@itan-journ@l praha

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『女は女である』赤いカーディガンを買いに・・・

         



プラハで今年も開催されたフランス映画祭。今年は雑誌ELLEのセレクションによるディオールのドキュメンタリーやゴダールやトリュフォーの作品なども上映されていました。もちろん筆者も「気狂いピエロ」と「突然炎のごとく」の上映日に印をつけていたのですが、チケットを買う前に用事が入ったため断念しました。そんなとき、プラハ先輩から名画座でゴダールの特集をやっていると聞いてチェックすると・・・「女は女である」の上映が!ヤベッ・・・観に行かなきゃ、と思い日付を見ると昨日だったんですね。あーあ・・・最近名画座にアンテナ張ってなかったからなーアハハ・・・とガッカリした ものの、某動画サイトでフルムービーが上がっているではありませんか。

この映画もフランスかぶれ初期に観たんですね。99年はヌーヴェル・ヴァーグ40周年で回顧上映も多かったのですが、これは友達から借りたDVDで観たんだと思います。最初は映画そのものに興味があったわけではなく60年代の洋服や雰囲気を観たくて鑑賞していたんですよね。60年代ファッション映画だとヘプバーンとかもそうなんですが、ジバンシイなんかはあまりにもハイモード過ぎる。ヌーヴェル・ヴァーグ映画の女優が着ている衣装の方が参考になるんですよ。関連本などを読んで得た知識ですが、そもそもお金のない映画好きな若者が自由なフィーリングで映画を作ったというムーブメントだったので、衣装にもお金 がかかってないそうなんですね(モノプリという今もある安いスーパーで調達したりしていたらしい)。 なのにセンスがいいのでこんなにお洒落に見える!お金かかってないけど頭を使ってお洒落、超クール!と筆者の琴線に触れまくったのでした。

本作はゴダール作品の中で一番わかりやすくてハッピーな話なのでとっつきやすいし、なによる主演女優アンナ・カリーナ(当時ゴダールと結婚していた)が驚愕のキュートさ。少女漫画から飛び出て来た様な外見をしているんです。彼女の着ている赤いカーディガンが欲しくなること必至!そういえば筆者はこれを観た後でアニエスベーに行って、赤いカーディガンを買ったのだった・・・。あとカリーナが着用しているカラータイツも欲しくなるんですよ。真っ赤や真っ青のカラータイツが!でも当時はそんなはっちゃけた色のタイツあんまり売ってなかったん ですよね。そもそも目立つ色のカラータイツというのは如実に脚の形を表すものなので、脚が長くて細くないとヘンテコになる恐ろしいものだったのでした。


日本版DVDのCM






ゴダールのモノローグによる予告編





※今回はネタバレなしです。



パリの下町で仲良く暮らしているキャバレーの踊り子アンジェラ(アンナ・カリーナ)と書店で働くエミール(ジャン・クロード・ブリアリ)のカップル。ある日、アンジェラは子供が欲しくなりエミールに子作り宣言します。しかしエミールはまだその気がない様子。今すぐ子供が欲しい!とダダをこねるアンジェラに、エミールは駐車違反切符係のアルフレッド(ジャン・ポール・ベルモンド)と子供を作れば?と言います。この三角関係はどういう結末に?というお気楽なお話です。

んもーアンナ・カリーナがビックリするほど可愛いです。初見のときはファッションに目を奪われがちでしたが、本当にお人形さんみたいに可愛くて 度肝を抜かれました。柔らかくカール した髪、卵形の輪郭、大きな目、通った鼻筋、バランスのとれた口、スラリとした肢体、可愛らしい声(デンマーク出身なのでフランス語の発音が少し違う)、そしてコケットリーでわがままな雰囲気・・・ああ、私は彼女になりたい!なのである。この映画はゴダールが嫁を見せびらかすために作ったと言っても過言ではないのではないでしょうか。まるで新妻へのラブレターなのである。

キャバレーのダンサーなので、水兵さんの格好をして歌い踊るシーンがあります。「あたしは良い子ちゃんじゃないし、冷たい女。でもそれでもいいの。だってあたしはとっても綺麗なんだから」・・・この歌の歌詞がこれ以上ないくらいにハマっています。赤や青のスポットライトを浴びてうっとりとした表情のアンナ。映画史に残る名シーンだと思います。一応ストリップする踊り子なんですが、下着にはなるものの裸の彼女は映らないんですね(踊り子Aみたいな役名が付いてそうな人は脱いでる)。そこもゴダールによる嫁見せびらかし映画だと思う所以です。

彼氏役がブリアリで浮気相手がベルモンド(二人は友達)というこの布陣も完璧ですね。三人がアパルトマンでああでもない、こうでもないと話すシーンがあるんですが、男二人に背を向けたカリーナが「どうしようかな」みたいな表情で微笑んでる顔をします(上の動画キャプチャーですね)。この一瞬のシーンがポスターになり、DVDを貸してくれた友人のワンルームに貼られていました。この二人に挟まれたカリーナなんですが、実はブリアリとベルモンドが二人でコソコソ話をして笑うシーンがあるんですね。ここで私の腐女子アンテナ(低性能ですが )がピクリ。こっちはこっちでアリだな!みたいな感じですよ。

ヌーヴェル・ヴァーグっぽいな、と思うのは役者がフィクションの壁を軽々と乗り越えてこちらに語りかけてくるところでしょうか。カリーナとブリアリが観客に挨拶したり、ベルモンドがニーッとこちらに微笑んだりします。時空を超えて本当に彼らからこっち側が見えてるみたいに感じてドキッとするんですよね。途端にミュージカル・コメディーに出たいの!と言う即興的なシーンもヌーヴェル・ヴァーグっぽい。遊び心がニクいんですよ。初見時の筆者はこういう映画を今までに観たことがなかったので「なにこれ、こんなのアリなの?なんかすごく新鮮!」とビックリしたものでした。

あとは画面構成がすごくお洒落だということ。ゴダール 作品はどれもグラフィックが優れていることで有名ですが、赤(カリーナのカーディガン、ランプシェード)が効果的に使われていたり、画面にト書きのような説明がランダムな順番で出たり(またフランス語だからオサレ!)・・・。カリーナのカーディガンは後ろ前にしてセーター風にも着てましたね。こんな小技も光ってますよ。あと筆者が「んん?」と思ったのは台所の天井に物干しが収納されていること。カーテンみたいに紐を引くとケージみたいになってる物干しが降りて来るんですよ。こりゃあ便利!

アンジェラの友人がトリュフォーの「ピアニストを撃て」のことを思わせるジェスチャーをしたり、バーにジャンヌ・モローがいてベルモンドに「(突然炎のごとくの)ジュールとジムは元気? 」と聞かれ「モデラート(「雨のしのび逢い」の原題で「まあまあ」の意)」と答えたり、内輪ネタもいっぱい入ってます。もちろん私は解説書を読んで知りましたが(笑)。やがて決別するゴダールとトリュフォーの蜜月時代でもあったのだなあと、ちょっと切なくなります。まあカリーナとゴダールも後に離婚するんですが(監督と主演女優のコンビでその後も映画は撮っている)、この映画は実に幸せなムードに満ちあふれていて観ているこっちもな~んか、くすぐったくってホクホクとした気分になれるんですね。ラストで「FIN」が出る方法もお茶目だし、本当にコジャレタ映画です。とりあえず、また赤いセーターかカーディガンを買おう、と思った筆者なのでした。


               


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『出発』童貞からの出発

       



この映画を初めて観たのは日本公開の99年だったと思います。この年はヌーヴェルヴァーグが誕生して40年ということで回顧上映が多く、ちょうどフランスにかぶれてきた筆者は頑張って色々な名作を観に行ったものです。厳密に言うとこの映画はポーランド人監督によるベルギー映画であるのですが、ヌーヴェル・ヴァーグの影響を受けている映画だし、主演がジャン・ピエール・レオーだったので観に行ったんだと思います。監督したのはポーランド出身のイェジー・スコリモフスキで、近年では英語圏の映画で俳優としても活躍しています(なんとマーベル映画「アベンジャーズ」にもカメオで出ていたりする!)。

初めて観たときに「オサレな映画☆」と思ってパンフレットも買い求め(オレンジ色で縦長の変形版だった。今も実家にあるはず)その後サントラを買いよく聴いてましたよ。しか~し、今大人になって改めて本作を鑑賞してみると、私はこの映画を真に理解していなかった(出来てなかった)ということがよーくわかりました。雰囲気と音楽がお洒落な青春映画って記憶しかないけど、これは本当に子供のようだった童貞くんがまさに童貞からの「出発」をするという真に甘酸っぱい話だったのです。私も劇中のレオと同世代だったんですが、そういうデリカテスがホント全然わかってなかったんですね。

本編からの動画。閉まった後の車の展示場での幻想的なシーン。歌はクリスチアーヌ・ルグラ ン(「シェルブールの雨傘」な どで有名な作曲家、ミシェル・ルグランのお姉さん)




動画を見ただけでも、この映画の持つ独特なムードが伝わったかと思います。この動画ではセリフがないんですが、ジャン・ピエール・レオーがうるさいくらいに話すんで、コレだけ見て「あら可愛い男の子ね」と思うのは早計なのです。

マルク(ジャン・ピエール・レオー)は美容師見習いの男の子。彼は車に取り憑かれていて、レーサーになることを夢見ています。美容院のオーナー所有のポルシェでレースに出場することにしたマルクですが(もちろんオーナーが留守のときにコッソリ借りようと思っていた)、オーナーがそのポルシェでバカンスに出かけてしまいます。もうポルシェで出場登録してしまったので、なんとしてもポルシェを借りなければならず、マルクはあの手この手でポルシェを手 に入れようとします。そんなときウィッグを届けにいった先で出会ったミシェル(カトリーヌ・イザベル・デュポール)に一目惚れをしたマルク。ミシェルと一緒に車を手に入れようとしますが・・・というお話です。

この映画はもうジャン・ピエール・レオーのフレッシュな魅力に尽きるんですが、この当時だとトリュフォー映画のアントワーヌ・・・地に足がついていないナイーブだが憎めない青年というキャラクターが固定されていて、ああまたそういう役なんだなーって思うんですが(とっくりセーターを着るオープニングからも)、ちゃんと演じ分けが出来てるのが凄いです。一見アントワーヌっぽいけど、違う人にちゃんと見えるんですよね。あと素晴らしいのがアップになったときの顔の演技。偶然に行ったアパルトマンでミシェル に初めて出会ったシーンとか、バイクに乗って後ろのミシェルを見つめるシーンとか、ラストシーンのアップとかどれも素晴らしいですね。表情を見てるだけでジワ~っと伝わって来るものがある。さすがなんですよ。顔の演技で言ったら、有閑マダムにフェラ◯オされるシーンのドギマギした顔もよかったですね(しかし、当時の筆者はコレが何を意味してるかイマイチよくわかってなかったのだ)。それ以外のシーンはわめいたり喧嘩したりしててうるさいんですが、ふと見せる繊細な演技が本当にいいんですよ。さすがヌーヴェル・ヴァーグの天才児。

オープニングシーンもカッコイイんです。闇を切り裂いて疾走する車にクリストフ・コメダ(「水の中のナイフ」「ローズマリーの赤ちゃん」などの映画音楽を手掛けたポーランドのジャズ ・ピアニスト)のジャズが被さって、超クール。スピード狂な感じがビンビン伝わって来るんですね。街中でのロケを多用した作りや即興っぽい演出、割れた鏡が巻き戻されて元通りになったりと、ここらへんはヌーヴェル・ヴァーグっぽい感じがします。車を手に入れようと奮闘するシーンはスラップスティック・コメディ調で、Wikiによるとチャップリンやバスター・キートンへのオマージュも見られるそうな。

早稲田松竹で「出発」含むスコリモフスキ作品のリバイバル上映があるようです。ご興味あるかたは是非。

※以下、ネタバレします。



レオー演じるマルクはミシェルちゃんと車の展示場に行き、閉店ギリギリまでいてトランクの中に隠れます。女の子と一緒に狭いトランクの中に隠れているのに、何も起こらない。そもそも何か盗めるものはないかと思って潜り込んだわけですが、ミシェルちゃんに「ねえ、これからどうするの ?」と言われても何もすることが出来ないんですね。その後、二人は車から出て上にYouTubeで貼付けたシーンになります。結局、パトロンヌを探すことにしたマルクは美容院の客のマダム(ジャクリーヌ・ビール)のところへ行き、援助を頼むのですがドライブした車の中で熟女にフェラチ◯されて怖じ気づき逃げて来るのでした。その間もミシェルはどこかで待っていたので、もう彼女はマルクのことが好きなんじゃないかと思うんですが(そもそも期限までにポルシェをなんとか調達するなんてバカげたことに付き合ってる時点でって話ですが)、それでもマルクは行かないんですよ。

二人は閉まっている夜の美容院に行き、そこでマルクはミシェルをシャンプー台に案内します。そこで顔と顔が近づき、ミ シェルはマルクにキスするんですが、それでも マルクは行かない。なんなの?!と思うじゃないですか。こんなに女子の方からグイグイ来てるのに、なぜ行かぬ?!さては、おぬし童貞だな?と思う訳ですよ。するとそこにオーナーが帰って来て、首尾よく車を借りられるということになるのでした。


二人はレース会場の近くのホテルに泊まることにします。マルクは女の子のかつらを被って変装し、女子二人連れということで泊まるんですが60年代のベルギーは、まだ未婚の男女が同宿するのははばかられる感じだったんですかね。この映画で今回私が一番心に響いたセリフが、ホテルのババアの一言。二人を部屋に案内したババアは「若さなんて、あっという間に消えていくんじゃ」みたいなことを誰に向けででもなく言うんですよ。しかも二回も 。初回鑑賞時に学生だった私はまったくこのセリフを覚えていませんが、今はもう響きまくり。本当に恐ろしい真実のセリフでした(笑)。

さて部屋に入った二人ですが、マルクは相変わらずぎこちない雰囲気のままです。ベッドはミシェルに譲り、床に寝るマルク。するとミシェルが持って来たスライドをプロジェクターで映します。ミシェルは子供時代にモデルをしていて、そのときの写真をマルクに見せるのでした。スライドを見せながら眠ってしまったミシェル。少女の頃の写真がプロジェクターの熱で燃えてしまいます。マルクは眠っているミシェルの手にそっと口づけをして床に降りるのでした。

翌朝、耳をつんざくようなレースの音で目を覚ますミシェル。もうレースは始まっていたの です。マルクは服を着て窓辺に佇んでいました 。「レースは?」と慌てるミシェルに「起きなよ」と落ち着き払ったマルク。あんなにレースに出たがっていたのに、もう諦めてるんですよ。「起きなよ」ともう一度言って毛布をはぐと、そこには裸で眠るミシェルの姿がありました。驚くマルク。しかし、もうドギマギしてないマルクはゆっくりと彼女に視線を向けるのでした。前夜のスライド写真のように燃えて行くマルクの顔・・・これでENDです。

うーん、美しい・・・と唸ってしまうわけですよ。夢を追いかけて子供のようにギャーギャー騒いでいた童貞が、それをふっと諦めて大人になる、まさにその刹那が見事にそして美しく描かれているじゃありませんか。諦めた夢(そもそも調達できない車でレースに出場するなど手の届かない夢だったのだ)と入れ違いに手に入れた淡い恋・・・。童貞からの出発に乾杯!という切なさと希望がないまぜ になった素晴らしい映画だったと思います。パンフレットには「幼年期の終わり」と書いてあったと記憶していますが、初鑑賞から16年の歳月がたって今ようやっとこの意味を噛み締めることが出来たのであります。

『007 スペクター』クレイグ・ボンド引退?それとも続投?


                         



007の最新作を鑑賞してきました。すごくいい前評判を聞いていたのですが、個人的には「スカイフォール」の方が面白かったかなあ~。本作もサム・メンデス監督と再タッグということで、期待を裏切らないかなりのハイクオリティなんですが、これは好みの問題かもしれませんね。同行した夫は気に入ったようで帰りの車の中でジョン・バリー作曲 007のテーマ曲で口笛を吹いていました(車はアストン・マーティンじゃないし、隣に座ってるのはボンドガールでなく古女房ですが)。

海外エンタメニュースなどを読んでいると、ダニエル・クレイグはこれでボンドを卒業するとかしないとか。なんでも自分の好きにできる契約なんだそうで、気が向いたらやるという感じらしいですね。しかしこの約10年の間に4作ですか。ちょっと少ない様な気もしますね。あと1作くらいはまだ出来るんじゃね?と思いますが、そうすると本作で色々とクレイグ・ボンドのエンディングに向けて作って来た感じが崩れてしまう様な気もするわけで・・・まあ次作の脚本次第かもしれませんが。




※ネタバレします




今回はガイコツ祭りのメキシコ・シティから始まります。祭りのただ中、怪しい男たちが会合している部屋にショットガンの焦点を合わせるジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。なんか今回はスパイっていうよりもヒットマンみたいだな~と思っていたんですが、これは亡き先代M(ジュディ・デンチ)から託されていた非公式的ミッションだったのです。本作の中で一番手に汗握ったアクションシーンが、このメキシコシティ上空での死闘ですね!オープニング曲の前にこれだけのアクション!と思いましたが、ここがマックスでした。不安定飛行をするヘリコプターの中でバトル。下には祭りの群衆ってことで、かなりヒヤヒヤさせられましたよ。ターゲットの殺し屋スキアラから奪った指輪を見て、口元が緩むボンド。あれ、ミッションのあと笑うボンドなんて珍しいな~と思ったんですが、今思うと、先代Mの肝いりのミッションだったからでしょうか・・・(涙)。タコが図案化されている指輪にズームアップしてオープニングとなります。今回はタコがいっぱい出て来るオープニングでした。ちょっと竜宮城チック?裸の女性がタコの触手に絡めとられてたりして、イザベル・アジャーニ主演の「ポゼッション」を思い出したりしました。

さて、新しく就任したM(レイフ・ファインズ)はメキシコシティの件についてカンカンです。あ~、先代Mはボンドのことをかなり自由にやらせてくれてたけども、新しいMは締め付け厳しそうで面倒くさいな~、とボンドに同情する筆者。良い上司が連続することって滅多にないですからね。ところが、事態はより深刻に。MI6に半官半民的情報サービス会社みたいなのが入って来ていて、英国含む世界規模で監視カメラを取り付けようとしていたのでした。そのため諜報活動は不要になりそうな勢い。そのプロジェクトの上役がC(アンドリュー・スコット)という男です。モリアーティーじゃん!「SHERLOCK」での出演がこのキャスティングに大きく関わっているであろうということは疑いようがないのではないでしょうか。ちょっと小役人風で、いかにもクセモノ風な佇まいがいいですね。Mの秘書、アフリカ系のマネーペニー(ナオミ・ハリス)やガジェット担当のメガネ男子Q(ベン・ウィショー)も続投です。


スキアラの葬式に重要人物が現れるはず・・・という先代Mからのビデオレターを見て、ボンドはローマに飛 びます。ここで出会うのがスキアラの未亡人ルシア(モニカ・ベルッチ)なんですが、うおー!!!モニカ様が喪服の未亡人!とテンション上がるわけなんですよ。「マレーナ」とかドルチェ&ガッバーナの香水「シシリー」のコマーシャルフィルムと同じじゃないですか!わかってるな~、サム・メンデス監督とキャスティングの人!と唸ってしまう訳ですよ。モニカ様はアラフィフでいらっしゃり史上二番目に高齢のボンドガールというわけなんですが(一応、最高齢はジュディ・デンチ様としておきます)腐る寸前の肉が一番美味しいという熟女最盛期を迎えていらっしゃいます。しかし旦那殺してその未亡人とやっちゃうってのは町山さんも仰っていたけど、ボンド結構ヒドいですね(笑)。モニカ様の出番は思ったより短くて下着姿もチラ っとした映ってなかったのが残念でした。


モニカ様が未亡人を演じる、古いイタリア映画のような「シシリー」CM。必見!





殺し屋スキアラは悪の組織「スペクター」の一員であったことがわかり、ボンドはローマで開かれていたスペクターの集会に潜入。そこに君臨していたトップは、クリストフ・ヴァルツさんでした。ずっとシルエットなんだけど、光が当たって顔が見えるんですよね。ここもキター!って感じ。私はこのヴァルツさん演じるフランツが前作とか前々作に出ていたかは覚えてないんですが、キター!って感じに撮られてました。フランツは死んだってことになってたみたいなんですが、実は生きていたということらしいですね。ボンドはマネーペニーから情報を得て、同じくスペクターの一員であったミスターホワイト(ジャスパー・クリスチャンセン)に接触することに。


場所は変わってオーストリアの雪深い田舎。ミスターホワイトって誰?っ て感じですが、調べたところ彼は「カジノ・ロワイヤル」にも「慰めの報酬」にも同じ役で出ていたそうです。全然覚えてません。俳優さんもクセのない顔だったし、これは忘れてる人多いんじゃないでしょうか・・・?彼はクアンタムという前述二作品の黒幕だった組織に属していた様ですが、ボンドが銃を渡すくらい彼のことを信用しているかってのも昔から出てることに関係あるのかもしれませんね。ミスターホワイトは娘のことを頼む、そして「ラメリカン」を探せと言って自殺するのでした。

ミスターホワイトの娘マドレーヌ(レア・セドゥ)が本作のメインなボンドガールなんですね。フランスを代表する若手のレア・セドゥですよ。フランス映画をほとんど観ない夫は「あの娘、誰?」とすっかり彼女の ことを気に入ったようでした。しかし、歴代のセクシーなボンドガールに比べると、ちょっと地味。あとレアさんは肉付きがいいんですよね。ほっぺもぽっちゃりしてるし、腕や太もももレアチーズケーキのように白くてむっちりしてる。そこがええのかもしれませんが。マドレーヌはオーストリアで精神科のお医者さんをしていたのですがスペクター一味に誘拐されそうになって、ボンドに助けられたのでした。ニット帽が可愛いQもオーストリア入りし、ボンドにスペクターのことをリポートします。なんと、と言うかやはり、と言うか歴代悪役のル・シッフル(マッツ・ミケルセン)、グリーン(マチュー・アマルリック)、シルバ(ハビエル・バルデム)は、みーんな、スペクターのお友達の輪だったのです。彼らの元締めがフランツ(クリストフ・ヴァルツ)だったというわけですよ。ここからも、本作はクレイグ・ボンドの総決算的な話なのかな〜と思う訳です。

「ラメリカン」というのは人ではなくモロッコあたりにあるホテルだったんですね。そこへチェックインするボンドとマドレーヌ。この流れだと・・・と思うじゃないですか。でもやらないんですよ。あれ〜、妙〜に変だな〜。だっておかしいじゃない、ボンドが女と二人きりでいるのにやらないなんて!ということで、このマドレーヌちゃんは一回こっきりのヤリ捨てではない本命彼女の匂いがするわけです(あっ、「慰めの報酬」でもボンドガールとはキスだけでしたね)。まあ彼女の父親からよろしくって頼まれているんで、そこのところもあるのかもしれない。彼らの部屋の奥にはミスターホワイトの隠しオフィスがあって、そこから北アフリカにスペクターの砂漠基地があることを突き止めます。隠しオフィスにはマドレーヌが小さい頃の写真など貼ってあって、悪の組織に入っていた父ちゃんだけど娘を可愛がる気持ちは一般人と変わらないみたいな演出がありました。

豪華列車でその砂漠基地を目指すボンドとマドレーヌ。ここでようやっとボンドがタキシードを着ます(今回は白)。マドレーヌはライトブルーのサテンのドレスを着て、食堂車で例のマティーニを飲む二人。しかしスペクターの殺し屋ヒンクス(デーブ・バウティスタ)の襲撃を受けるのでした。このどう見てもレスラーな殺し屋の中の人は「アイアン・フィスト」のストロング金剛役の人でした。007に出られるなんてよかったなあ〜と思いましたね。ここでボンドとマドレーヌは協力して殺し屋を襲撃、共通の体験をしてようやっと結ばれるわけです(こういう展開はちょっと萌え!)。短いラブシーンの合間に、レアちゃんが微笑むんですがそれが可愛いのなんのって・・・。

翌朝、二人は辺鄙な駅で列車を降ります。ここが砂漠基地の最寄り駅のようなんですが、運転手と車が来て基地に連れて行ってくれるんですね。あれ、敵陣に乗り込むんだけどこんな普通でいいの?って思いましたが、細かい部分は聞き取れてないかもしれません。マドレーヌにはお着替えが用意されていました。このどことなくチャイナドレス風のワンピースが素敵でしたね(フランツの趣味?)。どこのブランドが検索したけどわかりませんでした。丸腰のまま敵陣へ入り、フランツに色々と案内されるボンドとマドレーヌなんですが一体どういう作戦なんでしょうか。やはりスペクターとモリアーティーもといCの監視システムは繋がっていました。ミスターホワイトのロッジでの自殺場面が再生されます。打ち拉がれるマドレーヌ、そしてボンドは電気椅子のような拷問器具に座らせられ、細い針金のようなドリルで頭に穴を開けられてしまうのでした。これ、かなり深く入っていたみたいだけど後遺症とか大丈夫なんだろうか・・・と心配になってしまいましたよ。

前作「スカイフォール」ではボンドの実家が出て来ましたが、そこにあった昔の写真が今回のキーなんですね。写真には12歳のころのボンドと彼の養父が写っているんですが、三人目の人物の顔の部分が焼けこげていたんです。まさか・・・?そう、それがフランツだったのでした。なんとボンドとはステップブラザーという間柄だったんですね!!!その後、フランツは実父を殺し悪の帝王へ。ボンドはMI6の諜報員へ。悪と正義が兄弟だったんですよ!拷問シーンでは例の白いペルシャ猫も登場し、旧シリーズの悪役にも繋がる感じになってました。ペルシャ猫を抱いている悪役っていうと、私はオリジナルではなくドクター・イーブル(from オースティン・パワーズ)を思い出しちゃいますけどね(笑)。なんか頭とか首に穴開けられちゃって、ボンド大丈夫なの?って思うんですが、オメガの腕時計が良い仕事をしてくれるんですね〜。ボンドとマドレーヌは基地から脱出、そして基地は爆弾で木っ端みじんに吹っ飛びます。この爆発シーンは今までで最大とかでギネスに登録されたそうで。私はてっきりCGだと思ってましたよ。

さて次はロンドン。MI6のメンバーとジョインしたボンドは、Cの監視システムを止めようとします。ここはMが頑張ってましたね。最初は「先代の方が物わかりの良い上司だったよな〜」って感じだったけど、ちゃんと溜飲を下げるようなことを言ってくれるんですよ。マドレーヌもロンドンへやって来たんですが「こんな危険な仕事をしているアナタとは付き合えない。さよなら」ってボンドを振ってしまうんですね。ボンドが振られる瞬間ってのも貴重です。しかしすぐに切り替えてお仕事モードになるボンド。こういう感情コントロールは市井で働く一般人も見習える部分ですな。ところが、ボンドは途中で何者かに拉致されてしまい今は廃墟になっているテムズ河沿いのMI6のビルに連れて行かれるんですよ。そしたらなんとフランツが待っているんですね。顔に傷が出来ていて片方失明しているんですが、あの何もかもメチャクチャになったギネス級の爆発でよくも生き残ったな・・・(笑)という感じです。

このビルには大量の爆弾が仕掛けられていて、マドレーヌがどこかに監禁されていると。あと3分で爆発するけど、どうする?という悪いことを言うんですよ。爆発はともかくマドレーヌ監禁はハッタリかもしれないんですが、ボンドは律儀に探すんですね。部屋を次々に探すんですが、そこにはヴェスパー(エヴァ・グリーン)や先代Mやル・シッフルなんかの写真があるわけです。みんな死んだキャラクターですね。しかしボンドはギリギリで見つけて爆破前に救出するんですよ。マドレーヌをお姫様抱っこするのに萌え。ついでにスクリューボールコメディーみたいなセリフのやり取りにも萌え。今回のボンドは結構筆者の萌えポインツをさらって行きます(笑)。まあ、もうこの辺りはお約束感満載なんで、アクション的にはオープニングから尻下がりになっている感が否めないんですが・・・。ついにフランツを追い詰めたボンド。「早く撃って終らせろ」と言うフランツですが、ボンドは撃ちません。「弾切れだ」ここはなかなか心憎かったです。マドレーヌと抱擁し、彼女と手を繋いで去って行くボンド。ああ、運命の女見つけて、こういう終わりなのかあ・・・お疲れボンド・・・というラストでした。そうそう、Mは「006」だったことも判明しました。この後、ボンドはQのオフィスに現れて愛車を取り、マドレーヌと共に去るのでした。おしまい。


いや〜、そうですか・・・という四作目でしたね。オープニングにもヴェスパーが出てたし、今までの悪役たちも写真で出て来てたので、作り的にクレイグ・ボンドのラストとなっても違和感がないように作ってあったと思います。やっぱりもうちょっと続けて欲しい気もするし、有終の美で終ったのを大事にした方がいい感じもする・・・ってところでしょうか。

町山さんがたまむすびポッドキャストで仰ってた、大変なときにジョークを言う昔ながらのボンドっぽさですが、敵から追跡されている車中でとか、ラメリカンで現れたネズミに向かってとか、色々軽妙洒脱っぽいこと言ってるんですね。でもやっぱりクレイグ・ボンドはな〜んか無理してる感があるんですよね。ロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンみたいなライト味が似合うキャラとは元々違うんだし、冷徹でシリアスなボンドってのが彼には似合ってると思いますよ。

この映画を鑑賞し、帰宅したところパリで起きたテロのことを知りました。映画では、監視社会ノー!というスタンスでしたが、もういつ何時どんな場所で危険な目に合うかわからないので、監視カメラを付けた方がいいんじゃないかと感じましたね。まあ付けてたとしても防ぎようのないテロや事件はあるかもしれませんが・・・。あとリアルに007のようなお仕事をされている方にはテロを阻止するために全力を尽くして頂きたいなと思うのでした。にしても現実は映画と比べ物にならないくらい過酷。最後は重い気分になったのでした。





『Playing It Cool』キャップの作品選択眼が心配になる一作






連続してキャップ(クリス・エヴァンス)主演のロマコメです。「Before We Go」は正当派っぽいラブストーリーでしたが、本作は完璧なBSOL映画です(私見によるBSOL映画の定義はこちら)。主人公はメンズであるキャップで、ほぼ彼の一人称で語られる映画なのでBSリーマン映画か?この映画でキャップはプロデュースも兼務しているんですが、どうしてこの映画にそこまで惚れ込んでいるのか謎です。観賞後に不思議と何にも心に残らないスカスカな駄作です。キャップのファンなら楽しめるのか?でもまあ、ファルコンことアンソニー・マッキーとミスター・ファンタスティックことヨアン・グリフィズが出てるのでマーベル映画のファンだったら楽しめないこともないかもしれません。

映画のスクリプトライターの僕(クリス・エヴァンス)はエージェントのブライアン(アンソニー・マッキー)からロマンチック・コメディの脚本を書くようにと言われますが、幼い頃から愛を信じていない僕は四苦八苦。ある日、運命の女性(ミシェル・モナハン)に出会った僕。ところが彼女には婚約者(ヨアン・グリフィズ)がいたのでした。彼女のことを諦めきれない僕は色々とアタックを開始しますが・・・という話です。

主人公の職業がライターで、回りの友達も個性的な人が多く、キャップ自身のアルターエゴが登場したり、想像や妄想のシーンなどがカラフルで楽しく繰り広げられますが、それも既視感ありありでフレッシュさがゼロ。ね、楽しそうでしょ?ラブコメって感じでしょ?みたいな そういうキャッキャ感を盛り込めば盛り込むほど見ている方は辛い・・・みたいな感じです。完全にスベッているのである。キャップが彼女に何故惹かれているのかということは、最初のパーティーでの出会いシーンやお互いが体験した親との別離や死別を告白するスーパーのシーンで説明され、これはまあ説得力があるんです。しかし、彼女がなぜ結婚をドタキャンしてまでキャップのことを好きになったのかが全然わかりません。

それでも私がこの映画の中で唯一共感できたのはライター仲間の紅一点、マロリー(オードリー・プラザ)かな。シニカルなお姉さんなんだけど実はキャップのことが好きなんですよ。結局彼女はフラレてしまうんですが(彼女には仲間内から別の相手があてがわれる)、この世の女を男から渇望されて追いかけられるヒロイン・ミシェル・モナハンと、近くにいるのに気持ちに気付いてもらえないマロリーとにザックリと二分したら、自分は絶対にマロリーだろうなと思った次第です。

アンソニー・マッキーとキャップがお洒落なオフィスで会話するシーンは、アベンジャーズのようでいてアベンジャーズじゃない不思議な感覚。作品は違えど中の人同士のお芝居の息があってるのはなんとなくわかって微笑ましくもありましたが。個人的にはファルコンがマレーシアロケでテンション上がってるのが嬉しかったですね。私とキャップが出会ったのはマレーシアでしたから(マレーシアでの出会い、詳しくはこちらを)。あと恋敵がMr.ファンタスティックというのも可笑しかったです。「ファンタスティック・フォー」ではヨアン・グリフィズ とキャップはユニットメイトであり義理の兄と弟ですからね。マーベル映画ファンがクスリとするキャスティングだけがこの映画の救いかもしれません。

とにかくキャップはマーベル以外の作品選びの目をもっと養ってほしい。だって、マーベルとはあと数本契約が残ってて、アラフォーまでキャップを演じなきゃいけないんですよ(ファンとしては嬉しいが)。マーベルに拘束されている以外の時間は貴重なんです。それなのに、こんな腐ったトマト映画に出演だなんて・・・。時間がMOTTAINAI! あと、今回のキャップはスポーツ刈りみたいな短髪なんですが、生え際がM字に後退している・・・(友人Iは「スノーピアサー」の頃から指摘していたけど)。やっぱハゲ体質の人は前髪を作った方がいいですね。


『Before We Go』キャップがNYでビフォア・サンライズ?




ホラー映画とおじいちゃん映画の後でイケメンが見たくなったので、キャップことクリス・エヴァンスの初監督作品をチェックです。いや~クリエヴァは、なんとなくうちの夫に似ているんですよ。例えば・・・馬面なところとか!筆者自身はお団子のようにまんまるい顔をしているので、細面の人アコガレがあるのかもしれませんね。しかし、ちょっと前まではクリエヴァのことを超絶イケメンだと思っていたけど、最近そうでもない・・・? なんかちょっと崩れて来ている・・・?って気もするんですが、どうなんでしょう。

マーベル映画に拘束されているとき以外は、わりとBSOL映画(私見によるBSOL映画の定義はこちら)とかに出演しているキャップ。今回の映画はBSOL映画というよりは王道のラブロマンス映画です。しかも兼監督。なんか大失敗してないといいんだけど・・・と気分は身内です。なんたって、うちの夫に似ているからホラ(注:顔の形だけ)。結論から言うと、まあ普通・・・かな。なんだけど、恐らくこれは身びいきが入っている感想な気がします。世間の評価は決して高いとは言えなかったみたい(「腐ったトマト」では厳しめのレビューが)。しかしキャップとアリス・イヴの魅力でだいぶカバーされているのではないかと思います。逆に言えば、この二人のどちらかのファンでなかったら駄作なのかも。劇場公開ではなくオンデマンド配信メインっぽいのもちょっと気になる点。日本未公開で字幕もないし英語も早口なんですが、主演どちらかのファンならまず必見でしょう。

ニューヨークの グランドセントラルステーション。トランぺッターのニック(クリス・エヴァンス)が構内で練習していると、終電車に駆け込むブルック(アリス・イヴ)が携帯を彼の目の前で落とします。電車を逃した彼女に壊れた携帯を渡したところ、なんと彼女はバッグをすられて一文無し。しかもニューヨーク在住ではなく、買っておいた切符でボストンまで帰る途中だったのでした。親切なニックは自分のクレジットカードで彼女をタクシーに乗せようとしますが、カードが無効になっていました。ニックは友達にお金を借りようと電話しますが彼の携帯は電池切れ。二人は共にニューヨークの夜を彷徨うことになるのですが・・・というお話です。

二人の男女が偶然出会い、色々なことを話しながら街をブラブラ歩き、恋に落ちてそして翌朝別れる・・・というフォーマットは「ビフォア・サンライズ 恋人たちのディスタンス」ですね。それのニューヨーク版ってことがやりたかったんでしょうか。あと、電話を小道具として使っている点ですね。「ビフォア・サンライズ」でもあった、あった!友達に電話するって設定で本心を見せるというやり方でした。本作のは公衆電話がタイムマシーンになっているという設定で、過去の自分にアドバイスをするんですよ。その設定があるから目の前にいる相手に本心を告白出来るという仕掛け。そしてとにかく二人が話しまくる会話劇という点ですね。

異なっているのが、ニックにはトラウマ級に引きずった失恋があってその相手が別の人と婚約しているということと、ブルックが結婚していて夫が浮気をしており、別れる覚悟で書いた手紙を夫が読む前に取り返そうと思っているということ。30代だし、色々とキズというかまあ恋愛なんかで辛い目にあってるんですね。 そこがまだ若くて気楽な「ビフォア・サンライズ」とは違います(キャップは充分若く見えるのだが)。

キャップはマーベル映画の看板スターだし、アリス・イヴは「スター・トレック イントゥ・ダークネス」に出てたしでSFつながりでもあります。しかしアリス・イヴが若干キャップより老けて見える。既婚者設定だし色々焦ったりしている状況だからかわかりませんが、アップになると小じわが見えたりして「あっ!」と思ってしまう。でもまあ女優ライトバリバリで撮られていても嘘くさいし、リアル路線なんでしょうね。あとこの方はおっぱいが大きいので、ワンピース姿になったときに谷間が見えるんですよね。これがちょっと映画から注意をそらしていたような気がします(笑)。


※ここからネタバレします。


まあしかしキャップが親切なこと。最初は下心あるんじゃ?と警戒するアリス・イヴでしたが、本当に親切なんですよ。本当に感じの良い下町風のお兄さんなんですね。まずは盗まれたバッグを探しに行くんですが(モノを盗んで、管理して転売するというアンダーグラウンドのオフィスがある)そこで殴られてもへこたれない。いたずら小僧のようなスマイルとウインク。もうこりゃ惚れてまうやろ~!一直線なんですが。しかし友人Iが指摘していましたがキャップは声がダメなんですね。なんかやっぱり未熟な感じの高めの声なんですよ。この高めの声も若く見える要因かもしれません。

しかし本作もビフォア・シリーズもそうですけど、やっぱり会話が途切れないっていうのは良い関係を築いていくには大きい部分を締めているのではないかと思うんですよね。男女間だけじゃなく友達同士でもそうじゃないですか。のべつまくなしに話しながら、二人は夜のNYを漂流。お金もあまりないのでコーヒーくらいしか飲めないんですが、他人のパーティーでバンドと間違われて演奏したり(彼女がシンガーということで、歌わせられるのは以前に好きな曲と言っていた「マイファニー・バレンタイン」)、そのおかげでホテルの部屋を自由に使えたり、元カノがいるパーティーで凹んだり、サイキックヒーラーにリーディングをしてもらったり、とたった一晩ですが色々な体験をするんですね。占いが出て来るのもビフォア・サンライズと同じですね。本作のヒーラーはアリス・ イヴに「あんたと、この子(キャップのこと)の未来が見えるよ」みたいなことを言うんですが、まあ伏線になっているんですね。

最初はキャップのことを警戒していたアリス・イヴも、バッグを探してくれたり、夫に読まれたくない手紙をなんとかするのを手伝ってくれたりするキャップに心を開いて行くんですよ。キャップは最初からオープンマインドだったけど、昔の失恋のことをあらいざらい話して、励まされてそしてまた玉砕してというプロセスで彼女にもっと心を開いて行くんですね。あ~、この二人どうなるのかな、ビフォア・サンライズは夏のウィーンだったから野外でもOKだったけど、寒そうなNYでどうするのかな、などと心配する筆者。まあ前に入ってたホテルの部屋に帰るんですよ。彼女が先にシャワーを浴びるんですが(この時点ではお互いにそういうことをするという雰囲気ではない感じ)、この濡れるというのは映画的に意味があるような気がしているんですね。なんか水やお湯で濡れるとリラックスするせいかわかりませんが、そういう気分になる人は多いんじゃないかと思ってるんですよ。「フィフティー・シェイズ・オブ・グレイ」(感想文未執筆)でもヒロインがグレイと初めて会った後で雨が降ってましたし。

で、次にキャップがバスローブを来て出て来るんですよ。キスをする二人なんですが「やっぱりダメ」ということで、なぜか突然友達モードに切り替わり、部屋にかけてあった絵の裏に落書きを始めたりするんですね(この落書きはアート系の仕事をしているアリス・イヴが「ホテルなんかで絵をめくるとこんな落書きがあるのよ」とあらかじめ見せていた)。子供のようにはしゃいで、ホテルのアンケートに答えたりする二人。これはこれで爽やかなのかもしんないけど、二人ともバスローブ着てて、あれだけムード出してたのにこれで終わりかよ?!とも思います。

そして朝。グランドセントラル駅にやってきた二人は、別れ難くしっかりと手を繋いでいます。あれ、やった?やったの?ねえ、やったの?と、中学生みたいにどうしても気になってしまう筆者。しかし大人なので、フィジカルなコネクションが濃くなってるから察するんですよ。もうこの場面は完全に恋人同士の別れなんですね。名残惜しさ満点で電車に乗る彼女。同じく名残惜しさ満点で見送る彼。 彼女は電車(バスだったっけか?)の中で、コートのポケットに入っていた昨晩書いたホテルのアンケートカードを見つけます。「また当ホテルに滞在なさいますか?」という質問が、彼らの関係を暗示しているようにも見えます。彼の筆跡で、後ろをめくって!と書いてあるのでめくり、笑顔になる彼女。これで映画は終わりです。

後ろには何が書いてあったのかということはわかりませんが、恐らく彼の連絡先?もしくは愛の言葉?その両方?みたいな感じで、あーええのう、ええのう~!というエンディングでした。しかし結婚生活が危ういとはいえ彼女は人妻なんですよね。夫は金融の仕事してて金持ちっぽいし、しがないトランぺッターでいいのかい?などと思ったりするのでした(笑)。いや~、 感想書いてて思いましたが、ビフォア・サンライズなんだけど設定や演出に小さな工夫が凝らされていてよかったですよ。出ずっぱりの主演二人も地に足がついた魅力があって、好感が持てました。クリエヴァ初監督なんですが、まあ誰が撮ってもこんな感じになるんじゃあないかな〜と思います。そういう意味では作家性は感じられないんですが、まあ彼の性格がいいということはなんとなく伝わってくるのでした。

『グランドフィナーレ』おじいさんだって悩んでます





街中でよくこの映画の広告を見かけるので気になってたんですよ。遠くから見たときはチェコの映画だと思ってたんですね。そのポスタービジュアルは上に貼った予告編の静止画像を見てもらえるとわかりますが、スパのような場所でスパに入ろうとする裸のセクシーな若い女性のバックショットの奥に、二人のおじいちゃんがいて彼女の裸体を見つめているというもの。おじいちゃんたちの目線が裸体に釘付けになっているというポスターで「この国のジジイは老いてなお盛んだな(チェコ映画「Vratné lahve」のイメージがありました)。しかし、こんなハレンチなポスターが街中にあるなんてさすがは大らかな欧州だのう・・・」などと思っていました。しかしポスターをよくよく見てみると、このおじいちゃん二人組はマイケル・ケイン御大とハーヴェイ・カイテルではありませんか。英語の映画なら観られるかも、と思って鑑賞してみました。

なんか全体的な構成が普通の英語圏の映画っぽくない、ちょっとアートな感じがする作品だなあと思ったら、監督・脚本はイタリア人のパオロ・ソレンティーノさんという方だそうです。二人の老アーティストの黄昏どきを描いている映画なんですが、湿っぽいようで乾いていて、突き放しているようで暖かい、といった感じの 不思議なバランスの上に成り立っている作品でした。私は芸術家でもないし、おじいちゃんではないのでそこまでの共感はありませんでしたが、確固たるキャリアを築いて来たお年寄りの方が観るときっとラストは号泣しちゃうのではないでしょうか。監督・脚本のソレンティーノさんは45歳ということで 、御大たちと比べると孫のように若い。けれど老人の世界をこんなにも描けるのは凄いなあと思いました。世界的な評価も高く、カンヌ映画祭のパルムドールにノミネートされたりしているようです。

著名な指揮者で作曲家のフレッド(マイケル・ケイン)と映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)は長年に渡る親友同士。スイスの山間部にある高級リゾート施設で療養をしています。フレッドのもとには女王陛下のお使いが度々やって来て、今度の王室主催のコンサートでフレッドの昔のヒット曲「Simple Song」の指揮をしてくれないかと懇願されています。しかしフレッドは首を縦に振りません。一方のミックは若い脚本家たちとリゾートで合宿をしながら次作の構想を練っています。リタイアモードに入っているフレッドと、まだまだ現役のミックという構図なんですね。マイケル・ケイン御大は一体今おい くつなんだろうかと調べてみたら、83歳ですよ!「もう、本当に長生きして欲しい~」と今回の名演を見て思わず涙目に。ハーヴェイ・カイテルは76歳だそうです。やっぱり7歳違うせいか、彼の方が少し若々しく見えます。

※ここからネタバレします。

フレッドの娘でアシスタントをしているレナ(レイチェル・ワイズ)がリゾートにやってきました。レイチェル・ワイズ、やっぱり美しいですね~。レナはミックの息子ジュリアン(エド・ストパード)と結婚をしていて、結婚生活は上手く行っていると思っていたのですがなんとジュリアンが別の女性に心変わりをして離婚ということになってしまうのでした。この別の女性がシンガーのパロマ・ファイス(本人)なんですが、私は彼女のことを知りませんでした。リゾートには他にも役 作り中の個性派俳優ジミー(ポール・ダノ) やデブになってしまったかつての人気サッカー選手やミスユニバースなどが滞在していて、閉じられたリゾート空間にちょっとした変化を運ぶ存在として出ています。スイスの山間にあるリゾートの風景がまた美しく、ゆったりとした時間が流れていて癒されます。

フレッドの娘レナは家庭を顧みず仕事に没頭していた過去の父親を責めます。しかし、フレッドが女王陛下からのオファーを断り続けている理由が、昔歌手だった奥さんのためだということがわかるんですね。奥さんのために心を込めて書き下ろした曲なので、他の人には歌わせたくないということをお使いの人に言うんですが、それを娘が横で聞いているシーンは思わずこちらも落涙。フレッドが完全に音楽を忘れたわけじゃないというのが、 散歩の途中立ち寄った牧場で作曲のインスピレーションが湧いて来たり、リゾートにいる子供に自曲をバイオリンで弾くときのアドバイスをしたりすることで、なんとなくわかるわけです。

一方、ミックは若い脚本家たちと脚本を練って次回作を準備中ですが、長年の仕事のパートナーである往年の大女優(ジェーン・フォンダ)からオファーを断られた上に、彼の近年の作品はどれもクソのような出来であるとコテンパンに言われてしまうんですよ。非常に可哀相なミックは、脚本家たちに去られた後で草原の上に今まで撮って来た映画のヒロインたちが現れる幻想を見ます。ベルサイユ時代の貴婦人から女性警察官、宇宙人までいたので幅広いジャンルの娯楽映画を撮っていた監督のようです。ミックはフレッドに「こんなこと言われちゃったけど、俺は映画をやる」とキッパリ宣言した後、ベランダに行き投身自殺をしてしまうんですね。これ、これがなんかヨーロッパっぽいと思ったポイントです。さっきまで普通にしてた人が急に自殺するという展開。「突然炎のごとく」でも「幸福」でも「えーっ、死んじゃうの?」とビックリさせられたものです。しかし死を選ぶ、それだけ追い詰められていたりショックだったりという後味が出るんですよね。

フレッドはその後、長年会っていなかった痴呆症になっている妻をベネチアの施設に見舞い、コンサートの舞台に立ちます。恐らくミックの死で「生きている者は、できるうちに勤めを果たさなければならない」という使命があったのだと推測され ます。コンサートの幕が上がってそこで終わりではなく、しっかりとフレッドが作詞作曲した歌を聴かせるんですよね。オーケストラやバイオリンのソリストや歌手(この方はスミ・ジョーさんという韓国人の方らしいです)のアップで、音楽の素晴らしさとその素晴らしい音楽を作ったり味わったりするには生きていないと出来ないということが伝わって来る生の肯定感に溢れる感動的なラストでした。楽曲も素晴らしかったですね。





なんとなくですけど、監督が言いたかったのは「年を取ったからといって人間的な高みに達するわけではない。年寄りだって若い時と動揺に悩みながら懸命に生きているのだ」ということかなあ〜と思いましたね。いままで映画に出て来るお年寄りは賢者っぽかったり、ゆるキャラのように可愛らしかったり、理想的なおじいさんおばあさんとして、描かれがちでしたけど、高齢化社会になりリアルなお年寄りの生態や感情を描いた映画はこれからも増えそうな気がします。タイトルになっている「若さ」ですが、マイケル・ケイン御大は別に若さに執着しているわけではないように見えるんですよね。老いを受け入れて淡々と過ごしている。劇中に「若さが身体から抜けて行く」みたいなセリフがありましたが、「老い」が身体に入って来るのではなく「若さ」が抜けて行くという発想がちょっと新鮮でした。

メインビジュアルのポスターも、よく見てみると私が最初に勘違いしたエロジジイ的セクハラめいた視線じゃないことがわかります。恐らくミスユニバースの裸体美女は身体から抜けて行った若さの象徴。その眩しさを受け止めつつ、自分がかつて持っていた若さに対する憧憬の視線のようにも見えるのでした。ちなみに、このミスユニバースはルーマニア人のマダリナ・ディアナ・ギヘナという人で、豊かなオッパイとお尻があるのに他はシャンパングラスの足のようにスーッと細くてお腹はペッタンコ、もう本当に彫刻よりも美しい裸体なんですよ。ただ乳首が黒めなのがちょっと気になってしまいました(笑)。ちなみに彼女、おファス(マイケル・ファスベンダ ー)の元カノだそうです。元とはいえグウの音も出ない程の美男美女ですね、と色々ため息・・・(笑)。



『ハロウィン』ジェイミー・リー、うしろー!うしろー!

        



今、映画ライターの高橋ヨシキさんにハマっている友人I。「ニッポンダンディ」の映画解釈コーナーで、この映画をヨシキさんがオススメしていたらしいです。私も遅ればせながらYouTubeでコーナーを視聴し始めました。ちょうどハロウィン前だったので私もこの映画を見てみることに。

ハロウィンねー。子供の頃、アメリカ人女性(近所のおばさんの友達)から英会話を習っていて、そのときにハロウィンパーティーっつーものをやったことがありますよ。一応、私も魔女に仮装をしたんですよ。昭和の終わりだった為コスプレパーティーグッズみたいなものは市販されておらず、当時は黒一色だったゴミ袋を裂いてマントに見立て首にくくり貧乏くさいったらありゃしなかったコスプレでした。親が用意したお菓子を食べて、タライに水を張ってリンゴを浮かべ、口を使ってリンゴを釣るという遊びをやったりしたのを覚えています。ちなみに当時幼いながらに国粋主義者だった私は「なんで、こんなポッと出の異人に外国語の教えを請わなければならないのだろうか。異人の言葉を私達が覚えるより、我が国に居住している彼女が我々の言葉を勉強するべきじゃないのか?」などと子供ながらにボンヤリ思っていましたね(笑)。まあ今でも覚えているくらいなのでハロウィンパーティー自体は楽しかったのでしょう。

感想をハロウィン前に書きたかったけど、友人・ミザリー・Iのプッシュの甲斐もなく大幅に遅れてしまいました。単純な話で、途中まで若干ダルいんですけど最後は「おおお・・・」となる話でしたね。







※ネタバレします。




60年代のアメリカの郊外。ハロウィンの夜に、まだ年端も行かぬ少年による姉殺害事件が発生。その少年マイケルは病院に収容され医師のドクター・ルーミス(ドナルド・プレザンス)が彼の担当になります。それから15年後・・・。マイケルは精神病院から脱走し、家がある郊外に戻ります。そして近所に住む女子高生ローリー(ジェイミー・リー・カーティス)とその友人や近所の人などに狙いを定め、理由なき殺人を続けるのでした・・・というストーリーです。

78年の映画なので、ヒロインのジェイミー・リー・カーティスが女子高生です。彼女と言えば私の世代は「トゥルーライズ」でシュワちゃんの嫁役が有名なのではないかと思います。シュワちゃん演じる夫が凄腕スパイで家族にそれを隠してるんだけど、ジェイミー・リーの奥さんが「浮気?」と勘違いして色々嗅ぎ回り、しまいにゃ夫婦二人で凄腕スパイのお仕事をするという楽しいアクションコメディでした。彼女のお父さんは50〜60年代に活躍した美男俳優のトニー・カーティスです。

しかしジェイミー・リーが女子高生にどうしても見えない。どう見てもこれは子供が二人くらいいる落ち着いた主婦でしょう。母がまだ若い頃の写真を見てもオカンイメージが抜けないのと一緒でしょうか。彼女の友達はちゃんと女子高生に見えるんですけどね。しかしこの映画は殺される側に何の落ち度もないのでちょっと気の毒になりましたね〜。犯人のマイケルに殺されたお姉さんは直前に彼氏とセックスをしていたし、ヒロインの友達もベビーシッターしている家に彼氏を連れ込んでいたので、エロいことすると殺されるの法則に合っているのですが、他の人はちょっと気の毒でした。

本当に理由がない殺人なんですよね。こんないたいけな女子高生たちにロックオンするくらいなら、もっと殺すに価する悪い奴らに狙いを定めたらいいのに・・・と思いました。あとマイケル(またはブギーマン)のコスチュームがちょっと地味すぎ!黒い服にマスクをかぶっただけなんですもん。ハロウィンにちなんだホラーキャラなんだからカボチャランタンをかぶってはどうかと思いました。全然話は変わりますが、加トちゃんケンちゃんで昔スイカ男ってのがありましたね!スイカをかぶった男が一般人を襲ってどんどんスイカにしていくホラー風のコントでしたが、あれが子供の頃マジで怖かったです。

可哀相なジェイミー・リーはマイケルにストーキングされて命を狙われます。怖がりながらも編み棒や針金ハンガーなんかの身の回りにあるもので必死に防衛するんですね。それでマイケルを倒すことが出来たんですが、奴はなんと倒れてもすぐに蘇り執拗に彼女を付け狙うのです。ケンちゃん繋がりですが「志村ー、うしろー!うしろー!」というシーンがいっぱい。ドリフのコントってやはり当時のホラー映画の影響を受けてたりするんでしょうかね。ちなみにジェイミー・リーのスタイルが異様によくってうらやましかったです。普通のシャツとデニムなんだけど、腰の位置が高いからまるでモデルさんみたいでした。

攻撃を受けても何度も蘇るマイケルですが、急にガバっと起き上がって攻撃仕返して来るアグレッシブさはなく、ヒロインが見ていないところでスッと起き上がり画面からいなくなり、また次第にヒロインを追い詰め「ジェイミー・リー、うしろー!うしろー!」となるパターンでした。マイケル、シャイなのかな(笑)。病院から逃げたマイケルのをことを追いかけていたドクター・ルーミスが危機一髪でやってきて、彼に発砲。数発の弾を胸部に受けて二階から転落したマイケル。これで、終った・・・・と思いきや、カットが変わると落ちていたところからいなくなっているのです。こえー!途中ヌルいなって思ったけど、マイケルは不死身だったんですね。これは終らない恐怖ですよ。この後、ハロウィンシリーズは8作もの続編が作られているそうです(笑)。ジェイミー・リー演じるローリーは実はマイケルの妹で、この後で30年ほどに渡って子供共々、彼に追いかけられることになるそうな。可哀相に。

ヨシキさんがハロウィン映画の解説で仰っていましたが、ハロウィンはみんな仮装をしている日だから、その中に異常者が紛れていてもわからないというポイントがあるんですね。なるほど。筆者はこちらの地下鉄でオデコに血でまみれた銃痕のある男の人を見ましたが、一瞬ドキっとしたものの「今日ハロウィンか」とすぐに平常心になりました。そう考えるとちょっと怖いですね。だってリアルに流血している人がいたとしても「はいはい、よく出来てるねー。ハロウィンおつ」で、処置が遅れそうじゃないですか。

「志村、うしろー!うしろー!」を含めたネタ提供 Special Thanks to 友人I







『ホステル2』今度は女子が餌食に

        




ホステル」が面白かったので続編もすかさずチェックですよ。場所と設定はまったく同じですが、今度の餌食になるのは女子三人組。まあ面白くないわけではないんですが、やっぱ女子ってことでちょっとキレイ目になってエグさが薄れてしまったような気がします。

※ネタバレします。


前作でなんとか魔窟のエリート・ハンティングクラブから逃げ出すことが出来たパクストン(ジェイ・ヘルナンデス)ですが、アメリカに帰国した後も夜な夜な悪夢に悩まされています。そりゃそうだ、あんな体験をしたんだもの。報復を恐れて恋人と田舎にこもっていたパクストンですが、やはりある日何者かによって殺されてしまうのでした(死体発見シーンでは可愛い子猫ちゃんがいい仕事をしていた) 。

一方、イタリアで美術を勉強しているアメリカ人留学生三人組のベス(ローレン・ジャーマン)、ホイットニー(ビジュー・フィリップス)、ローナ(ヘザー・マタラッツォ)は、デッサンモデルとして来ていたアクセル(ベラ・ヨルダーノヴァ)から「スロバキアに世界一のスパがある」と聞いて、スロバキア行きを決めるのでした。前作は冴えない男三人組でしたが、今回は可愛い女の子二人と地味子というコンビネーションです。ベス役のローレン・ジャーマンはゴスっぽい美貌の持ち主で知的さもある女優さん。ホイットニー役のビジュー(仏語で宝石)・フィリップスはイマドキの奔放な女の子(お母さんは「ジョアンナ」のジュヌヴィエーヴ・ウェイト)。ローナ役のヘザー・マタラッツォだけが微妙なおブス (性格おとなしめ)です。

彼女達を罠にかける仕掛人がスラブ美女のアクセル(前回の仕掛人はアレクシという名前だったな)。演じているヨルダーノヴァはブルガリア人ということでした。モデルみたいなスタイルの良さでいつもキャミにミニスカという格好で、前作のスラブ美女2人組よりも若干品があるけど、やはり微妙に安っぽい感じのするキャラクターでしたね。この感じがザッツ、スラブ美女という感じでたまりません。

やってきましたスロバキア。もとい、チェスキー・クルムロフ。村で祭りなんかやってて大人はビール飲んで民族衣装着て踊ってて、子供たちは野外人形劇なんか見てて、牧歌的な感じですよ。パクストンの切られたクビはエリート・ハンティングクラブの首領サシャ(ミラン・クニャシュコ)のもとに送り届けられました。彼がいる場所がチェコの温泉リゾートであるカルロヴィ・ヴァリです。前作で出て来たストリート・チルドレンたちも続投しています。三人娘がチェックインするホステルのロビーでは、やはり怪しい現地語に吹き替えられた「パルプ・フィクション」が流れていてニヤリとさせられます。

さっそく祭りに繰り出した三人娘。彼女たちは純粋にスパ目的に来たわけで、ローカルのイケメンとセックスしたいわけではないのです(前作比でいうと、この点の動機付けも弱かったのかも)。でも発展家のホイットニーはさっそくローカルの男ミロスラフ(スタニスラフ・アイエネフスキー)をゲット。しかし、イケメンじゃないんですよね(俳優さんはこれまたブルガリア人。写真はイケメンに見えますが、映像だと普通だった)。今回は女子編なんだから、エロいイケメンが出るかと思ってたんですが、ガッカリ。筆者が度々ぼやいていることですが、チェコやスロバキアにはイケメンが異様に少ないんですよ。フィクションでも同じだったので本当にガッカリです。地味子のローナもローカル(スラブ系デブ)に言い寄られ、ベスが散々警告したのにもかかわらずアッサリと二人っきりになってしまいます。モテない女ほど落としやすい!そして案の定、ローナはエリート・ハンティングクラブに監禁されてしまうのでした。

三人娘がホステルにチェックインした後、スタッフが彼女たちのパスポートをスキャンして世界中に散らばっているセレブなクラブのメンバーに「新入荷ありまっせ!」とメールするシーンがありました。オークション形式でみんなが入札していくんですね。しかし、美人なベスとホイットニーに高値がつけられるのはわかるけど、おブスのローナにもそれ以上の結構な値段がついていたような・・・何故?と思ったら、彼女は「処女の生き血」要員だったのです。裸で逆さ吊りにされたローナの下には古代ローマ風(?)の大きなバスタブが。現れたメンバーは熟女。彼女は吊られたローナを刃物で傷つけて吹き出る血を全身に浴びてエクスタシーに達するというシーンでした。処女の生き血でアンチエイジングってのは、これまた東欧発祥のトンデモ美容法。ルーマニアのドラキュラやハンガリーの血の公爵夫人、エリザベート・バートリなどが有名ですね。

一方、ハンティングのためにスロバキアへやってきたアメリカ人富豪、トッド(リチャード・バージ)とその友人スチュアート(ロジャー・バート)がいます。トッドはやる気満々ですが、スチュアートは及び腰。ハンティングクラブのタトゥー(犬の顔)を入れるのさえ嫌がっています。筆者はてっきり、このへっぴり腰のスチュアートが実はFBIとかで潜入調査をしに来たんだと思ってましたが、深読みし過ぎでした。

ローナが消えた後、ベスとホイットニーと仕掛人アクセルがスパへ行くシーンがあるんですが、このスパに行ってみたいな~って思いましたね。恐らくカルロヴィ・ヴァリ にあるスパ施設なんだと思いますがオープンエアの温水プールがあってかなり素敵でした。その後、ベスは捕まってしまうんですが彼女を殺すのに割り当てられたメンバーがスチュアートだったんですね。二人は祭りで既に顔見知りだったのでビックリするわけです。しかし悪人になりきれないスチュワートは彼女を逃がそうとします(ホイットニーは既に生け贄済み)。ところがある時点から悪人に切り替わって(彼のことを抑圧してしていた妻へのコンプレックス的な)逃げようとするベスと死闘を繰り広げます。ベスは「初めて会ったときから抱かれたかった」と嘘を言ってスチュワートを油断させ彼を拘束。クラブの首領のサシャを呼び出して金銭的な取引を迫ります(前半でベスはスロバキアが買えるくらいの財産 を相続したことがさり気なく出て来ていたのだった)。取引をしてクラブのメンバーになったベスは犬のタトゥーを入れ、逆に仕掛人アクセルを殺すのでした。

ヒロインのベスが寝返った!ということで彼女のゴスっぽい美貌が活かされたラストだったと思います。アクセルが乾杯するときに「ナズドラヴィー」とスロバキア語での乾杯を教えますが、このフレーズがラストで使われています。アクセルの首を切ったベスが「ナズドラヴィー」と言うんですね。皮肉的に使われているんですが、筆者も街で無賃トラム乗車のイタリア人が切符チェックのおじさんを振り切り「ナズドラヴィー!」と叫んで逃げて行くのを目撃したことがあります(笑)。

しかし思ったよりずっとアッサリでしたね〜。一番の見所はやはり処女の生き血を搾り取られるローナのシーンでしょうか(DVDパッケージにもなっているし)。タラちゃんが関与してるんだから女同士のグダグダ話とか入れたりして、各キャラクターを掘り下げてたらもっと面白くなっていたかも?さらに続編の「ホステル3」ってのがあるそうですが、これは観るかどうか微妙なラインです。




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