@itan-journ@l praha

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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』キャップ童貞記録絶賛更新中

        



行ってきました、キャップの最新作!このシリーズについては、もうどこから語ればいいのか・・・というくらい思い入れタ~ップリです。前作「ファースト・アベンジャー」を観たのは忘れもしない2011年の夏でした。会社を辞めたその足同然で向かったマレーシア。そこで友人Iに連れられて観たのが一作目だったんですね。南国で自由を謳歌していた当時の自分と少し滑稽なまでに純粋なキャップのストーリーとが、なんだか一緒くたになって2011年夏の素敵な思い出としてラベリングされているのですよ。

ファースト・アベンジャーの鑑賞体験はその後、私の映画鑑賞スタイルにも大きな影響を与えました。一作目は予告編未見なのはもちろんのこと、どんな映画なのか?誰が出ているのか ?等の情報を一切入れずに観たんですね。もちろん故意にそうしたわけではなく、すべては全くの偶然だったのですが(海外と日本とでは公開時期にギャップがあった為)・・・。まったく映画の予備知識がないまま観た私は、フニャフニャのもやしっ子だったスティーブがドーピングマシーンに入ってムキムキマッチョになって出て来たとき・・・「エエエエーッ!!!と目を剥き、椅子から飛び上がらんばかりに驚いたんですよ。


クリス・エヴァンスという俳優の存在も知らなかったからの驚きだったんですが(既に出演作は観ていたものの、存在を認識していなかった)、本当に彼の存在をキャップまで知らなくてよかった・・・と思えるくらい、あのシーンは衝撃的でした。以来、新鮮な映画的驚きを享受する為にもなるべく予備知識がない状態で観ることにしたのです。最近のトレイラーは作品への関心を高めると同時にほぼネタバレという諸刃の剣になってしまっているものがイッパイあるじゃないですか~。なので事前情報はジャンルと監督&主演俳優の名前くらいで充分だと思うようになったのもあります。

あと映画といえばミニシアター系、とツウぶっていた私を大作に開眼させてくれたのもこの映画かもしれません。どちらかというとヨーロッパびいきでアメリカを文化的には下に見ていた私。マーベルのアメコミ映画なんてプッ、子供が観るもんでしょ~とバカにしていたきらいも正直ありました。しかし友人Iに連れて行かれて面白さに開眼。映画観ず嫌いを矯正させられたのでした(友人Iは「マーベルは裏切らないんだよ」や「メジャーを知らずしてマイナーを語るな」という金言をドロップ)。

ということで実に幸せな出会い方をした一作目と私。そして今回の二作目は・・・うーん、やっぱり一作目との出会いが運命的だったからか、正直そこまでテンションは上げられませんでしたね。でも普通のマーベル映画として観ると、かなりいい線行ってる。「アイアンマン3」よりは全然面白いですよ。



※ネタバレします。



前作が40年代あたりを舞台にしたノスタルジックなアクションだったのと比較して、本作はテクノロジーバリバリの現代アメリカ。ポスター等で見て「あれ・・・」と違和感を感じていたのですが、キャップの髪型が変わってるんですよ!前作と「アベンジャーズ」では8:2分けだったのに、本作では短髪になっている~!!!童貞テイストがちょっと薄れてて残念・・・。ヤリチンを演じているときのクリス・エヴァンスと同じ髪型になっていたのです。髪型は現代にアダプトした感のあるキャップではありますが、スマホは持たずにメモ帳を愛用しています。冷凍されていた間に起きたことをメモっているのですが、真面目か!とちょっと嬉しくなったり。しかしおよそ70年間冷凍されていたので、カルチャーギャップ要素を活かしたシーンとかもっとあればよかったですね~。ソーの一作目みたいに色々と面白いシーンが作れたのではないかと思うのですが。

今はワシントンD.C.にあるSHIELDで働いているキャップ。時系列的にはアベンジャーズ後のようで、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)と一緒に危険任務にあたっています。スカヨハはもともと声が低いんですが、今回は酒やけ?ってくらい荒れている様な気がしま す・ ・・。スカヨハとクリス・エヴァンスは「私がクマにキレた理由」や「スカーレット・ヨハンソンの100点満点大作戦」で共演してるんですよね。スクリーン上の相性は安定していていい感じです。しかし二人とも若いな〜!


私がクマにキレた理由↓




スカーレット・ヨハンソンの100点満点大作戦↓
しかしこの邦題は・・・





今回の黒幕はロバート・レッドフォードですよ。SHIELDのお偉いさんで、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とは旧知の仲のようですが、なんだか妙~な違和感が漂っています。映画評論家の町山智宏さんによると、レッドフォードのキャスティングは昔の映画へのオマージュで本作にも色々と政治的な意味が込められているんだそうですよ。興味のある方は「たまむすび」のポッドキャストをチェックしてみて下さい。

SHIELDは秘密の地下工場で巨大な空母を作っていて、それで潜在的なテロリストなどを空から破壊するというプロジェクトの真っ最中でした。「そんなの、恐怖でしかないじゃないか!」と予想通り、超正論のキャップ。しかし、考え方によってはメリットもあるわけで、これは答えが出ない複雑さを孕んでいる大きな問題なのかもしれません。大国アメリカが抱える問題なのです。

その後、SHIELDのビル内でニック・フューリーのパスが無効になってたりして、なんだか怪しい雲行きです。と思ったらすぐに謎の武装集団に攻撃されるフューリー。いつも落ち着き払っており、頼りになる上司であるフューリーが、今までこんな窮地に立たされる場面があったでしょうか?!ちょっと今回はヤバいな、ヤバいな~!と、想像したよりもずっと強大な悪の存在を感じる訳です。

彼を攻撃する連中の中に黒いパワードスーツみたいなものに身を包んだ男が。この男こそがタイトルにもなっているウィンター・ソルジャーで、かつてのキャップの親友バッキー(セバスチャン・スタン)だったのでした。いや~、バッキーがまさかこんな風になっちゃってるとはね~!一作目ではなんてことないヒーローの友達役だったのに、今回はすごい悪役に生まれ変わっちゃってるんですよ。回想シーンで昔のバッキーも出て来るんだけど、もう全然オーラが違う!洗脳されたリーサル・ウェポンでありながら、訳ありげな悲しみを秘めた悪役ぷりがすごいです。友人Iは「バッキーの長めの黒髪と泣きそうな顔が萌える」とコメントしていました。演じるセバスチャン・スタンさんはこの役で9本出演する契約を既に結んでいるとか!アベンジャーズシリーズも存在感のある悪役ゲットで安泰なのではないでしょうか。


なんとか逃げきったフューリーはキャップの自宅へ。極秘データが入っているメモリ棒を託すのでした。その後キャップの家も攻撃されちゃうんですが、隣人の美人シャロン・カーター(エミリー・ヴァンキャンプ)が警護の為に配置されたSHIELD職員だったんですね。「あれ、キャップ彼女できそう?」って思ったら仕込みだったという。この彼女はWikiによると原作ではキャップの恋人らしいんですが、今後も出るのかなあ~?

で、結論から言うとキャップは今回も童貞で終わるんですよ。髪型は童貞じゃなくなったけどね!スカヨハから「お前さ、週末何してんのw?」と半笑いで聞かれるんですが(決して探られている訳ではないのが受ける)「昔の友達はみんな死んだからな~」と答えます。バッキーも生きてるし(改造されちゃってるけど)、ペギーもまだ生きてるんですけどね!ペギーはその後、他の男性と結婚してたくさんの孫にも恵まれて幸せなおばあちゃんになっていました。病気で寝ているペギーをキャップが見舞うシーンは切なかったです!

フューリーは事故が元で死亡してしまうんですが・・・ええええー!?とビックリ。フューリーなしで、どうやってアベンジャーズたちをまとめあげるんですか?と心が折れてしまう訳です。ヤバい・・・フューリー死亡なんて、やっぱり今回の敵は強大すぎる・・・と再びガクブルする私。攻撃の手はもちろんキャップにも及び、エレベーターの中でむくつけき男たちにフルボッコにされそうになるんですが、キャップは負けません!フューリーから「誰も信じるな」という言葉とともに渡されたメモリ棒を隠し場所に取りに行くんですよ。病院の自動販売機の中に隠したんですが(でも一体どうやって入れたんだろう?)棒はなくなっていました。スカヨハが既に取っていたんですね。

二人で謎のメモリ棒のデータを開けてみると、ニュージャージーにある秘密基地の地図が。そこへ行って秘密基地を起動させると、なんとレッドスカルの手先だったドクターゾラがパソコンの中で生きていたのです!悪の組織ハイドラは実は壊滅されていなかったのでした。

モールの中にあるアップルのお店からキャップとスカヨハが逃げるときに、敵をまくためフェイクでキスするんですが、その後スカヨハが半笑いで「あんたさ~、キスしたの何回目w?」みたいに聞くんですよ。「べ、別にキスしたの初めてじゃないし!ま、前にも相手いたし!」と若干ムキになって否定してしまうのが童貞なんですな・・・。「ふ~ん、まあどうでもいいけどww」と、常にスカヨハが半笑いなテンションなのが、またいいんですね(笑)。

今回、親友バッキーが悪の手先になっちゃって可哀相なキャップなんですが、新しい相棒が出来るんですよ。それが、鳥人間のファルコン(アンソニー・マッキー)なんですね。演じるアンソニー・マッキーさんは「ハート・ロッカー」での助演が印象に残っています。フィルモグラフィーをみるとクリス・エヴァンスがヤリチンを演じた「運命の元カレ」にも出演していたみたいです(忘れちゃったけど )。このページによると、エヴァンスとアンソニー・マッキーは「運命の元カレ」以来の仲良しさんなんだそうです。ファルコンがまた素晴らしい仲間になっていくわけですよ。自由に空を飛べる取り人間パワードスーツを着て、弾丸をよけながらキャップを援護するシーンは爽快感満点でカッコイ~イ!!!鳥人間スーツは「俺、これ欲しい!(キムタク風)」となってしまいました。

その後、キャップとスカヨハとファルコンはまた謎の軍団から攻撃されてしまうのですが、その中にウィンター・ソルジャーとなったバッキーがいるんですよ!「あれ、バッキー?!」と気が付くキャップ。しかし綺麗に洗脳されているバッキーはキャップを殺そうとするのでした。とりあえずフューリーが実は生きていた と知ってホッと胸を撫で下ろす私。そうだよね、ニック・フューリーが死ぬわけないよね!フューリーの部下のマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)はシリーズ中、目立たないけど重要な役割を果たしていますよね。演じている女優さんも上品で綺麗な方です。

大雑把な理解ですが、実はレッドフォードとハイドラがバックで繋がっていて、SHIELDが乗っ取られかけてた・・・みたいな感じなんでしょうか?それに気が付いたフューリーがアクションを取り、キャップたちを使って阻止したみたいな・・・。ということは秘密プロジェクトのSHILED空母がハイドラに乗っ取られているのと同じということで、キャップたちは空爆(衛星からの空爆で、すごい規模で犠牲者が出る感じ)を阻止するべく現場へ急行します。

結局ギリギリ、ギリッギリのところでキャップが空爆を止めるんですが・・・まあこのへんはお約束といったところでしょう。最後のアクションの緊迫感は断然前作の方が上ですね。今回はハイテクでチップみたいなのを挿入しなきゃいけないんですが、このちっこいチップがすんでのところで手から転がり落ちたりして、しかも小さいから肉眼で見つけにくい特性を活かして「あああ~!チ、チップが〜!」みたいな演出をすればよかったのにな、ってちょっと思ってしまいました。ハラハラ演出が上手なベン・アフレックが監督だったらきっとしてくれるかもしれません。

「バッキー、俺のことを忘れたのか?!」とウィンター・ソルジャーに訴えるキャップ。その心が通じたのか、ウィンター・ソルジャーは気絶したキャップに致命傷を与えることなく、それどころか最後は爆発した空母からキャップを救命までして去って行くのでした。ううう~ 、切ないのう・・・。その後、救出されたキャップは病院で目覚めるのですが、横にファルコンがいるんですよ。で、「左側にご注意!」と初めて二人が出会ったときのセリフを言うキャップ。ふっと微笑むファルコン・・・。なんだこのイチャツキ具合は~!?キャップは童貞卒業どころか、今後ファルコンと、どうかなっちゃいそうって思うのは私だけですかね(笑)。アンソニー・マッキーさんは「ハート・ロッカー」でもそういう感じでしたし。

ラストはキャップに対するスカヨハの半笑いテンションも払拭されていたようなので、ちょっと安心しました。今回は客席の灯りが灯るまで着席して、おまけシーンをしっかりと見ましたよ!ひとつは、どこかのラボでガラスの部屋に入れられた超能力者の双子がサイコキネシスしているシーン(英語よくわかりませんでした)、もうひとつはバッキーが変装して博物館のキャプテン・アメリカ展を見に行ってるシーンでした。彼はそこでスティーブの友達だった過去の自分を知る訳なんですが、今後ちょっと悩んでしまいそうですよね~。しかしキャップはコスチュームをちゃんと返却したのだろうか、警備のおじいさんがクビになってないか心配です。

続きは2年後の2016年だそうで、気長に待ちます。その前にアベンジャーズの続編ですね。2015年だそうです。いつも思うのですが、アベンジャーズメンバーに訪れる危機の時、他のメンバーは一体何をしているんでしょうね~?(爆)とりあえずキャップの童貞記録が保持されたので安心・・・でもあるし心配でもある本作なのでした。まあ仕事が楽しければいいのさ!

余談:私の夫はなんとなく雰囲気がキャップに似ています(正確に言うと、キャップを演じているときのクリス・エヴァンス風。体型とか顔の型とか童貞ぽいところが似ているのでエヴァンスのようにイケメンではありません)。友人たちからも指摘されたことがあるので、恐らく似た様な感じはあるのでしょう。「それなら私はキャプテン・チェコだね」と夫。キャプテン・チェコ・・・映画の冒頭ですぐ死にそう!!しかも流れ弾にあたったりとか、しょ〜もない感じで!そうなるとキャプテン・アメリカとはさすがに大国の名前を冠しているだけあってカッコイイ響きですね。その後「キャプテン・フランスは『まあまあ、戦争よりワインでも~』と言ってそう」とか「キャプテン・ジャパンの必殺技はハラキリ」とかクダラナイ話に花が咲いたのでした。

追記:友人Iから指摘があったので追記します。博物館の警備のおじいさんはスタン・リーさんという方で、名だたるマーベルコミック原作者でマーベルの父と呼ばれるお方だそうです。彼は実写化されたマーベル映画にカメオ出演するのがお約束なんだそう。ということは今まで何度かお会いしているということですね。まったく知りませんでした・・・マーベルユニバースにとって文字通り創造主みたいなお方なのに、私ったらなんという失礼を・・・!!!全力で土下座しお詫びしたいと思います。おまけシーン×2も大事だけど、スタン・リー様のカメオ出演も見逃してはいけないと思いました。

スタン・リー様のカメオ出演まとめyoutube↓



そういえば、今回スタン・リー様のカメオ出演シーンで大爆笑している観客がいたけど、そういうことだったのね・・・と納得。

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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』ジイさん子育て大正解

                            


プラハで開催されていた国際映画祭で上映されていた一本です。「な~んか地味かもな~」と思って選んだものの、結構良い映画でした。同行した友人のノワちゃん(仮名。映画祭のラインナップを数本消化済み)も「これが一番良かったかも・・・」と言っていました。

監督は人情味溢れるヒューマンドラマが得意なアレクサンダー・ペイン監督。原題は「ネブラスカ」だけなんですが、邦題に余計なサブタイトルが・・・「ふたつの心をつなぐ旅」って・・・コレいらなくない?!まあ、このサブタイトルでロードムービーなことは分かる。対立や不仲など事情があって相容れない関係だった二人が、旅を通じて相互理解を高めハッピーエンドになっていくのだろう・・・というストーリ ーが容易に想像出来ます。この映画だと年老いた父と息子ですね。しかし、もともと息子は父親思いのメッチャ出来た息子だし、父子の仲はこのうえないくらい良好なんですよ。だからなんだか観賞後にタイトルを見ると違和感を感じちゃうんです。まあ「ネブラスカ」だけだと弱いのかもしれないけど、ヒューマンヒューマンしてる感じが好きじゃない観客には敬遠されてしまうかもしれませんね。

全編モノクロームなのがいいですね。カラーだったら、ありふれた人情劇ぽくなってしまいそうですが、モノクロの静謐さが親子の絆は素晴らしい!という不偏さを語り、名画ぽい凄みを演出していると思います(実際、いい映画なんですが)。マレーシアで「ファミリー・ツリー」を観ましたが、同じ様な家族ヒューマン系でも本作の方がずっと好きですね。この映画のキャラクターは庶民だし、家族とか親戚とかが集まってグダグダしてるムードも「ああ、こういうシーンってあるよな~」と妙に安心したりしてしまいます。

年老いたお父っつあんのブルース・ダーンはこれでオスカー主演男優賞ノミネートです。「ダラス・バイヤーズクラブ」のマコが受賞したので逃してしまう結果になってしまいましたが。鬼気迫る役作りをしたマコに対して、ブルース・ダーンの演技は「これ素なの?本当に半分ボケてるんじゃ・・・」ってくらいナチュラル。天衣無縫なナチュラル・ジイさんなのである。まあ演技アプローチの違いですね。私は娘のローラ・ダーンの方がなじみがあるんですが「ジュラシック・パーク」とか「ブルー・ベルベット」とか懐かしいですね。オスカーのことをいえば、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、助演女優賞(ジューン・スキッブ)と主要な部分でノミネートされています。

息子のデイビットを演じるのがウ ィル・フォーテ。彼とはこの映画で初めましてなんですが・・・いやフィルモグラフィーを見ると「ロック・オブ・エイジス」に出てたみたいですね。全然印象に残っていませんが。この彼がいいんですよね。いつもどこか悲しみをたたえた様な表情がモノクロームの画面に映えます。この人、もうちょっと背が高くて顔がシュっとしてたら、すごくイケメンではないかと思うんですが。この息子は電気屋さんで働いてて、アラフォーくらいなのに独身というボンクラテイストなんですよ。

彼はかつて同棲してた恋人とヨリを戻したがっているんですが、この恋人がものすごいデブで。しかし全然そんなこと気にしてないってのがまたイイ人感を演出していました(結局ヨリを戻せずにフラレてしまうのだった)。この映画に出て来る女優陣がまたいいんですよ。みんなババアだったりデブだったりして美人は一人も出てこないんですが、アメリカの片田舎にいる女性ってこんな感じなんだろうなあ~というリアルさ。田舎のステーキハウスみたいなところでカラオケをしているおデブな女性のカットがあるんですが、ここで場内が爆笑していました。出落ちなんですよね。この「プッ」というテイストが心地よいのです。

爆笑といえば劇場内では頻繁に爆笑が巻き起こっていました。マレーシアの観客もベタなところでよく笑っていましたが、チェコの観客もベタ好きのよう。特に強烈なキャラクターのおかん(ジューン・スキッブ)が出て来るシーンではみんな大喜びでした。このおかん、見れば見る程ブサイク猫の「まこ」にそっくりです。まこが人間に返信したらジューン・スキッブさんに違いない、間違いない!と確信するくらい似ています。彼女がギャーギャー言っているシーンは本当に安定の面白さ。岩井志麻子ばりにエロネタをぶっちゃけても、なんだか許せちゃう可愛いオババですよ。老人の「昔はそりゃモテてモテて大変だった」という自慢は経年による記憶の書き換えも起きていると思われるので、相当に盛っていると思って聞いた方がいいなと思いました(笑)。

途中でデイビットの兄さん(ボブ・オデンカーク)も合流するんですが、この兄ちゃんがローカルテレビに出てるタレントみたいな仕事をやってるんですよ。で、お父っつあんが言い張ってる「賞金があたったんだ」を本気にした親戚と金を巡ってケンカするんですが「顔は殴るな、芸能人なんだから」と言ったりしてて、このスケールの小さい感じもまたイイ!って 思いましたね。親戚とケンカするシーンも骨肉の争いみたいなドロドロ感は皆無で、小学生男子が校庭で小競り合いをしてるようなトホホホホホ・・・な感じが良かったです。そして子供たちがみんなアラフォーくらいのいい年なのに、独身なのがまたいいんですよ。兄さんも独身みたいだし、親戚のデブな双子もいい年してニート実家暮らし。この感じが、なんとなく今っぽくないですか?幼い子供たちがほとんど出てこないのがこの映画の激渋シルバーテイストに磨きをかけている様な気がします。

古い知人の納屋から農機具を持ち逃げして、やっぱりこの家じゃなかった!となるシーンは昭和のコテコテのコントみたいなんですけどチェコの観客は大喜びでした。さて賞金を受け取る為に訪れた小さな事務所、もちろん賞金などあるはずもなく受付のお姉さんから景品(「賞金当選者」と刺繍のしてあるキャップ)をもらって帰るのですが、こんな茶番に付き合ってやる息子は本当にいい息子ですよ〜。なんにもないネブラスカまで車で連れて行ってあげて、茶番に付き合ってあげて、これだけでも満足なのに更に息子はお父っつあんの夢だったトラクターと農機具を中古で買ってあげるのです。なんて優しい息子なのじゃろうか・・・もうね、子育て正解!大正解ですよ!!!私が老人だったら「こんな息子が欲しかった・・・」と涙を流しているのではないでしょうか。

ということで、そもそも最初の茶番に付き合ってやってあげている時点から、父と息子の心はしっかりとつながれていたと思うのでした。広大な田舎でジイさんが立ち小便するシーン、まるでジイさんのオシッコが大地に染みて行くように私の胸中にもなにか暖かいものがジョワ~と広がって行くのでした。絆って、ちょっと流行語になっちゃったりして微妙な言葉になってしまった昨今ですが、こういう関係性にこそ相応しい言葉ですよ。親子の絆バンザイ!と思うと同時に「親が生きているうちに親孝行せなな・・・」と思うのでした。

『桜並木の満開の下に』未亡人に感情移入し過ぎる私

         



プラハで開催されていた国際映画祭で上映されていた一本です。邦画が上映されるということで、日本映画に飢えている私は飛んで行きました。平日の午後の回。お客さんの入りは半分か、4割くらいといったところ。まあ平日午後だし、特に有名な監督の映画でもないし、こんなもんかな~?でも日本映画をわざわざ見に来るチェコの方にはなんだか親近感が湧きます。

しかし上映中、後ろの方の席で急にムセてしまった人がいたらしく、ゴホン!ゴホン!と大きな咳が劇場中に鳴り響きました。最初は「ああ、ムセちゃったのかな~」と思って再び画面に集中していると、またゴホゴホと盛大な咳が・・・(以下リピート)。間や静寂が多い映画だったので、とても無粋&迷惑極まりない事態になっていました。「外に出てくれればいいのに・・ ・」と思っていたら、私の近くに座っていたチェコ人女性がチッと舌打ちし「サックラ!」と呟きました。

チェコ語で「Sakra!」は罵りの言葉です。アメリカ映画で「Shit!」というセリフに「Sakra !」というチェコ語字幕が付けられるのを何回か見たことがあります。こんなに美しい日本語が、日本を代表する花が、この国では罵り言葉なんて・・・かなり残念です(スペルがSakraなので、日本のSakuraとは少し違うけど、同じに聞こえる)。しかし、この映画のタイトルにも桜が入っているしシチュエーションとも妙に合致していたので、なんだか少し笑ってしまったのでした。サックラ!



※ネタバレします。



東日本大震災後の茨城。小さな製造工場で働く栞(臼田あさ美)は同じく工場で働く夫の研次(高橋洋)と、つつましくも幸せな結婚生活を送っていました。夫の両親からは反対されて一緒になった二人ですが、仕事も軌道に乗り「そろそろ子供でも作ろうか」と夫と話していた矢先に悲劇が起こります。夫の研次が事故で帰らぬ人となってしまうのでした。

その事故の原因となったのは同じく工場の作業員 、工(たくみ)(三浦貴大)。工は若くして未亡人となってしまった栞に誠心誠意の謝罪をするのですが、栞はもちろん工を拒絶。工場の中核となっていた研次を失ったことで大手メーカーからの受注も切られてしまい、経営は苦しい状況に。それをカバーするため懸命に働く工の姿を見て、栞の心が次第にほぐれて行きます。そして二人の気持ちが通い合うようになるのですが・・・というあらすじです。

ぶっちゃけての感想は、うーん、結構よかったです。手放しで素晴らしい映画!と絶賛することは出来ませんが「人生って、そう簡単に白黒つけられるもんじゃない、色んな考えや感情が絡み合って、簡単に答えが出せないこともあるんだよなあ・・・・」とヒロインが決断するまでを見守りながら、こちらもグ~ラグ~ラと揺さぶられ非常に感情移入させられた映画でしたよ。 また画面いっぱいに映される日本の風景が良かったですね。暮れなずむ夕凪の海だったり、まだ寒い中に花を結ぶ桜の樹々だったり・・・こういう日本の原風景的なビューを観ると、いち日本人としてやっぱりグっと来ちゃいますよ。特に海のない国に住んでいるからか、海が少しでも画面に映ると「うわ~、海が綺麗だなあ・・・」と郷愁を感じまくりで。私は海辺に住んでいた訳ではないし、海水浴に毎年行っていた訳ではないのですが・・・。

手放しで褒められないと思う所は、説明セリフが大過ぎたことですかね。工場の社長(柳憂怜)が「ウチ、うまくいってないんだよね」みたいなことを言ったり、同僚が工に「お前が殺したんだろ!」と言いながら工場内を荒らしたりするシーンは、もうちょっとなんとかならなかったものか・・・ 。特に工場の同僚はみんなセリフ読んでる感がして、もっと上手い人を使えば脇が締まるのになあ~と残念でした。中国人の同僚は良かったです。日本語上手い人と出来ない人の取り揃えもリアルな感じで。あと夫のお葬式のシーンで受付のオバチャン二人もガッツリ説明セリフをドロップしていました。

別に説明セリフすべてが悪い訳ではないんですが、こういう素人目にもわかるような浮いてしまうモノを全部カットして描写のみで見せてくれたら、どんなに素晴らしい映画になったことかのう〜と、やや残念です。この映画の画面の色調やトーン、全体的には薄暗いんですがモノや人の輪郭はシャープで不思議と澄んでいて、独特の押さえた美しさがあるんですよ。この感じが日本的な美と外国人には映るのかも・・・と思います。だからガランとした工場や停止している機械を映したり、お経を読むお坊さんの後ろ姿なんかで説明は充分補うことが出来るんじゃないかと思うんですがね。

まあ予告編を見てみると、ヒロインも結構「あなたさえいなければ、研次は・・・」とか「あなたは研次の代わりにはなれない」みたいな説明セリフを話していて、これも半分くらいに押さえればよかったんじゃないかな~と。あと夫の研次がな~。役者さんはとてもいい感じの佇まいなんですよ。決してイケメンではない、けど優しそう。普通にこういう感じの旦那さんいそうよね、という感じで。でも夫婦で土手を散歩していて急に「桜って潔いイメージあるけど、実は迷いの花だと思うんだ」と彼が言うんですよ。このセリフが伏線となってラストでヒロインは決断をするわけなんですが、普通に夫婦でこんな会話するかな~?!ってちょっと思うんですよね。まあここは物語的にも大事な部分なので重めにしてあるのかもしれません。

ヒロインの臼田あさ美さんは、お人形さんみたいな可愛らしい女優さんです。でもこの映画にはちょっと可愛過ぎるような。まあ工を演じた三浦貴大さんとの相性は良いんですがね。この三浦貴大さんが良かったですね。寡黙で控えめな青年。しかし彼も重い十字架を背負って生きているんですよ。ヒロインも悲劇だけど、加害者となってしまった彼も辛いんです。彼が未亡人となったヒロインに許しを請うシーンは実に重苦しく撮られていました。「これで許してもらえるなんて思ってもいませんが、どうか少しでも受け取って下さい」とお金が入った封筒を差し出すんですよ。でもヒロインはそれを手で叩き落とそうとするんですね。でも封筒は彼の手からなかなか落ちない。叩く、落ちない、叩く、落ちない、叩く、落ちない・・・この不毛な繰り返しが、両者が抱えるどうにもならない辛い状況を象徴していて胸がつかえるんですよ。

三浦さんの押さえた芝居がいいんですね。多くを語らないけど彼の気持ちが伝わって来るんです。工場を立て直す為にサビ残している後ろ姿でさえも何かを語っている。結構演技が出来る人なんだなあ~、と私は感心してしまいました。こういう感じのいい若い男の子が、亡き夫の後に現れたらいいわよね~と不謹慎な妄想を禁じ得ないマダムは結構沢山いるのではないでしょうか。三浦さんはその名前の通り、百恵ちゃんと三浦友和さんの息子さんなんだそうですよ。目元に百恵ちゃんの面影がありますね。

暗い工場で黙々と作業している工の後ろ姿を見て、ヒロインは「私も手伝います」と共に残業することに。その他にも、彼が事故現場に毎日花を供えていることなどを他の人から聞いているんですよ。そうして工場の危機回避のために一生懸命働いているうちに、二人の間に繋がりが少しずつ出て来るんですね。工場の同僚女子(松本まりか。声がサエコにそっくり)が目ざとくそれに気が付いたりするんですが。ヒロインのお姉さんがヒロイン宅にご飯を食べに来るシーンが何回かあるんですが、食事の度にヒロインは亡き夫の分もちゃんと作って食卓に出してたんですよ。しかし後の方になって来ると、もう夫の分を普通に作り忘れたりしてるんですね。うーむ・・・去る者は日々に疎しとは言ったものだが・・・このシーンはとっても切ないですよ。ここで爆笑しているチェコ人の観客がいましたが・・・ちょっと、ちょっと、そこで笑うってあまりにも単純じゃないの〜!と思ってしまいました。

工から想いを告げられたヒロインは「あなたのことなんて、何とも思ってない」と拒絶。工は大阪の工場で働くため茨城を出ることにします。工が最後の日、ヒロインは黙って彼をバイクに乗せて海まで連れて行くのでした。「僕と一緒に大阪に来てくれませんか?」という工。本当は彼のことが好きなのに、ハッキリと決められないヒロイン。二人が心を通わせて行くプロセスが丁寧に描かれていたので「夫が死んでいなくても、この二人はこうなっていたのでは・・・」と自然に思えるんですね。「亡くなった旦那さんと、この事件のこと込みで、あなたと一緒にいたいんです」と工。めぞん一刻でもこんなようなセリフありましたが、これは未亡人殺しなセリフですよ〜!そしてグダグダなまま温泉宿にチェックインする二人。

はあ、ついに・・・と思うのですが、キスだけしたものの、そこから何も起きずに(と見える様な繋ぎ方)翌朝になっています。浴衣を着て別々の布団で寝ている二人。しかしヒロインは寝床に入ったまま、すぐ隣に座った彼の裸足の足を掴みます。二人はやったのか?やってないのか?これは人によって解釈が分かれるところですよ〜。普通の映画だったら「キーッ!やったのか、やってないのか、ハッキリしろッ!!」←(無粋ですんません)となるところですが、やったのか/やってないのか問題がフワっとさせたままなのが逆にしっくりきます。映画の雰囲気にも合ってますね。上品ですよ!

帰り道、バイクを走らせていると山道で事故現場に遭遇する二人。道路に転がるドラム缶は、夫の事故を思い出させる光景でした。思わずその場から走り出すヒロイン。そのまま彼女は彷徨い、気が付くと満開の桜並木の下を歩いていました。夫の死から一年、二人で最後に桜を見たときに夫が言った言葉が彼女の脳裏に蘇ります。「桜って潔いイメージあるけど、実は迷いの花だと思うんだ。・・・(中略)迷っても間違えても、その時の自分を信じてやれたら怖いものなんかない」・・・映画前半にこのセリフが出て来た時は「なんだ急に」と思ったものの、一年越しの満開の夜桜の下で聞くとウワーッて思うんですよ。ここはこみ上げて来るものがありました。まるで最愛の夫が彼女を導いているようです。もうここで、グ〜ラグラとオキアガリコボシのように気持ちが揺れてしまう訳ですよ。

そう、その時の自分が100%納得出来る気持ちがあるんだったら、後悔もしないんです。これ、人生の様々な局面に応用出来る哲学ではないですかね・・・。このパンチラインにグっときて、そして満開の桜を見て思わず涙腺が刺激され、涙ぐむ私。もうヒロインになりきって、三浦くんと恋愛している気分ですよ!決断したヒロインは大阪へ行こうとしている工のいる駅まで向かいます。電車に乗ろうとしている彼の手を取って「あなたのことを、許します」と告げるヒロイン。しかし、彼はそのまま電車に乗り、ヒロインはホームに残ります。彼を乗せた電車は遠くなって行くのでした。ホームで彼の乗った電車を見つめるヒロイン。車窓を流れて行く景色を見る工。うーむ、そうか・・・こういう終わり方か・・・。そして音楽が流れて終演です。

音楽も非常に素晴らしいです。モダンクラシックみたいな感じで、印象に残る優しい音楽なんですよね。担当したのはポーランドのヤニック・ドゥズインスキーさんという方だそうです。この音楽の素晴らしさで映画の仕上がりが3割増しくらいになっている様な気がします。余計な説明セリフが、素晴らしい音楽で相殺されて最後は何とも言えない深みのある仕上がりになっていました。やっぱり商業主義に走りすぎていない日本の映画っていいなあ・・・と思いましたよ。もっともっとこういう作品が観たいものです。しかし、最後はどっぷりとヒロインに感情移入してしまいました。リアルで夫が死んだら嫌だけど、この映画は若くして未亡人気分味&誠実男子との恋愛気分も味わえるフィクションとして、なかなかに優秀だと思うのでした。奥様方にもおすすめです!

『kooky クーキー』5年越しに日本公開!

                               



※この感想文は日本公開前の2014年にプラハで鑑賞したときのものです。

今期も始まった学校の文化プログラムで鑑賞しました。監督は恐らく現代チェコで一二を争うくらい有名なヤン・スヴェラークさんです(一番有名なのは「アマデウス」を撮ったミロシュ・フォアマン?国籍はアメリカになったようですが)。スヴェラーク監督の映画で一番有名なのが「コーリャ 愛のプラハ」で、これは97年のオスカー外国語映画賞を取りました。学校では「コーリャ」こそ観ていませんがスヴェラーク監督の「ダーク・ブルー」、「Empties」を鑑賞しました。

スヴェラーク監督は大人なユーモアの効いた、ちょっと切ないヒューマンドラマが得意な監督さんというイメージですが、今回はなんと人形アニメーションです。こういうジャンルってそれ専門の監督がコンスタントに作品を作っているというイメージがあったのでヤン・スヴェラークが人形アニメ?と、ちょっと意外でした。しかしこの映画のことは前から知っており、観たいと思っていたので丁度良かったです。

しかし・・・しかしですよ。どうやらこの映画は日本では未公開のようで、DVDも日本語版が見つからない。大手オンラインレンタルのDBを検索してみたところ、スヴェラーク作品は「コーリャ」と「ダーク・ブルー」のみでした。どうしてどうして・・・。劇場未公開でもいい、しかしDVDはちゃんとリリースして欲しいですよ〜。日本に住んでいたら観る機会がない映画になってしまうなんて、映画ファンにとって大きな損失ではないですか。別にチェコびいきしているわけではなく、いい作品だから言っているのです!本作なんて、子供に受けるのはもちろんのこと、チェコ雑貨や可愛いらしいものが大好きなオナゴの心ワシヅカミじゃないですか。クーキー人形を作ったら絶対売れるだろうに・・・。個人的には、クルテクと人気を二分してもおかしくないくらい可愛いと思うのですが。

人形アニメーションって、二次元の平面アニメにはない夢とぬくもりを感じるのですよ。クーキーのタオル地を思わせるクタっとした質感も、幼い頃に肌身離さず持っていた毛布(スヌーピーの飼い主の少年、ライナスも所持)を思わせて、なんだかキュンキュンするんです。こんなオバチャンになっても!クーキーが可愛いのはもちろんのこと、森に住むキャプテンやゴミ処理場のキャラクター造形も素晴らしいです。特に私がうなったのが、ペットボトルを再利用したキャラクター(上のDVDだとクッキーの左側)。注ぎ口がそのままキャラクターの口になっている・・・この創意工夫感覚がいいじゃないですか!しかもこれを考えたのが大人ってところが、またグっとくるわけですよ。子供の頃、伝説の子供番組「ウゴウゴルーガ」が大好きで欠かさず観ていましたが、その中に「ももいろぞうさん(英語だとJohnson and Friendsって名前らしい)」っていう人形アニメコーナーがあったのを覚えている方がどれくらいいらっしゃるでしょうか?このキャラクター造形にも繋がるノスタルジックかつ不気味手作り感が、本当に最高なんですよ。


予告編(オリジナルのチェコ語)↓



予告編(英語吹き替え)↓




とにかく日本の子供たち、いや大人にもに是非観てもらいたい素敵な作品です。ジブリさん、DVD化を是非ご検討下さい。「ダーク・ブルー」はジブリさんから既にソフト化されているので、それを前提にしてのお願いですっ。



※以下ネタバレします。



喘息持ちの男の子(オンドジェイ・スヴェラーク)は、お母さんにお気に入りのぬいぐるみクーキーを捨てられてしまいます。ぬいぐるみのクッキーは、ゴミ処理場から男の子のもとへ帰ろうとします。クッキーが家路に辿り着くまでの冒険を描いたファンタジーなんですが、この映画のチャーミングなところはキャラクターの造形だけではありません。クーキーの声と持ち主の男の子を演じているのが、監督の愛息オンドジェイくん。そしてクーキーを森で助けるキャプテン・ヴォン・ハルゴット(樹の根っこをモチーフにしたキャラクター)を監督のお父さんで俳優/シナリオライター「チェコのショーン・コネリー」ことズデネック・スヴェラークが演じているのです。祖父・父・息子の三代が一緒に作り上げているため、なんともリラックスしたコージーな雰囲気が画面から漂って来るのも魅力なんですね。特に息子のオンドジェイくんは、普通の演技もさりげなくていいし声も可愛いしで、決して身内だから起用されたわけではないのがよくわかります。彼も将来は映画界へ入るのでしょうかね〜。

クーキーがゴミ処理場で、むっくりと立ち上がってブルドーザーから逃げるシーンは思わず笑みがこぼれてしまうキュートさ!およそ15センチかそこらのぬいぐるみと、樹の根っこと、ゴミが化けたキャラクターが繰り広げる冒険活劇なんでスケールは小さいんですが、悪い奴から車(あるんです、これが)で森を疾走して逃げるシーンとか、小鳥の卵を割れないように守りながら悪役から逃げるシーンとか、アクションシーンがバカに出来ない迫力。インディー・ジョーンズばりに本当にハラハラさせられるんですよ。

あとチェコユーモアって言うんでしょうかね、セックスジョークみたいなのも入ってて大人は思わず笑ってしまう感じです。交尾の真っ最中のトンボに道を聞いて無視されたクーキーを樹の根っこキャプテンが「動物が二匹でいるときはそっとしておけ。それが自然の摂理だ」と諭すシーンがあるんですよ。そのあと、小鳥のつがいを見たクーキーが、キャプテンに「動物が二匹いるから、そっとしておいたほうがいいんだよね?」と聞きます。しかし小鳥が既に卵をかえす途中なのを見て「いんや、彼らはもう終わってるからいいんだ」というキャプテン。後で子供に「ねえ、あのシーンの意味はなに?」と言われても困ってしまいますが・・・。

ラストはちょっと切なく締められるのも、バランスがいいです。スーパーの駐車場にたむろしていたホームレスのおじさんとオンドジェイくんの間に不思議な絆が出来て、オンドジェイくんは「おじさんはキャプテン・ヴォン・ハルゴットなんだよね?」と確信するわけですが。で、このおじさんが病気で倒れちゃって救急車で運ばれるときにオンドジェイくんはクーキーを持たせてあげるんですよ。このホームレスのおじさんを演じているのが祖父のズデネックさんではなかったため、「なんでかな〜」と思ってしまったんですが、あえてズデネックさん以外の俳優さんを使う所で現実ぽさを出したかったのかなと思いました。このバランス感覚できっと良いのでしょう。

もうとにかく本当に可愛らしい映画。見終わった後にクーキーの実物大ぬいぐるみやキーホルダーや森の仲間の写真が入ったノートやカンペンケースや下敷きが欲しくなるんですよ〜。そういったグッズはあるのかどうか不明ですが、現在iTuneStoreでクーキーのアプリや映画本編(英語版もあり)が買えるらしいので、興味のある方は是非ともチェックしてみて下さい。


『オンリー・ゴッド』フォーギブスが省略されています

        



ドライヴ」の監督&主演タッグ再び!ということで鑑賞したのですが・・・私には、お口ポカーンな映画でした。

※予告編以上のネタバレはなしです。

「ドライヴ」はあんなに面白かったのにさ~。チェッ、チェッ!主演のゴズ夫さんも、「ドライヴ」では「はああ~、かっこひいいいい~!」と床をゴロゴロと転げまわってしまうカッコ良かったのに、この映画では割と普通・・・でしたな。ヒゲ面だったのでクマゴローっぽく見えてしまったシーンも何カ所かありました。そもそもゴズ夫さんは今回タイ人のおじさんに食われ気味で、あんまり活躍してないんですよ。

でもまあシャレオツな感じにはなっていますよ。タイ(バンコク?)が舞台なんですが「ハングオーバー2」みたいなガヤガヤした賑やかな感じじゃなくて、スタイリッシュなタイって感じ。ゴス夫さんがTシャツデニムで、カオマンガイかガパオご飯かパッタイかの屋台の横で佇んでるシーンは、まるでリーバイスのCMのようでした。キャバレーの中なんかも客の中年男たちが放出するジットリとした熱気はなくて、サラサラと乾燥してる感じ。赤や青のライトさえも東南アジア的猥雑さとは無縁のスタイリッシュぷりです。

ゴズ夫のお兄さん(トム・バーク)が問題を起こしてしまって、タイの裏社会的必殺故仕事人のチャン(ウィタヤー・パーンシーガーム)から殺されてしまうのですが。映画観賞後、色々と情報を集めていて知ったのですが・・・お兄さん役のトム・バークという俳優さんはグラナダテレビ制作「シャーロック・ホームズの冒険」の初代ワトソン君を演じていたデイビット・バークさんの息子さんなんだそうですよ!そう言われれば、目元に初代ワトソン君の面影がある様な気がします。ちなみにデイビット・バークの声は長門裕之があてていました。

ゴズ夫さんのお兄さんが殺されたことを知って、お母さん(クリスティン・スコット・トーマス)がタイにやって来るのですが。この金髪ビッチ、顔は見覚えあるけど一体誰・・・?と思って、クリスティン・スコット・トーマスだと気付くまでに二、三度瞬きをしてしまいました。意外でしたね。彼女は典型的なビッチファッションでヒョウ柄だったり、でっかいフープピアスしたり、片方の肩をまる出しにしたりしていました。「底知れない圧倒的な悪女」というバイブスが出ていて、「悪の法則」のキャメロンを思い出してしまいましたね。いやもちろん演技はキャメロン以上ですが。

前述しましたが、この映画はゴズ夫さんの映画というより復讐の天使(とは言えおっさんなんだが)チャンを演じたウィタヤー・パーンシーガームのPVみたいな映画でしたね。このタイ人のおじさんは、なんとな~く顔が小学校のときの校長先生に似ているなあ・・・と思いながら懐かしく見ていました(笑)。いつも黒いシャツとズボンで、襟だけが真っ白で眩し~い。背中から刀(タイの伝統刀?)をシャキーン!と取り出すんですが、鞘を背負っているように見えないので、背中から直接、出しているように見えるんですよね。

このシャキーン!のシーンは、なんかタイのキルビルみたいだなあと思いながら見ていました。それで仕事を終えた復讐の天使チャンは、スナックに行ってカラオケをするんですよ。これが彼の中で一連の儀式みたいな感じになってるん ですね。映画の最初で彼の持っている刀が映り、タイ語でタイトルが出たので「あれ?これ洋画だよね、間違えてアジア映画借りちゃったかな」と少し驚いてしまいました。

いやね〜、この映画もきっともう一度観れば「ああ、これってこういう意味なのかな・・・」とかわかるんでしょうけども、その時間があったら他の映画を観るかなという感じですよ。ゴズ夫さん自身は「『ドライヴ』に出演後、大作にも出演したが、明らかに好き嫌いの分かれるこのパーソナルな映画に出演したかった」とコメントしています。う〜ん、決して嫌いじゃないけど、やっぱりドライヴと比べちゃうとどうしても退屈かな。そんなわけで、私とゴズ夫さんが付き合ってもたぶん趣味の違いでうまく行かない様な気がします(発想が飛躍し過ぎ)。

レフン監督のインタビュー(レフン監督「『オンリー・ゴッド』は現実を変容させるアシッドであり、ホドロフスキー監督への贈り物」)によると、次回作は日本を舞台にした日本語と英語の劇映画を予定しているそうで。これもなんとしても観なければ。「ナイト・トーキョー・デイ」みたいな珍味映画が出来ることを期待しています。

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