@itan-journ@l praha

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『シングル・ガール』瑞々し過ぎるヴィルジニー・ルドワイヤン

          

プラハで開催されたフランス映画祭、四本目はブノワ・ジャコ監督でヴィルジニー・ルドワイヤン主演の「シングルガール」です。今回の映画祭の特集のひとつがブノワ・ジャコ監督。ジャコ、ジャコって言ってるとちりめんじゃこをかけたジャコご飯が食べたくなります。「マリー・アントワネットに別れをつげて」の監督さんでもありますね。この映画にポリニャック伯爵夫人として出ていたヴィルジニー・ルドワイヤンを主演にした映画ですが、順序的には本作の方がずっと先です。


※ネタバレします。


あらすじを簡単に言うと・・・若いパリジェンヌのヴァレリー(ヴィルジニー・ルドワイヤン)はボーイフレンド(ブノワ・マジメル)の子供を妊娠。そのことをカフェで恋人に告げて、新しい仕事先のホテルへ向かいます。ヴァレリーはここでルームサーヴィスの職を得たばかりなの でした。色々 な部屋へ朝食を届けながら、彼女の心は移ろいます。子供を一人で産むことを決心したヴァレリーは恋人と別れます。1年後、可愛い息子を公園で遊ばせるヴァレリーと彼女のお母さん。息子をお母さんに預けて彼女は仕事に向かうのでした。

これだけの実にシンプルな話です。ですが、出ずっぱりのヴィルジニーの若さと演技力を存分に記録したドキュメンタリータッチの等身大リアルな作品に仕上がっていて素晴らしいです。劇場でまた会ったプラハ先輩は「この監督さんは主演女優さんのこときっと大好きなんだろうね~」と言っていましたが、それも頷けます。またヴィルジニーの水分量を蓄えたピチピチのお肌がいいし、あどけなさの残る顔もいい。95年の映画なので当時18~19歳くらいでしょうか。 現在は38歳ですが、あどけなさが少し消えたくらいで、殆ど昔と変わってない可愛らしさがある女優さんですよね。女優としても、そのときしか演じられないそのときしか撮れない瞬間をこんなに素晴らしい作品に残せるなんてきっと幸せなんではないでしょうか。Wikiによるとヴィルジニー・ルドワイヤンは本作でセザール賞(フランスのアカデミー賞)主演女優賞にノミネートされています。

彼氏役のブノワ・マジメルも若いね!この後、ジュリエット・ビノシュとの間に子をなすとは・・・。脇ですが、彼のイケメンなんだけど生活力がない男っていうのもなんかリアルでした。この二人の間にはもう倦怠期の空気が漂っていて、あまり上手く行かなそうな感じが濃厚です。ヒロインのヴァレリーは彼氏をカフ ェで待たせ 、ホテルでルームサーヴィスを部屋まで運ぶ仕事へ行きます。制服を着て、キレ気味に大股でずんずん歩くヒロイン。このホテル はおそらく4つ星くらいなんでしょうか。超高級ホテルではありません。でもヒロインがあまりにぶっきらぼうな物腰なので「お盆を派手にひっくり返しやしないか、教育係の人に怒られやしないか・・・」と心配になりました。この危うさ込みで若さの表現なのでしょう、きっと。

職場にはキモいセクハラ男や敵意むき出しのお局などがいます。このセクハラ男とお局が男女の関係にあったみたいで、ヒロインは両方からターゲットにされてしまうんですね。ホテルのマネージャーからも「(お客との)面倒は困るから、その点わきまえておくように」とクギをさされます。まあ若くて可愛い新人だったらしょうがないのかも・・・。それでもキレ気味に毅然として黙々と仕事をこなすヒロイン。ホテルには色々なお客さんがいます。ここで発見が。息子がパリで結婚したから会いにやって来たという老紳士の部屋のミニバーをヒロインがチェックするシーンで、テレビに映っていたのは「ハクション大魔王」でした!筆者も幼い頃テレビで観ていて(もちろん再放送ですよ!)アクビちゃんが大好きでしたね。この老紳士からはチップをもらいますが、いじわるな客もいるんですよ。

カップルのお客の部屋に朝食を届けたら「卵を追加してほしい」と言われたので、お皿を持って行くとそのカップルがセックスしてるんですよ(モザイクなし で、こちらも驚いた)。驚いてバスルームに閉じこもってしまうヒロイン。すると女の方が敵意丸出しで「なに勝手に入ってんのよ!」と扉をドンドン叩きます。「タオルをチェックしてたんです」と言いますが、変な因縁をつけられてしまうのでした。この女も全裸で凄んでいたりしてかなりエキセントリックなんですが、これもきっとヒロインが若くて可愛いからなんだなあという気もします。若くて可愛くて生意気そうな女ってのは、世の大人の色んなコンプレックスを刺激する存在なんでしょう。仕事ひとつするのにも、色々と大変なんだろうなあと思います。

そんな彼女が今心を許して頼れるのは実の母親だけ。既に妊娠のことを知っている母親にホテルの空になった客室から何回も電話をします。 まるで母親に電話をしないと仕事を持続出来なくなってしまうかのように、空いてる時間を見つけてはちょこちょこ電話をしているんですよ。それをセクハラ男に見られて弱みとして握られたりするんですけど、彼女はそんなセクハラ男には屈しません。廊下で会ったお局に妊娠していることを告げると、彼女はそれを知って急に優しくなりますが「産もうと思っている」と続けると「うまくいかないからやめた方がいい」とネガティブなことを言うのでした。しかし産むつもりのヒロインは休憩中にタバコをふかしたりしてて、大丈夫なのか~?!と心配になってしまいます。

制服姿のままカフェにいる彼氏の所に戻るヒロイン。うまくいきそうな流れになったかと思いきや、結局落としどころが見つからな くてダメになってしまいます。というよりも「こいつとはないわ」とヒロインが彼氏を見限ったような感じですね。仕事探す探すって言ってて結局なんもしてないとかだったと思うんですが、口だけの男ってほんとどこの国にもいるんだな~と思いますよ。カフェを後にしたヒロインをひたすらアップで追うカメラワークがいいですね。彼女が不安を感じながらも「シングルマザー上等!」と思いながら歩いているのがひしひしと伝わって来ます。ただゲリラロケを敢行しているためなのか、カメラの方を見てしまう通行人が多かったのが少し残念だったかも。

それから時が過ぎ、息子を産んだヒロイン。公園でヒロインのお母さんとやっと少し話せるようになった息子が遊んでいます。そこへ仕事前のヒロイ ンがやってきて、お母さんと色々なことを話します。どうやらヒロインは実のお父さんのことを知らない様です。母親と母親の彼氏の話をとりとめもなくして、メトロまで二人を送って仕事に向かうヒロイン。短く切った髪はシングルマザーとして生きることにした彼女の決心の現れでしょうか。前を見据えて歩いて行くヒロインの後ろ姿を写して映画は終わります。ラストは少し寂しい感じもしますが、それでも清々しさの残る映画でしたね。きっと一人で子供を産み育てることを決意した経験のある女性なら号泣必至なのではないでしょうか。

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『Saint Laurent/サンローラン』ヨーロッパに住んでてヨカッタ・・・と思うのはこんなとき

        



プラハで開催中のフランス映画祭、三本目は個人的に本映画祭の目玉である「Saint Laurent」です。春に開催された国際映画祭で「イヴ・サンローラン」(ピエール・ニネ主演)を観に行ったとき、間違えてこちらがギャスパー君主演だと思ってたんですよね。そのときにサンローランの伝記映画が二本あることに気が付いたわけです。さて、二本の伝記映画が「イブ・サン=ローラン伝記映画2本が同時進行 関係者を巻き込んだバトルが勃発」という話題にもなっていて「あらまあ大変」と思っていたわけですが、同じ伝説的デザイナーの人生をテーマにした映画といってもアプローチが全然違う映画でした。

ピエール・ニネ主演の方は若い頃からキャリアの成功までをイヴの公私に渡るパートナー、ピエール・ベルジェとの関係と絡めてほぼ時系列で追った比較的スタンダードな伝記映画という感じ。しかしギャスパー・ウリエル主演の本作は既に世界的名声を得ているサンローランの私生活をときに大胆に、ときにスキャンダラスにバラバラの時系列で構成したプロモーションビデオ的な作品になっています。前者がデザイナーのサンローランだとしたら後者は人間サンローランといった趣。そのため公開順もこれでよかったのではないかと思う次第です。

どうしても比較になってしまいますが・・・繊細なサンローランを演じたピエール・ニネのそっくりさんぷりにも驚きましたが、全然サンローランご本人とは顔のタイプが違うギャスパー君もかなりサンローラン入ってて「う〜ん、役者よのう・・・」と思いました。しかしお洒落な映画でしたね。時系列順ではないため「1977」みたいに年が出るんですが、そのフォントと色がモード雑誌みたいでお洒落だったし、分割された画面構成も別段珍しい演出ではないけど妙にシャレて見えます。ミューズのルル・ド・ラ・ファレーズ(レア・セドゥ)やベッティ・キャトルー(エイメリー・ヴァラド)を引き連れてのナイトライフもきらびやかです。ピエール・ベルジェ(ジェレミー・レニエ)との関係は既にビジネスだけになっていたので、サンローランの恋人になるのは別の人。その男ジャック・ド・バシェールを演じるのがルイ・ガレルなんですよ。

ルイ・ガレルは黒髪黒目の濃ゆいシニカルな美男なんですが、彼の目つきがどの映画でも「いつかなんかやらかしそうな人」に見えて目が離せないんですよね。そんなルイ・ガレルとギャスパー・ウリエルが音楽が鳴り響くディスコの中で出会うシーンがあるんですが。頭をなで付けて白いタキシードを着たルイ・ガレルから目が離せないギャスパーくん、その視線に気付いたルイ・ガレルもギャスパーくんを見つめます。目まぐるしい音楽と照明の下で踊る人達を挟んで二つの視線が絡まり・・・というこのシーン、フランス映画界の若手二人がビビビ!と来ちゃうこのシーン、思わず「5億点・・・」と心の中で呟いてしまいました。

ルイ・ガレルは婦人科の内診用椅子がリビングに置いてあるお屋敷に住んでいるんですが(やっぱり変態だったのね)、サンローランはそこでお薬にのめり込むようになり、前後不覚になっているときに愛犬が死んでしまうんですよ。床に落ちた大量のピルを食べちゃうんですが・・・隣のオバさんが「可哀相・・・」とつぶやいていました。さすが犬好きの国チェコ。このフレンチブルドックはちゃんと倒れてピクピクする演技もしていた中々に芸達者なワンちゃんでした。

さて、この映画の白眉はなんといってもモロッコの別荘でのシーンです。ルルから届いたサプライズプレゼントがクローゼットの中にあるよ、と一人の男友達がサンローランに知らせて、クローゼットに入った彼を閉じ込めてしまいます。しばらくしたら男友達はクローゼットのカギを外して全裸同様の状態になり扉の前に座ります。すると中からサンローランが現れるんですが・・・なんと彼も全裸。思わずハッ!と息を飲む私。ギャスパーくん・・・「SHAME」のおファスと遜色のないものをお持ちです!!日本公開時はおそらくモザイク処理がされるであろう局部・・・いや〜ヨーロッパに住んでてホントよかった!と思うのはこういうときですね。ちなみにスチール撮影のシーンで、かの有名なスモーキングルックを着てストリートに佇むモデルの横に全裸のモデルがいるんですよ。女性もモザイクなし、男女平等なのでした。この全裸になってたモデルさんはアジア系の風貌で、エリコだかという名前で呼ばれていたので日本人のようです。調べたけど詳細不明でした。

年老いたサンローランを演じるのがオーストリア出身の大スター、ヘルムート・バーガーです。ルキノ・ヴィスコンティ監督の作品で有名になった美形俳優ですが、すっかり老け込んでしまった晩年のサンローランを演じています。晩年の静かな生活とキャリアを模索する現役時代が交互に繰り返され、フィナーレは77年の秋冬コレクションです。ピエール・ニネ主演の方でも77年秋冬の異国趣味に溢れたコレクションでラストでした。どうやらこの77年秋冬コレクションというのはサンローランにとって大きな意味を持っているらしいです。本作では「もうサンローランもダメじゃない?」とマスコミに囁かれていた中での大成功といった感じに描かれていました。サンローランっていうとミューズはカトリーヌ・ドヌーヴで、サファリルックとかスモーキングとかモンドリアンワンピースとかが有名なので、ほぼ民族衣装みたいなコレクションはちょっと意外な印象もしますね。

そういえばサンローランで一番有名な香水「オピウム」についてのエピソードもちょこっと出て来てました。「阿片」という名前の香水はちょっと・・・ということでしたが結果、誰もが知る香りとなり大成功。パッケージは印籠をモチーフにしているし、妖しく神秘的な西洋人がイメージするアジアといった感じでしょうか。昔のCMを発見しましたが、なんか80年代のインディ・ジョーンズ映画みたい。スーパーモデル、リンダ・エヴァンジェリスタのヘアとメイクにも時代を感じます。





『Sous les jupes des filles』女だらけのフランス版「ラブ・アクチュアリー」


トレイラー↓


ラストのダンシングシーン↓


プラハで開催中のフランス映画祭、二本目は「Sous les jupes des filles」にしました。訳すと「女たちのスカートの下」というタイトルです。チェコ語では「Sex v Paříži 」というタイトルで、こちらは訳すと「パリのセックス」ということです。チケット買うの恥ずかしいっちゅーねん!ということで、私はプログラムのタイトル部分にに蛍光ペンで線を引き、それを無言でチケットのお姉さんに指差したのでした・・・。

映画館はグループで来ているオナゴやオバやんたちで一杯。女性監督による女性のための映画ということで、ガールズパワーに溢れていました。舞台上に司会者の人が現れたと思ったら、この回はなんとオドレイ・ダナ監督の舞台挨拶付きの回。うお〜、ぶっちゃけ全然知らない監督だけどテンション上がる!監督の舞台挨拶を見たのは「ナック」のリチャード・レスター監督に続いて二回目ですよ。オドレイ・ダナ監督は黒いパンツ、黒いジレ風のノースリーブトップに黒ブチ眼鏡をかけていてヘアはアップしにしており、マニッシュでモードなブラックスタイルでした。チェコ仏語の通訳さんを介して行われたインタビュー、オドレイ監督はチェコ語部分だけを聞いて「わかりました!それはですね・・・」とおどけていたりして、トレサンパな印象の女性でした。

私が聞き取れたことは・・・以下の通りです。「従来のコメディ映画での女性は、セクシーな若い女かそうでない普通の女かという同じ様なキャラクターばかりなので、様々な女性像とその多様性を描きたかった」「アジャーニ、テステュー、カスタ、パラディと沢山のスターが出演しているけど、現場ではみんなで歌ったり踊ったりおしゃべりしたり和気あいあいとした雰囲気での撮影だった」「今回は女性映画だけど、次回作は男性ばかり出て来るマッチョ映画になるかも(笑)」ということを仰っていました。監督の小さな息子さん(子役として出演)も舞台上に上がっていて「このえいがは、ヘスキー(チェコ語で「素敵」)なので、みてください」とキュートにご挨拶。会場大拍手で本編へ突入しました。

実際に観ての感想は・・・「SATC」のようなぶっちゃけセックストーク+「ラブ・アクチュアリー」のような群像劇+「BSOL映画」のようなピンク系恋愛コメディのコンビネーションといったところ。完全に女性向けのエンターテイメント作です。非常にストレートな女性讃歌になっていて、観ると元気になれちゃう分かりやすいBSOL映画です(BSOL映画についてはこちらを)。ただ、属性がそれぞれ違う11人もの女性が出て来るので一人一人掘り下げる時間がなく、そのあたりは仕方がないけど、ちょっと表面を撫でて終わっちゃった感じがするっちゃあするかも。とかなんとか、いかにもわかったようなことを書いていますが・・・映画の大部分のフランス語が高速過ぎて、わたしゃ何言ってるんだか全然理解出来なかったんですよね(汗)。周りの観客はドッカンドッカン笑ってるのに、一人だけ「え?え?」と取り残されて非常に切なかったです。語学力が必要ないギャグシーンではここぞとばかり笑っていましたが(汗)。しかし皆さん笑う、笑う。日本とは笑いのツボが違うけど、そんなに面白いこと言ってるのか〜!と悔しいやら情けないやら。日本語字幕が出たら是非チェックしてみようと思うのでした。

ここで、11人の女たちについて簡単に書いてみたいと思います。

ローズ(ヴァネッサ・パラディ)
独身のビジネスウーマン。あるとき医者から男性ホルモン過多だと言われてしまう。アシスタントのアデリーヌが最近悩んでいるようで彼女のことを心配してる。

リリー(イザベル・アジャーニ)
下着メーカーの重役。いつもゴージャスな出で立ちでパワフルな女性だが、思春期に差し掛かった娘との関係に悩んでいる。

アガサ(レティシア・カスタ)
美女でスタイル抜群の弁護士だが、恋に奥手でウブなドジッ娘。緊張すると胃腸が弱くなってしまう。

サム(シルヴィー・テステュー)
リリーの妹。乳がんだと診断されてしまう。

イネス(マリア・ハンズ)
リリーの下着メーカーで働く二児の母。夫が浮気をしていることに気が付く。

ジョー(オドレイ・ダナ 兼監督)
アガサの親友。女性ホルモンが乱れ気味で色情欲気味の独身女性で、イネスの夫と不倫をしている。

アデリーヌ(アリス・ベライディ)
ローズのアシスタント。家族について深刻な問題を抱えている。

イシス(ジェラルディン・ナカシェ)
4人の男の子を育てている主婦。夫婦仲も良好だったが、ベビーシッターとしてやってきたマリーに一目惚れをしてしまう。夫はリリーの下着メーカー勤務。

ファニー(ジュリー・フェリエ)
若いときに年の離れた男と結婚したバスドライバー。欲求不満で顔面神経症を発症してしまう。頭を強く打ったことで今まで溜めていた欲望が全開になってしまう。

ソフィー( オドレイ・フロ)
イネスの同僚でジョーのご近所さん。イネスの夫が浮気していることを知ってしまう。不感症ということに苦しんでいる。

マリー(アリス・タグリオーニ)
イシスの家へベビーシッターとしてやってきた長身のブロンド美女。イシスに同性愛の手ほどきをする。


そして、箇条書きで感想です。

・ヴァネッサ・パラディ演じるビジネスウーマンのローズに会議中、アキヒロだかアキヒト(!)だかという日本人男性から携帯がかかってくる。「イイエ、アキヒロ。ワタシハ、カメリアハ、スキジャナイノ」となどと、たどたどしい日本語で話すヴァネッサにビックリ!!この日本語は翻訳されていなかったので、会場で理解出来たのはおそらく私だけではないかと思ったのだった(笑)。

・「ゲンズブールと女たち」では世界一エロかった女優B.B.を演じたレティシア・カスタが、恋に奥手なドジッ娘役!こういう「遅刻、遅刻〜!」と走りながらトースト加えた女学生みたいなキャラってフランスでもあるんですねえ。超美女なのに・・・っていうのがギャップ萌えでした。しかし「17歳」のマリーヌ・ヴァクトとホンットに似てるな。

・そのレティシア・カスタが片思いする男性は雑誌「レオン」のグラビアから抜け出て来た様な渋〜いオジさま(パスカル・エルベ)。彼が独身だということを知って「イヤッホーイ!フォーウ!」とハードゲイばりに腰をグラインドさせながら全身で喜びを表現するシーンが最高でした(もちろん彼女の想像の中という演出)。彼と二人でいる時におならが出ちゃったりして「SATC」を彷佛とさせるシーンもあったりして。監督はSATCファンに違いない。

・語学力が必要でない笑いを独占担当していたのがファニー役のジュリー・フェリエ。顔面神経症を患った彼女の顔芸が最高。変顔のタイミングも最高でまさに職人芸。彼女は「ミックマック」で身体が柔らかい軟体女を演じた女優さんなんですね。ゲイだという噂があったイケメン俳優と恋仲になるんですが、彼を振ってしまいます。その理由が「他の色んな人ともしたいから・・・」ここで場内爆笑&拍手喝采でした。なんだか文化の違いを感じましたね(笑)。

・エロい笑いシーンを担当していたのが兼監督のオドレイ・ダナ。しかし映画の中よりも実物の監督の方がずっとイイ女でした。監督の息子は幼いのでおそらく自分の出演シーンしか見ることが出来ないだろう・・・。監督演じるジョーは不倫略奪婚に成功。でも後々悲惨な目に合うというキャラクターでした。しかし不倫相手(アレックス・ルッツ)がチビだしブサだし冴えなさすぎる〜。なんで美しい奥方と不倫相手がいるのかわかりませんでした。

・スーパーモデルと似ている女優を二人発見。イネス演じるマリア・ハンズは黒髪で知的な印象がベルギーのベテランモデル、アヌーク・ルペ ールに似ている。ソフィー演じるオドレイ・フロは真っ赤なストロベリーブロンドでイギリスのパンキッシュエレガント、カレン・エルソンにそっくりなのでした。

・両思い成就から不倫に浮気に同性愛、病気に殺人とヘビーなトピックもありで、まるで人生のアソートメントのようです。バラエティーに富んでいますが、各エピソードは深入りして描かれずサラっとしています。そこがいいと思う人もいるだろうし物足りないと思う人もいるかも。オープニングとラストで「女がたまにおかしくなっちゃうのは、全部ホルモンのせいなのよ〜」みたいな描写がありました。このぶっちゃけ加減は女性監督でなきゃ出来ないだろうな〜という感じです。

・最後はエッフェル塔を背景にしたトロカデロ広場でのダンスでめでたし、めでたし。このダンスエンディングはいいですね〜。回収出来ていないものもダンスのお陰でまとまるし「なんか面白い映画だったな」という気になりますよ。このダンスエンディングはちょっとインド映画みたいですね。大御所ラッパーみたいにして登場したイザベル・アジャーニが面白かったです。映画館も拍手とピーピー!という口笛に包まれてハッピームードなのでした。

ということで、日本語字幕版が出来たら絶対観てみようと思います!

『アクトレス ~女たちの舞台~』新旧の仏米女優共演、ベテラン女優に訪れた転機の物語

       




プラハで毎年秋に開催されるフランス映画祭が今年もやってきました。去年は「昼顔」と「17歳」を観に行きましたよ。今年のプログラムは私の期待していたものと違って普通な感じ・・・。新作もいいんだけどフランス映画往年の名作があまりなくて、ちょっとがっかりしました。いくつかある特集のうちのひとつがジュリエット・ビノシュだったらしく、彼女が出演している映画が新旧何本か公開されるというラインナップでした。

本作はそのうちの一本で、監督はオリヴィエ・アサヤス。ビノシュの他にクリステン・スチュワートやクロレッツちゃん(クロエ・グレース・モレッツ)が出演しています。英語だったので、 フランス語の映画よりはハードル低いかと思ったら結構な早口映画でちょっと難しかったですね・・・。配役だけ見た感じだと「母娘の話なのかな?」っ て思いますが、全然違いました。ビノシュ演じるベテラン女優の話なんですが・・・コレは結構「はにゃ~?一体何が言いたいのかにゃ~?」という映画だったんですよね。ひとことで「こういうテーマのこういうテイストの話ですっ」と分類出来ないというか・・・。強いて言えば「ミドルエイジクライシスをむかえた大女優のバックステージもの」なんですけど、それだけで終わらないミステリアスな感じも秘めているんです。

クリステンとクロレッツちゃんというアメリカで人気のある若手女優が出てるのに、なんでこんなに小難しい映画なん・・・?と思ってしまったんですよ。「アメリカの大衆的でポップな代表作(クリステンは「トワイライト」クロレッツちゃんは「キックアス」各シリーズ)のある女優が出てる映画だから、噛み砕きやすい内容だろう・・・」 と安易に考えてしまった私も私なんですがね。もしこの二人に代わる配役が欧州のあまり知られていない女優だったら、まだ映画としての理解が深まったのか も・・・とも思ったりします。クリステンとクロレッツちゃん、彼女たちが持つ業界での勢いの良さや世間での人気がこの控えめな雰囲気の映画とはな〜んかバランスが取れていないような気がしちゃって。二人の演技がすごく良かっただけに、なんかそこが残念だなあと思ったのでした。これは全く私のバイヤスがかった見方なんですけれども・・・。


※ネタバレします。


国際的に活躍するベテラン実力派女優のマリア(ジュリエット・ビノシュ) は、パーソナルアシスタントのヴァル(クリステン・スチュワート)と列車でヨーロッパを移動中。どうやら何かの授賞式に向かう為の旅行のようです。 しかしその途中で恩人である劇作家のウィルヘルムが亡くなった知らせを受けるのでした。このウィルヘルムは著名な劇作家で、マリアは彼の代表作「マロヤの蛇」の舞台版と映画版で主演を勤めブレイクしたらしいんですね。スイスのチューリッヒで授賞式に出たマリアは会場で演出家のクラウス(ラース・エイディンガー)から「マロヤの蛇」を再演の主演をオファーされます。この劇は野心的な若い女シグリッドが彼女の上役である年老いた女へレナを破滅に追い込むという物語で、マリアはシグリッド役でブレイクしたわけなんですが今回は年配のヘレナ役のオファーです。

ビノシュが演じるマリアは50代のベテラン女優。「やっぱりビノシュも老けたね~」と偶然劇場で会ったプラハ先輩。Wikiで見て初めて知ったんですが、ビノシュのお母さんはポーランド人なんですね。私にとってビノシュというと「ポンヌフの恋人」や「青の愛」や「ショコラ」でしょうか。映画じゃないけどランコムのポエムという香水のCMに出てたのも印象的です。ベラ・・・もといクリステン・スチュワートは化粧っ気のないアシスタント役。せわしなくモバイルデバイスを操りながら女優のお世話をしているという役どころです。大女優と若いアシスタントという関係から想像される主従関係みたいなのものはなくて、対等に付き合っている感じがするんですね。仲の良い友達といってもいい関係で、忙しいながらも気心の知れた感じが二人の間には漂っています。クリステンの映画は「トワイライト」シリーズや「スノーホワイト」を観たことがあるんですが、ヒロイックで女の子っぽい役よりもサバサバしてて中性的なオナゴ役の方が合ってますね。「トワイライト」のベラとは友達になりたくないけど、この映画のクリステンとは友達になって親しく付き合いたいと思わせる人間的な魅力があります。

舞台のオファーを受けることにし たマリアとヴァルは授賞式の帰りにシルスマリア(原題にもなっている場所)という山岳地帯にあったウィルヘルムのコテージへ向かいます。未亡人のローザ (アンゲラ・ウィンカー)から彼の死は病気で苦しんだ末の自殺だったと知らされるのでした。未亡人の好意でシルスマリアのコテージに滞在しながら次の役に 向けて準備を始めるマリアとヴァルは山でハイキングしたり、脚本を読み合わせたりと楽しい時間を過ごします。「マロヤの蛇」再演でかつてマリアが演じた若い野心的な女シグリッドに抜擢されたのが若手女優のジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)でした。ヴァルに注目の若手女優であるジョアンとの共演を勧められたマリアは出演を決心します。

シルスマリアというのはスイスにある景勝地らしいです。英題は「Clouds of Sils Maria」で、題名も抽象的・・・。ここではほぼマリアとヴァルのダイアローグによってシーンが繋がれます。「マロヤの蛇」の脚本の読み合わせをしているうちに脚本の中にあるヘレナとシグリッドのやり取りがマリアとヴァルのリアルな関係にかぶってくるのが不思議でした。劇は中年の女と若い女の愛憎劇とも言えるもので、脚本読みからリアルに移って行く口論の末「あなたが必要なのよ」とヴァルを抱きしめるマリア。この二人があまりにも仲がいいため、山ごもりしている間に肉体関係になってしまうのではないかとドキドキしてしまいましたが(「ブロークバックマウンテン」ですね)。山の中で渓流を見つけ、泳ぐ二人のシーンがあるんですが、ハリウッド女優 のクリステンはブラとパンツつけたままでしたが、ビノシュはなんの迷いもなく全部脱いでスッパリと全裸になっていたのが対照的でした〜。ハリウッド女優は身体をどれくらい見せるかとか契約で細かく決まってるって話でしたけども。まあここはキャラの国籍、フランス人とアメリカ人の違いなのかな。

クロレッツちゃん演じるジョアンはパパラッチにアタックしてるyoutubeなんかが出回っているイマドキの若いオナゴという感じの女優。しかしクロレッツちゃんは本当に可愛いなあ〜。なんか猫ちゃんみたいな顔してますよね。マリアとヴァルがジョアン主演のSF映画を観に行くシーンがあるんですが。このSFが超チープな感じのつくり。宇宙船の中でカラーのウィッグをつけてピタピタの宇宙服を着たクロエちゃんが熱演してるんですよ。このあたりはハリウッドの大味なビッグバジェット映画をちょいとからかってる感じがして可笑しかったです。クロレッツちゃんもセルフパロディーみたいな感じで演じています。

ジョアンはマリアのことを女優として尊敬していて「共演できて嬉しいです〜」と言ってるんだけど、そのアコガレきっかけとなった映画のタイトルを忘れてたりするんですね。その映画はシドニー・ポラック監督でハリソン・フォードと共演したCIA映画ってことですが、実際にビノシュが出たハリウッド映画一発目は 「存在の耐えられない軽さ」になるのかな。共演はダニエル・デイ・ルイス。当時ビノシュと付き合っていたらしいのであのウインクはそれへのオマージュなんですかね。

ジョアンとあった次の日に、シルスマリアの山に登ったマリアとヴァル。湖と山が素晴らしく見える場所(ウィルヘルムが絶命した場所)で、静かに景色を眺めるマリア。雲が長く流れて蛇のようにたゆたっています。「蛇だ・・・蛇だわ!」と、女優として「なにか」を掴んだ感じのマリア。気が付くと一緒に来たはずのヴァルの姿は消えていました。ここがこの映画で一番わからない部分なのです・・・。これ以降、ヴァルは出てこないし彼女はまるで最初からいなかったように物語が続いて行きます。ヴァルは幻だったのか?マリアを女優として成長させるための役割を担った幻のキャラクターということなんでしょうか・・・。山滞在中にヴァルが撮影で知り合ったカメラマンと一人で飲みにいくシーンがありますが、車を運転中に気持ちが悪くなったヴァルが外に出て吐くシーンがあったんで すよね。あれが何かのヒントになるんでしょうか・・・だれか、解説、たのむ(電車男風に)。

それから数週間後、マリアはロンドンで「マロヤの蛇」のためのリハーサルに追われています。ジョアンの不倫相手の作家の妻が自殺未遂したせいで、パパラッチの量も増えているのでした。しかしパパラッ チが執拗に追いかけるのはジョアンで、マリアはそれに振り回されている形です。若く、勢いのある女優がかつて自分をスターダムに押し上げた役をやるということで、女優としては複雑な心境が表現されます。映画監督が役のオファーの為に楽屋にやって来ますが、そのオファーに色よい返事をしないマリア。そしてス テージ上に立った彼女の毅然としたような、何かを強く決心したような表情を映して映画は終わるのでした。

うーん、今一度予告編等の動画を見た感じでは「キャリアの節目を迎えた女優の成長物語」という感じがしますね。恩人も亡くなってしまうし、自分のいた場所が新しい女優にとって変わられるという変化の時期。途中で消えたヴァルはマリアをサポートし導く妖精さんのような存在だったのかも?マリアが原題タイトルにもなっているシルスマリアで「何か」を掴んだシーン以降は出てこないのできっとそういう感じなのかな〜?と思ったりします。しかし押しも押されぬベテランと言われる時期になっていたとしても、状況の変化だってあるしそれに伴って自分も変わらなくてはならないんですね。そこが深イイ映画だと思いました。この映画、中年以降の女性・・・クロワッサン世代にも受けそうですね。特に女優さんにはすごくグっとくる映画なのではないでしょうか。日本公開時には萬田久子さんとかコメント寄せてそうな気がします。

『8月の家族たち』誰も幸せにならない映画だが、不思議と後味は悪くない

           

メリル・ストリープが好きな私の母親が「『8月の家族』←(オバチャンだから微妙にタイトル間違えてる)みた~?超面白いから、絶対みて!」と強力プッシュしてきたので、観てみました。メリル・ストリープとジュリア・ロバーツ共演で、ヒューマン系のなんか暗~くて重~そうな映画だよなあ・・・と思ってたんですよね。そしたら「カンバーバッチも出てるわよ!小さな役だけど」とプチ情報を投下する母。え、マジで?知らなかった・・・(ベネ様、婚約しちゃいましたね・・・)。

ということで観たんですがね、いや~面白かったですね!私はこの手の関係崩壊ドラマが好物なので、実に楽しんで鑑賞することが出来ました。やはりというか主演メリルのプッツン性悪オカン演技が最高で、こりゃオスカー取るんじゃねえの・・・?と思ったら対抗馬のケイト・ブランシェット(「ブルージャスミン」)に破れていたんですね。いや~、こりゃあかなり肉薄した戦いだったのではと思いますよ。しかし、この前観た「ジュリー&ジュリア」とは全然挑み方が違う。本作は余程気合いが入ってたんじゃないかな~と思ったら、「ジュリー&ジュリア」でも主演女優賞ノミネートされてたんですね。うーん、でも重さが全然違うと思うのでした。ちなみに娘役ジュリア・ロバーツは本作で助演女優賞でノミネートされルピタ・ニョンゴ(「それでも夜は明ける」)に破れています。しかし主演二人を置いてもキャストが豪華です。ベネ様とユアン・マクレガーも出てるし、昔好きだったジュリエット・ルイスも出てますよ。これがみんな親戚(しかも訳アリの)なんだから、ビックリですよね(笑)。



※ネタバレします。



アメリカはオクラホマのど田舎に住むベバリー(サム・シェパード)とバイオレット(メリル・ストリープ)の夫婦。夫は昔、文筆業で有名になったみたいです。今は口こうガンの妻と暮らしており、投薬で精神的に荒れてしまった妻との生活にお疲れ気味。夫は新しい家政婦さんのジョナ(ミスティー・アプハム)を雇うのでした。妻が壊れ気味なんだけど、夫の方もかなり神経がまいっているようで大丈夫なのかな~・・・と思ったら、その後姿を消してしまいます。

その知らせを聞いて、バイオ レットの妹マッティフェイ(マーゴ・マーティンデール) とその夫チャールズ(クリス・クーパー)が家にやってきます。バイオレットの娘で実家の側に暮らすアイビー(ジュリアン・ニコルソン)もやってきました。彼女は実家近くに暮らしているのでちょくちょく両親の面倒を見に帰っているようです。未だにシングルなので「レズビアンなんじゃ・・・?」と家族に疑われている地味で真面目な娘というキャラクター。演じるジュリアン・ニコルソン(どことなく深津絵里に似ている)はどこかで見たような?と思って調べたら「アリーmyラブ」に弁護士役で出演していたそうで。すぐ顔が赤くなるジェニーという役でした。懐かしいな~。

長女のバーバラ(ジュリア・ロバーツ)が夫のビル(ユアン・マクレガー)と娘のジーン(アビゲイル・ブレスリン)と一 緒にやってきました。ジュリアとユアンが夫婦・・・ってのもなんか妙な感じですが。この夫婦は別居してたようなんですが、帰省のためにまだ続いているふりをしている訳あり夫婦なんですね。娘のジーン、どっかで見たことあるぞと思ったら、「リトル・ミス・サンシャイン」の子でしたよ。ちょっとゴス系の美少女に成長しているじゃないですか。時が経つのは早いものだのう・・・。この時点では「お父さん、急にどこいっちゃったのかしらね」くらいのテンションでしたが、その後警察が家にやってきてお父さんが湖で死んでいることがわかります。このあたりの描写が実にアッサリとしていたような気がします。長女のバーバラは泣いたりしてはいるんだけど、家族が突然の深い悲しみに襲われるという ドラマチックな演出はありません。お父さんの死はこれから始まる家族、姉妹、親戚関係崩壊の序曲に過ぎないのでした。

お葬式には親戚や地元の友人知人が集まりました。車で教会に向かう道すがら、車高が低くて赤いヤン車がうるさい音楽をかけながら追い越して行ったと思ったら・・・それに乗っていたのが三女カレン(ジュリエット・ルイス)とその彼氏スティーブ(ダーモット・マルロニー)でした。ジュリエット・ルイスはアーパービッチという役どころ。アラフォーなので、こういう役はちょっとギリギリの感じがしますが、実に安定の演技です。そいや昔、ロードショーかスクリーンで読んだんですが、ジュリエット・ルイスはブラピと付き合っていたんですよね。当時のブラピが「こんなガチで演技派な女優とはオレ付き合えない・・・」と恐れをなして身を引いた、みたいな内容のゴシップを読んだんですけどジュリエット・ルイスの演技を見てると「まあ、あながちまったくの嘘でもないのかな~」って気もしますよ。彼氏/フィアンセのスティーブは、どこからどう見てもすぐ浮気しそうな結婚歴三回のチャラいおっさん。演じるマルロニーはジュリア・ロバーツと「ベストフレンズウェディング」で共演していました。

しかし個性豊かな三姉妹ですね~。母親の意地悪な部分とデカイ目鼻立ちを受け継いだ長女(離婚の危機&子育て失敗中)、シングルで地元に残り親の面倒を見る知的美人な次女(この後、アッと驚く真実が暴露される)、いい年こいてキャピキャピし続ける地に 足のついていない三女(チャラい婚約者あり)。長女と三女はパーツのデカイ顔立ちが似てるけど次女は全然似てませんね。まあこの三人は出生の秘密などなく本当に血の繋がった三姉妹なんですよ。

お葬式に間に合わなかったイトコのリトル・チャールズ(ベネディクト・カンバーバッチ)として登場するのが、我らがベネ様です。なんか目覚まし時計を止め忘れたせいで遅刻しちゃったみたいなんですけど・・・。バス停に迎えに来てくれたお父さんのチャールズ(クリス・クーパー。三姉妹の叔父さんですね)に「ううっ、ごめんよ、父さん」と泣きながら謝っています。なんかこのイトコもちょっと変つーか、いい年した青年なのにちとナイーブすぎる気がします。「しょうがないよ、クシかしてやる から髪をとかせ」とお父さん。どうやらこの二人はとてもいい親子関係を築いているようです。

チャールズとリトル・チャールズが家にやってきました。ここで出迎えた次女アイビーとリトル・チャールズの会話から、二人が恋愛関係にあることがわかるのですよ。イトコ同士って・・・?と思いましたが、日本を含む世界の多くの国では結婚出来るみたいなんですね。アメリカは州によって違うみたいなんですけど、劇中ではいとこ同士のがタブーとされていなかったので大丈夫なのでしょう。この二人の関係はまだオープンにしていないようです。

さて、役者は揃った!お葬式が終わって大きなテーブルを皆で囲んでディナーです。このディナーの席で、血の雨が・・・。全員食卓に着席しての丁々発止の 会話劇なので元は戯曲なんだろうかと思ったらその通りでした(戯曲はピューリッツァー賞受賞)。ベネ様演じるリトル・チャールズがマッティ母さんの手料理が入った鍋を誤って割ってしまうんですが、この鍋ガチャーン!が不吉の始まりのゴングという粋な演出ですよ!割れる鍋、タイミング悪くなる携帯電話。シャウトしながらすべての話題をなんか嫌〜な感じの雰囲気に持って行くオカン(食事前にお薬を自主服用)。そして葬式後の食事会の定番ネタ、遺言については「あたしが全部もらうことになってっから。家財道具は三姉妹でわけな。オークションの底値よりは安くに売ってやっからよ」とのたまうオカン。「どうせオメーが死んだあとにタダでもらうから買わねーよ!」と応戦する長女。もう、うわわわ ・・・って感じです。怖いな、怖いな〜!

険悪な雰囲気をなんとか紛らわそうと、ビル(ユアン)に詩の話題をふるリトル・チャールズ(ベネ様)。しかしそのことで逆にオカンが娘婿のビルにロックオン。「ビルよ、お前今どこに住んでんだ?バーバラ(ジュリア)と別居してんだろ、わかってんだよ。あれ?もしかしてもう離婚した・・・?←(意図しないことをおもわず言っちゃってゴメンみたいなテンション)」と言い放ちます。「原因は若い女だね?」と娘婿に言うオカン。「はい、若い女です」と答える娘婿(もう開き直ってる)。あああ、もし私がこの食卓にいたら、あまりの事態に凍り付いて動けなくなっていたでしょう。更にオカンは「だろ。若い女にはどうあがいたって勝てないんだよ!」と実の娘に向かって言うのです。もうね、デリカシーなんてものはかなぐり捨ててるどころか、この世にそんなもの最初から存在していないよう。「5時に夢中!」コメンテーター陣もビックリの超!ぶっちゃけトークなんですよ(笑)。「ちょっとひどいんじゃない?」と親戚に言われても「あたしゃ、本当のことを言ってるだけだよ!」とシャウトするオカン・・・(まあ、そうなんだけども)。

オカンは実の妹、マッティおばさんにだけはなんか優しいんですよ。「この人だけが、いつも私を助けてくれた・・・」と言っているんです。そして話題は、三姉妹をどれだけ苦労して育てあげたかということに・・・「苦労してみんな大学に行かせたのに、どいつもこいつもひとかどの人間になっちゃいないよ!お前、今仕事なにやってんだい?言ってみろ!えっ?」 と言われて何も言えない次女と三女・・・。このあたりはインセインなオカンなんだけど、かな〜り正論というかイタいところをついていて私も「うぐぐ・・・」と耳が痛かったです(笑)。 険悪な雰囲気の食事が終わり、その雰囲気を残しながらデザートに移る頃、リトル・チャールズが「ぼ、僕、みんなに話があるんだ。実は・・・!」と意を決して立ち上がります(てか、なんでこのタイミングw)。自分と次女アイビーのことをみんなに発表しようとしたんですね。しかしアイビーに「今はやめて」と言われ「ぼ、僕・・・じ、実は目覚ましをセットし忘れたんです!ほんとに、ごめんなさい!」と叫んで泣きながら部屋を出て行くのでした・・・。ベネ様、ものすごいヘタレっぷり!また演技がウマいから完成度も高いんだ。しかしこのやりとりで二人の仲はバレると思うんですけども。

オカンが次女アイビーとリトル・チャールズのことをみなまで言おうとすると、長女バーバラが遮って「 オカンはね 、薬漬けなのよ!」と言います。開き直ってるオカンは「ああそうさ。薬だけが私の友達なんだよー!ひゃーはっはっはっ!」と高らかに憎たらしく笑うのでした。ここから、キレた長女とオカンつかみ合いの大ケンカですよ(このシーン、ポスターにもなってました)。ちゃぶ台こそひっくり返さないまでも、食事中にモメて喧嘩とは・・・まるでアメリカ版:寺内貫太郎一家である。ベネ様はこの直前に部屋を出てるのでポスターには映ってないんですよね。残念、残念〜!三姉妹と親戚は家中のピルを探し、ご不浄(向田邦子風)にピルを捨てるのでした。意地悪だな〜と思ったのが、オカンと死んだお父さんの結婚写真(わざわざ食事が始まる前にオカンが飾ってくれと持って来たのだ)が映されるんですよ 。世間では人生最良の日であると言われる結婚式・・・その写真の中で微笑む若いオカンと死んだお父さん。しかしその行く末がこの始末ですよ。もう、あ〜あ・・・って言うね。そこが「美味なり・・・(©宇多丸さん)」と私や母のような意地の悪い観客の心を掴むのでしょうね(笑)。

オカンに薬を処方した医者のところに行ってクレームを言った三姉妹とオカン。急にオカンが車を停めてと言って畑に駆け出すシーンがなんだか切ない・・・。薬を飲んでいないオカンは以前のようなエクストリームな言動がなくなり、ちょっと皮肉屋のオバハンくらいな感じです。三姉妹で前庭にあるコテージでディナーをするシーンがあります。そこでリトル・チャールズと子供を持つことについて聞かれた次女アイビ ーが、ガンで子宮を全摘出したことを告げます。「そんな大事なことどうして言わなかったの?!」と長女と三女。「別に・・・あなたたちとはそこまでするほどの仲じゃないから」と冷めた次女。「だって姉妹でしょ?!私はいつもお姉ちゃんたちのこと思ってるわよ」と三女カレン。「兄弟姉妹なんて同じ腹から産まれて来たってだけの、ランダムに選ばれた細胞の成れの果てすぎないのよ」みたいなことを言う次女。キツいですねえ・・・。でも私も正直こう思ったことはあります。仲のいい兄弟姉妹もいるけどそうでない人たちもいる。これが現実なんですよね。ずっと地元でオカンの面倒を見て来た次女は、リトル・チャールズ とニューヨークにいく計画を話します。「それで気がとがめないの?」と長女が言いますが「じゃあお姉ちゃんは?」と言われ口をつぐむ長女(長女と三女は遠方に住んでいるのだ)。どうやら次女はずっとこの生活にストレスを感じていたようです。

オカンは三姉妹に実の母(三姉妹にとってはおばあちゃん)が少女の頃の自分にとってどれだけ意地悪な母親だったか話します。オカンの悲しいクリスマスのエピソードが披露されますが、う〜ん、まあ負の連鎖が代々続いているのかもしれませんねえ・・・。次女は「ランダムな細胞の成れの果て」と言いましたが、タテ方向には脈々とDNAは受け継がれているわけで・・・良い部分も悪い部分も。家族っちゅーもんは、なんだのう、ほんに因果なもんだのう ・・・と思ってしまいますよ。

リトル・チャールズと次女がリビングで仲睦まじくピアノを弾いていると、マッティ叔母さん(リトル・チャールズのオカン)が現れてリトル・チャールズにくだらない弾き語りをやめてさっさと帰宅するように言います。それだけではなくマッティ叔母は息子に必要以上に辛くあたっており「ちょっと、そこまで言うことないんじゃ・・・」というくらい。チャールズ叔父さん(リトル・チャールズのお父さん)が「お前、もういいかげんにしろ!これ以上息子にそんな態度とると離婚だぞ!」と言い放ちます。「家族ってのはお互いにリスペクトするもんだろう。少なくとも俺が育った家はそうだったよ」と叔父さん。この親戚の中ではもう唯一の良心がこの叔父さんなんですよ。彼のシンプルで力強い言葉が胸を打ち ます。そしてこの後衝撃の事実が・・・!

マッティ叔母さんが、そのやりとりを偶然見ていた長女バーバラにだけ告げた真実とは・・・リトル・チャールズと三姉妹は血をわけた兄弟、ただし半分だけ。つまり叔母さんと三姉妹のお父さんとの間に産まれたのがリトル・チャールズだったのです!だから恋仲のリトル・チャールズと次女はイトコ同士ではなく腹違いの姉弟ということですよ。そういうわけで、マッティ叔母から二人を止めて欲しいと頼まれるバーバラだったのでした。こんな爆弾も隠されていたとは・・・げに恐ろしや。

その夜、住み込みの家政婦さんジョナが庭で誰かが話している声で目を覚まします。三女カレンの婚約者スティーブと長女バーバラの14歳の娘ジーンが話しているのでした。昼間、スティーブはジーンに「葉っぱやったことある?俺いいのちょっと持ってるんだけど、どう?」 と大人としてあるまじき誘いをかけていたのでした。二人が夜更けの庭で葉っぱをやりながら話しているのを見た家政婦さんは、ジーンが襲われそうになっていると思いシャベルを持ってスティーブを攻撃します。シャベルで殴られて大声をあげるスティーブ。もちろん家族は何事?と起きて来て、事態が明るみに。長女バーバラが「この子まだ14歳なのよ!」とスティーブにつかみかかり、「葉っぱやってただけよ!」と叫ぶ娘にビンタ。もう、色んなことが最悪の事態になっちゃうんですよ。

三女カレンとスティーブはその日の夜に出て行きました。翌朝、夫ビルもジーンを連れて帰ることに。実家のベッドでビルとバーバラが一緒に寝ているカットがありましたが、とうとう夫婦の亀裂を修復することは出来なかったのです。次女アイビーが様子を見にやって来ました。彼女は明日、リトル・チャールズとニューヨークへ旅立つのです。しかし二人は姉弟・・・。「もうやめた方がいいと思う」と干渉するバーバラ。もちろん次女アイビーとも対立してしまうわけです。オカンにNY行きのことを告げようとする次女でしたが、実家と家庭の問題を抱えすぎておかしくなり薬中時のオカンのように振る舞うバーバラにキレて、なまずのフライが乗ったお皿をガッチャーン!と床に投げ捨てます。それに続き皿を床にたたきつけるバーバラとオカン(てか、家政婦さん可哀相)。アメリカ版:寺内貫太郎一家アゲインである。「リトル・チャールズと私はね・・・」と告白しようとした次女に「お前達は姉弟だよ」と言うオカンなのだった・・・。「 あたしゃ、ずーっと前から知ってたんだよ」とオカン。ショックを受けたアイビーは泣きながら実家を後にします。追いかけるバーバラを無視して・・・。

オカンは夫と妹の不義をずっと知っていたのです。しかしお互い決してそのことに触れずにここまで来ていたのでした。マッティ叔母とチャールズ叔父さん(真実を知っていたかどうかは劇中明らかにされていないが)もそのことについては話していないということ。薬中のときは、あんなに洗いざらいぶっちゃけていたオカンだったのにこの秘密を守っていたのが凄いと思いますが。

この後、お父さんの自殺についてオカンと長女が話すシーンがあるんですが、人でなしなことをわめくオカンの後ろに結婚写真が飾ってあるのがボンヤ〜リと見えるんですよ。中盤のお葬式の日のディナーでも意地悪な使われ方をしていましたが、ここでもまた一番幸せだったと思われる日の写真が実に効果的に使われています。お父さんはどうやらオカンと二人だけの生活に絶望して自殺を決心し、家を出る前に自宅の金庫の中に自殺予告の書き置きを残していたみたいですよ。しかしオカンは自殺を止めることなく、金庫のお金を自分のものにしたのでした。止めようと思ったら止められたかもしれない自殺・・・。更にお父さんの自殺の原因は家に寄り付かなかったバーバラにあると責めるオカン。それを聞いたバーバラは車で家を後にするのでした。オカンが娘達の名前を呼んでも全員出て行ったので誰もいません。家政婦さんの名を呼び彼女に甘えるように抱きつくオカン。

車で外に出たバーバラは野原が見渡せる場所で車を停めます。涙を浮かべた顔には開き直りともあきらめともつかない微笑を浮かべています。その後また彼女は結局オカンの家に帰ったと私は考えるのですが、皆さんはどうでしょう。これでオカンを見捨てたら、お父さんを見捨てたオカンと同じ人間になってしまう気がするんですよね。幸せだろうとそうでなかろうと、家族ってものはいつまでも付いて回る。そういう印象を受けました。これは私の解釈ですが・・・。

ということで、見事に誰も幸せにならない映画ですよ。これだけ不幸の連続アタックに見舞われることって、あるんでしょうか・・・。お父さんは自殺、オカンは薬中で家に一人、長女は離婚と子供との決裂、次女は相手がイトコじゃなくて弟だったという悲劇(なんか韓国ドラマみたいだな)、三女は婚約者の不貞未遂(しかも未成年の姪と)・・・。叔父は妻から裏切られ、愛する息子は実の息子じゃないという悲劇。もうお祓いしてもらった方がいいんじゃないの、この家・・・ということで、後味最悪かと思いきや不思議とそこまでではないんですよね。バーバラが最後に微笑を浮かべていたでしょうか。なにもかも失った後、もうこれ以上のダメージはないだろうとヤケクソになり悟った末にある一縷の希望・・・のようなものを感じました。

『ジュリー&ジュリア』ミセス・ダウトの元ネタだったのね・・・!

           

メリル・ストリープのファンである私の母親が観たっていってたような・・・と思って何気なく観てみました。あれ?パン屋の話じゃなかったっけ・・・と思ったら(それは「恋するベーカリー)違う映画でしたね。オープニングで「実際にあった二つの話に基づく映画」と出るので、ん~?と思ったら、20世紀中頃のパリで生きるジュリア(メリル・ストリープ)と21世紀初頭のニューヨークで生きるジュリー(エイミー・アダムス)のお話でした。時代の違うお料理好きな二人の女性が試行錯誤しながらサクセスを掴むというストーリーです。

メリル扮するジュリアは、政府関係の仕事をしている夫(スタンリー・トゥッチ)の赴任先パリにやってきました。そこでフランス料理の美味しさに目覚めたジュリアは、ル・コルドンブルーに通って料理の腕を磨きます。アメリカ家庭にフランス料理の素晴らしさを伝える!という目標を定めた彼女はフランス人の友人とお料理本の執筆に取り掛かります。様々な出版社に断られてしまいますが、努力のかいあってついに出版の運びとなりその本はアメリカでベストセラーとなるのでした。そして21世紀のニューヨーク・・・お料理好きのOLジュリー(エイミー・アダムス)は料理研究家ジュリアの大ファン。彼女の本にあるレシピを期限付きで全部再現するというプロジェクトをスタートさせます。ブログで経過を発信するジュリー。徐々に読者数も増え、新聞社から取材をされることに。注目を集めた彼女のもとには出版社からオファーの電話がなりやまず、晴れてライターとして独立をするのでした。この二人の女性、ジュリー&ジュリアのお料理サクセスストーリー が交互に展開される構成になっています。最終的にはサクセスなんだけど、その間に子供を持つことをあきらめる描写があったり、ブログにかまけて夫とうまくいかなくなったりとビターなエピソードもバランスよく挟まれています。

メリル・ストリープ演じるジュリアは、いつも超オーバーアクトで話すアメリカ夫人。常時「ああ~ら、これ、とお~っても、お~いし~いざ〜ま〜す!おお~ほっほっほ〜!」みたいな冗長なセリフ回しです(笑)。メリル・ストリープのタッパがデカいせいもあって、なんか女装しているオッサンみたいに見えたりして。・・・ってか、こういうキャラの人、子供の頃に見たことある・・・ミセス・ダウトじゃないか!「ミセス・ダウト」は故ロビン・ウィリアムズ主演のコメディー映画。妻と別れた俳優の夫が、子供たちに会いたい一心で特殊メイク&女装をして家政婦となり元我が家に潜り込むという話でした。その昔、母親に連れられて映画館で鑑賞し、ビデオも家にあったので何回も観たんですよ。別れた妻の新しい彼氏が、ピアース・ブロスナンでしたね。映画の中ではスカしたハンサムで、なんかチープな当て馬感満々という役柄だったんだけど、その後は007になったので驚いたものです。ロビン・ウィリアムズは今年亡くなってしまいましたねえ・・・。確か「ミセス・ダウト」の中で女性らしい振る舞いを身に付けるために、ロビン・ウィリアムズがジュリアのお料理番組を見て研究するシーンもありましたっけ。

メリル・ストリープ演じるジュリアの夫はスタンリー・トゥッチなんですが、このツーショットはどこかで・・・?と思ったら「プラダを着た悪魔」でも共演してたんですね。しかしこの二人が夫婦役で、寝る前にベッドの上でイチャイチャしてたりするのは「えっ、そこまでやらなくてもいいんじゃ・・・早く、暗転してくれ!」と思ってしまいました(笑)。ジュリアの妹ドロシー(ジェーン・リンチ)がパリにやって来るシーンがあるんですが、この妹もタッパが高くて男みたい。その後妹のドロシーはパーティーで出会った背の小さい男性と結婚するのでした。姉妹そろって大女で小男と結婚ですよ!そしてドロシーは妊娠するのですが、その知らせが書かれた手紙を受け取ったジュリア(子供が欲しかったが、あきらめた過去あり)が泣くシーンが、とても切なかったです。

一方、現代に生きるジュリアファンのジュリー。エイミー・アダムスがショートカットでキュートに演じています。キャリアはいまいちパッとせず、ストレスはお料理で解消という既婚OLですよ。そんな退屈な日常を打破するために思いついたのが、ジュリアのレシピ制覇です。ジュリーの母親が大事な会食でジュリアのブッフ・ブルギニヨンを作ったとき、とても美味しく出来てまるでジュリアその人がその場にいてくれたようだったと回想するジュリー。かなりのファンのようで、忠実にレシピを再現していきます。バターを死ぬ程使ったフランス料理が美味し過ぎる〜!と悶えるシーンがありますが、確かにバターを大量に使ったクロワッサンなんかはとっても美味しいですよね(痛風が心配だが)。大きな生きているロブスターをこわごわと調理したり、時間を忘れてブッフ・ブルギニヨンの丸焦げを作ったりと悪戦苦闘する様子が可愛らしく描かれています。

ただそれだけっちゃ、それだけの話なんだけれど「料理を作って食べることって、生きることの基本なんだよなー・・・」とここ数年で自炊を始めた私はしみじみ思ったりするのでした。しかし同居している人が料理好きだというのはありがたいですよね。ジュリアとジュリーの夫が羨ましいです。羨ましいと言えば、ジュリーのブログなのである。最初は誰も読んでいない過疎ブログで、やっと初コメントキター!と思ったら実の母親からだったりするんだけど、だんだんと人気ブログになって読者からオススメ食材とか送られて来るんですよ。いいな、いいなー・・・なんて指くわえて見てたりして。あっ、私は別にモノが欲しい訳じゃないんですよ、皆様の暖かいコメントや拍手ボタンクリックが私のモチベーションの源なので(汗)!はい!

ジュリーがレシピ再現プロジェクトをやっているとき、実はジュリア御大はご存命だったんですね。ジュリーのプロジェクト成功の暁には色んな出版社やエージェントからのメッセージで留守電がパンパンになるんですけど、実はジュリアご本人はジュリーのプロジェクトのことをあまりよく思っていないみたい・・・なお知らせが入っていて、ジュリーは多いに気にしてしまうんですよ。どうやらジュリアはジュリーのことを、自分の本をネタにして世に出ようとするフォロワー、ウザイ!みたいな風に思っていたようです。てっきりフランス料理が繋ぐ二人の女性の絆、ああお料理ってスバラシイ!みたいな着地になると思っていたんですが、このあたりがまたリアルだなって思いました(和解もナシ)。しかしブッフ・ブルギニヨンが食べたくなる映画でした。一見、汁気のないビーフシチューみたいに見えましたけど、ビーフシチューよりも美味しいのかなあ。


「すーちゃん」を観て以来、気になっていたルクルーゼですが、本作でもジュリーとジュリアがオレンジ色の鍋を使っていました。いよいよ欲しくなり、こちらのアウトレットでついに購入しました。22cmのココットロンド、色はオレンジです(赤と迷ったけど、んジュリー&ジュリアに影響されて)。チェコでのレギュラー値段は4,600コルナくらい(@23,000円)ですがアウトレット価格で3,300コルナ(@16,500円)でした。日本のデパートや公式ショップで買うと35,000円くらいするので、やはりヨーロッパではルクルーゼが安いと思いました。それでも夫は「こんな高い鍋・・・」と驚いていましたが。でも毎日使えば余裕で元を取れると思います。自炊にもハリが出るというものですよ。楽天でも探せばチェコのアウトレットと同じくらいの価格で買えたりするみたいですね。

『猿の惑星:新世紀 ライジング』やっぱり言葉を発するシーンはアガる


             



「猿の惑星」のリブート第一作となる「猿の惑星:創世記」から3年・・・新作を観て来ましたよ。創世記の頃はまだ日本に住んでて、映画の時間に遅れそうになって焦った私は新宿丸井前で派手にコケたことを覚えています。同行していた夫が「大丈夫?」じゃなくて「何やってるの・・・」とあきれて言ったのも覚えていますよ(そもそも遅れそうになったのは夫のせいなのだが)。まあ思い出話はそれくらいにして、創世記はメッチャ面白かったですよね。シーザーがマルフォイ(もといトム・フェルトン)に、「ノオオオオー!!!!」って言ったあの瞬間、椅子に座ってたけど腰が抜けるかと思いました。


※前日譚なのでライトにネタバレします。



さて、新世紀ライジング(微妙な邦題だな)なんですが・・・あれ?ジェームズ・フランコが出てない。てかシーザーとオデコをくっつけている俳優は誰?新世紀ライジングは創世記から10年後の世界が舞台です。創世記のラストでウイルスが世界中に拡散されていましたが、その後パンデミックを起こして人類がニアリー滅亡しているという世界なんですよ。だからジェームズ・フランコも彼女のフリーダ・ピントも恐らく死んでいるんですね。

進化したエイプたちは森の中に居住し、ずば抜けた知性とカリスマ性を持ち合わせたリーダーのシーザー(今回も中の人はアンディ・サーキス)を頂点とした社会を作り上げていたのでした。住居を造り、火を起こして暖を取り、家畜(ロバ?)を育てて手なずけているという、かなり進んだ感じの社会ですよ。 シーザーには妻子があって、二番目の息子が産まれたばかりです。前作でマルフォイの父ちゃんがやっていた製薬会社のエイプ収容所から助け出した仲間達も一緒に住んでいます。群れのナンバーツーはコバ(トビー・ケベル)というチンパンジーでシーザーに恩があるゆえに忠実な部下となっていました。オランウータンのモーリスもいます。

面白いのがエイプたちの種族による大雑把なキャラの分け方です。大多数がチンパンジーですが、ゴリラやオランウータンも一緒に暮らしてるんですね。ゴリラは凶暴な肉体派(群れの中ではボディーガード的な役割を果たしている)、オランウータンは平和主義の知性派というのがわかりやすくてナイス。そういえば創世記では、サンフランシスコのトラムの上にシーザー、モーリス、 ゴリラ(後でヘ リに体当たりして実に男気のある死に方をする)の種別的にバランスの取れたショットではなかったでしたっけ。

人間たちは絶滅したと思われていましたが実は少数だけ生き残っており、なんとか生きのびる策を練っていました。エイプたちが住む森の奥に発電所があり、そこを稼働させることが出来れば人間の生存率が上がるということで人間たちが森へやってきます(しかし車で来れるくらい近くに住んでたのね)。その一団の一人が森の中で遭遇したコバの息子を射殺してしまい、にわかにエイプ対人間という対立構造が再び浮かび上がるのでした。ここまでは手話で話していたエイプたちでしたが、このシーンではまたシーザーがかましてくれるんですよ。「ゴー!!!」ここから立ち去れ!と人間達に向かって咆哮するので した。さ、猿が、しゃ、しゃべった・・・再び。エイプたちは集団の中では手話ですが、中盤から終盤の戦いになるとエイプ同士でも言葉を発して意思疎通するようになるんですよね。簡単な中学生英語なんだけど、単純であるがゆえに妙~な深淵さを持って迫って来るという英語なんですよ。

しかし人間側のキャストが地味~!シーザーと友情を構築するいい人間(前作のジェームズ・フランコ的な役割)のマルコム役の人はジェイソン・クラークという俳優さんで、華がないしイケメンでもない普通の白人顔でどうも覚えられそうにありません。知ってたのは生存者のリーダーを演じるゲイリー・オールドマンくらいか。最初は理解のありそうな市長さんみたいな人だったけどラストで親猿派になったマルコムに「あいつらは動物だぞ!」と言い放っていて 、そこが「ああっ」と思っちゃいましたね~。ゲイリー・オールドマンが混乱しているモブの中にいるときはちょっと「バットマン」シリーズみたいでしたけども。マルコムの恋人役の女性はどこかで見たことあるような・・・と思ったら、あの名作「ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた」のヒロイン、ケリー・ラッセルでした。

結論から言うと、やっぱり進化した猿と人間は共存出来ないんですよ。それぞれの中にアンチ人間、アンチ猿がいて、仲良くどころか信用することが出来ない。そもそも猿のほとんどが製薬会社などでひどい目にあってきた個体なので人間不信だし。そして「猿は猿を殺さない」という美徳も破られてしまうんですね。裏切るのがナンバーツーのコバなんですが、またそれも悲しいんですよ。シーザーは友人/仲間/部下から裏切られちゃうわけですから。でもコバは息子を人間に殺されたんであって・・・という負のスパイラル。そして銃を手に入れてしまった猿は本当に始末に負えなくなっちゃうんですね。嘘をつく、殺しをやるとい うことでもう人間と同じ汚れた属性を持ってしまったんですよ。猿VS人間ということですが、これは人種や民族などに当てはめて考えると有志以来人間が積み重ねて来た歴史と同じではないですか。悲しい、悲しいのう・・・!

監督は前作でグッジョブだったルパート・ワイアット監督から変わってマット・リーブス監督なんですが、地味だけれども確実な感じに仕上げて来たなあ〜という印象です。ただ残念だったのが主演男優ですかね~。別に有名な人でなくていいんですが、もっと演技力のある人をキャスティングした方がより心の良い人間側の心情が観客に伝わって泣かせることも出来たんじゃないかなあ~と思いました。ジェイソン・クラークは人間側の主役なのにシーザーやゲイリー・オールドマンと一緒に画面に出ているとき、圧倒的に存在感等で渡り合えていませんでしたしね。

コバに撃たれたものの、驚異の回復力で肉弾戦を勝ち抜いたシーザー。これまで以上にエイプ界に君臨する超カリスマとなったことは疑いようありません(家族が全員無事でよかったな)。次回作はいよいよオリジナル第一作の「猿の惑星」に近づく内容になるみたいです。猿は服を着るのか?シーザーの二番目の息子の名前は?などと気になるところです。とにかくまたシーザーの活躍が見られるというのが嬉しいですね。今後普通に猿同士でも言葉を話すようになれば、一作目「ノー!!!」二作目「ゴー!!!」に次ぐアガルシーンはなくなっちゃうのかな〜。シーザーの最初のセリフにも注目ですよ。

チェコっとみつけた、こんなモノ:第35回 PURITY VISIONのRůžová voda(ローズウォーター)

ローズウォーター

EUイチ、ピュアなローズウォーターがチェコに・・・?!


「チェコっとみつけた、こんなモノ」は、私がチェコで見つけたチェコっと可愛い、ユニーク、便利 etc・・・なものを雑談しながら紹介するというコーナーです。日本では見かけないもの、お土産にすると良さそうなものを中心にピックアップしています。 ただしチェコで見つけたモノが対象なので、チェコ製ではないものも含まれます。その点は何卒ご了承下さい。

今まで基礎化粧品はイヴ・ロシェのものを使っていましたが、さすがにちょっと飽きてしまったので浮気することにしました。保湿クリームが第32回で取り上げたザクロのシアバターになったので、化粧水はどうしようか・・・?と考えていたら、いつものdm(ドイツ系ドラッグストア)の自然化粧品コーナーでローズウォーターを見つけたので買ってみることにしました。PURITY VISIONというブランドのものらしく、売られているのはウォーターだけでした。ローズウォーターas化粧水は第9回で取り上げたボタニクスのものを使ったことがありますが、これはどんな感じだろう・・・?

青っぽいリアルな植物っぽさを残したボタニクスに比べると、PURITY VISIONのはスプレーした途端に華やかなローズの香りが漂います。日本に住んでいた頃、ラデュレのサントノレ・ローズ・フランボワーズというケーキが好きでよく食べてましたが、そのローズクリームに似た感じの非常にいい香りです。ああ、ラデュレのお菓子が食べたいなあ・・・。私はローズ系のお菓子が好きで、他にもローズのルリジューズやマカロンをよく食べていたものです。あの淡くて優しいピンク色を観てると気分がアガったし、仕事で傷ついた心が癒されたんですよね。ということで、今回もGoogle先生に手伝ってもらって 色々調べたことを書いてみます。

PURITY VISIONについて

・最新の化学技術と伝統的なトリートメントを組み合わせたブランド。
・高品質のものを低価格で提供している。
・発展途上国のヘルスケアプロジェクトをサポートしている。
・製品開発、ロジスティクス、セールスにおいて自然に配慮したオペレーションを行っている。

Růžová voda(ローズウォーター)について

・子供、敏感肌を含めすべての肌質に使える。
BDIH認証取得。
・EUで製造されているローズウォーターの中で純度が最も高い。
・添加物は一切含まれていない。
・インドのタール砂漠で栽培された手摘みのダマスクローズ使用。
・クレンジング、リフレッシング、メイクのフィックスに使える。
・肌のpHを整え、保湿する。
・シワを軽減する。
・ニキビ、日焼け後、ひげ剃り後の肌にも使用できる。
・軽い傷、疲れ目やほてった肌に当ててケアもできる。


・・・と、ここまではスキンケア製品として「ふむ、ふむ」と読んでいたのですが・・・なんとこのローズウォーターは食用&飲用にも使えるそうです!


・食べて も安全な純度なので、クリームやマジパン、ケーキなどのお菓子作りの香り付けとしても使用出来る。
・ワインやシャンペン、カクテルに加えてもOK。
・水に数滴加えて飲むと爽やかな風味を楽しめる。

マジで?ということで、水に数プッシュ加えて飲んでみました。水の味自体は変わらないけど、口から鼻に香りが抜け、とてもいい気分。お口の中が資生堂ばら園です。もしかして、ラデュレはPURITY VISIONのローズウォーターを香り付けに使っているのか?と思うくらいです。しかし、HPには堂々とEUイチ、ピュアなローズウォーターだと書いてあるんですよ。これが本当だったら、もっとそこに焦点を当てた売り方をしてマーケットの裾野を広げた方がいいんじゃないかと思うんですが。容器やラベルのデザインもHPのデザインも素人くささが抜けないのが残念なんですよね。まあそこがチェコっぽいっつっちゃあ、チェコっぽいんだけど・・・。

常々思うことなんですが、この国には「マーケティング」とか「ブランディング」とかいう概念が殆どないような気がするんです。大企業や外資系は別としてチェコの中規模から小規模のブランド/お店でなかなか「商魂たくましいな、売り方上手だな、買いたいな」と思うことがありません。マーケティングがヘタというより、そもそも消費文化自体がまだこの国に根付いていない感じなのかもしれませんね。だって社会主義が終わってまだ二十数年しか経ってないわけだし・・・。そして国民性を見ていても非常に締まり屋でケチな印象がしますし。いい意味では地に足がついた賢い消費者なのかもしれないけど、浮かれた消費大国ニッポンから来た女としては妙〜に寂しい。チェコのOLとか「頑張った自分にご褒美♪」とかしてんのかな〜?

ちなみにdmでのお値段は179コルナ(@895円)でした。チェコっぽい製品ではないけど、お手頃だし「食べても飲んでも大丈夫な、EUで一番ピュアなローズウォーター」ということでお土産にいかがでしょう?売っている場所はPURITY VISIONのサイトにあるショップリストをご覧下さい。

PURITY VISIONのHP
dm(ドイツ系ドラッグストア)のHP


サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局なんか、こんなにビッグになっちゃったのに・・・。

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