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『それでも夜は明ける』ファスベンさんの演技が出色

         



ファスベンさんとベネ様が出るということで観てきました。いつも夫とは映画のチョイスがあまり合わないのですが「ああ、それ私も観たいと思ってた!」と珍しく同意されました。「でもこんなシリアスな映画、どうして観たいの?」と問われ「ファスベンダーが出てるから」と答えると「またファスベンダー・・・」と言われてしまいました(昨年末は「悪の法則」を鑑賞)。

この映画のことは町山智宏さんの「たまむすび」ポッドキャストで知ったのです(私の映画情報はほとんど町山さん経由かも・・・)。「SHAME」の監督がまたファスベンさんを起用して映画を撮る!しかもベネさんも出てる!ということで待ち構えていました。一応マックイーン監督の「Hunger」も復習しておきましたよ。

この映画もオスカーの主要部門でノミネートされています。作品、監督、主演男優、主演男優/女優ですね。観ての感想はですね~、思ったよりも普通!!!というのが第一声です。ちょっと期待しすぎちゃったかも・・・ズッシリと重いテーマを扱いつつもラストはやや予定調和な感動ムードにまとめあげられていたのが、普通っちゃ普通かなあと・・・。夫は「ちょっとセンチメンタルすぎたね」と寸評していました。それもわかる。「Hunger」と「SHAME」が、ちゃんとした着地点を提示しないままクールに終わる感じの映画だったので、その比較で今回は普通に見えたのかもしれません。



※ネタバレします。



舞台は19世紀のアメリカ。主人公のソロモン(キウェテル・イジョフォー)はニューヨークでバイオリニストとして生計を立てていて、 幸せな家庭を持っている男です。しかし、悪い白人に騙されて奴隷として売り飛ばされてしまいます。当時のアメリカは黒人奴隷が少なくなってきており高値で取引されてる対象になっていたそうな。ソロモンは生まれながらにして自由な身分だったので、白人と同じ普通の人だったわけです。それが南部に売り飛ばされて強制労働させられる奴隷に・・・。当時の奴隷は家畜と同じ扱いで、虐待の対象にもなっていたようで100年くらい前の話ですが、恐ろしい時代だったんだなあ・・・と重いため息が出ます。

名前も「プラット」に変えられ、奴隷市場で売りに出されたソロモンは、裕福な農場主フォードさん(ベネディクト・カンバーバッチ)に農作業用の奴隷として買われます。もともと頭の良いソロモ ンは、荒れ地の開拓などを効率的に行う方法を提案し、フォードさんの信頼を得て行きます。フォードさんからバイオリンなどをもらったりして可愛がられるのですが、同じ敷地内で働くジョン(ポール・ダノ)に目をつけられてリンチされてしまうのでした。首に輪をかけられ足がほんの少し地面に付く程度の状態で樹に吊るされたソロモンを発見したフォードさんは、彼を救出しますが「本当は奴隷じゃなくてニューヨークの一市民だったんです!助けて下さい!」と懇願するソロモンを別の農場主に売るしか出来なかったのでした。

ソロモン役のイジョフォーさんは「堕天使のパスポート」や「キンキーブーツ」なんかで素敵な役をやっていました。聡明で知的な善人の彼が野蛮な農場主に虐げられまくる奴隷役、聞いた時から想像が出来ましたが期待を裏切らない仕上がりです。

ベネさんは黒髪だったのでシャーロックな感じそのままでした。彼は牧師さんで、いつも家族や奴隷を集めて聖書の読み聞かせをやってるんだけど、奴隷制度に大きな声をあげて反対しているわけではない・・・というリアルな役でした。思ったよりも出番が少なくてちょっと残念でしたが、相変わらず品があって格調高い演技はさすがです。育ちの良さが滲み出ていますよ。

こうしてフォードさんの家から別の農場主のところへ売られるソロモンでした。その先が・・・デター!我らがマイケル・ファスベンダー演じるエップスのプランテーションです。彼の登場シーンは、超ドアップの口元からだんだん引いて行ってアップになるという凝ったもの。この声・・・この口(ヒゲ)・・・そして顔(今回は歪んだ役なのでクセモノな顔つきです)・・・ファスベン、キター! !!という感じですよ。マックイーン監督の作品にすべて出ているだけあって愛されているのがわかります。

ちゃんと人間扱いしてくれたフォードさんのプランテーションと違って、エップスのところはまるで人を人とも思わぬ超ブラック企業!人権無視の虐待が日常茶飯事の生き地獄でした。ファスベンさんがサディスティックなご主人様なんですが、この人はなんなんですかね~、イケメンだしお金持ちなのに、なんかこじらせてしまっている男なんですよ。夜中に奴隷を無理矢理起こしてダンスさせたりしてエキセントリックな困ったさんで、奴隷の女の子にストーカーみたいに歪んだ恋愛感情を持っているという、捩じれた性格の男なんですね。

ファスベンさんはそのイケメンぷりに注目が行ってしまいがちな俳優さんですが、こういう難しい演技も上手です。 SHAMEでも思ったけど、心の闇をとっぷりと抱えたイケメンという役がはまっています。「思っちゃったんだからしょうがない」なんですが、ヴァンサン・カッセルとかも普通じゃない役が似合うのでSなエップス役には良さそう。でもヴァンサンは顔が怖過ぎるんですよ。だから漫画ぽくなっちゃう気が。一方ファスベンさんは端正で男らしくて市井に溶け込めるイケメン。一見常識人に見えるところがまた良いのかなと思いますねえ。まあ助演男優賞ノミネートは至極納得です。取っちゃったら、どうしよう~!キャ~!

ファスベンさん演じるエップスが手を付けている奴隷の女の子、パッツィーを演じているのが新進女優のルピタ・ニョンゴさん。彼女がまた可愛いんだ。奴隷の中でも顔が小さくてちょっとモデルさんみたいなんですよ。パッチリおめめでポッテリした口元も女の子っぽくて可愛いんです。ルピタさんはミュウミュウのイメガにも起用されたそうで、それも納得です。そんな彼女だから、そら狙われるわ〜って感じなんですが。存在感があったので、助演女優賞ノミネートも納得でした。

エップスには奥さん(サラ・ポールソン)がいるんですが、おそらく随分前から夫婦関係が上手く行ってないんでしょう。奥さんはいつもイライラしてて、パッツィーに当たるんですよ。それもデキャンタを真正面から顔にぶつけたりして、彼女も相当残虐なんです。そんな修羅場を目の当たりにして引きながらも、なんとか家族のもとに帰るために生き長らえようとするソロモン・・・というシーンが続きます。

フォードさんのところでだったかな、ソロモンと一緒に奴隷として買われた女性が泣きわめくシーンがあるんですよ。彼女は子供たちと引き離されて売られて来た可哀相な女性なんですね。しかし家族と引き離されたことはソロモンも同じなんですよ。泣きわめく彼女に対して「オレは生きて家族のもとに帰るんだ!それだけが希望だ!」みたいなことをソロモンが叫ぶんですが、ここは説明セリフではなくて映像描写で表現してほしかったところです。

ソロモンを演じたイジョフォーさんは悪くない、けれど劇中の演技がほぼ耐え忍ぶ演技なので、中盤以降は少し飽きが来てしまうんですよね~。彼はただただ強制労働を続けるほかないんですが、ある日ラズベリーの果汁がインク代わりになることを発見して、それで助けを求める手紙を書くんですよ。彼が一般市民だと知る昔の知人に届けてもらおうと、なけなしのお金を握らせて白人の労働者に頼むんです 。しかしアッサリと裏切られ、手紙の件がエップスの知る所に。手紙は燃やされてしまうのでした。

奴隷のパッツィーはエップスにレイプされているけど、お妾さんになって優雅に暮らしている元奴隷だったと思われる女性も出て来るんですよ。テラスでお紅茶飲んで、マカロン(100年以上前のアメリカにもあったのね・・・)を食べているんです。彼女がどんな決断を下したのかは計り知るしかないですが、結局、男性に比べたら女性はまだいくらかマシなんだな~と思いますよ。そういう道が残されているんですから。現代でもこの道は存在しており、玉の輿なんて名前で呼ばれているんですから。このシーンではパッツィーもお茶に同席しており、マカロンを美味しそうに食べていました。ソロモンはドン引きしていましたけれども・・ ・。

後半はほとんどパッツィーに執着するエップスの話になっていました。パッツィーは一番綿花を収穫するのに、エップスの奥さんに意地悪されて石鹸ももらえないんですよ。それで近くの農場まで石鹸を取りに行ったら、不在なのをエップスに見つかって鞭打ちの刑。さらに残酷なことにエップスはソロモンに鞭を打たせるんです・・・。人間って、人間って・・・ここまでエグくなれるんだ・・・。恐ろしい。このシーンは長回しで撮られており、胸がムカムカするような演出がほどこされていました。しかし、今思ったんですけど、エップスが鞭打たれてボロボロになったパッツィーを「ああ、可哀相に~、お前さえ勝手に出歩かなければ、こんなことにはならなかったんだよ~」と泣きながら抱きしめるシーンとかがあったら、もっと歪んでてよかったかも。そしたら確実に助演男優賞を取れる気がします。しかし、ちょっとイル過ぎるし現代のDVっぽくなってしまいますかね。

そんなこんなで気が付いたら12年が経過していた訳です。あれ~、でもフォードさんのところとエップスのところで合計2年くらいしか経ってない感じ。ソロモンは少し白髪混じりになってたけども・・・。舞台となったルイジアナは温暖なところらしいので、季節感の演出がなかったせいでしょうか。そのためか、あまり苦節12年・・・という感じはしませんんでした。

エップスの屋敷に大工(ブラッド・ピット)が働きに来るんですが、この配役はちょっとウエイトがありすぎかも。ブラピは制作も兼ねているんでしょうがないかもしれないんですが、登場した瞬間に劇場内の空気が「あれ、ブラピじゃん・・・?」みたいな感じになっちゃったんですよ。だから、もっと地味な俳優でよかったんじゃないかな~と思いました。

しかし例によって、ブラピとファスベンさんの会話がまったくわかりませんでした。「悪の法則」でもそうだったけど、この二人が話す英語が全然わからない~!ファスベンさん(頭にフキンを載せていた)は笑顔を見せていたけど一体何を話していたんでしょうか・・・。自分の耳の悪さが嫌になります(友人Iによると、奴隷賛成派のファスと奴隷反対派のブラピでディスカッションしていたんだそうです。テーマさえもわからなかった)。まあ英語の話でいえば、南部の英語だからちょっとわかりにくいってのもあるんですけどね・・・。「ジャンゴ」のときもそうでした。

親切なブラピが手紙を届けてくれたお陰で、身元が判明し無事に家族のもとに帰れることになったソロモン。ある日突然に彼は奴隷の身分から解放されます。ちゃんとした服を着て、12年ぶりに家族と対面するソロモン。子供達は立派に成長し、娘は結婚して孫を生んでいました。自分と同じ名前をつけられた孫を抱くソロモン。泣きながら抱き合う家族。ハッピーエンドなんですが、ややお涙頂戴な雰囲気が感じられて意外と普通だったな・・・という幕引きでした。

夫が「ちょっとセンチメンタル過ぎた」と言ったのもわかります。じゃあどうしたらよかったのか?う〜ん、奴隷生活の途中からソロモンがあまり感情を表に出さなければよかったのかな。辛くて長い奴隷生活の中で、生き長らえる為に自分の感情を押さえるようになった可能性もあると思うんですよ。お迎えの馬車が来て救出されるときも、わりと普通の顔をしてて、ボロボロの服からちゃんとした洋服に着替えるシーンとかも入れてたりしたらいいんじゃないかと。奴隷になるシーンで身ぐるみ剥がされていたので、普通の生活に戻る儀式という意味で、お風呂に入ったり綺麗なシャツを着たりするカットがあってもいいかなと。それで家族と会った瞬間に今まで我慢してきたものがブワーっとわき上がって来るようにしたらどうだろうか、と考えてしまいました。

映画は個人的に期待以下だったのですが、ファスベンさんの助演は素晴らしかったです。助演男優賞、本当に取っちゃったらどうしよう・・・(そしたら前年「ジャンゴ」で受賞したクリストフ・ヴァルツさんとのツーショットも見られます!)。そしてオスカーナイトは誰と一緒に来るんだろう・・・と思うとソワソワしちゃいますね。


追記:なんと本作がアカデミー作品賞を受賞してしまいました!「ダラス・バイヤーズクラブ」だと思っていたのに・・・(感想は後日)。残念ながら、ファスベンさんは助演男優賞は逃してしまいました。しかしパッツィー役のルピタ・ニョンゴちゃんが助演女優賞受賞!ますます注目の女優さんになること間違いなしでしょう。ファベンさんの気になるお相手ですが、オカンと一緒に来ていました〜。ファスベンさんとオカンの写真はこちら!

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『恋するリベラーチェ』かつてのセックス中毒俳優がオネエに

        


漫画家のしまおまほさんが、タマフルポッドキャストで面白かったと仰っていたので観てみました。実在したピアニストのリベラーチェ(マイケル・ダグラス)と彼の付き人兼恋人スコット(マット・デイモン)のお話です。

まあ可もなく不可もなく・・・という感じでした。主演の二人は頑張っていましたけど。絶対観るべきな映画ではないけど、あまりシリアスすぎる映画は重いし、バカみたいなBSOL映画も後で虚しくなるし・・・というときに観るのに丁度いい感じの映画です。監督はスティーブン・ソダーバーグ。もうこれで引退?みたいな話もあるようですが・・・ちょっともったいないですね。最近では「マジック・マイク」が良かったです。そもそもこの映画はテレビ放映用として作られたあとに劇場公開されたみたいです。そう考えると、ああこれくらいの出来がテレビぽいかもしれないな~とは思いますが、テレビにしては監督と主演が豪華過ぎますね。

この映画はリベラーチェの付き人兼恋人スコットの手記をもとにして作られた実話なんだそうです。一時代を築いたスターとその恋人の出会い~破局、その後の交流を描いた非常にスタンダードなつくりの映画でした。かつてはセックス中毒で有名だった絶倫オヤジのマイケル・ダグラスが、ゲイ(受け側)というのが面白いです。ファーやスパンコールのお衣装も難なく着こなし、話し方も、身のこなしも年増のオネエになりきっていました。私が映画を見始めた頃、90年代のマイケル・ダグラスっていったら、ホワイトカラーのエクゼクティブで美女となんかあって、その後事件に巻き込まれる・・・ってイメージですよ。オネエも出来る俳優さんなんですねえ~。いや安定の演技力でした。

しかしリベラーチェが活躍していた頃のアメリカは結構保守的で、彼がゲイだということは公表していなかったらしいのです。公表してなくてもリベラーチェを見れば一目瞭然なんですが。しかし、共演女優とのスキャンダルをでっちあげたりしてゲイをカモフラージュしてたんだそうですよ。なんだか不思議な時代ですよね~。

そんなリベラーチェに見初められて、お抱えの付き人兼恋人になるのがマット・デイモンですよ。中途半端~にポチャポチャしたバディーにブサイクな子犬の様な、子豚の様な顔が、ぽいです。彼はバイセクシャルという設定なんですが、そういう感じも絶妙でした。最初はラブラブだった二人も年数の経過とともに、性格の不一致が起きたり、相手が大変なときに浮気してたりして、だんだんと足並みが揃わなくなって行くんですが・・・・ゲイであってもセレブであっても男女関係みたいに濃い人間関係っつーのはやっぱ色々あるんだなあ~と思って少し切なくなりましたね。まあ当たり前のことなんですけど、人類始まって以来脈々と続く不変の普遍をセレブのゲイカップルに見る・・・みたいな感じです。

リベラーチェの豪邸が凄かった。ヨーロッパ貴族の邸宅をベースにゴールドな成金フレーバーを振りかけたようなインテリア。タオルやベッドカバーにもリベラーチェの「L」が刺繍されているんですよ~。リベラーチェは セレブだからお顔のメンテナンスも、もちろんやっていて、手術した後の顔が本当に少し若返ってるんですよね。シワやたるみがない!でもマイケル・ダグラスの顔なわけであって・・・特殊効果なのかな。マット・デイモンも鼻を高くして、少しケツアゴにするんですけど、微妙に違和感もある特殊メイクアップがよかったです。メイクを手掛けたのは日本人アーチストの矢田弘さんという方で「ヘルボーイ」や「猿の惑星」なども手掛けられているそうです。

この映画はスコットの手記ベースなので、完全にスコット目線からのストーリー展開なんですね。スコットだけではなくリベラーチェの心理描写も少し描いた方が良かったんじゃないかなと思いました。そうすることによって、リベラーチェの死に際のシーンとそれから連なるスコットのファンタジーの中で輝く全盛期のリベラーチェのシーンがよりグっと来るようになったのではないかと思いますが・・・。スコットの手記を元にしているからここは仕方がないのかな。必見の映画ではないけれども、主演男優二人の演技は非常に素晴らしかったです。

余談:劇中で、リベラーチェが「オーストリア産のスワロフスキーよ!」と何度かコダワリを見せるシーンがあったので、彼はオーストリア系アメリカ人なのかと思っていましたが、調べた所ポーランド系らしいです。ちなみにスワロフスキー社の創設者、ダニエル・スワロフスキーはチェコ生まれ。チェコ北部の村で生まれ、オーストリアに移住したんだそうです。スワロフスキーのお店はプラハにもいくつかありますが、な~んかイマイチあか抜けないんですよね~。モデルはミランダ・カーになりましたが、な~んか商品がダサい。もっと今風の感覚をもったデザイナーを雇えばいいのになあ・・・と思います。


『アメリカン・ハッスル』あまり”ハッスル”出来なかった

        



この映画のビジュアルを目にする度に、なんだかまるで「新春スターかくし芸大会」みたいなゴージャスな華やかさを感じています。これぞ、アメリカ!ウ~、ハッスル、ハッスル!って感じですね。

監 督は最近オスカー常連のデビット・O・ラッセル監督。去年は「世界でひとつのプレイブック」を監督、一昨年は「ザ・ファイター」でした(こちらは未見)。 この二作のメインキャストを大集合させたのが本作なんだそうです。今年もオスカーにノミネートされまくっています。プレイブックの方は観たんですけど、 ぶっちゃけの感想は「コレでオスカー絡めるんだ・・・。ちょっと過大評価されすぎてない?」というものでした。本作も・・・決してつまらないってことはな いけど、そこまで言われるほどの映画だろうか・・・と正直思ってしまいました。

雰囲気はまんまディスコティックな70年代だし、実力&人気を兼ね備えた旬のキャストを投入。キャスト達の70年代衣装もテンションをアゲてくれるんですけど・・・。まあ、それだけっつっちゃあ、それだけな気もします。あと これは私の責任なんですが、英語が結構難しかったんですね~。大筋は理解出来るものの、細かいセリフなんかは難しかったので、そこが全部分かればもっと楽しめたのかもしれません・・・。




※ネタバレ含みます。




詐欺師というといつもBBCのドラマ「華麗なるペテン師たち」(こちらも原題は詐欺を意味するHUSTLE) を思い出します。これは本当に良く出来たドラマで毎回毎回「エーッ、そうだったのか!やられた!」と、まるっと騙されるネタが用意されていて欺かれるカタルシスがありました。詐欺師チームもそれぞれの分野でのプロフェッショナルが集まっていて、そのプロに徹したお仕事っぷりがカッコイイんです。詐欺のスパイ大作戦みたいなドラマでしたね。

この映画はそういう技巧派詐欺というよりもデカいヤマを一発当てたろか、みたいな感じで大雑把といえば大雑把な感じ。まあ好きずきがあると思いますが・・・。主人公のアーヴィング(クリスチャン・ベール)が天才詐欺師なんだけど、あんまりそうは見えないん ですね。まあそこが最後のドンデン返しに繋がる部分なのかもしれ ませんが・・・。クリスチャン・ベールはイケメンをすべて封印していておデブでハゲのおっさんを演じていました。色つきサングラスを常時着用なので、顔もほとんどわからない!クリスチャン・ベールだって言われなければ最後まで気が付かなかったかも。

彼の愛人兼、詐欺パートナーがシドニー(エイミー・アダムス)。いつもノーブラで胸元が大きくVの字にパッカーと開いた服を着ています。エイミー・アダムスは美人だけど近寄り難い系の美しさではなく、庶民的な感じ。ドラマの方のチャーリーズ・エンジェルとかもそうですが、70年代はみんな胸元パッカーで、 ブラしてなかったんですね。彼女とアーヴィング(既婚、子持ち)が公私ともにパートナーになるわけなんですが、その過程がなんかラブリーでした。クリーニング屋のハンガーラックの中に入って、見つめ合ったりしてね。

そんな二人がFBIのおとり捜査で引っかかってしまうんですよ。それを指揮してたのがリッチー(ブラッドリー・クーパー)なんですが、今回のブラッドリーさんはかなりキツめのパンチパーマ(まるで仏像の螺髪!)を当ていて、ちょっと仕事中毒で情緒不安定なFBI捜査官です。彼もイケメンはちょっと封印気味で、ちょっとしたキモさも感じさせるキャラクターでした。セクシーイケメンNo.1に輝いたこともあるお方ですが、実は案外こういう役の方が合ってるのかもしれませんね。

アーヴィングの嫁のロザリンがジェニファー・ローレンスです。まだアラハタで若いのにオバチャン演技がこなせて凄い!と話題になっていましたが、正直言って、 う~ん、そこまでだろうか・・・と思います。演技は抜群の安定感があって、とてもいいんですが、やっぱりお肌にハリがあるし髪もツヤツヤだし、若いオナゴ 独特のムチムチ感があってギャルですよ、ギャル!

FBIがおとり捜査でハメようとしている政治家のカーマインが「あの丸顔の人」(by友人I)のジェレミー・レナーです。クセのある役ばかりを演じて来たジェレミー・レナーですが今回は市長役ということで意外なキャスティング。しかし丸顔童顔だし背も小さいジェレミー・レナーがポマードで髪を固めてスーツを着ていると、なんか七五三の記念撮影みたいな感じでしたね。いつものアクションも封印。パーティー会場で散弾銃とか乱発してくれないかな~と思ってしまいましたが。でも演技頑張ってました。

キャストは非常に魅力的。最後にドンデン返しもある。しかし、そのドンデン返しによるカタルシスが期待していたものではなく、 なんか地味なんだな~。あまりに強いカタルシスだとそこだけ浮いてしまうから、地味目にしたんでしょうかね。でも、もう少し唸らせて欲しかったです。フェイクの弁護士のオジさんに「なんか、ちょっとクセのある人だなあ~」と思わせられたのはよ かったと思うんですが・・・「ああ、ああ、そういうことだったんですか。まあハッピーエンドでよかったね」となっただけで、エンターテイメントにも徹して ないし人間ドラマとしてもモノ足りない・・・結果、な~んか味付けが薄いな~という感じになってしまいました(セリフが全部理解出来てなかった私にも原因があるかもしれませんが)。

しかし凄まじいことに、本作は今年のオスカーの 作品/監督/脚本/主演(男優・女優)/助演(男優・女優)にノミネートされているんですよ。あとは編集/衣装/美術でもノミネートされています。衣装と 美術は意欲的だったと思います。見てて楽しかったし。しかし主要四部門中はちょっと過大評価なんじゃないの~?と思うんですよ。主演と助演はまあわかる。 監督も演技を引き出したことに対する賞ということなら、わからないでもない。しかし作品と脚本はどうだろうか・・・。ライバルに「ガーン!」と来る作品が多い中で、本作は少し軽過ぎるかも・・・?まあ今年のオスカーの行方を見守りたいと思います。

追記:アカデミー賞、フタをあけてみると、どれも受賞を逃す結果となってしまいました。それはそれで残念な気もします。が、ライバルが重厚な感じの作品ばかりだったので、やはり張り合うには少し厚みが足りなかったかな〜。エイミー・アダムスはこれからもいい役をやれそうな女優さんなので、応援したいと思います。


『Hunger』思想よりもエロに興味アリ

        



「それでも夜は明ける」を観る前にマックイーン監督の映画を予習しようと思って観ました。マックイーン監督はファスベンさんがお気に入りのようで、本作と「SHAME」さらに新作の「それでも夜は明ける」でも彼を起用していますね。今のところファスベンさんはマックイーン監督の映画全てに出演しているということになります。

「ハンガー」は政治的なテーマの映画だけど、人間としての尊厳、意志、主張を命をかけて貫いた男の話だと思いました(ちなみに実話です)。しかし、無知なもので当時のイギリスとアイルランドの関係とか全然知らなかったんですよ。なんか仲悪そうだよね、隣なのにね~と思ってました。恥ずかしいです。あとアイルランドの英語が聞き取り辛くて、出来れば字幕で観たかった な~と思いました(しかし日本ではDVD化されていないようです)。まあほとんどファスベンさん目当てで観た様なものですが・・・。

しかしファスベン目当てといっても収容所の話なので、常時ボロボロの状態なんですよ。髪もグシャグシャだしヒゲもモジャモジャだしで「ウホッ、いい男!」的に萌えられる部分は、あまりありません。その上ハンガーストライキの話なので、ガリッガリにやせ細っていくし、看取から暴力は受けるしで胸がえぐれる様なシーンの連続です。最後は自らの意志で餓死する話なんですが、痩せ方がもう真に迫っているんですね。ここまで痩せたのが凄い・・・と思わず絶句する身体作りでした。CGではないんですよ。

アイルランドの方は寒いだろうに、収容された男達はなぜかみんなほとんど裸。そして牢屋の壁に食べ物を手でこすりつけたりしています。 一体これは何なのか・・・と思ったら、これもストライキの形態なんですね。Wikipediaによると、「ブランケット・プロテスト(衣服の洗浄を拒否して全裸に不潔な毛布をかぶる抗議活動)」と「ダーティー・プロテスト(監獄に垂れ流した糞尿と食物を壁や床になすりつける抗議活動)」というんだそうです。

壁にこすりつけられていた黒い何かは血ではなく、ウ◯コだったのか・・・。アウトサイダーアートみたいに綺麗な同心円になすりつけられたウ◯コがホースで流されるシーンがあったんですが、いや~ウ◯コだとは気が付きませんでした。この映画で良かったシーンは、機動隊と囚人が衝突するバイオレンスなシーン。ひとりの機動隊員が中で繰り広げられている暴力に耐えきれずに壁の外にいるん ですよ。壁の中での暴力と壁の外でむせびなく隊員を同時にとらえたショットが、映画の深みを増していて良かったです。

国際的な評価は高いようですが、なにぶん私は政治や国際事情に疎いもので、この映画を真に評価出来る観客ではないことは明らかです。ハッキリ言って興味があるのは政治や思想よりも性欲!心の闇!ドロドロ!そういう下衆な観客なゆえに主張を貫いて餓死する男よりも、セックス中毒のニューヨーカーなファスベンさんを観ている方がずっと楽しいというのが本音です。あ〜、またエロい役やってくれないかな〜。

『イノセント・ガーデン』耽美なリアル・変な叔父さん


        


そういえば、こんな映画あったんだった・・・と思ってレンタル。韓国の鬼才パク・チャヌク監督がミア・ワシコウスカとニコール・キッドマンで撮った耽美なサスペンス・スリラーです。

最近、韓国の監督がアメリカに進出していますね。「グッド・バッド・ウィアード」のキム・ジウン監督は「ラストスタンド」を撮ったし、「母なる証明」のポン・ジュノ監督は「スノーピアサー」というアクションを撮ってるし。スノーピアサーはキャップことクリス・エヴァンス主演なので映画館でチェックしようと思ってます。

パク・チャヌク監督の映画は「親切なクムジャさん」と「渇き」しか観ていませんが、いつも映像が綺麗な印象です。今回も少しだけガーリーな映像が美しくて、絵 になるシーンも いっぱいありました。なんかこういうヨーロピアン風な舞台設定と監督の耽美なテイストが上手く合っている気がしますね。




※ネタバレします。




クラシックな雰囲気の映画ですが、スマホが出て来るので現代みたいです。アメリカのお金持ちの家に生まれた女の子インディア(ミア・ワシコウスカ)は少し変わったところのある孤独な少女。お母さん(ニコール・キッドマン)とは心が通じ合っていません。ある日大好きだったお父さん(ダーモット・マロニー)が謎の事故死でこの世を去ってしまいます。お葬式にお父さんの弟であるチャーリー叔父さん(マシュー・グード)がやってきました。ずっと外国に行っていて行方知らずだった叔父さんなのですが、しばらくインディアの家に住むことになります。しかしインディアは彼に何か普通ではないものを感じ・・・という導入部です。

ヒロインは「ジェーン・エア」などでもおなじみのミア・ワシコウスカです。18歳になったばかりのダークな感じの少女を静かに熱演しています。真っ黒い髪と暗い目つきから「ああ、この子はなにか秘めちゃってるんだろうなあ~」と思わせられます。携帯が出て来るまでは、服装がイマドキっぽくないから昔の話かと思っていて・・・なぜなら彼女はいつもブラウスと膝丈スカートを見につけていたので。こういう女学生ルックは90年代頃のプラダみたいです。

ニコール・キッドマンは継母なの?と思ったらどうやら本当のお母さんという設定でした。キッドマンは撮影当時45歳くらいですか。シワひとつないツルッツルでパーンと張ったお肌でした(メンテナンスしてるんでしょうね~)。あまりに現実離れしていて、もう普通に市井に暮らす女性役とかは無理が出て来る様な感じですね。シャーリーズ・セロンよりも「スノー・ホワイト」の継母役が似合いそうな感じです。

そしてキーパーソンとなる謎めいた叔父さんを演じるのがマシュー・グードという俳優さんなんですが。彼はすごいですね!佇まいからして「ん・・・?」という違和感が。痩せてて、撫肩で、古き良きアイビールックみたいな服が似合うんですが、どうしても「ん・・・?」という拭い難い狂人感みたいなものを常に感じさせるんですよ。顔はとても落ち着いた知的な感じなんですけど、目が「ん・・・?」って感じ。目の奥にボンヤリとしたクレイジーさをたたえていて怖い・・・。「サイコ」のアンソニー・パーキンスが現代に蘇ったのかと思いました(それもかなり意識していて演出されていたのかも)。マシュー・グードさんは「シングルマン」でコリン・ファースの死んだ彼氏役をしていたらしいです。

急に現れた不思議な叔父さん。彼はインディアと仲良くなろうとしますが、彼女は訝しがります。一方でお母さんと叔父さんは、男女の関係になるんじゃないかと思わせるくらいどんどん親密になっていくのでした。初め、この叔父さんはインディアのお家と血縁関係などまったくない他人で家族になりすまし、未亡人となったお母さんを誘惑して家を乗っ取ろうと思っているのでは・・・と考えましたが、勿論そんな即物的な話ではありません。

長年のお手伝いさんが叔父さんと口論した次の日に消えてしまいました。その次は訪ねて来た大伯母さんが犠牲に。「えっ、チャーリーはヨーロッパに行っていたの?」と伯母さんが驚きますが、彼女は何か知っていたのですね。この大伯母さんに危険が迫るシーンは昔のヒッチコック映画っぽくてレトロなんだけど怖かったです。悲劇が起きるシグナルとして、ボロ~いホテルとか、髪の毛がついたままの汚い石鹸とか不吉感を漂わせた美術や小道具がいい感じ。この映画はディティールが凝ってるんですよ。水ぶくれを植物の棘で潰すカットとか、卵の殻のザラザラした感触や音の表現とか、部屋の中をクモが這う音とか、全部がぼんやりと不吉な感じになっていてモヤ~っとした不安感を盛り上げるんです。

インディアが美術の授業で静物を写生しているシーンも、ちょっとゾっとします。花瓶に花が生けてあるんだけど彼女が描いているのはお花ではなく、全然違う幾何学模様。クラスメートにちょっかいを出されても描き続けるのは幾何学模様。カメラが花瓶に寄ると、花瓶の内側にはその幾何学模様があるというシーンです。

実はインディアも狂人の素質があったということで、だんだん叔父さんと共犯関係になっていきます。インディアがアイスクリームを食べようと納屋に置いてあるアイスボックスを開けたら、行方不明になったお手伝いさんが入っていたんですが・・・。彼女は普通に側でアイスを食べ始めるんですよ。叔父の仕業だということがわかっているんですが、そのままにしておくわけです。

家に叔父さんがやってきて母娘の関係も更にギクシャクしたものに。叔父さんをめぐって三角関係みたいなものが出来上がってきます。お母さんと叔父さんがピアノで仲良く連弾しているのを見て微妙になったり。ピアノも効果的に使われていて、インディアが叔父の幻?と連弾するシーンは音楽の盛り上がりとともに、性への目覚めと叔父への同化みたいなものを提示していて耽美でございました。

ある夜、インディアはお母さんと叔父さんがキスしているのを見てしまいます。ショックをうけた彼女は同級生(チャラ男にからまれてるのを助けてくれた)のところへ。夜の公園でいい感じになるのですが・・・。ここでインディアがくるくる回る遊具に乗っているんですが、足元が映ってなくてこの世のものではないように見えたのも演出?途中で嫌になったインディアは帰ろうとしますが、同級生に押し倒されます。そこでチャーリー叔父さんが助けてくれるんですが、同級生を絞殺。インディアも致命的になった同級生にケリを入れるのでした。そのまま二人で庭に穴を掘って遺体遺棄。

家に帰ってシャワーを浴びたインディアは殺人シーンを回想しながら、オナ・・・ニー!(岩井志麻子風)をするのでした。もう完全にあっち側です。この映画、監督こそを違うもののスタッフは「ブラック・スワン」の方達なんだそうです。なるほど、なんかわかる気がする~。清純派で演技派の女優が狂っちゃって「ええ~、そういうことやるんだ!」という展開も似ています。

インディアのお家の周りで次々に人が消えるので警察が動き出しました。インディアは誕生日プレゼントの箱の中に入っていた鍵が、亡くなったお父さんの書斎にある机の鍵だと気が付きます。その中には子供の頃のお父さんとチャーリー叔父さんと、もう1人見知らぬ幼い男の子が映っている写真がありました。そしてインディアに宛てたチャーリー叔父さんの手紙の束が・・・。実はチャーリー叔父さんは5~6歳頃に末の弟(写真の見知らぬ幼い男の子)を殺していたのです。そして大人になるまで施設にいて、そこからインディアに宛てて手紙を書いていたのでした。

僕とお前には同じ血が流れているんだよ・・・」などと手紙には書いてあり、一体チャーリー叔父さんが何故それを知ったのかはわかりませんが、天使を作るバタバタ(雪の上で仰向けになり手足を上下にスライドさせるやつ)を幼い頃の叔父さんと現在のインディアがやっていたので、同じ本質を持っていたということなんでしょうかね。昔のおぞましい事件の経緯から精神病院を出てインディアのお父さんを殺害するまでがバーっとフラッシュバックのようにテンポよく見せられて「あ~、そういうことだったんだ・・・恐ろしや・・・」と身震いするのでした。

叔父さんは料理もフランス語も病院の中で覚えたのでした。インディアが手紙(全部病院からのスタンプが押してある)をバーっと床に散らすシーンも静かな狂気に満ちていて素敵です。お家が豪邸でチリ1つ落ちてないってところがポイントですね。あれ、結局毎年贈られていた靴はお父さんじゃなくて叔父さんからのプレゼントだったのですかね。叔父さんの荷物の中に箱が入ってましたよね。叔父さんはその箱の中から、今度はペッタンコ紐靴ではなく美しいピンヒール(恐らくルブタン)を取り出し、インディアに履かせます。叔父さんと同類の大人だと認められた瞬間ですね。靴を履かせるシーンがまたエロティックに撮られています。

それをお母さんが見ていて、叔父さんは邪魔者になったお母さんを殺害しようとします。お母さんの首をベルトで締めながら「インディア!早く来て見てご覧!」と狂人全解放の叔父さん。しかし、インディアはお父さんから教えてもらった猟銃で叔父さんを殺害するのでした。この叔父さん殺害シーンの伏線として、湖の側で伏せたお父さんとインディアが獲物を狙うシーンがあるんですが、そこが被さって来るんですね。ああ、結局インディアはあっち側に行きそうだったけど、お父さんの教えのお陰でギリギリ踏みとどまったんだな・・・と少しホッとするんですが。

しかしインディアは車で家を出て行きます。聴き込みに来たお巡りさんがインディアを停めるのですが、笑顔のインディアはお巡りさんを殴り、野原を逃げ回るお巡りさんを猟銃で射殺。白い花に飛び散る鮮血・・・(よくある演出ですが )。新たなモンスターの誕生で、このお話は終わるのでした。

脚本を書いたのは「プリズン・ブレイク」でおなじみのウェントワース・ミラーなんだそうで、へ~あんな人がこんなストーリーを頭の中で考えてたのか~とビックリしますね。しかし彼はゲイを公表したので、ステレオタイプかもしれませんが「ああ、だったらこのテイストわかるわ~」と思ってしまうのでした。危うい少女感を表現したミアと、狂人叔父を佇まいから表現したマシュー・グード、+パク・チャヌク監督の耽美な演出でなかなか見応えがある映画になっていると思います。

Abeilleの黒猫ちゃん雑貨に夢中な件について

突然ですが、Abeille(アベイユ:仏語でミツバチ)の黒猫ちゃん雑貨に夢中です。アベイユというのは大西賢製販株式会社さんというメーカーのブランドで、インテリア・家庭雑貨シリーズのようなのですが、黒いアイアン使いでシルエットになった黒猫の雑貨といえば見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫好きの私がこの雑貨シリーズに出会ったのは、銀座ファイブの中にある猫雑貨を集めたお店「猫びよりSHOP」にてです。日本に帰っていたときに友達と偶然前を通りかかり、猫雑貨を見ていたら、シックなアイアン使いの黒猫ちゃんのアクセサリー収納ラックに目が止まりまし た。しかも、私の好きなひっかけ収納モノ・・・。可愛い・・・っ!!しかしながらアクセサリー収納ラックは既に持っていたのでグっとガマン しました。

しかしこの黒猫ちゃん雑貨、気になったので家に帰って調べてみると・・・それはそれはいろ~んなインテリア・家庭雑貨用品があるではないですか・・・!!これシリーズで揃えたら絶対に可愛い!しかも我が家はIKEAのPortis(黒いアイアン使いのシリーズ。ハンガーラックやシューズラックなど収納系が充実)で揃えているくらいの黒アイアン好き。黒猫ちゃんも揃えたい~!ということで、必要なものだけチビチビと通販で買い足しています。現在、我が家にあるコレクションを紹介したいと思います。


黒猫20

よく見ると黒猫が文字盤にいっぱいの時計。
友人Iに運び屋をして持って来てもらいました。


黒猫21

手紙を置くのがもったいない?状差し。


黒猫4

トイレットペーパーホルダー。
うちのトイレにはペーパーホルダーが付いていなかったので取り付けたのでした。


そしてそして、猫が飼いたいけれども今はまだちょっと飼えない私の猫心を満たすプロダクトが黒猫ちゃんステッカーです。好きな所に貼るだけでいつも猫ちゃんと一緒にいる気分を味わえる素晴らしいステッカーで、2種類あるのですが両方とも買って家中に貼ってみました。


黒猫3

トイレには猫が5匹。


黒猫

寝室のコンセントの上に1匹。
起きたときに、この猫をボーっと見つめるのが日課です。


黒猫8

玄関ホールに3匹。
コレを見たマミンカが「手がかからないから本物の猫よりいいわね(笑)」と言っていました。
壁にかけてある姿見はIKEAです。



黒猫11

後ろを振り返ると、あと2匹いました。
小さい方は、右のインターフォンの近くにある電源の上にいます。
コートハンガーはIKEAのPortis。中央のドアにかけられたFERMEと書いてある札はバリ島で買ったアルミ雑貨です。



黒猫15

リビングにも子猫が1匹。
薪ストーブは一度やってみたら家中が薫製工場みたいな匂いになったので、それ以降使っていません。


黒猫18

ダイニングのスペースにも。
左側の電源の上にいます。中央のランプ、右のテーブル、その上にあるもの全部IKEAです。


本物はまだ諸事情があって飼えないのですが、ふとしたときに猫のシルエットが目に入るのは嬉しいものです。アベイユのシリーズは「そうそう、こんなのあったら便利だと思ってた〜」みたいな家庭雑貨がいっぱいあって、定期的にチェックしています。今後も素敵な商品のリリースを期待しています。


関連記事:IKEAのPORTISシリーズが気に入ってしまった

『ブリングリング』意外と真面目な映画かも

        



昨年夏に日本に帰省したときに友人Iと「アイアン・フィスト」を観に行ったんですよ。そしたらブリングリングの予告編が流れていて、暗闇の中で友人Iが「じぇったい見る!」と私に飛びついて来たのを覚えています。

ハリウッドの優等生、エマ・ワトソンを中心としたティーンのセレブ専門窃盗団のお話です。しかし、エマちゃんは本当にしっかりした子だなあ~とオバサン感心しちゃうんですよ。あんなに若くして世界的な名声と一生かかっても使い切れないくらいの大金を手に入れちゃったのに、それに溺れずにちゃんと大学に通ったりしてるんですから。普通の子役なら、いとも簡単に足下救われてパーティーばっかりやって、ドラッグとかセックスの中毒になってしまうところですよ(そう考えるとハリーもロンもやらかしてないのは偉いな。イギリスの子は真面目なのだろうか)。

そんなプライベートでは優等生のエマちゃんが、ギャルになって窃盗というイメージを裏切る映画なんですが、ティーンネイジャー特有の思い上がったギャル演技も素晴らしいです。ラストシーンは「こいつ、ぜんっぜん反省してねーな・・・」と観客をヒクつかせる名演でした。エマちゃんはなんだかうちの姪っ子(8歳)に雰囲気が似てる。この姪っ子がまあ可愛いんだけど、最近クソ生意気なオナゴの片鱗を見せて来てるんですわ。オバチャンは姪っ子が素のエマちゃんみたいにいい子に育ってくれるのを願ってます。

エマちゃんが主役と思いきや、言い出しっぺで窃盗団のリーダー的女子はレベッカ(ケイティー・チャン)という女の子。この子はアジア系なんだけど時折エレン・ペイジにも見えます。レベッカが本当にカジュアルに、まるで親の財布から千円札を盗む感覚でセレブの家に行き窃盗するんですよ。パリスが今日どこそこでパーティーだからって情報をキャッチして住所をググっては窃盗。ってかセレブの家ってSECOM的なものには入ってないのか?ガードマンは常駐してないのか?と、かなり不思議。高校生が入ろうと思えば入れちゃうってのは、相当セキュリティーが薄いと思うのですが、当時はそんなもんだったのでしょうか。

実話ベースなんだけど、もうビックリするくらい簡単に侵入出来ちゃうんですよ。パリスを始めとして、ミーガン・フォックス、オーランド・ブルーム、レイチェル・ビルソンのお家に侵入してクローゼットからつまみ放題なんです。特にパリスの家には「そろそろパリスん家行っとく~?」みたいに何度も訪れていて服、バッグ、靴、アクセとパリスの私物を無制限バイキング状態。しかし・・・そこまで「うわ~いいな~」って感じにならないんです。私がパリスファンではないから?う~ん、ブランドものが佃煮に出来るくらい、いっぱい映されるんですけどね、なんだかみんな安っぽいニセモノみたいに見えるんです。

じゃらじゃらある宝石はみんなフェイクみたいだし、パリス宅のシューズ用クローゼットはただ色がハデな靴(大阪のオバチャン的センス?)がひたすら並んでいるようにしか見えないんですよ!ふ~ん、確かにすごいコレクションだけど、私はそこまで欲しくないや~みたいな感じ。映画オープニングで証拠品として押収されたブツも・・・なんだかみんなフォーエバー21で調達したみたいに見える。どうしてでしょう。全然ワクワクさせてくれないんですよ。オープニングのカット割りとかは流石にカッコ良くて「おお!」と思ったんですが・・・。

オーランド・ブルーム宅にも忍び込むのですが、セレブの中では堅実な感じで物欲とは無縁そうなオーリーでも腕時計のコレクションとか持ってるんですね。で、その腕時計箱の中に、裸の100ドル冊を輪ゴムで束ねて入れてたりして、なんかおばあちゃんみたいなタンス貯金っぷりなんですよ。セレブなんだから、ちゃんとビルドインの金庫に入れときな!って思いましたねえ。あとレイチェル・ビルソンの家が普通のOLが借りているアパートみたいでした。レイチェルとエマちゃんだったら、どう考えてもエマちゃんの方が女優として上なんだけど、フィクションだから逆転してるのが面白かったです ね。「てか、こいつまだヘイデン・クリステンセンと付き合ってんだっけ〜?」みたいにレイチェルが軽くあしらわれていてちょっと可哀相でしたが。

ティーンネイジャーのギャルたちの犯罪ものというと、最近では「スプリング・ブレイカーズ」なんかアゲアゲ具合が良かったですが、本作はそこまでメーター振り切ってない感じ。結構社会派な作りになっていたのでした。途中、細かいカットで挿入されるフェイスブックの写真やセレブの写真なんかが、若者特有の表現欲求みたいなものを表している感じ。盗みも自己表現みたいな感じです。そこが薄ら寒くて少しいたたまれない気分になりました。「ヴァージン・スーサイズ」や「マリー・アントワネット」では映像がとても美しかったけど、本作はティーン窃盗団をキラキラと美化することなく、突き放して撮った印象でそこは真面目な感じがしましたね。

『ブルージャスミン』意地悪だが美味なり・・・!

       



ウッディ・アレンの最新作をチェックしてみました。ブルージャスミンというタイトルと、メランコリックなケイト・ブランシェットの横顔のポスターを見て「あら〜、今度はヨーロッパの街にフィーチャリングしたご当地群像劇ではなくて、大人な感じの作品なの?」と思っていました。

いや~、しかし意地悪でしたね。意地悪!ウッディ・アレンの意地悪っ!本当に意地悪なジイさんである。だが、そこがいい・・・みたいな映画ですよ。宇多丸さん風に言うと「この苦み、美味なり・・・」て感じでしょうか。主演のケイト・ブランシェットの神演技と相成って素敵な意地悪コラボレーションになっています。今年のオスカーでは主演女優、助演女優、脚本賞にノミネートだそうで、評価が高いのも納得です。




※ネタバレします。




冒頭、ファーストクラスの座席でヒロインのジャスミン(ケイト・ブランシェット)が隣の老婦人に向かってベラベラと自分のことを話しています。彼女はシャネルの白いツイードのジャケットを着用&真珠の長いネックレスをしていて「正調シャネル!お金持ちなんです!」と言った感じ。飛行機から降りるとエルメスのバッグを腕から下げているのですが、ハンドルにはスカーフ(もちろんエルメスでしょう)が結ばれています。超王道なコーディネートがキッチリとサマになってるのは、さすがケイト・ブランシェット様です。

ところが、バッチリ決まった服装に反して彼女は残念なキャラクターの持ち主なのでした。自分のことばかりを、のべつまくなしに喋り倒したために老婦人は連絡先も交換せずにさっさと消えてしまうのでした。エレガントにハイブランドを着こなす女性だけれども、ああ中身はちょっとズレちゃってる人なんだな・・・というのがよ〜くわかります。ジャスミンの「ね~、今度ランチでも一緒に・・・あれ?(老婦人既にいない)」って表情が最高です。とにかくこの映画、全編に渡って勘違い女の痛々しさが超演技派女優ブランシェットの卓越した演技によって描かれてるんです。毛色は違うけど、なんだか「嫌われ松子の一生」を彷佛とさせます。こっちは「嫌われジャスミンの一生」か。

ジャスミンはニューヨークからサンフランシスコにやってきたのですが、なんか訳ありのようで小汚いアパートに落ち着くことに(どうやら貧乏設定みたいだけど、私から見るとなかなかに居心地の良さそうなお家です)。ここは彼女の妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の家。「どうしてワタクシがこんな掃き溜めのようなところに・・・」と凹むジャスミンなんですが、事情があるゆえにルーザーと結婚して離婚してシングルマザーしてて今の彼氏もルーザーで・・・という自分と正反対の妹を頼らざるおえないようなんです。

妹のジンジャーとは血が繋がっているわけではなく、お互い養子でもらわれて一緒に育った関係なんですが、この妹が本当に出来た人で性格もいい。今まで貧乏だのルーザーだのと散々影でバカにされてたにもかかわらず、仕方がないから身寄りのないKYな姉を引き取ってあげるんです。ジャスミンは文無しなのに贅沢が染み付いてるからファーストクラスでシスコにやってきた、と聞いてドン引き。それでもそんなに責めないであげているんですよ。ジャスミンみたいなプライドだけが高い人は立つ瀬がなくなると何をやらかすかわからないから、それ正解かも。高価な宝石だとかドレスとかは売って来たけど、ずら〜っと一式揃ったヴィトンのトランクはジャスミンのイニシャルが入ってるから売れなくって仕方がないらしいです。シャネルの白いジャケットとエルメスのバッグだけはどうしても手放せなかったのでしょう。この映画の中でしつこく何回も何回もヘビロテされています。

そもそも 、なんでジャスミンがニューヨークを捨ててシスコにやって来たかというと、裕福なビジネスマンだった夫のハル(アレック・ボールドウィン)と離婚したかなんかで都落ちして逃げて来たみたいなんですね。でもなんで文無しなのか?そこがストーリーの展開と共に明らかにされて行くわけです。現在のトホホ・ライフと交差するようにニューヨークでのハイソなソーシャルシーンが挿入され、次第に事情が明らかにされて行きます。

シスコで新しい生活を始めるの、というジャスミンに彼氏チリ(ボビー・カナヴァル)とその友人を紹介するジンジャー。この彼氏とそのダチが、もう今までジャスミンが付き合って来た人たちと全然違う、ビール飲んでギャハギャハ言いながらボクシングを見るのが好き、みたいな中産階級以下の人たちなんですよ (でも決して悪い人達じゃない)。「なぜ、ワタクシがこんな輩と一緒に飲まなきゃいけないの ・・・」とマティーニを手に表情が固くなるジャスミン(このチョイスもなんか気取ってる感じだな)。ところがチリに「ジャズマン!(彼らの英語ではジャスミンがジャズマンに聞こえるのだ)、ぶっちゃけこれから仕事どうすんの?」と、イタいところを突かれてしまう訳です。そう、ジャスミンはプライドばかり高いセレブ妻で無職なのでした。

「大学に戻ろうかと思っているの」と取り繕うジャスミン。「へえ、大学で何を勉強するんだい?」「・・・・・・・この底の浅さ!たまりません。特に勉強したいことなんてないんです、とりあえず人聞きがいいから大学に戻るって言っただけなのが手に取るようにわかります。ひきつったブランシェットの顔、美味なり!「そうだ、あなたはすごくセンスがいいからフ ァッション関係とかインテリア関係なんてどう?」と助け舟を出すジンジャー(ええ妹や)。「そ、そうね!ワタクシの趣味の良さを活かせる仕事だわ・・・」と妹が気を使って言った言葉尻にのっかって、イージーに進路を決めちゃうジャスミン。もうダメダメです。底が浅い上に人間としてもペラッペラ!美味なり!

オンラインでインテリアコーディネーターの資格が取れるらしいのですが、そもそもジャスミンはパソコンが使えないということで(トホホ・・・)、パソコンスクールに通うことに。仕事はジンジャーの彼氏から歯医者の事務の仕事を紹介してもらいました。おばちゃん事務員がよく着ているスモッグみたいなのを来て、レセプショニストの仕事に手こずるジャスミン(ただ予約を取るだけなんだけど)。かつてのセレブ妻が身をやつしている感がけなげっちゃあ、けなげです。

彼女のニューヨーク時代は、それはそれは優雅でした。高級住宅地にあるヨーロッパ貴族みたいなおうちに住み、昼間は高級ブティックでお買い物。夜はオートクチュールのドレスを着てハイソが集うパーティーへ、たまに慈善事業にも手を付けてノブリス・オブリージュも忘れずに、だってソーシャライトなんですもの、といった風です。夫からは高級宝飾品をプレゼントしてもらったり。しかし、その夫は外で若い美女たちと浮気三昧だったんですね。

ジンジャーと当時の夫がジャスミンの住むニューヨークに遊びに来たんですが、表面上は歓迎するものの実際は鬱陶しがっていたのです。確かにジャスミンとジンジャーの住む世界は全然違います。二人でショッピングに出かけてジンジャー にバッグを買って上げるシーンがあるんですが、ジンジャーが選んだのはファンキーなネオンイエローのフェンディのバゲット。センスがちょっと関西ぽくて、ベージュのバーキンを選ぶヨーロッパ貴族的な趣味の姉とはテイストが全然違うんですね。でもジンジャーのボヘミアンぽいファッションも悪くないと思います。

あちこちで浮気しているジャスミンの富豪夫のハルはアレック・ボールドウィンなんですが、絶倫の実業家という役が本当にピッタリです。「あなた、浮気してるんでしょ!」と妻につつかれて「何を言っているんだ、バカらしい」という判子で押した様な反応も安定の浮気夫ぷりです。そういえば、だめんずで有名な倉田真由美さんが言ってたけど「浮気してるでしょ?」って彼女に聞かれて「なんで?」と返す男は100%クロらしいというのを思い出しました。

ジンジャー夫婦は、なんと宝くじで20万ドルを当てたらしいのです。夫はそれを元手にして建築業か何かの商売をやるつも りだとジャスミン夫婦に話します。「それより投資の方がいいわよ、ね、アナタ?」とジャスミン。夫の投資ビジネス(もう与◯翼ばりに超クロそう)にお金をつぎ込んではどうかと提案するのですが、どうやらそれが詐欺だかなんだかで20万ドルがフイになってしまったようなんですね・・・。20万ドルつーたら2000万円くらいですよ!ジンジャーの元夫は今でもこのことを恨んでいます(そんな大金をクロそうな投資につぎ込んだのは自業自得だが)。しかしジンジャーはそれすらも水に流しているようで、本当に出来た妹ですよ。私だったら孫子の代までタタってやる〜と刃物を持ち出してるかもしれません(汗)。NY時代では他にもティーンネイジャーの息子(夫の連れ子)とジャスミンの確執みたいなものも描かれていました。

しかし今は額に汗して働くジャスミン。上司である歯医者(マイケル・スタールバーグ)から飲みに誘われて口説かれた りしますが「彼氏が待ってるので」と嘘をついてサクっと切り上げて帰ってきます。この歯医者が結構しつこくって、「その彼氏とはどれくらい真剣なの?」などと何度もジャスミンに言いよるんですよ。メガネでオタクっぽくてキモい感じの人なんです。ある夜、歯科医院で二人きりになったときにしつこく言いよられ、セクハラされたのでジャスミンは彼を殴り泣きながら家に帰るのでした。ファッション的にはジャスミンが働いている間、レセプションの机の上に置かれたバーキンがもの悲しかったですね・・・。個人的にバーキンを持つ様な人は雇われて働いてちゃダメな気がします。もともと王侯貴族御用達の馬術道具屋さんだし、雇用労働とは相性が悪い気がするんですな。

「もう嫌なことばっかし・・・」とパソコンスクールで出来た女友達にこぼすと、「今度パーティーやるから来ない?」と誘われました。妹ジンジャーも誘って、気合いを入れてお洒落してパーティーに行くと結構ちゃんとしたパーティーでいい感じです。ジャスミンはCHANELとチャームロゴの入ったベルト着用ですが、それもちゃんと成立してる感じのパーティーです。水を得た魚のように振る舞うジャスミンは、ある男性と知り合います。ドワイトというその男性(ピーター・サースガード)はジャスミンのファッションセンスを褒める事が出来る審美眼をもった人でした。知的で育ちが良くで外交筋で働くドワイトとジャスミンは意気投合。実働はおろか、まだ資格さえ取得してないのに「私、インテリア・コーディネーターなの」と自分の職業を言うジャスミンなのだった。

ピーター・サースガードは鬼畜映画「17歳の肖像」でロリコンをやっていましたが、この映画ではまともな役でした。しかし下の方にボリュームを持たせたヘアスタイルは、なんだか80年代頃のアメリカ映画男優みたい。ドワイトから電話がかかってくるのを心待ちにするオトメなジャスミン。妹の子供が電話を取ろうとしたら「すぐ出ちゃダメ!じらせないと!」と鬼の様な形相です(笑)。アメリカ映画を見てるとオナゴがこのテクを使うシーンが結構出てきますが、メジャーな恋愛テクなんでしょうかね〜。ドワイトが新しく買った家の内装を頼まれ、彼の家(シスコが見渡せる)に行ったジャスミンはもうウキウキです。

一方、妹のジンジャーもパーティーでデブだけど気のいいオッサンに会って恋仲になるのでした。そのため嫉妬に狂ったルーザーな彼氏のチリが家にやってきて修羅場に。怒り来るって壁に取り付けてあった電話をむしり取るチリ。ジャスミンはドワイトからの電話を待っていたので半狂乱です。このシーンは面白かったですね〜。

めでたくドワイトと付き合いプロポーズされたジャスミン。「僕はウィーンに赴任するから、君はそこでザッハー・トルテを楽しむといいよ♥」などと文字通り甘いことを囁くドワイト。ああ〜、”持ってる女”ってのはこうやって何度でも金持ちと結婚することが出来るんだなあって思いますよ。ジャスミンは再婚だということは伝えてあるのですが、夫は心臓発作で亡くなったと言ってあるんですね。エンゲージリングを買いに行こう、とウキウキでジュエリーショップに入ろうとしたら「ジャズマン!」と彼女を呼ぶ嫌悪感に満ちた声が・・・。それは投資で2,000ドルをすったジンジャーの元夫でした。

彼から夫のハルが投資詐欺罪で入れられていた刑務所で自殺したこと、義理の息子が今は中古楽器店で働いていることを知らされます。それを聞いたドワイトはビックリ。だって元夫は外科医で心臓発作で死んだってことになってたんですから。このことからすべてがおじゃんになり、ドワイトとの結婚も白紙へ。ボロボロになりながらも義理の息子が働いている楽器店を訪ねるジャスミンでしたが「もう顔も見たくないから消えろ」と言われてしまうのでした。

ボロボロになって家に帰るとジンジャーとチリが復活愛を祝ってお酒を飲んでいます(パーティーで会ったオッサンは妻帯者だったのだ)。「私、ドワイトと一緒に住むからもう出てくわ・・・」と嘘をつくジャスミン。NY時代に何があったのかというと、夫の浮気を知ったジャスミン(実は彼女以外は周知の事実だった)は嫉妬に狂い、夫に噛み付きます。複数の女性と関係があったことを認めて、実はオーペアで来ていたフランス人のティーンネイジャー(本命)と新しい人生を始めたいと告白する夫に半狂乱。FBIに電話して夫の投資詐欺のことをチクるのでした(てことはジャスミンも悪いことしてるのは知ってたのね)。

過去を捨てて新しい生活を始めようと思って奮闘し、途中まで上手く行きかけていたのに何もかも無に帰してしまいました。ノーメイクでシャネルのジャケットを着て、ふらふらとストリートを彷徨うジャスミン。ベンチに腰掛けなにやらブツブツと独り言を言うと、ベンチにいた人は気味悪げに去って行きました。うつろな目で、夫と出会ったときの思い出の歌「ブルームーン」(今まで伏線として数回出ていた)を口ずさむジャスミン。全てを失ったんですよ。まさに「オール・イズ・ロスト」。これで映画は終わります。うわ〜・・・マジで・・・とまさにブルーに。これがウッディ・アレンは意地悪じいさんと言っていた理由ですよ。ケイト・ブランシェットもアルマーニの香水CMで見せる綺麗な女っぷりが嘘みたいな落ちぶれっぷりです。・・・美味なり!これはノミネートされるでしょうね〜と思います。

セレブ妻の気持ちのいいくらい見事な転落っぷりなんですが・・・なんだか彼女のことを笑えません。この底の浅いバカ女(だが趣味はいい)は、ものすごく血が通った、ある意味等身大なヒロインだと思うんですよ。彼女の「あ〜あ・・・(苦笑)」な行動の数々に、きっと多少あれど心当たりがある人は気持ちが「キュッ」となるのではないでしょうか。これで、ステイタスとか物質主義を切り離して自由に生きられるといいんですがね・・・まあそれが出来ないから苦しんでるんですけども・・・。一方の妹はボーイフレンドと元サヤで特に失うものもなく、結果幸せなので、欲深くない気だての良い娘は幸せになれるんだよ、という教訓めいてもいるような気がするのでした。やっぱり身の丈にあった幸せが一番?一度上げた生活レベルは、なかなか落とすのが難しそうですからねえ・・・。

主演のケイト・ブランシェットは主演女優賞ノミネート、妹ジンジャーを演じたサリー・ホーキンスは助演女優賞ノミネートです。しかし競合女優も手ごわそうなのでどうでしょうか。ウッディ意地悪おじいちゃんは脚本賞ノミネート。こちらの競合も大作ばかりです。脚本は本当によく出来ていたので、取るといいなあ〜と思います。しかし、ウッディ意地悪おじいちゃんはオスカーに来ないことで有名なんだそう。自分も、自作のキャストがノミネートされても来ないんだそうです。それはそれで無頼な感じがカッコイイですね。



シャネルのジャケットとエルメスのバーキンバッグ、ブルージャスミン2点セット。



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追記:ケイト・ブランシェットが本作でアカデミー主演女優賞を受賞しました!何かに命をかけたり、偉業を達成したり、ハートウォーミングな感動をまき起こしたキャラクターではない演技で受賞って、あまりないのではないでしょうか。その分、ジャスミンと同じ穴のムジナなバカ女の末席にいる者としては嬉しいです。ケイトさんおめでとう!


『戦火の馬』今年の干支なので鑑賞

        



既に2月ですが、今年一発目の映画鑑賞は「戦火の馬」!気が付いたら一ヶ月も映画を観ていませんでしたよ・・・。テストとか旅行記とか忙しくて。特に旅行記は忘れないうちに書いておかないといけないから大変でした(まあ自分の好きでやってるんですけどね。テヘへ)。

微妙に古いこの映画、なんで観たのかというと今年が午年だからです。巳年の新年一発目は「スネーク・フライト」を観たから今年は馬で始めようと思ったのでした。来年は羊だけど、羊の映画ってあるのかな・・・。

私、実はお馬さんが大好きなんですよ。本当に美味しいですよね、桜肉に馬刺!←「そっちの好きかよ!」(爆笑田中風に)というわけで食べるのが好きなんですが、もちろん馬を見るのも好きです。あんなに美しくて賢く、いたいけな動物っていないと思うのですよ。そういえばうちの夫も馬に似てる。顔が長いところと、目がキラキラしてて従順そうなところが似ています。一度、本人に言ったら「私は馬じゃないよ」と普通に否定されました。

イギリスのお馬さんが第一次大戦中のヨーロッパで翻弄されるというお話なんですね。監督はスピルバーグですよ。普通にいい話だし、普通に感動、という感じでした。でも個人的にはそこまで馬にのめり込めなかったかな~。主役の馬、ジョーイにもっと感情移入させて欲しかったというのはあります。



※ネタバレします。



中盤過ぎた所で馬がドイツ軍の重い戦闘機みたいなのを運ばされてるシーンがあるじゃないですか。ジョーイと友達の黒い馬もその運搬チームにいてスペア馬として待機してるんですよ。でもって黒い馬はもうかなり疲れてるんですね。で、軍の偉い人が「新しい馬をもってこい!」って馬番の兵士に命令し、彼はジョーイをつれてくるんですけど、軍の偉い人は「それじゃなくて、隣の黒くてデカイ馬を持ってこい!」って言うんですね。

それを聞いた黒い馬が「ええっ、オレ?」って顔をするんですよ。するとジョーイが「オレが変わりに行くから休んでろ」みたいなキリっとした顔で前に出て来るんです。ここは馬達に人間っぽい演出がされていて結構良かったと思うんですけど、他のシーンは特にそんな演出がなかったから、ここだけが逆にちょっと浮いてしまっていた印象もあります。

なんなら、もっともっと ベタでもいいと思うんですよ。ジョーイとアルバート(ジェレミー・アーバイン)の友情パートとかも、普通にツーカーの仲の友達同士として描いちゃえばよかったのに~。例えばジョーイが売られるシーンで「いやだ~、アルバートと離れたくなヒヒヒ~ン!!!」みたいな顔のカットを入れたりとか。前半の農場パートではアルバートがすごく一方的にジョーイのことを愛してる感じがしてしまうんですよね。

このジョーイが色んな国の色んな人の手に渡って行くんですが、農場の次はロキことトム・ヒルドストンの手に渡るんですよ。トムヒ(略)はカッコイイですね~。良家の子息っぽいところもたまりませんな!うんうん、彼だったらきっとジョーイのことを大事にしてくれるよう~って思うんですが、アッサリ戦士してしまうんですね。トムヒの上司役でベネさん(ベネディクト・カンバーバッチ)が出ています。この英国美男子ツーショットon馬はかなりのオカズになるんじゃないでしょうか。

次はドイツ軍の手に渡ったジョーイ。あれ~?妙~に変だな~。だってドイツ軍の人・・・全員英語話しているじゃない!そう、ジョーイはこの先フランスの農村に暮らすおじいちゃんと孫の手にも渡るんですが、彼らも英語(しかも訛りアリ、所々がフランス語)を話しているんですよ。まあね、インディー・ジョーンズがどんなに世界の僻地に行ってもみんな流暢な英語を話してるけどさ~。「イングロリアス・バスターズ」みたいにその国の言語を話させた方がジョーイが国から国へと渡って行く感じが出たとも思うんですけど、どうでしょう。あと英国軍パートがトムヒとベネさんという豪華さだったから、勝手に期待してしまって、ドイツとフランスパート にあまり有名な俳優さんが出てなかったからガッカリしてしまいました。なんだかそこもバランスが悪い様な気がするんですよね。

でも感動したところもありましたよ。英国軍とドイツ軍が白旗を上げ合って、有刺鉄線に絡んだジョーイを助けるシーンです。馬の為に一時休戦することが出来るのに、どうして戦うんだろうな~って思いますよ。戦争って本当に何なのでしょう・・・とエンターテイメントの中にもさり気なく反戦のメッセージが込められていて素敵でした。

でもやっぱり、ジョーイの心情がいまいちよく伝わってなかったからアルバートの愛が一方的で重過ぎるって言うかな~。全財産を投げ打ってもその馬が欲しいんです!って言ったりしてて、もう種族の違いを越えて契ってしまうのではないかと思いましたよ(ちなみにジョーイはオスなので異種族間ホモである)。でもやっぱり馬はいいですね。見て良し、乗って良し、賭けて良し、食べて良し「結局そこかよ!」(田中風)!日本に帰ったら熊本料理の店で馬刺を食べようと思うのでした。


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