@itan-journ@l praha

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『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』非常時には、かくありたい

        



夫が観たいと言うので、付き合って鑑賞しました。「今更ロバート・レッドフォード?な~んか地味そうな映画だな~」とテンション低めで映画館へ。「つまんなかったら寝るのでよろしく!」とあらかじめ夫に宣言し、寝る気満々でした。それに英語も「悪の法則」みたいに難しかったら、面倒くさいな~って思っていたんですよね。

でも大丈夫!この映画・・・なんとセリフが5行くらいしかありませんから!置いてきぼりにされる心配は無用。誰でも理解出来るストーリーです。そして、そして・・・非常に非常に良い映画でしたよ!情報過多な昨今では意識しないうちに新作映画の色々な情報が入って来てしまいますが、どうか可能な限り情報をシャットアウトして是非ご覧下さい(日本公開は3月らしいです)。私に言えるのはこれだけです・・・。以下ネタバレになるので、お気をつけ下さい。






※ネタバレします。





※ネタバレしますよ~。




※ネタバレしますっ!!!






登場人物は年老いたヨットマンのロバート・レッドフォードだけです。彼がスマトラ沖あたりをクルージング中に事故にあってしまうんですね。最初に海に浮かぶ沈みかけの何かが映り、そこに彼のモノローグが重なります。「やれることはすべてやった。精一杯頑張ったけどもうダメだ・・・」みたいなあきらめのモノローグです。そして時間は8日前にさかのぼります。

レッドフォードが寝ている間にヨットが海上を漂流していたコンテナとぶつかってしまうんですよ。ヨットに穴があいちゃって、そこから海水がドバーっと流れ込んで来るんです。穴のあいたところがちょうどデスクのところで、パソコンとか無線機とか機械類が全滅。レッドフォードはそれでも取り乱すことなく、装備してあった道具をつかってヨットに刺さっていたコンテナを離します。このコンテナが、チープなスニーカーをたくさん積んだ中国のコンテナなんですね。ただのコンテナなんだけど、なんだか不気味な存在感なんですよ。熟練したヨットマンのレッドフォードは、穴を修理し水びたしになった箇所を掃除。無線機を修理します。

またレッドフォードが落ち着いているんだ!この方は元祖ギャッツビーだし、こういうクルージングに慣れてるアイビーリーグなスポーツマンという感じがします。「あ~・・・これは厄介だな・・・」という顔を始終しているんですが、絶対に取り乱してパニックになったりしないんですよ。これからどんどんあり得ない事態に置かれて行くんですけど、いつもその場のベストをつくして対応する姿はすごい。非常時にはこうありたいものです。

とにかく連絡を取る機械がすべて壊れちゃったんですね。修理した無線機をそのままにして、掃除をしながらひたすら無線が入るのを待ちます。すると・・・何語かわからないんですが無線を拾うんですよ!懸命にSOSを発信するんですが、すぐに無線は切れてしまいました。

冒頭のモノローグからさかのぼって8日間の漂流生活が描かれるんですが、「Day 1」とかヤボなテロップは一切出ないんですよ。そこがまた良いですね。私の記憶を辿りながらこの先のストーリーを書いてみますが、前後の間違いがあるかもしれませんのでご了承下さい。





※ここからまでは予告編にもあった描写ですが、ここからは本当にネタバレです。





ヨットに穴が空いたのが第一の試練だとしたら、第二の試練は嵐です。激しい雨と暴風に翻弄されるヨット。漁師さんが着る様な雨用のウエアを着て、舵を取るレッドフォードですが甲板に出ているのも危険な状態で、途中で海に放り出されそうになったりします。危険すぎるのでヨットの中に入って嵐が過ぎ去るのを待つしかありません。嵐にもまれて、どこが上でどこが下かもわからない状態になり柱に頭をぶつけてしまったレッドフォードは気絶してしまうのでした。目が覚めると嵐は過ぎ去っていましたが、 ヨットはもう半分くらい水浸しの半壊状態。もうこの時点で私の心は既に折れそうです。だってヨットが・・・ヨットが・・・。甲板に必要なものを上げて今自分が大体どのへんにいるかを計算するレッドフォード。このスキルはすごいですね。ヨットマンなら普通なのかな。

そうこうしているうちにまた嵐の襲来が来て、船のマストが根元からポッキリ折れてしまいました・・・。半壊のヨットは全壊に。ヨットの奥から救命ボートを出してサバイバルキットやカンズメを持ち、ヨットを離れるレッドフォード。この大海原でゴム製の救命ボートですよ?一応屋根がついているんですが、もう絶対に海の藻くずフラグじゃないですか・・・。この時点で私の心はマストと同じくポッキリ折れてしまいました 。

長年連れ添ったであろうヨットを悲しそうに見るレッドフォード。ヨットは 海の中に沈んで行きました・・・。ゴムボートに移動してもレッドフォードは落ち着いています。サバイバルキットの中身を出して点検したり、また自分の位置を計算したり。だんだんと北へ移動していることがわかるので、このまま海流に乗って行けば陸に辿り着けたりしないんだろうか・・・無理かなあ・・・という淡いド素人な期待を抱く私。サバイバルキットの中身は非常時に使えそうなものばかりで、ちゃんと備えてあるんだなあという感じです。ただ、飲料タンクの中のお水が腐ってしまっているようで飲めませんでした。

水が腐っているとわかった時点で、初めてレッドフォードは「ファック!ファック!ファーック!!」と叫びます。てか中国コンテナがヨットにぶつかった時点で充分ファックなんだけどね・・・。きっとお金持ちそうなヨットマンだし、育ちが良いのでしょう。てか飲み水なしでどうやって生存・・・とまた絶望に襲われますが、ある朝タンクに水滴が溜まっているのを見たレッドフォードは特殊な装置を作って飲み水を得ます。海水を煮るときに出る水蒸気を集めて水を得る方法は聞いたことがありますが、こんな方法もあるんですねえ。役に立つ時は絶対に来て欲しくないですけど・・・。

サバイバルキットの中には簡易釣り竿や発煙筒なんかも入っていて充分に遭難対応出来る感じですが、ここで不思議に思ったことがひとつ。遭難準備は万端なんだけど、なんで予備の無線機とか積んでないの?ってことです。う~ん、好意的な解釈をすればデスクの中に入ってたんですが、そこに海水が直撃したために水に浸かってダメになっちゃったのかな。ここがちょっと不思議なところでした。

釣り竿で魚を捕ろうと試みるレッドフォードですが、かかった!と思って糸をひいたら急に横からサメが出て来てガバーっとお魚を持って行かれてしまいました。そうか、サメ・・・サメがいるんでした海には!途中でカメラが海中の魚視点に切り替わり、ボートまわりにうようよとサメが群れているのが映し出されます。私の心はとっくに折れており、今度はない胸がえぐれる思い。海の中ではイワシみたいな魚群がキラキラと泳いでいてとても綺麗ですが・・・。唯一ラッキーだったのはインド洋の暖かい海で遭難したことでしょうか。

最初は落ち着いていたレッドフォードの顔にも心労が刻まれてきました。ボーっと海を見つめるレッドフォード。すると遠くに大きな商船が!!!「おーい!」と叫んで遭難用の花火に火をつけますが、コンテナを積んだ巨大な商船は小さな小さなレッドフォードに気付くことなく通り過ぎて行ってしまいました。えええええ・・・マジで・・・。やはり巨大な船からはゴムボートなんて見えないんでしょうかねえ・・・。

そしてまた嵐。ヨットでもひとたまりもなかったのにゴムボートで嵐なんてもう終わりでは・・・と思うんですが、ラッキーなことになんとか持ちこたえました。しかし微妙に浸水していてもうこのボートもかなり危ない感じです。そして今度は夜に商船が通りかかりました。花火は夜の方が判別しやすそうだから、今度こそ・・・とフィンガーをクロスさせて見守ります。しかし、今回もまったく気付かれずに花火は夜空に消えて行きました・・・。灯りがついた商船を追いかけるように花火が消えて行く画が切ない・・・。

大海原で出会った二つの船。大小の違いはあれども同じ人間が乗っている船同士なのに、気付いてもらえない・・・。切ない・・・切な過ぎます!!!なんかディスコミュニケーションだなあ・・・と思ったら、この映画「ゼロ・グラビティ」に似ているではないですか。本作は大海原を漂うコンテナが元凶、あちらは宇宙をマッハでかける宇宙ゴミ。どちらも人間が出したゴミですよね。そしてたった一人で広大な空間に投げ出され、なんとか生き長らえようとする人間、そして救助の足がかりをつかんだ!と思ったらまさかのディスコミュニケーション・・・本作は大きい船に気が付いてもらえず、あちらは機械のUIが外国語。それでもサンドラ・ブロックは助かったけど、レッドフォードはダメだろうなあ・・・と思う訳です。

だって冒頭のモノローグで「色々頑張ったけど、もうダメだ・・・」と言ってしまっているではないですか。もう見ているのがシンドイ。もういっそのこと、死んじゃった方が楽になるんじゃないの・・・と思うんですが、レッドフォードはしぶといです。しかし、死を覚悟した彼は紙にボールペンで何かを書いて、空き瓶に入れ海に投げ込むのでした。彼が何を書いたのかは明らかにされません。恐らく家族へ向けた手紙なのではないでしょうか。このシーンが邦題サブタイトル「~最後の手紙~」になってるんですが、これちょっと余計じゃありませんかね?オール・イズ・ロストだけでシンプルに行った方がよかったのに。なんか中学校の創作演劇みたいなサブタイトルの付け方だなあ・・・と個人的に思います。

そして映画はもう大詰め。あ~、もう死ぬ。もう死んじゃうよ~!一体どんな終わり方をするのか・・・見たくない、でも楽に死なせてあげたい・・・と、どうしようもない気持ちで観賞を続行。すると夜にまた船が通りかかるんですよ。花火を打ち上げるレッドフォードですが、もうすべて使い切ってしまいました。そうだ、火をおこせばいいんだ!と半分に切った飲料タンクに紙をちぎって入れ火をともします。火は小さなたき火くらいの大きさになりましたが、それでも船が気付く様子はありません。

こうなったらもっと燃やさないと!と火をくべることに一生懸命になるレッドフォード。しかし気が付いたらボート全体に火の手が渡っていました。あああ・・・一回のチャンスにかけてしまったせいで、足場のボートが・・・。海に沈んで行くレッドフォード。海に沈んでゆく彼の視点に切り替わり、海上で燃えるボートと月が見えます。本当にあり得ない事態でも自暴自棄になったり発狂したりせずによく頑張ったなあ・・・レッドフォードなあ・・・と思いしみじみしていると、別の方向から光が射すのが見えます。あれ・・・と目をこらすと、それはあの船から来たと思われる救助のボートでした!!!!

上に向かって泳ぐレッドフォード。泳いで、泳いで、水面に到達。救助のボートに乗っている人の手で引き上げられ、画面がふわ〜っと真っ白になります。ああ、よかった・・・よかったよう・・・!次は病院のシーンか?と一瞬思ったら、もちろんそんなヤボな演出はなくエンドロールでした。「はああぁ・・・」と声とため息が混じったものが漏れていました。もうラストにガーン!と心を揺さぶられましたね。すごい映画だな・・・としばらくボーっとしてしまいましたよ(ちなみにレッドフォードの役名は「an old man」だった)。

いやいやいや・・・観て良かったです。何て言うんでしょうかね〜「あきらめたらアカン!あきらめたら、そこで終わりなんやで!」というシンプルですがこの上なく力強いメッセージがビシっと伝わって来ましたよ。観賞後、夫に「すごい映画だったねえ~」とため息混じりに伝えると「本当にそう思ったの?aitanにはつまらないだろうなって思ったんだけど・・・」と言われました。夫よ・・・私は脳みそ筋肉映画ばかり観ているお前よりもはるかに色んな映画を観ており、いい映画に対する目はそれなりに持っているつもりだよ・・・と思ったのでした。

監督はジェフリー・C・チャンダーさんという方で、長編監督はこれが2作目なんだそうです。制作にザカリー・クイントの名前がありましたが 、彼はスタートレックでスポックをやっている俳優さんですね。そうそうもうひとつ、この映画から受け取ったメッセージは「備えあれば憂いなし」です。無線機を予備で積んでいればよかったのに〜という点とサバイバルキットがよく装備されていた点についてですね。この映画は遭難という緊急事態ですが、仕事とか勉強とか家事とか旅行とか、普段の生活でも応用できそうなメッセージですよ。「あきらめたらアカン」「備えあれば憂いなし」これで決まりです。

さて、これが今年最後の映画です。9月から学校に通い始めた為にあまり数は観られませんでしたが、来年もよい映画とたくさん巡り会えますように。皆様、良いお年をお過ごし下さい。

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『Vratné lahve』老いても何気にリア充なチェコのお年寄り


Empties.jpg

脚本/主演は、チェコのショーン・コネリーことズデネック・スヴェラーク。


学校の文化プログラムで鑑賞しました。映画の文化プログラムはこれで3本目です。1本目は宮崎駿も絶賛した「ダーク・ブルー」を鑑賞。2本目は昔のミュージカルだったのですが、退屈すぎて途中で寝てしまったので感想文はスキップすることに(汗)。そして3本目が本作です。

「ダーク・ブルー」と同じくヤン・スヴェラーク監督、ズデネック・スヴェラーク脚本の親子コンビによる映画です(今回お父さんのズデネックさんが脚本と主演を兼ねてます)。英語のタイトルは「Empties」。チェコ語のタイトル「Vratné lahve」は「払い戻し出来る瓶」みたいな感じなんですが、主人公のおじいさんが働いているのがスーパーの空き瓶回収コーナーなんですね。英語版タイトルだと、空き瓶も人間もみんなひっくるめて空っぽという意味なんでしょうかね。特に期待せずに観に行ったのですが、シニカルな中に愛らしさがある映画でした。

私はわりと最近知ったのですが、チェコのスーパーにはビールやワインの空き瓶回収窓口があって、空き瓶を持って行くと1つ数コルナに変えてくれるんだそうです。それを聞いてからうちも空き瓶を貯めているのですが、なかなか持って行く機会がなく、物置に転がっている状態です。あれ、いつ持って行けるんだろうか・・・。

解説してくれた先生の話によると、この親子コンビで一番有名な映画は「コーリャ 愛のプラハ」で、96年のオスカー外国語映画賞を受賞しました。先生によると、「Empties」はコーリャを越える興行収入があったそうで、92年以降に制作されたチェコ映画の中で最大のヒットになったそうです。人生の黄昏時に差し掛かった年代の人の気持ちをよく映し出しているビターなコメディーということで、熟年世代の人の支持が高い映画なのだそうです。しかしどうやら日本では公開されていないようだしDVDも出てないみたいです。残念・・・。





※ネタバレします。





プラハに住む高校教師のヨゼフ(ズデネック・スヴェラーク)は、少し精神が不安定なおじいちゃん先生。生意気な生徒の頭の上に水でひたひたのスポンジを絞って問題になってしまいます。同僚が庇ってくれたりするんですが、やっぱりこのまま仕事を続けていては幸せになれないということで、退職 。長年連れ添った妻のエリシュカ(ダニエラ・コラロヴァ)とは、もうお互い空気の様な存在になっています。どこにでもいる老夫婦という感じの二人ですが近年離婚率が上昇している都市部では、まあまあ上手く行っている夫婦と言っても良いのではないでしょうか。

老年クライシスに陥ったヨゼフは「学校は辞めたけど、オレまだまだ働けるし!」ということで次の仕事を探します。なんと、プラハの街を縦横無尽に駆け抜ける自転車速達便の仕事をゲット。「トラムの下敷きにならなきゃいいけどね・・・」という妻のイヤミをよそに大ハッスルして働きます。所在がないときによく行っていた公園で出会うおじいちゃん軍団にも「 オレ、今仕事してるんだ!」を見せつけたりして、可愛いと言えば可愛いです。

しかし案の定、どこかの庭先に自転車ごと突っ込んでケガ。「だから言わんこっちゃない・・・」と奥さん。そもそも奥さんは「リタイヤしたのにまたすぐ別の仕事なんて、私と家にいるのがそんなに嫌なの?!」と怒ったりしていたんですよ。そうじゃない、そうじゃないんですよ。男の沽券というか・・・やっぱり外で仕事をしてこそナンボって部分あるじゃないですか。それが奥さんはわかってないんですよ〜。

奥さんは家で語学の先生みたいなことをしているんですね。生徒はドイツ人のオッサンで、恐らく彼女からチェコ語を習っているんだと思うんですが。それで旦那の方はその生徒にちょっと嫉妬してたりしてるんですよ。もう連れ添って30年以上は経っていると思われる夫婦なんだけど、実はまだお互いにすごく関心を持ち合っているじゃないですか。無関心になるのが不仲の始まりだと思うので、充分仲がいい夫婦なんだと思うんです。

しかし、夫の方は学校の元同僚の熟女の夢を夜な夜な見たりしているんですね(笑)。列車のコンパートメントに、車掌のコスプレした同僚熟女が切符チェックに入って来るんですよ。そんで誘惑の目つきをしながら制服を脱ぐと下に、ビクトリアズ・シークレットも真っ青な赤いサテンのセクシー下着(ガーターも)を身につけているんですね。回を重ねるごとにゲスト美女も登場(笑)。そんな夢を夜な夜な見ているわけです。

他にも自転車便のオペレーションセンターみたいなところで、若いオナゴがいっぱい働いているんですが、胸元に目がいったりしていて60代のおじいさんでもこんな感じなの〜?それともズデネック・スヴェラークだから?(「コーリャ」でもそんな役でした)と思ってしまうのでした。じじいなんだけど、少年みたいなところもあってなんか憎めないんですよね。

自転車便を辞めたヨゼフ、今度はスーパーチェーンのアルベルトで空き瓶回収の仕事を始めます。先輩の退役軍人、イケてない大学院生(若ハゲ)が同僚です。最初は怖かった退役軍人のおじいさんですが、ヨゼフが仕事に慣れて来ると共に結構いい人だったことがわかります。気さくな常連さんとも顔なじみになり、すぐにいい感じになるヨゼフなのでした。もう歳なんだけど、サクっと仕事が見つかってストレスフリーな環境で楽しくお仕事、とっても羨ましいです。

この空き瓶回収部屋の壁には謎の3つのシミがあり「これって何?」と思っていたんですね。ヨゼフたちが仕事や恋で色々と悩んだときに、思わず壁に頭と両手を当てて「はあ〜、どうしたらいいんだ・・・」となるシーンがあるんですよ。そうしてハッと気が付いたら、オデコと手がそのシミと重なっているという(笑)。しかし、そのヨゼフの悩みも「元同僚の熟女から誘われちゃったたけど、どうしよっかな・・・」という贅沢な悩み。本当にリアみつるなんですよ!

若ハゲの大学院生は、いつも空き瓶を持って来るヘソ出しセクシー美女に一目惚れ。その美女はなぜかいつもヘソ出しルックで、ヘソの横に謎の縦線が何本も入っているの です。彼女の携帯を偶然拾ってラッキー!ってなるんですが、案の定フラレてしまいます。「オレブサイクだから、そのコンプレックスでいつも綺麗な女にばかりにアタックして玉砕するんだ・・・」と言っていましたが、その気持ちなんかわかる〜。ブサイクだからこそ自分と同レベルの顔では諦めきれない何かがあるんですよねえ。

そんなある日、ヨゼフの娘ヘレンカ(タチアナ・ヴィルヘルモヴァ)が幼い息子を連れて帰ってきます。夫が不倫したそうで、もうこの世の終わりみたいになっている娘なんですが、お母さんは「だからあの人は家庭人じゃないって、最初から言ったじゃない〜」と言ったりしていて結構クールです。娘が連れて帰って来た孫が、まだ2〜3歳くらいでメチャ可愛いんですよ。その子がおしっこするシーンがあるんですが、勢い良く放物線を描くおしっこを見て「その勢い、うらやましいなあ・・・」と思わず言ってしまうヨゼフなのでした。

ヨゼフの元同僚のランダ(イジー・マハーチェク)は娘のヘレンカに一目惚れ。それを知ったヨゼフは二人をくっつけようとします。ランダはヘレンカが働いているマリオネット屋さん(チェコっぽいですね)に毎日のように通い、バラの花を渡すのでした。この映画は本当に何でもない普通のプラハの街角がたくさん出て来るんですよ。「ああ、こんな場所あるよなあ〜」というロケーションがたくさん出て来て、プラハに住んだことのある人ならキュンとしてしまうのではないでしょうか。

さて、元同僚の熟女から「木曜日は何時から何時まで家に1人よ♥」という不倫のお誘いのお手紙をもらったヨゼフ。さっそく花束を携えて熟女の家に行きます。チャイムを鳴らすと、出て来たのは 熟女ではなくその旦那。手紙には木曜日と書いてあったのに間違えて火曜日に来てしまったのでした。熟女の旦那にはその場しのぎの嘘で「実は奥さんに友達の大学院生に補習授業を頼みたくて・・・」と言うのでした。

その言葉の通り、ヨゼフは若ハゲの大学院生に「元同僚が補習授業をしてやるから花もって行ってこい」って言うんですね。で、大学院生が花持って元同僚熟女の家に行くと、また曜日を勘違いしたか何かでセクシー下着をつけた彼女がお出迎え。翌日、ヨゼフが仕事場で大学院生に会うと「あんなインテンシブな授業、初めてだ〜♪」と舞い上がっている訳です(笑)。性に対して牧歌的というか、なんというか・・・。ははは・・・。

ところが、ヨゼフが元同僚熟女の家に行った日に奥さんが仕事場をサプライズ訪問していたのです。美容院に行って、髪を綺麗にした奥さんはなんだかウキウキ気分。孫の手をひいて「おじいちゃんのところに内緒で行ってびっくりさせちゃおう☆」って行くんですけど、ヨゼフは当然ながら不在。これが原因でケンカしちゃったりするんですよ。あ〜あ・・・。

奥さんの方は生徒のドイツ人男性の方に告られたりしてるんですよ。実はドイツ人のオッサン、流暢なチェコ語を操るのですが奥さんと一緒にいたいから、分からないふりをして授業を受けに来ていたんですね。「帰って下さい!」とキッパリ拒絶する奥さんなのでした。なんか夫婦二人とも年だけどチャンスがいっぱいあるじゃないですか〜。チェコのお年寄りのリアみつるっぷり、恐るべしですよ。

一方、ヨゼフが空き瓶回収の先輩である退役軍人と常連のおばさんとの仲を取り持っ たおかげで、なんと二人は結婚することに。ヨゼフはただフラフラしているだけではなく、ちゃんと良いこともしているのでした。他にも常連さんで病気がちなおばあさんの家に買物を届けたりしているんですよ。結婚式の二次会で行ったホスポダではヘソ出しルックの美女が働いていて、ズボンにボールペンを差し込むときにお腹をこすっていたから、何本も線が出来ていたのでした(笑)。こんな小ネタもいいですね!

スーパーの空き瓶回収コーナーは、新しい機械が導入されていました。お客さんが空き瓶を置くと自動的に回収するベルトコンベアーみたいな機械です。スーパーの上司は「これ導入したけど、人手はいるから心配しないで」と言うのですが、人と人の触れ合いみたいなものがなくなった職場で、もうこれ以上働きなくないということでヨゼフは辞めるのでした。ここはちょっと切ないですね〜。

やっぱり妻を大事にせんといかん!と思ったヨゼフは結婚記念日に妻に内緒で熱気球クルーズを予約。既に交際を始めた元同僚のランダと娘のヘレンカ、孫も一緒です。しかし、ランダは職業を先生ではなくIT 関係と偽っていたのでした(ヘレンカが学校の先生は嫌いなため、ヨゼフが入れ知恵していたのだった)。それもバレてしまって娘はキレるし、孫はおしっこ漏らすし、なんだか結婚記念日ムードが台無しに・・・。

妻に気球を見せて、サプライズのはずだったけど妻は「あんな風船みたいなもの怖いから絶対乗らない!!!」とガンとして動きません。熱気球の会社の人(「ダーク・ブルー」で主演したオンドジェイ・ベトヒー)が「奥さん、車より安全ですから」って言って乗せるんですが彼女が「ちゃんとライセンスを見せなさい!」と言うんです。で、会社の人がライセンスどこだっけ〜?と気球を降りて探している間に、アクシデントで気球が浮かんでしまってヨゼフと奥さんだけを乗せて飛んで行ってしまうのでした。

パニックになって「もう死ぬんだわ・・・」と奥さん。一方のヨゼフは「ほら、森だよ湖だよ、見てご覧!」とイキイキしています。気球は美しいチェコの丘陵地帯をふわふわと移動。予め用意してあった花束を奥さんに渡し、これからも二人で仲良く暮らして行こうじゃないか!とメデタシな雰囲気になりましたが、気球の火が消えてしまいどんどん下降していきます。トランシーバーで熱気球の会社の人が「ライターで火をつけてみて下さい」って言うんですが、二人ともタバコは吸わないので持ってない・・・と思いきや奥さんが持ってたんですよ。「あんたより先に死にたいからよ!」と奥さん。実は内緒でタバコを吸っていたのでした。気球は湖に着水し、沈みそうになりますが 間一髪で浮き上がりました。

これで、少し生き長らえたんだな・・・」とヨゼフのモノローグ。地面に着地してはためく気球・・・。なんだか人生って感じです。なんだかんだ言っても、当たり前に存在している平凡な幸せが一番有り難いことなんだよなあ〜と私もしみじみ。エンドロールが流れ始めましたが、すぐにおまけシーンが。

孫と一緒に列車に乗ってどこかへ移動するヨゼフと奥さん。和気あいあいとして、とても幸せそうです。ところがヨゼフは車掌さんの格好をしているんですね。で、切符チェックに行くんですが、コンパートメントの中から色っぽい女性の手が出て来て切符を彼に渡すんですよ。「お一人ですか?いやあ、これは長い旅になりそうだ・・・」と言って、個室に入るヨゼフなのでした。ふふふ・・・。このジジイは本当にしょうがないなあ〜という感じです。

観賞後、クラスメートたちは「私の国ではあんな終わり方の映画ないよ〜」とか「あんな色ボケなおじいさんはいないよ〜」と言っていました(笑)。最後の列車のシーンはヨゼフの妄想なのかなって気もしますが。だってあまりに都合が良過ぎるではないですか、ねえ。

いや〜しかし、チェコのリア充なお年寄りすごいですね。あんな風だったらきっと人生楽しいでしょう。スヴェラーク親子の映画を観ていて思うのですが、チェコ人って素朴な感じだけど性に関しては結構奔放なのかなあ〜ってことです。スーパーで逆光になった状態でスカートをはいている女性客の脚とか股とかをヨゼフと大学院生がウットリと眺めるシーンがあるんですけど 、単なるエロだけではなく女性讃歌みたいな視点も入っているように感じましたねえ。女性は綺麗だしシッカリしてるけど、男はいつまでたっても少年なんですよ、テヘへ!みたいな感じでしょうか。

しかしスヴェラーク親子の映画はどれも素晴らしいですね。限りなく優しくてポジティブな人間讃歌なんだけど皮肉っぽさもあったりして、甘辛のバランス加減が本当に絶妙です。そうそう、テレビ雑誌を見ていたヨゼフの奥さんが「あ、今日これ見なきゃ」って感じである映画に丸をつけるんですが、それが「コーリャ 愛のプラハ」でした!セルフパロディーですね。コーリャはもう10年以上前に観たんですが、また鑑賞してみたいです。

余談:スヴェラーク映画を観ての私の超個人的な印象ですけど、粋でお洒落な感じとかオープンさや陽気さをイタリア人から取り去って、性に奔放というところだけを残しつつ性格を素朴にしたらチェコ人になるような感じがします。あと理由がもうひとつ。皆さんはこの無人島エスニックジョークをご存知でしょうか?

無人島に二人の男と一人の美女が流れ着きました。さて、何が起こるでしょう?

スペイン人の場合:2人の男は決闘して、勝った方が美女と結婚する。
アメリカ人の場合:1人の男は美女と結婚して離婚。美女はもう1人の男と再婚する。
フランス人の場合:1人の男は美女と結婚して、もう1人の男は彼女の愛人になる。
ドイツ人の場合:1人の男は美女と結婚して、残った1人は戸籍係になる。
ロシア人の場合:美女は愛していない方と結婚して、3人で海辺に座って果てしなく嘆き悲しむ。
イタリア人の場合:何の気兼ねもなく2人の男は共に1人の美女を愛する。
イギリス人の場合:2人の男は愛し合い、美女には目もくれない。
日本人の場合:どうしたら良いか、本社に問いあわせようとする。

このジョークは色々なバリエーションがあるようですが、どれもパンチラインを担当するのは、やはり我が祖国ニッポンです!「もしも、これにチェコ人が入っていたらどうなりますかね〜?」と長年在住している日本人男性に聞いてみたところ、すぐに「イタリア人と同じだな!」と答えが返ってきました(笑)。

『悪の法則』なんかトレンディードラマぽい

        



ファスベンさん主演、ペネロペ、キャメロン、ハビエル・バルデムという豪華キャストのサスペンスということで観に行って参りました。

このメンバーではファスベンさんが一番若手ですよ。ファスベンさんは最近割と売れて来たと言っても過言ではない俳優さんですけれども、ポスターで他のスター達と並んでも過不足感がまったくないのが流石やわあ・・・と思っていました。なんかこの5人の縦割りになったポスターとか見てると、ハリウッド版、妙にお金のかかった月9っぽい感じもします~。ファスベンさんとペネロペがカップルで、キャメロンがファスベンさんにちょっかい出してて、ハビエルがキャメロンに片思いしてて、ブラピがゲイでファスベンさんに片思いしてるみたいな。あすなろ白書みたいな(ドラマ観たことないので適当な知識で書いてます)。


「今回はシュワちゃんとスタローンの映画(大脱出)が観たい」とエクスペンダブルズ系脳みそ筋肉映画が大好きな夫が申していたのですが、上映時間が合わなかったので「悪の法則」になったのであります。しかしな~、私には英語がとっても難しかったんですよ!!!話の流れはなんとな~く、なんとな~くわかるんだけど、ファスベンさんとハビエル、ファスベンさんとブラピが話している内容がま~ったく聞き取れず、途中で心が折れてしまいました・・・。

そのせいなのでしょうか、全然面白くなかったんですよ・・・。随所に散りばめられた文学的な台詞がいい!などの感想も聞くので、どうやら私はそこのところが汲み取れていなかったようです。でもだからと言って日本語字幕で見返してみようとまでは思わないわけで・・・。なんだったらシュワちゃんの方を観た方が楽しめたんじゃないかと思うのでした。




※ネタバレします。





ファスベンさんはお金持ちでイケメンで頭も良くて床上手という、絵に描いた様なパーフェクトガイを演じています。そんな彼が「おいしい話」に乗ったことから、転落していくのですが・・・。まあ自業自得ですね~。ハビエル・バルデム(ベルサーチの柄シャツって今もカタギじゃない人のユニフォームなのね)のこちらも絵に描いたように怪しい男の話に乗ってしまうのが悪いのです。分不相応な買物(ダイヤ)をするのも悪いのです。しかし、最後は悲惨なことになってしまうので少し可哀相でした。

確かにファスベンさんはお金持ちでイケメンで頭も良くて床上手という、絵に描いた様なパーフェクトガイなんですが、そんな人が転落していくのを見せられてもリア充爆発うひひ!みたいなカタルシスがないんですよ。「はあ、まあそうなるでしょうなあ・・・」というようにしか感じませんでした。

しかし、ファスベンさんはもう既にオッサン化していませんかね・・・。なんか今回はとてもオッサンぽかったです。男優として、シブく熟して来たのかもしれませんが。そういえばファスベンさんは幸せな役ってあんまりないですねえ。最後はグショグショに泣いたりボロボロになって終わる・・・みたいな役が多い気がします。まあ、不埒なタイプのイケメンだからハッピーエンドは似合わないと思うんですけどね。

個人的に一番ファスベンさん素敵☆と思ったシーンは、刑務所でロージー・ペレスと会見するシーンでした。ビシっとしたスーツが素敵~(衣装はアルマーニなんだそうです)。「お礼はブロウジョブでいいかしら?」とロージー・ペレスに言われて、微笑むシーンが萌えでした。

しかし全編を通じて気になったのが生活感がまるでないお部屋です。ハビエル・バルデムの自宅兼オフィスとか、ファスベンさんのお家(キッチン)とか、つるっつるしててモデルルームみたいなんですよ。ここがなんか一昔前のトレンディードラマっぽいなって思いました。ハビエル・バルデムの家は綺麗すぎる=うさんくさいというキャラクター造形に繋がると思うんだけど、ファスベンさん家のお台所もといキッチンなんか、とてもメンズの一人暮らし とは思えない程美しいキッチンでした。油の飛び跳ね跡もないし、野菜の切りくずとかも散らばっていないんですよね。ここがちょっと共感出来ない部分でした(笑)。

ドラマとは違いますがブランドの広告みたいなシーンもありました。冒頭でハビエルとキャメロンがジープを停めてサファリするシーンがあるんです。チーターが獲物を狩るのをサファリルックで見ていて、シャンペンなど開けたりしているんですが、ここはルイ・ヴィトンのキャンペーンぽいなって思いました。彼らの横にモノグラムのスーテケースが山盛りで積んでありそうです。

そういえばブラピも出ていました。ブラピは相変わらず若い印象ですね~。ファスベンさんと一緒のシーンでは普通に同年代くらいに見えます。ちなみに ブラピ50歳、ファスベン36歳ですよ。最後は残酷な処刑道具で首をカットされていました・・・。まだまだ若い&死に方カワイソウ、まあザックリとしたブラピの印象はそんな感じですね。

女性陣は、ペネロペとキャメロンの「バニラ・スカイ」コンビです(しかしこれは残念な映画でした)。あれから12年、二人とも少し老けたけどまだまだ現役で頑張っています。ペネロペは普通の善良なオナゴの役でしたが、キャメロンは最凶な女の役でした。

というかこの映画のキャメロン・・・なんか悪女としてのメーキャップとか、ファッションとかすごいベタなんですよ。「私は飢えているのよ(ぺろり)」と言うまんま女豹っぽいキャラクターなんですが、チーターをペットにしてるしタトゥーもチーターだし、 ドレスの柄もチーターだし、5時に夢中!に出ているときの岩井志麻子先生もビックリのチータフリークです。いつも目の周りをアイライナーで囲んだメイクに、ギンギンなシルバーのネイル、常にぶら下がり系大ぶりピアス、ボディコンシャスなドレス、ピンヒールという「私は悪女、悪女なんです!!!」という衣装がちょっとコントっぽかったです。まあ似合っていましたけど。

あとキャメロンが高級車とセックスを始めるシーンも唐突でした~。運転席で見ていたハビエル・バルデムが「なまずみたいだった・・・」って言っていましたが、場内大爆笑でしたね。ていうか何故、車とセックスでフロントガラスなのでしょうか?運転席にはもっと具体的に使える箇所があると思うのですが・・・(以下自主規制)。

そうそう 、ブラピを誘惑する役でとても個性的な顔の女優さんが出ていました。なんか鼻が上を向いているんだけど、不思議な魅力のある人なんですよ。「アリーmy love」にアリーの秘書エレイン役で出ていたジェーン・クラコウスキーを若くした様な感じの顔です。気になって調べてみたらナタリー・ドーマーさんという「RUSH」でジェームズ・ハントとセックスする看護婦さんもやっている女優さんでした。そして私の大好きな映画「キャプテン・アメリカ」にも出ているではないですか!司令室みたいなところでキャップのファーストキスを奪う女性の役が彼女だったんですね~。

ということで、グチャグチャですが以上です!

韓国人がお家で食べるビビンバ

ピビンバ

にんじん、ズッキーニ、エリンギのビビンバです。


最近、ビビンバにハマっています。韓国人のクラスメートに作り方を教えてもらったのですが、調理が至極簡単な上にとても美味しいのです。アジアなメニューな上に、お野菜もたくさん摂取できるので(そして冷蔵庫の余った野菜処理にもなる!)、週2~3回は作って食べています。ここに備忘録として教えてもらったレシピを記録したいと思います。


材料(1人分)

・お好みの野菜
(にんじん、なす、ズッキーニ、もやし、ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれんそう、カリフラワー、サラダ菜 etc...)
・お好みのキノコ(マッシュルーム、エリンギ、舞茸 etc...)
・卵(1個)
・サラダ油(適量)
・ごま油(適量)
・コチュジャン(小さじ1.5程度。お好みで増減)
・キムチ(あれば)
・白ごま(あれば)
・韓国のり(あれば)

1. 野菜とキノコを食べやすい大きさに切る。
2. 茹でたい野菜があれば茹でる(にんじん、かぼちゃ、ブロッコリーなど)。
3. フライパンにサラダ油をひいて野菜とキノコを種類ごとに炒める。
4. 目玉焼きを作る。
5. 深めのお皿にご飯をよそい、炒めた野菜と目玉焼きを乗せる。
6. ごま油をひと回しかける。
7. コチュジャン、白ごま、韓国のり、キムチをトッピングする。
8. スプーンで、よ~く混ぜたら完成。

Tips:
・野菜は茹でたり炒めたりすると小さくなるので、ちょっと多めでも大丈夫。
・サラダ菜はお好みで炒めても生でも。
・野菜は種類ごとに別々に炒めるほうが美味しくなるらしいので、面倒でも別々に。
・目玉焼きは両面焼くのが韓国風らしいです。
・細かく切ったスライスチーズを混ぜても美味。

初めて作ったときに台所で「ちょっと味見・・・」と立ったまま一口パクリと食べたのですが、あまりに美味しかったのでお行儀が最高に悪いですが、立ったまま全部平らげてしまいました・・・。こんな簡単な上に美味しくて身体にも良くて冷蔵庫の掃除も出来るなんて、最高じゃないですか?!

韓国人のクラスメート曰く、韓国では家にある野菜で気軽に作って食べるのだそうです。家でパパっとつくるごはんの代表選手なので、あまりレストランでビビンバをオーダーする人はいないのだとか。今までビビンバと言えば石焼でしたが、普通のしかもお肉の入っていないビビンバが、こんなに美味しいものだとは・・・いやはや、知りませんでした。韓国人のクラスメートにはカムサハムニダです。

アール・ヌーヴォーな午後~後編:プラハ市民会館内のインテリア

後編は、展覧会に行くときに見たプラハ市民会館(オヴェツニードゥーム)の内部の写真を載せたいと思います。

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プラハの春音楽祭が行われるスメタナホールに入る入口。
両端に彫刻のお姉様がいるといないのでは、雰囲気が大違いでしょう。




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美しい細工のガラス扉の奥にはスメタナホールが。



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ガラスの扉から見たスメタナホール。いつかコンサートに行けたらいいな〜。



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階段のおどり場には大きな鏡がババンと。
大きな鏡は空間が広く感じさせるんですよね。これは家庭でも真似出来そうです。




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階段のおどり場にあった彫刻。背中のたるみも忠実に表現されています。



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アールヌーヴォー建築にはなぜか女性の顔が付いていることが多いです。
女神なのか妖精なのか謎です。夫に聞いたら「古代ローマから来た様式」とのことですが・・・。




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釣り下がったランプのシェードはクリスタルでした。



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エレベーターぽいところにはメタルで出来た花の彫刻が。



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芸術の女神ミューズ様なのでしょうか。



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今度は男性の彫刻です。



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淡い黄緑とゴールドの装飾に萌え〜。



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ここには男性の顔モチーフが。




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実は一番興奮したのがここ、クロークです。
このガーン!と奥行きのある空間がなんだか社会主義っぽいと思いませんか?




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引っかけ収納好きとしては、この無数にあるフックにも萌えます。
フックのカーブ具合が、どことなくアール・ヌーヴォーしてると思いませんか?




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ホーローっぽいナンバープレートの質感、フォントが古いヨーロッパって感じで萌え〜。



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鏡と壁付け照明のコラボです。廊下と違って質素なメタリック使いがまたいいし、
むき出し電球がとても可愛いです。ちなみにクローク預け料は1個8コルナ(@40円)です。



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そして鏡と壁付け照明のコラボアゲイン。明かりを灯すとかなりムーディーになりそう〜!
このテクニックも家庭で真似出来そうですねえ。




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市民会館の入口の左右にはカフェとレストランがあります。
無論、お値段は観光地価格で高いですが、アール・ヌーヴォーなインテリアの中でお食事できます。




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階段から見たチケット窓口。ステンドグラスが素敵です。


以上、プラハ市民会館の内部スナップでした。

CREA Traveller Unforgettable Praha 偉大なる王を戴く王国へ 泣かせるプラハ 幻想のプラハ城巡り 美しい旋律が響く四大劇場 旧市街ラビリンスを探検 悪魔の水路からカンパ島へ 文豪が愛したスタラー・フチの森 最旬・可愛い雑貨&カフェ (表紙キャプション)  

プラハに刻まれた記憶を巡る旅 プラハの夜は音楽とともに更ける ボヘミアの森の温泉リゾート 素顔のカフカ ちょこちょこチェコ案内 チェコ雑貨に夢中 プラハ郊外の小さな町へ (目次より引用)

クレア・トラベラーシリーズのプラハ特集は、とにかく写真が綺麗で雰囲気たっぷり。非常に美しいプラハの街並を眺めているだけでも楽しいです。王道の観光名所に加えて、劇場や音楽ホールの情報もあるので本場のクラシックコンサートやバレエ、オペラを観たいという人にはおすすめです。もちろんおしゃれなレストランやショップ情報も。電子書籍ならスマートフォンやタブレットに入れて持ち歩けるからラクチンですね。


アール・ヌーヴォーな午後~前編:展覧会 Vital Art Noveau 1900

プラハの市民会館(オヴェツニー・ドゥーム)はアルフォンス・ミュシャが手掛けた内装もあることで有名な、アール・ヌーヴォー様式の建築です。ナプリコピエ通りからパラディウム(モール)に向かうときになんとなく通り過ごしていた市民会館ですが、実は内部にはもの凄い萌えワールドが広がっている場所でした。今回は、市民会館内で開催されているアール・ヌーヴォーの美術展覧会と合わせて写真を載せたいと思います。

お友達のノワちゃん(仮名)から「オヴェツニー・ドゥームでいい感じの展覧会がやっているよ!」と聞き、彼女と一緒に行ってみたわけです。早く行かないと展示が終了してしまう為、予定を調整してある日の午後に訪れたわけですが、なんと2015年の12月31日までの開催だったんですね。まさか2015年までとは思わず今年いっぱいだと思っていたので驚きました。

そしてもうひとつ驚いたのが、入場料の高さです。100コルナくらいだろうか・・・と思ったら150コルナ(@750円)でした。展示品は、絵、服飾品、工芸品、家具など。チェコ、フランス、ドイツのものが多かったです。1900年頃のプラハを映したフィルムが流れていて、椅子もあり、ゆったりと楽しむことが出来ました。じっくり見て2時間くらいでしょうか。ミュシャの絵もあるので、アール・ヌーヴォー好きの方は行くときっと楽しいと思います。パンフレットによると展示物はプラハ装飾美術博物館のコレクションから選ばれたものらしいです。

学芸員さんに写真をとっても良いかと聞くと、OKとのこと。でも扉には写真ダメというシールが貼ってありました。このいい加減な感じが、ぽいっちゃぽいです。一眼レフではなくiPhoneなので、画像は綺麗ではなくてすみません。

「ポストカードとか欲しいね〜」とノワちゃんと話していたのですが、展覧会につきもののミュージアムショップ的なものは残念ながらありませんでした。展覧会の作品を集めた本は出ているそうですが・・・。ポストカードとかクリアファイルとかカレンダーとか作ったら売れそうなのに〜。それこそ工芸品のレプリカとかな〜。商売っ気がまったくないところも、ぽいっちゃぽいです!

参考:
プラハ市民会館のHP

展覧会を紹介するexpat.czの記事
以前、私がオヴェツニードゥームのカフェに行ったときの記事



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ここが入口です。



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流れる様な草花と女性のモチーフで、とってもアールヌーヴォーなボウル・・・でも何を入れるんだろう?



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こういうの家に欲しいけど、横たわるのが自分だと思うと、なんだか作者に対する冒涜だと思うのだった。



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やっぱりランプ萌え〜。手前のちょっとしたトレイもアクセ入れなんかに便利そう〜。



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夜という名前の燭台。目を閉じた女性の顔はロウソクの灯火に照らされるとさぞ美しかろう。



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こんな江口寿史タッチのイラストも。しかし1900年くらいの作品だ!



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アール・ヌーヴォーの代表選手、ミュシャ。4芸術のうちの「絵画」。



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妖精さんが一休みするペンダントライト。ステンドグラスの光は本当に綺麗だなあ。



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キュビズムっぽい花瓶。キュビズムとアール・ヌーヴォーはどこかでつながっているのかな。
ちなみにプラハにはキュビズム美術館もあります!そのうち訪ねてみよう・・・。




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華奢な家具に萌え〜。マカロンみたいな壁と床の色もいいね!



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また華奢な家具萌え〜。




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取っ手もとっても凝っています(シャレ)。



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ミュシャの「スラブ叙事詩」の原型になったと言われている絵。



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「接吻」という名前の花瓶。ドラマチックな瞬間が花瓶に!



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お金がかかってそうなドールハウス。



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ちょっと怖い本の装丁。一体何を調理しているのか・・・。



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宝飾品も。指輪が可愛かったです。



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刺繍なんかが細かくて、ため息が出るドレスたち。


展覧会の写真はここまで。後編は市民会館の内装です。

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プラハに刻まれた記憶を巡る旅 プラハの夜は音楽とともに更ける ボヘミアの森の温泉リゾート 素顔のカフカ ちょこちょこチェコ案内 チェコ雑貨に夢中 プラハ郊外の小さな町へ (目次より引用)

クレア・トラベラーシリーズのプラハ特集は、とにかく写真が綺麗で雰囲気たっぷり。非常に美しいプラハの街並を眺めているだけでも楽しいです。王道の観光名所に加えて、劇場や音楽ホールの情報もあるので本場のクラシックコンサートやバレエ、オペラを観たいという人にはおすすめです。もちろんおしゃれなレストランやショップ情報も。電子書籍ならスマートフォンやタブレットに入れて持ち歩けるからラクチンですね。

『17歳』昼顔なJKの1年間

         



プラハで開催されていたフランス映画祭の中の一本で、フランソワ・オゾン監督の新作です。仏映画祭に限らず映画祭は安価で良質な映画が多いせいもあり、いつも人気。2日前にチケットを買いに行ったところ最後の1枚でした(私の前の男性が2枚買い求めようとしていたのですが、窓口のオバチャンに「1枚しかない」と言われて「じゃあいいです」とあきらめたから買えたのだった・・・)。

原題のJeune et Jolie は「若くて美しい」という意味ですが、チェコ語のタイトルは「Jen 17」。Jenはジェニファー・アニストンのニックネームではなく、英語で言うonlyという意味です。だから「まだ17歳」みたいな松本伊代的タイトルなんですね(伊代ちゃんは16だったか・・・)。

オゾン監督の映画はほとんど観ているんですが、あるときはコメディータッチ(「8人の女たち」「しあわせの雨傘」「リッキー」)、あるときはミステリータッチ(「スイミングプール」)、あるときはシリアスタッチ(「ぼくを葬る」、「まぼろし」)、あるときは意地悪タッチ(「エンジェル」、「ふたりの5つの分かれ道」)で、本当に色んなテイストで映画を撮ることが出来る人なんだなあ〜と思います。そして毎回「ほほう・・・」と思わされるんですよ。簡単に言うとハズレ作品がない監督さんという感じでしょうか。

リセエンヌのイザベル(マリーヌ・ヴァクト)は17歳になったばかり。バカンス先で知り合ったドイツ人青年と初体験を済ませたイザベルは、パリに戻ると年齢を偽って売春するようになるんです。そんな彼女の1年間を淡々としたタッチで描いた作品です。

上のポスターを見てもらうとわかるように、ヒロインのマリーヌ・ヴァクトがもうメチャ!クチャ!可愛いんですよ。白くて細長い手足!絹糸の様な髪!湖の様な青い瞳!ぽってりとした唇!声も可憐!全体的に文学っぽい雰囲気も漂わせた華奢なレティシア・カスタといった感じでしょうか。ビジュアルだけじゃなくて演技も素晴らしくて、一体なんなんだこの子は・・・と本当に驚いてしまいました。マリーヌ・ヴァクトはモデル出身、YSLのパリジェンヌという香水のCMなんかに出ていたそうです。ケイト・モスの後任ですね。私はケイトファンであるため、マリーヌ・ヴァクトのパリジェンヌCMを見たときに「な〜んか普通だな〜」と思ったのを覚えています。しかし、この映画の彼女は本当に素晴らしくて「えっ、あのモデルさんか!」と驚いてしまいました。

英語ですが↓



ヴァンサン・カッセルのYSLメンズ香水のCMにも出演しています(最初に出て来る美女)。↓


同じくYSLの口紅の広告にも出ています。美人だけど映画ポスターみたいなナチュラルなスッピンの方が魅力的。
しかし、鏡や額縁はやはりこういう金のアンティークっぽいものに限ると思うのだった・・・。↓

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※ネタバレします。




ヒロインのイザベルちゃん、お父さんとお母さんと弟、そして両親の友人夫婦とその子供たちで夏に浜辺の別荘を借りてバカンスしているんです。浜辺に横たわるイザベルちゃんを見るだけで、その若さが、その美しさが眩しい!!!そこで知り合ったドイツ人の男の子(結構イケメンだったぞ)と夜出かける約束をして、浜辺でロストバージンをするわけですが、このときにもう1人の冷静な自分がセックスをしている自分を見ているというシーンがあるんですよ。もう1人の自分が「セックスってこんなにつまらないものだったの・・・?私、失望したわ・・・」とでも言いたげな暗くて冷たい表情をしているんですね。

バカンスが終わり、ドイツ人メンズにちゃんと別れを告げることなくパリへ戻るのでした。秋になると彼女は売春サイトに登録し、レアという偽名を使って客を取るようになっていました。ジャケットやハイヒールで待ち合わせ場所のホテルへ出かけて行き、仕事が終わるとニットにジーンズに着替えて家へ帰るという生活です。「昼顔」みたいに「売春してみようかな・・・でもどうしようかな・・・」って逡巡するシーンとかはなくて、秋になったらサクっと売春を始めているんです。

彼女の値段は1回300ユーロ(@42,000円か)。しかし彼女は別にお金が必要とか欲しいとかじゃないんですよ。稼いだお金はクローゼットの中にしまってあるんです。それで洋服やアクセサリーを買ったりせずに、ただ黙々と貯めているんです。彼女のバッグが合皮で安物なんだけど、それも買い替えたりしません。「セックスって、こんなにたいしたことないものだったの?だったら体を売っても別に良心の呵責はない」という感じなのかな。彼女が何を考えているのかはよくわからないのですが、それでも映画に引き込まれるんですよ。

300ユーロは結構高額な方なのか、客は中年〜初老の男性ばかりです。相場はよくわかりませんが、300ユーロでこんなに可愛くて若い子が来るなら、全然安いんじゃないでしょうかね。ある客からは不当に値切られたりして、働くことの厳しさや辛さを味わったりもするんですよ。もちろん年齢は偽っていて、20歳のソルボンヌ大生ということにしてあります。結構セックスシーンもあるので恐らくR-18になるのではないかと思うのですが、しかしフランスつーのはすごい国だなあと思う訳ですよ。若くて綺麗な新人女優が普通に脱ぐしセックスシーンもこなすし、さすがは文化の国ですよ。

客の中で初老の紳士ジョルジュ(ヨハン・レイセン)とは、なんだか親しみを感じて娼婦と客という関係から少し違った親愛の情的な感覚を共有するようになります。ある日、両親と出かけた劇場でジョルジュが奥さんだと思われる女性と一緒にいるのを目撃したイザベルは、彼が気が付くまでじっと見つめるのでした。一方で、イザベルはお母さん(ジェラルディン・ピラス)が一緒にバカンスを過ごした友人夫妻の夫と親しくしているのを偶然見てしまいます。

再びジョルジュとホテルで過ごした際に、劇場で彼が一緒にいた女性は彼の娘だということがわかります。どうやら彼は娘が幼いときにあまりかまってやれなかったようで、そのことを悔やみ今は観劇したり食事に行ったりして埋め合わせをしているのでした。もちろん彼には奥さんもいます。その後、ジョルジュはイザベルとセックスをしているときに腹上死してしまうのでした(正確には腹上ではなかったけど)。驚いたイザベルは蘇生を試みますが、ジョルジュはそのまま死亡。取り乱した彼女はホテルを後にするのでした。

ジョルジュの死を調査した警察がイザベルの身元を割り出し、売春の件が両親にバレてしまいます。17歳になったばかりの娘が売春・・・これはショックですよ。お母さんは「どうしてそんなことしたのよ?!」と娘をバシバシ叩きますが、すぐに「コンドームはつけていたわね?」と確認し娘を抱きしめるのでした。もちろん売春は終了。イザベルは児童カウンセリングに通うことになります。カウンセラーと親子のやりとりのシーンで劇場内は爆笑していましたが・・・。イザベルが売春で稼いだお金をどうするか?という話になったときにチャリティーに寄付という案が出たんですが、カウンセラーが「彼女が自分で稼いだお金なんですから、彼女のものですよ」と正論を言ったりするんですよ。で、お金は健全なバイトで稼ぎなさいってことになってベビーシッターをするんですが、その報酬がたしか60ユーロなんですね。「たったの60ユーロ?」と驚くイザベル。爆笑する場内・・・。ベビーシッターが何時間拘束か知りませんが、60ユーロって結構な額ですよ!ちなみにプラハのベビーシッターの相場は1,000円(時給)らしいです。

で、バカンスに一緒にいった両親の友達夫婦の子供の面倒を見るんですよ。旦那さんと奥さんが夜のデートから帰って来て、旦那さんが「遅いから車で送るよ」って言うんですが、奥さん(事情は知っている)が「いえ、私が!」と言ってイザベルと旦那さんを一緒にさせまいとするんです。ここもみんな笑ってましたね。もうイザベルはただのリセエンヌじゃなくて300ユーロの娼婦だった女なんですよ。だから旦那を取られまいと必死なんですね。同じ様なシーンは家庭でもあって、イザベルのお父さんはステップファーザーなんですよ。だから血が繋がってなくって、それだからなのかどうなのか売春の件もお父さんは「まあもう辞めるって言っているんだからいいじゃないか」って軽いんですね。で、居間のソファーでお父さんとイザベルが仲良く話しているのを見たお母さんが「早く寝なさい!」って怒ったりするんです。

カウンセリングの中でイザベルの売春のきっかけは、学校帰りにある男から電話番号を渡されたのが始まりだったようで、それから売春を始めるようになるんですよ。でもお金じゃない、性欲でもない、ちょっとしたゲーム感覚で何となくという感じで。イザベルは家庭環境もいいし、学校でも友達思いの優しくていい子なんですよ。でも彼女の美しいけどダークな光をたたえた目が、なにかフラストレーションめいたものを感じさせるんですよねえ・・・。これは甘美なものと期待していたセックスという行為への、若く美しい自分自身を犠牲にしたマゾヒスティックな復讐なのか?とも思ったりします。

その後、クラスメイトのサエない男子とつきあうようになったイザベルは、別れるの別れないのといった後で、やっぱり別れないということでパリの芸術橋の上でラブラブになるのでした。その後、「レア」のもとへ「会いたい」という連絡が何者かからやってきます(この時点で送信者が誰なのかはちょっとよくわかりませんでしたが、亡くなったジョルジュのメアドからだったのかな?)。いつも待ち合わせをしていたホテルのロビーでイザベルが待っていると、そこに現れたのはオゾン作品の常連、シャーロット・ランプリング様でした。

シャーロット・ランプリング様はジョルジュの奥さんで、彼が絶命した部屋で「レア」を買いたいと言います。あの部屋のあのベッドの上で服を着たまま横たわる二人の女。彼の妻と彼の娼婦。なんだか奇妙な連帯感が部屋の中に立ちこめます。「あなたは、本当に若くて綺麗よ」とランプリング様。イザベルがうとうとして目覚めるとランプリング様の姿はもうありませんでした。これで終わりです。

いや〜、やっぱりなんかオゾン節というか今回も「ほほう・・・」と思わせられる映画でした。売春という際どいテーマですが、17歳の女の子が色々な経験をして何かを感じながら少しづつ成長していく姿が克明に描かれているではないですか。マリーヌ・ヴァクトの美貌、演技ともに素晴らしかったし、最後の一枚のチケットが買えて良かったですよ。

観ているときにフランソワーズ・アルディの「アコワサセール(何になるの)」が流れているなと思ったんですが、春夏秋冬で彼女の唄が使われていたみたいです。アルディーの唄にヒロインの心情を紐解くヒントが隠されているのでしょうかね。

『昼顔』有閑マダムの昼の顔、ファッションも見所

        

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覗き窓からSMプレイを見るドヌーヴ様。


11月の下旬にプラハで開催されていたフランス映画祭の中の一本です。ラインナップはほとんどが新作の中、回顧上映は「昼顔」と「リオの男」くらいだったような・・・。どちらかというと新作よりも昔の名作を改めてスクリーンで鑑賞したかったので、その点は少し残念でした。しかしカトリーヌ・ドヌーヴ様の「昼顔」が上映されるということで、これは行かないと・・・とチラシに蛍光ペンを引いていたのです。友人のノワちゃん(仮名)も行くと言うことで、上映される前日に会場のフレンチ・インスティテュートにチケットを買いに行きました。

フレンチ・インスティテュートは、フランス政府がやってる仏チェコ文化会館といったところでしょうか。日本にもありますね。語学学校、カフェ、映画館が入っていて文化的な香りのする場所ですよ。ああ〜、私、チェコじゃなくてフランスに住みたかったの・・・と思いながら、微かなフランスの香りを鼻から吸引。受付のおじさんもといムッシューにチケットを買いたいと伝えたところ、残念ながら満席とのこと。やはり遅かったか・・・。90コルナ(@450円)というお買い得プライスのため、早々に売り切れてしまったようです。

そのことをノワちゃんに報告するとと「去年は上映時間ギリギリに行ったら空席が出た」というので、当日のキャンセル席狙いで行ってみました。ホールではパーティーのように赤白ワインがご自由にお飲み下さい、と振る舞われており「さすがフランス・・・」と思いながら、しっかり赤白いただきながら待っていると予想通り空きが出ました!ダメもとで待ってみてよかったです(ワインも飲めたし)。

この映画は18歳くらいのときに一度観たことがあります。どうして観たのかというと、ELLEのフランス女優特集か60年代ファッション特集で取り上げられていたので、レンタルしてみた訳ですよ。有閑マダムが売春をするというこの映画、18歳の子供に果たしてどの程度理解出来たのかと謎ですが、ドヌーヴ様のファッションが素敵だったことはしっかりと覚えています。




※ネタバレします。




パリ郊外のどこかにある貴族の私有地。大きなお屋敷があって周りは森に囲まれています。一本道を瀟洒な馬車がシャンシャンシャン・・・と音を立てながら進んでいます・・・。このオープニングからしてもう別世界に飛ばされるわけです。座席にはドヌーブ様演じる若妻セヴリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と彼女の夫ピエール(ジャン・ソレル)が仲睦まじげに座っています。すると突然馬車が止まり、御者により彼女は馬車から引きずり降ろされ、森の中に無理矢理連れて行かれる訳です。助けを呼んでも、もちろん誰も来ません。樹にしばりつけられ夫からムチ打たれるセブリーヌ・・・う〜ん、なんだかヨーロッパのSMって感じがする〜と思う訳です。

場面は変わって、ヒロイン夫婦が暮らすアパルトマンになります。あんなことがあったのに、彼女と夫はごく普通に暮らしています(でも夜の営みはしてないっぽい感じ)。ほほう、前のシーンはプレイだったんだな、と思うわけです。友達夫婦とスキー場に出かけた若夫婦、セヴリーヌは友達夫婦の妻から「最近、刺激を欲する裕福なマダムが娼婦みたいなことをするのが流行ってるのよ・・・」みたいなことを聞かされます。一方、友達夫婦の夫アンリ(ミシェル・ピコリ)からも「そんなに怖じ気づくことはない。娼婦は世界で一番古い職業だよ」みたいなことを言われて娼館のアドレスをもらうのでした。

この友達夫婦はお互い割り切った関係みたいで、夫のミシェル・ピコリは結構外で女性を買っているようです。昔観た時は忘れてたけど、セヴリーヌは幼い頃に性的虐待を受けていたみたいなシーンもちらっと出て来るので、ごく普通の若奥様というよりは、性に関するトラウマと好奇心を持ち合わせているといった複雑なキャラクターのようです。しかし、この頃のドヌーヴ様は演技が本当に大根です。世界一の美女と誉れ高かった女優さんなので、美貌と存在感だけでいいのだとは思いますが(映画のノーブルかつ淫靡なテイストとの相性は最高)、後年の演技派ぷりを思うとそりゃもうビックリするくらい大根です。

パリに戻ったドヌーヴ様は迷いつつも、娼館の前まで足を運びます。ドアの前をウロウロしたけれども、結局入れなくて公園のベンチに腰掛けるのでした。また彼女のお出かけ着がシックで素敵でしたなあ・・・。別の日に意を決して訪ねるんですよ。そうするとマダム・アナイスという女将さん(ジュヌヴィエーヴ・パージュ)が優しく迎え入れてくれる訳です。マダムが席をはずしたときに気が変わってコートとバッグをつかみ逃げようとするのですが、結局娼館で働くことになります。労働は午後の数時間だけ(夫には内緒だから彼が働いている間)、源氏名は昼顔に決まりました。

女将さんは水仙だし、ヒロインの源氏名は昼顔だしで花の名前を源氏名として付ける店なのでしょうか。と思って調べてみたら、植物のヒルガオはフランス語で「Liseron des haies」と言うみたいです。「Belle de jour」は昼間の美人という意味なので、「昼顔」という邦題は文学的でなかなか洒落ているような気がします。ショートヘアのフレンチ熟女、マダム・アナイスのファッションもまたシックで素敵でしたね。演じているジュヌヴィエーヴ・パージュさんを調べてみたらビリー・ワイルダー監督のパスティーシュが原作になった映画「シャーロック・ホームズの冒険」でヒロインを演じていた方でした。こんな大人の女性、憧れる〜。

昔観たときは気にもとめなかったけど、この娼館の中にも普通の生活というものがあるんですよ。マダム・アナイスが中年の女性をメイドさんを雇っていて、彼女は一人で娘を育てている風なんですね(同じアパルトマンの上階に住んでいる風)。で中学生くらいの娘が学校帰りにママンの職場に会いに来るわけですよ。どう考えても教育上良くないんですが、娘は娼婦とも仲良く挨拶しているのでなんかこの割り切り方が、フランスって感じがする〜と思ってしまいました。さすがに変な客がいるときはメイドさん、娘をすぐ家に帰していましたが。

最初はビクビクしていた「昼顔」ですが、次々と客を取って行くうちにだんだんと職業的に成長していくわけですよ。彼女は娼婦として働いているときだけ、性的な快感を得ているようです。もうこういう性癖の人なんでしょうね。いろんなお客を相手に留守んですよ。謎の東洋人とか、死体フェチの貴族とか。マゾの産婦人科医がSMお道具を携えてやってきましたが、彼女は要領を得なくて他の娼婦とチェンジされてしまいます。マダム・アナイスから「ここから見て勉強しておくように」と隣の部屋に連れて行かれます。それがDVDジャケットになっているシーンですね。しかし、約半世紀前の映画なのでSM趣味の描写(トランクに折檻道具がいっぱい入っている)もヌルいというか、やっぱりSMは、Mの人妻が荒縄で縛られる団鬼六先生的なものでないと・・・と日本人としては思ったりするのでした。

私は最初、森でのSMシーンが現実で起きたことだと思っていたんですよ。いつもは優しい夫が実はSM趣味で、その夫の要求に答える為だったり、より高次元な性的ステージに行く為に売春してみたりしてるのかな・・・って思ってたんですね。ところが森のSMシーンはドヌーヴ様の「こんな風にされてみたい・・・」って言う妄想だったんですよ。もうひとつ妄想SMシーンで、ギリシャの女神様みたいな真っ白いドレスを着たドヌーヴ様に夫とミシェル・ピコリが泥をかけるというプレイもありました。美女を汚すというこの行為、日本でもたまに汚物をギャルにかける変態が捕まっていますが、同じセオリーなのでしょうかね。

そんなある日、ドヌーヴ様は客としてやってきたチンピラのマルセル(ピエール・クレマンティ)と本当に恋愛関係になるんですね。この俳優さんが、実に神経質そうな痩せ形の人で、深入りしたら相当面倒くさそうになりそうな感じが出ていて印象深かったです。実際、ストーカー化した彼のせいで悲劇が起きてしまう訳ですが、非常に説得力がありました。演じるピエール・クレマンティさんは、な〜んか誰かに似てるんだよな〜と思ったら、アンガールズの田中さんに似ています。田中さんを本格派俳優にしたらピエール・クレマンティになるんですね。

ある日、娼館にミシェル・ピコリが客としてやってきます。慌てるドヌーヴ様。しかし・・・この娼館を紹介したのがミシェル・ピコリなんだから、来る可能性は十二分にあったわけで、何をいまさら慌てているのかよくわからないんですよ(ノワちゃんも突っ込んでいた)。ピコリは彼女を指名するのですが彼女に説教めいたことを言うだけにして帰って行くのでした。

夫にはもちろん内緒にしていた売春ですが、チンピラのマルセルが彼女の本名も自宅も突き止めてやってくるんですよ。そして、逆上した彼が帰って来た夫に発砲。そして逃走中に警官から射殺されてしまうのでした。夫は奇跡的に一命を取り留めましたが、車椅子で動けないし話せない状態になってしまいます(サングラスもかけているので失明しているのかも)。そんな状態になった夫を甲斐甲斐しく世話するドヌーヴ様。心なしか昔よりも幸せそうです・・・。そこへミシェル・ピコリがやってきて「彼には本当のことを言った方がいい」と彼女を説得。結局ピコリが夫にすべてを打ち明けるのでした。

ピコリが帰り、ドヌーヴ様が部屋に入ると夫の様子が少しだけ変でした。これ、後から解説を読んでわかったのですが真実を知らされた夫は泣いてたみたいなんですね。するとどこからかシャンシャンシャン・・・と鈴の音が聞こえてきます。無邪気な少女のように「ねえ、あなた聞こえる?」というドヌーヴ様。すると身体が不自由だった夫が車椅子から立ち上がり、彼女を優しく抱きしめます。二人で寄り添いながら窓から冬空を見つめていると、オープニングシーンの森になり、シャンシャンシャン・・・と誰も乗せていない馬車が一本道を走って来るのでした・・・FIN。

夫が撃たれた後のドヌーブ様はちょっと頭の線が一本切れちゃったようで、おかしくなっているみたいです。また彼女の服がね〜、いいんですよ。修道女のような白い襟と袖がポイントになったワンピースを着ていて、髪をアップにしていて聖女みたいな格好をしているんですね。でもヒザ上のミニというバランスが素敵なんです。あんなに身体を売ったのに、ものすごく清楚に見えるんですよ。いや、しかし身体を売っていたシーンでもドヌーヴ様は実に清らかに見えます。美人すぎるからエロくないんですよね。生活感もほとんどないし。夫の身体が不自由になってしまって初めてヒロインが生き生きとして見えるっていうのが、また怖いところだと思います。要するに壊れちゃった女の人の話なんですね・・・。馬車に誰も乗っていないってことは、彼女はもう妄想からは解放されたということなのでしょうか。しかし性的な妄想が消えても、立ち上がった夫は彼女の妄想なわけで・・・。いやはや、病んでいるのう・・・と思うのでした。


昼顔5

娼館を訪ねるセヴリーヌ。ミリタリー風のコートで、小物は黒と地味だけどドヌーヴ様の美貌が映える。




昼顔7

娼館へ行こうかどうか迷うシーンでアップになる足下。靴はロジェ・ヴィヴィエ。
数年前には「昼顔」モデルの復刻版も出てました。



昼顔3

初めて娼館に来たときのドヌーヴ様。チェーンベルトがポイントのシックなワンピース。
ドヌーヴというと、このサンローランのサファリルックだというイメージも定着しました。



昼顔4

こんな真っ赤なツーピースを着こなせるのは美女だけ。
やはりどこかミリタリー風なのが当時の流行なのかな。



昼顔8

すっかり仕事にも慣れたドヌーヴ様。エナメルぽい質感のトレンチがモード。メーテルみたいな帽子もお似合い。
マダム・アナイスの存在感のあるネックレス使いが素敵〜。



昼顔6

夫と海岸で。黒いファーがシック。ブロンドだと全身黒でも地味にならなくて良いですねえ〜。
夫が着ているムートンコートも何気に良い。



昼顔2

部分的にファーが使われたレザーコート。手袋もマロンにして色を合わせてますね。



昼顔

これがラストの聖女ルック。白い襟と袖がアクセントになったワンピースです。
白襟好きのアレクサ・チャンはこの映画からインスピレーションを受けたのでしょうか。
見えませんが靴は黒いピンヒールを合わせています!




ロジェ・ヴィヴィエは、今もバックルが付いたモデルを売っています。
これを履けばドヌーヴ様に近づける・・・わけないけど、タイムレスな魅力のある靴です!

『テイク・ディス・ワルツ』愛の無間地獄・・・

        



最近マーベル映画が続いたので、そろそろガーリーな映画が観たいわ☆ということでチョイスしました。キャッチコピーは「しあわせに鈍感なんじゃない。さみしさに敏感なだけ」ということで・・・微妙なBSOL映画の香りを嗅ぎ付けて観てみた訳です。ミシェル・ウィリアムズ演じる若い人妻がまた「ブルー・バレンタイン」みたいな事態に陥る話なのかな~と思っていました。

カナダのどこかの景勝地で、出会う若い男と女。この二人が出会って結婚して別れるまでを描いて行くのだろう・・・と思ったら、実は女の方はもう結婚していたんですね。マーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は夫のルー(セス・ローゲン)と結婚5年目ということですよ。子供はなく、決して大きくはないもののコージーな感じの一軒家で仲良く暮らしている夫婦なんですよ。

最初は惚れたはれたで始まった男女の仲も、突き詰めると人類愛みたいなものになっていくわけで、肉親同士みたいな、飼い主とペットとみたいなそういうジェンダーレスな親密感覚になっていくものだと個人的に思っています。この夫婦もそういう感じになっていく途中といった感じで、子供みたいにじゃれあったりしていて、それは楽しそうに暮らしているんですが、もう嫁の方は旅先で会ったイケメンのことが気になっているので、じゃれあっている中にもうっすらと終わりの感じも漂っているんですよ。

旅先で出会ったイケメン、ダニエル(ルーク・カービー)とヒロインはそれはそれはイイ感じになって帰って来るんですよ。イケメンはヒロインのちょっと不思議な性癖(飛行機の乗り継ぎがたまらなく怖くて、健常者なのに車椅子を頼んでしまう)とかも、なんかわかってくれるんですよね。帰りの飛行機も一緒、家も近くでタクシーもシェアして帰って来て、もうタクシーの中ではネックレスだかなんだかを、二人してフーフー吹き合ってる遊びまでしてるんです。この子供が遊んでる様な親密性を感じさせるシーンなんか逆にいやらしいもんだのうと思ってしまいますが。で、最後に「私、結婚してるの」って言うんですよ。なんじゃそりゃ〜!しかも徒歩2分くらいのご近所さんなのでした。

マーゴは主婦のようだし、夫のルーはいつも家にいてなんか料理してるしで、この二人はどうやって暮らしているのだ?と思ったら、マーゴはライター(あまり売れていない?)で、ルーは本も出している料理研究家なんですね。一方、イケメンのダニエルは売れないアーティスト的な。なんだこのちょっとお洒落な設定って感じで、いわゆる普通の勤め人とは違うみたいなんですが。

夫役のセス・ローゲンは、コメディーを中心に活躍している三枚目なんですが、デブとバッサリ言ってしまうには少し惜しいポチャ具合で、クマちゃん系のおおらかキャラ。決してイケメンではないものの、こんなメンズが一緒だと安らげるし、好き〜っていうオナゴは結構多いのではないでしょうか。料理も作るし(チキン料理の専門家なのでいつもチキンですが)優しいし、充分いい夫じゃん、何が不満なの?って思うんですが、マーゴが一人で倦怠期を感じているのがわかるんですよ。

しかしミシェル・ウィリアムズはこういうリアリティーがある男女関係を演じさせたら本当に上手ですね。特に恋愛が終わって行くときの感情表現が素晴らしいです。「あれ・・・もうダメなのかな・・・?」と、う〜っすら、う〜っすらと観客に破滅の予感を感じさせるオーラの出し方が抜群に上手いと思います。



※ここからネタバレします。




ヒロインのマーゴとイケメンはお隣さん同士なので、道で会ったり一緒にコーヒー飲んだりしたりするわけですよ。マーゴはコットンのズタ袋バッグ(どっかの有名本屋のノベルティー的な)を下げていたりしてるし、イケメンは細いのにリキシャとして営業し始めたりしてます。季節は真夏のようで、リキシャをかついで走るイケメンを観ていると、舞台は北米なのに東南アジアのどこかにも見える不思議。

二人でいるときに「ねえ、一体、私/僕をどうしたいの?」と核心に直球な言葉も出て来たりして、ああ、きっと男女の関係になるのは時間の問題・・・と思う訳ですよ。しかしなりそうで、なかなかならないんです。エロい言葉責めごっこをしたり、イケメンくんの家に行ったり、真夜中のプールで一緒に泳いだりするんですが。しかしまだ肉体関係を構築する前の「やるか?やらないのか?いや、やりたいけども、もう少しこの限りなくエロに近い、でもプラトニックな関係をアメ玉のように舌の上で転がすのもやぶさかではない」というこの感じは結構オツなものなんだと思いますよ。

いや正直に言うと、こういう関係はものすごい良いんですよ。特に真夜中のプールのシーン。普通だと「薔薇の素顔」や「ショーガール」みたいに「ああプールの中でのセックスシーンですか、はいはい」って思うじゃないですか(シンプルな思考回路の自分が恥ずかしいですが)。でも、この映画はそんなんじゃない!二人で水の中に入るけど、水中でひらひらと踊るように泳ぐんです。二匹のお魚が泳いでいるよう。もちろんお触りなし!逆に足首を握られたヒロインは「もう出る」と言って水から上がっちゃうんですよ。

イケメンとはお隣さんなので、夫もイケメンと知り合いになるんですよ。結婚記念日にレストランに行くヒロイン夫婦をイケメンがリキシャに乗せてくれるんです。細っこいイケメンが重そうなセス・ローゲンが乗ったリキシャを引くのは大変そうだなあ〜と思うんですが、これもヒロインの立場から見てみると、愛人が夫と私の乗るリキシャをけなげにも引いてくれている・・・「なんか辛い、なんか切ない、でもなんか萌え」みたいなシーンに仕上がっています。彼女の目線から見たイケメンの腕や背中が・・・萌え切ない〜!サラ・ポーリー監督の演出が光ります。

あと移動遊園地的なところで、アトラクションに乗るマーゴとイケメンのシーンもありました。遊園地に男女二人で遊びに来るってさ、もうそういうことでしょう、と私は思ってしまうのですが・・・。このシーンが伏線というか効果的にリフレインされてて、なんか死にたくなるんですよ。何故かって?なんか「言っておくけど、恋愛ってオマエらが思ってるほどドリーミーなもんじゃないからよろしく」って告げられている様な気分になるからでしょうか・・・。私も結婚してるしもういい歳ですから、それはよくわかっているつもりなんですけどね、やっぱりこうやってガンとつきつけられるとなんだか胸が苦しくなるんですよ・・・。名曲「ラジオスターの悲劇」の無邪気なポップさがまたそれをいい具合に引き立てているのです。キャハハ!楽しい〜!と満面の笑みから、ブツッ!!とアトラクションが急に止まったりするのも暗示的です。

そうこうしているうちに、イケメンは急に引っ越してしまうのでした。数十年後にここで会おう、というメッセージを絵はがき(これもどこかの景勝地か)に託して・・・。道路に立ち尽くすヒロイン。それを寝室の窓から観ている夫なのでした。

それからはちょっとよく覚えていないんですが、夫は何もなかったかのように振る舞い、夫婦二人の生活も続くんですよ。相変わらず子供っぽい遊びに興じている可愛らしい二人なんですけれども、もう観客としては見ているのがシンドイ感じになってくるわけです。

そしてイケメンの引っ越し先を知ったマーゴは当然そこへ行くわけです。アトリエっぽいスペースのみの部屋に引っ越したイケメンと、ついについに、ひしと抱き合うヒロイン。最初は何もなくてガラーンとしたアトリエでしたが、二人の肉体交渉(って変な言葉だなあ)が進めば進む程、部屋に家具やモノが増えて行き、二人の生活がだんだんと出来上がってくるのが、グルグルとカメラを回して撮られています。この背景でかかるのがタイトルにもなっている「テイク・ディス・ワルツ」ですね。

「はあ、ついに・・・」と観客としては一息ついてしまうのですが、このカメラぐるぐるシーンで普通に3Pが出て来るのがビックリしました。1回目のゲストはオナゴで2回目のゲストはメンズ・・・。こういうことしている人ってSATCのサマンサみたいな性豪キャラなのかと思ってましたが、文科系っぽい人もやるんですねえ〜。いやライターとアーティストというクリエイティブ職なので、もともと性には開放的なのかもしれません(すみません偏見です)。

そして「ああなあ・・・」と思うのが、カメラぐるぐるが進行すればするほど、熱が冷めて行くように普通になっていき、そして当然のように倦怠期になっていくという・・・。パートナーを変えても、結局辿り着く所はおんなじ・・・。ハアア・・・、とげんなりするわけです。なんとなくわかってはいたけどさ、でもさ・・・とガッカリするわけですが、サラ・ポーリー監督から「あんたまだ夢みてんの?」と笑われてしまうわけです。これは地獄は三途の川の岸辺、賽の河原でやらされるという噂のエンドレス積み石ですか?ヒロインは真に愛の無間地獄に落ちてしまったようなのであります。

そしてそこから最初のシーンに戻る訳です。一見普通にお料理しているように見えた素敵な奥さんのヒロイン、しかし心の奥には倦怠のどうしようもないブラックホールが黒々と渦巻いているという最初のシーンに!台所に来た男の影は夫のルーではなく、彼を捨てて一緒に暮らし始めたイケメンの方だったのでした。しかしイケメンと一緒に暮らしてたのはおそらく1〜2年くらいか?親戚の子の成長具合からして。イケメンとはもう倦怠期になっちゃってるわけですよ。早!

その間に別れた夫のルーは新刊レシピ本を出して、なんだか人生うまくいっているようです(元夫にはまだ新しいパートナーはいません)。ヒロインも仲良くしていたルーの姉ちゃんがアル中で問題を起こしてしまい、心配で家に駆けつけるのですが、そのときに前後不覚の姉ちゃんから「マーゴ、アンタ戻って来たんか。しかしアンタな、人生なんてどこか足りないものなんやで」と言われるわけです。姉ちゃんはアル中でよくわからない状態になっているものの、道理の本質みたいなものを鋭く突いてるわけなんですよ。

元夫のルーは心配でかけつけたマーゴに暴言を吐くわけでもなく、少し寂しそうに応対するんです。マーゴはやっぱり夫に未練があるわけですよね。で、泣きそうになりながら家をあとにするんです。自分のしたことは、後で必ず帰って来る・・・人生はブーメランだという誰かの言葉を思い出しますよ。

そして遊園地のアトラクションのシーンになります。ひとりでアトラクションに乗るマーゴ。彼女の隣には誰もいないし、もう笑顔もありません・・・。怖いな、怖いな〜。「しあわせに鈍感なんじゃない。さみしさに敏感なだけ」って言ってる女の末路がコレだと思うと・・・これはゼッタイに逆のほうがいいですね。しあわせに敏感、さみしさに鈍感な方が良いと思いました。

この映画のヒロインを見ていてちょっと思い出したのが安野モヨコの「ハッピーマニア」です。ハッピーマニアのヒロイン、シゲカヨは次々とパートナーを変え(しかしほぼ全員にビビビと来て突っ走るのだから凄い)、結局最後は彼女をずっと思い続けていた年下の男タカハシと結婚するのですが、既にタカハシのことはどうでもよくなっているシゲカヨは花嫁姿のままタバコを吸いながら「カレシほしーなー・・・」と呟く最後ではなかったでしたか。これも愕然とするラストでした。

しかしなあ〜、予感はしていたけど思った以上に冷酷で、心をえぐってくる映画でした(褒めています)。しかし私はこの手の映画が好物でして・・・。だって映画で見る幸せなんか、ちっとも面白くないじゃないですか、ねえ?


♪あーわ、あーわ♪という合いの手(?)でおなじみ「ラジオスターの悲劇」

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