚本に携わっているのですが、やはり「食人族」の影響を少なからず受けているのかなあ)。あれは日本の地方の話だったので南米のジャングルよりは身近な分、ド肝を抜かれましたよ。

食人族はほぼ「人類創世」的な原始時代の生活をしているんですけど、えらい切れ味のいい刃物をもっているんだなあ、と妙なところが引っかかりました。ジャスティンと心を通わせる食人族の子供をはじめとして男子は前髪パッツンだし、人間の四肢があっという間に解体されるし。現代の技術大国日本が舞台の「冷たい熱帯魚」でも解体は結構大変そうでしたから。最後の方は刃物ぽいツールを一切使わずに人間がダイレクトにむしゃぶりつかれて食べられていたので、なんか雑だなあ・・・と笑ってしまいましたよ。

さて一人一人食べられる運命になった学生たちですが、女子だけオリから出されて連れて行かれ、酋長が動物のツノみたいなものを差し込んで処女かどうかをチェックされるんですよ。処女なのはヒロインのジャスティンだけだったので、彼女だけが特別なボディペインティングを施されてオリに帰されます。安心して下さい、ジャスティンは助かりますよ!処女であるということはジャスティンが助かるフラグ。伝統的なホラー映画のルールでは汚れのない処女だけが難を逃れることが出来るのです。逆に言えば、劇中でエロい目に合った人は絶対に死にます。そう考えるとやっぱりホラーってオタクや非リア充と親和性のあるジャンルなんだなあ~と思わずにいられません(笑)。

エコ活動リーダーのアレハンドロがオリの中で白状するに、実はこのエコ活動はでっちあげだったのです。現地コーディネーターで彼の友人のカルロス(飛行機墜落で死亡)が、森林伐採している会社と敵対する別会社の回し者で、アレハンドロにお金を払って偽のエコ活動を先導させていたのでした。やっぱり、アレハンドロはな~んかクセモノっぽいと思ってたんですよね。しかも彼はオリの中で自慰行為をし出すし(ストレス解消のため)、もう最悪なんですよ。はやく喰われろ!と思うのですが、なんと彼は最後まで生き残り、続編の橋渡しにもなる・・・?という展開になるのでした。

処女であるジャスティンはもう一度別のボディペインティングをされ割礼の儀式をされかけるのですが、ちょうどその時に森林伐採が食人族の村の近くまで来て食人族は臨戦態勢になったおかげで逃れることができます。ジャスティンがされているボディペインティングは身体をまっ白くしたもので、麻袋のようなもので胸と下をビキニのように隠し、目の部分に赤いペインティングをした、なんだか呪術的なものなんですね。しかしその格好をしてジャングルをかけるジャスティンが実に美しく見えるんですよ。その衣装とメイクもエキゾチックな彼女にすごく似合ってるし、ピンチになればなるほどなぜか輝きを増すというこのヒロイン力。もちろん女優の力量もあるのでしょうが、やっぱり監督に愛されているから綺麗に撮れているのかなあ~などと思いましたね。心温まる話ですね(ヨシキさん風)。

最後の方はジャスティンが食人族の子供の助けを得てジャングルから無事に逃げ果せることが出来るのか・・・というサスペンスフルな作りになってました。オリに閉じ込められたアレハンドロが出してくれとジャスティンに乞うのですが、それを振り切って逃げるんですね。そして彼女は飛行機事故現場から持って来たスマホ(アレハンドロの彼女のもの)で、森林伐採の作業員に「アンタたちの所業、このカメラで撮って流してるわよ!」と威嚇して計らずも当初のエコ運動の目的を果たすことになるのでした。

無事にニューヨークに戻り、お父さんを含む国連の人に何があったのか話すジャスティン。彼女だけが飛行機事故で助かり、ネイティブの助けを受けてジャングルから出ることが出来たと嘘をつくのでした。大学では再び、エコ運動のムーブメントが起こっています。彼らのTシャツにはアレハンドロの顔がプリントされていました。アレハンドロは死してなおカリスマ性を発揮しているようです。しかし前述した通り、アレハンドロは生き残っているのでした。GPSで撮られた映像を拡大してみると彼らしき男が映っていた、と彼の妹からジャスティンに連絡があって映画が終ります。うおー、何それ?次作はリベンジに燃えるアレハンドロに追いかけられるのでしょうか?バイヤー!

ハムスターおじさんこと平山夢明センセイは本作を観て「『食人族』は立石とか北千住の人食い屋という感じだけど、これは銀座あたりまで出てきた感じ」とコメントされていますが、本当に頷けます。なんかやっぱりインスパイア元と比べるとえらく洗練されてるんですよね。動物殺して食べてないからでしょうか。カメ・・・。「食人族」の衣装は腰ミノオンリーで小汚かったけど「グリーン・インフェルノ」の酋長やリーダー格の人のメイクも衣装も、劇映画らしくとてもよく作られていますし。赤いボディペインティングの塗料も発色綺麗で画面映えするし、なんかお肌にも低刺激そうでしたよ。とにかく有名監督の劇映画らしく洗練されちゃってるんですよ。ロス監督の情熱と心意気は非常に買いますが、やっぱりインスパイア元の荒々しい迫力を越えることは出来なかったという感じなのです。インターネットがないので情報を検索することも出来ず、ジャングル部分がリアルの映像だと言われ人々をトラウマに陥れた旧作とは34年という大きな隔たりが。まさに隔世の感。現在ではもう作ることの出来なくなった「食人族」のような荒削りで迫力のある映画を求めて、年末年始はモンド映画漬けになりそうな予感・・・。

『食人族』食カメの方がショッキング

          



映画の感想文はいつも観た順に書いています。「グリーン・インフェルノ」を観て面白かったので元祖の「食人族」を観たのですが、あまりに「食人族」のインパクトが強過ぎた為、今回はこちらから先に感想を書こうと思います。「女は女である」の次が「食人族」というこの変化に富んだチョイス、ちょっと凄いなと思いますが、興味があればどんな映画もバッチコイ!という拙ブログのカラーみたいなものをよく表しているんじゃないか・・・?と独りごちるのでした。

いや~、凄かった。モンド映画とかは全然観たことがなかったので、筆者にとっては実に強烈な一撃となった映画でした。この映画の映像自体はチラッと見たことあったんですね。もちろんテレビで放映できるシーンに限ってなんですが、高橋ヨシキさんが「ニッポンダンディ」でやってた映画コーナーでよく出て来るんですよ。その度に司会の関谷アナが「またこれ・・・」というリアクションを取るのがお約束になっている感じなんですよね(「エクソシスト」と「死霊のはらわた」とチャッキー映画も頻出)。「E.T.」と同じ時期に封切りだったらしいんですが、E.T.を観ることができなかった人々が食人族に流れ、これもヒットの一助となったそうなんですが・・・(笑)。これ子供は観ちゃダメですよ。大人でもメンタルがデリケートな人も無理だと思います。確実にトラウマになります。



※ネタバレします。



高層ビルが林立し、多くの人々が行き交うニュー ヨークの街。南米のジャングル奥深くにいるという食人族のドキュメンタリーを撮りに行ったクルーがもう二ヶ月も消息を絶ったままだというTVレポートが流れます。彼らを見つける為に、人類学者のモンロー教授(ロバート・カーマン)は現地に飛ぶのでした。現地ではたまたま食人族の若者が捕虜になっており、その捕虜を連れてローカルの手練なガイドのチャコとそのアシスタントのミゲルと一緒にジャングル「インフェルノ・ヴェルデ(スペイン語で「緑の地獄」)」へ分け入ります。

ジャングルではクルーの遺留品や骨が見つかり、生存はほぼ絶望的な状態。「あ~、こいつらも喰われちゃうんだろうな~」といつ食人シーンが来るのか今か今かと待ちますが、いっこうにその気配はありません。食人族が何らかの罪を犯したと思われる同部族の女性を暴行し罰を与えているシーンはありましたが、グロ描写はほぼゼロ。それに喰われるどころか、モンロー教授は食人族の女性にモテモテだし、宴席に呼ばれて正体不明の酒(木工用ボンドみたいなネバネバしたテクスチャーで、食人族の女性が一旦口に入れてもどした製法のもの)を振る舞われたりしています。この後で、酋長の怒りに触れておかずになっちゃうんだろうかと思いきや、彼らの村でクルーのフィルムを見つけた教授はそれを持ち帰りジャングルを後にするのでした。最後に出て来た白塗りの部族は「人類創世」を思い出しましたね。あの映画はこのままだと筆者の今年ベスト1になりそうです。

再びニューヨーク。あれ~、妙~に変だな~。だって教授喰われないで文明社会に戻って来てるじゃない!と思いきや、そのフィルムを再生してみると、そこには世にもおぞましい映像が記録されていたのでした・・・ということだったのです。なるほどね!テレビ局も絡んで来て、そのフィルムを放送しようということになるんですが、まずはフィルムの中身を見てみないとということで、関係者が試写室に集められます。トラウマ作りに一役買ってるのが音楽ですね。関係者が見ているフィルムはもちろん未加工なのでバックミュージックなしなんですが、おぞましいシーンになるとなんとも形容し難い奇妙な音楽が入るんですよ。♪ポヨ~ン、ポウ~ン♪みたいな音のする電子パーカッションみたいな楽器、あれは何なんでしょうね。80年代のポップスとかで結構使われているような気がしますが。

まず、このクルーたちも相当変な人達なんですね。最初は冒険好きな映像関係の人々って感じかと思ってたんですが、なんかヒッピーが怖い方向にくずれちゃったというか。特に紅一点の女性フェイ(フランチェスカ・キアルディ)が怖いんですよ。男の中で裸になることもまるで平気だし、目が座っててヤバい感じのする女の人で、あ~この人はどんな風に喰われちゃうんだろうかと怖くなりました。

さてジャングル入りしたクルーなんですが、食べるものがないので食材を現地調達するするしかないんですね。動物を捕まえて食べることになるんですが・・・。筆者は明らかにフィクションである食人シーンよりも動物をさばくシーンのほうが強烈でしたね。だってこれはガチでリアルなんですよ!特に度肝を抜かれたのがでかいカメをさばくシーンです。まずは暴れるカメの首を落として、その後四本の足をカット(もちろん切った後も動いていたりする!)。裏かえしにしたカメの胴体にナタを入れて、身を取るんですがグチャグチャになってる中身がグロい!!!!カメの体の構造はよく知らないんですが、なんかフライパンに落としたばかりの溶き卵みたいにドロロ ~ンってしてるんですよ!!!!これが筆者には衝撃でした。その後でなんか胃腸とか臓器みたいなのも中から取り出してたみたいだけど、ううう・・・。しかしスッポンって食べるじゃないですか(筆者は未経験)。それの大きさが違うだけって気もするんですが、生きているものを殺めてその命を頂くという行為を目の当たりにして、スーパーでパックになっているお肉を買うだけの現代人である筆者は・・・もう尻小玉を抜かれたような気分になったのでした。

あとは食人族が小猿を捕まえて、クワで脳天をパッカーンと割るシーンですね。恐らく脳みそを食べるためかと思うんですが、一ミリの躊躇もなくパッカーンと割ってるのに衝撃を受けました。猿の脳みそ料理といえば「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」ですが、しゃれこうべの目や鼻の空洞から蠢くゲジゲジや虫が出て来るという描写なんかも、本作から影響を受けていたのかもしれませんね。

クルーたちは実は「ヤラせ」の常習犯で、部族間の抗争に見せかけるために食人族の村に火を放ったりしていたのでした。ああ、コイツら喰われてもしょうがない奴らなんだな・・・というわけです。クルーたちに感じた違和感がやっぱり正しかったと思う訳なんですよ。しかも部族の少女を捕まえて数人がかりで強姦したりして、それもフィルムに収められているんですよ。その後、その少女は串刺しにされて野ざらしにされるのでした(それがDVDパッケージの写真)。恐らくモンロー教授が見た食人族の女性への折檻シーンが伏線になってるんでしょうか。食人族に結婚?という概念があるかどうかわかりませんが、定められた相手や部外者と関係を持った女は死刑みたいな。

お腹を裂かれてドロドロのカメとか、脳天割られたサルとか、輪姦された少女とか、毒蛇に噛まれて助けるために足切断されるも死んじゃうガイドとか、生まれてすぐに泥の中に沈められる食人族の赤ん坊とか(口減らしのため?ならいっそのこと食べればいいのに・・・と思ってしまった)、胸くそ悪い映像がてんこ盛りで、胃のあたりが妙に重くなるんですね。試写室にいる関係者も「・・・・・」とヘビーな空気に包まれます(しかし誰一人として目をそらしたり吐いたりしてないのが凄いな)。最終的には食人族の怒りをかったクルーが全員彼らに残酷な方法で殺されて食べられるというオチです。紅一点のフェイはリベンジのために食人族に強姦されたり、首を切られたり内蔵が出たり・・・。

映像をすべて観た後、テレビ局の重役が電話をつかみ「このフィルムはすべて破棄するように」と告げるのでした。モンロー教授はテレビ局を後にしながらモノローグします。「本当に野蛮なのは彼らなのだろうか、私達なのだろうか・・・?」と・・・。そしてピースフルな「食人族のテーマ」が流れてENDです。

いや~、久々にボディーブローをくらったような強烈な映画でした。食人、動物殺害、強姦とゲテモノ、エログロ要素がふんだんに盛り込まれ、昭和の祭りの見世物小屋的イロモノ映画ですが、最後の教授のモノローグがビシっと作品を締めてましたね。そもそも彼らに危害を加えていない教授はもてなされて無事に帰って来ることが出来たんだから、食人族はそんなに悪い人達じゃないんですよ。センセーショナルな映像を撮ろうとしたクルーたちの自業自得なわけで・・・。完全に自爆なのでした。

Wikipediaを見ると、興味深い撮影秘話が書いてありますがWikiなので真偽の程は定かではありません。でも動物を殺すシーンで俳優が泣いたとか吐いたとか、壮絶だったであろうプロダクションの状況が伺えます。そりゃ普通の神経を持っている人間だったらそうなりますよね。俳優達はデオダート監督のことを冷血だと評したそうで、これもまあそうなるでしょう。

リリース後は当然ながら賛否両論を巻き起こしました。劇中のフィルムの中で本当に人が死んでいると報じるメディアが出て来たせいで、スナッフ・フィルム(商業流通のために録画された殺人が入っている映像)だという噂がたち、俳優が宣伝のためにメディア露出しなかったせいでこの噂が信憑性をおびて一人歩きしました(実際には契約上で禁止されていた為に俳優のメディア露出がなかったそう)。この禁止も宣伝効果を狙ったものだったようで、よ〜く考えてありますですね〜。DVDパッケージにもなっている串刺しの女も本当に殺されているという噂がありましたが、監督がテレビ出演し串刺しの視覚効果のトリックを語ったそうです(鉄のポールの上に自転車サドルを設置して女優を座らせ、女優の口に木をくわえさせたそうな)。

まあ人間の殺人シーンはフェイクなんですが、動物殺害シーンは全部リアルなので動物愛護先進国のイギリスでは2001年まで観ることが出来なかったそうです。撮影の為に殺された動物は現地スタッフが美味しく頂いたそうですが。まあしかし、動物を捕まえて殺し解体して食べるということはアマゾンの動物だけがやられてるわけじゃなく、先進国で食用に飼われている動物や魚も同じじゃないですか。動物を殺して食べること自体が業を持った行為であると言えるんじゃないでしょうかね。そのように考えると、動物愛護の観点からベジタリアンになる人の気持ちが少しわかる映画でもあるのでした。もし自分がジャングルにいたら動物が殺せないだろうと思うので(肉を食べたくても殺してさばく度胸がないから)必然的にベジタリアンになってしまうんじゃないだろうか?とも思いましたね。

グロテスクさのせいで有名な映画ではありますが殺生して食べる行為と向き合うきっかけにもなる、意外とまっとうなテーマがコアにあるんじゃないかという気がしました。本作にインスパイアされた「グリーン・インフェルノ」は、食人族から逃げられるのか?というサスペンス要素が強くて、グロさと問題提起が薄まっている感じですね。次はこちらの感想文を書きます。

余談:カメの甲羅の中身ってどうなってるの?と気になって調べて観ました。カメの甲羅は固くなった皮膚と同じなので、中身はやはり臓器が入っているそうです。つるんと甲羅を取ったらトカゲみたいなカメの本体が出て来ると思ったら、違いました(笑)。カメを食べると言えば、スッポンの他にも亀ゼリーというものがありますね。亀の甲羅を粉末にした漢方薬が入っているゼリーですよ。これなら筆者も食べ たことがあります。コーヒーゼリーのような色をしていて、味がないので甘いシロップをかけて食べるんですよね。別段美味しくはないけど、体には良さそうな感じでした。英語ではタートルジェリーじゃなくて、ハーバルジェリーって言うそうです。これはちょっとぼかした言い方ですね。



            

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