@itan-journ@l praha

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『山椒大夫』a.k.a.安寿と厨子王



       
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山椒大夫 [ 田中絹代 ]
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名画座で行われていた溝口健二特集の三作目です。拙ブログの記録を見ていると最新ハリウッド人気映画と日本の古い映画がまぜこぜになってて「この人二重人格?」と思われてしまうかもしれません・・・まあ雑食ということです。「山椒大夫」ってタイトルだけは子供の頃から聞いたことがあったんですね。「大夫(だゆう)」の意味がわからなかったけど、なんとなく山椒がついているから、なんか美味しそうな話なのかなあ、などとボンヤリ思っていました。山椒はやっぱり鰻には欠かせません。親子丼にかけても美味しいですな。

森鴎外の小説が原作なんだそうです(今は青空文庫で無料で閲覧可能)。冒頭でお母さんが少年のことを「厨子王」と呼ぶので「安寿と厨子王」っ て昔話だ、と気が付いたんですね。でもこれもタイトルだけで内容をまったく知らなかったんですよ。「ズシオウ」という響きから「寿司王」と連想していた私は、このお話のことも「なんか美味しそうだな」と長年思っていたのでした・・・。「寿司王」という名の回転寿司屋は色んなところにありそうですね。

山椒大夫はこの安寿と厨子王というおとぎ話をベースにしたお話だそうで。そりゃもう悲惨な運命に翻弄されまくる親子の悲劇です。ひたすら悲劇しか起こらず、不憫でいたたまれない気分になる話ですが、最後は一応ハッピーエンドってことになるのかなあ・・・。この作品も内外での評価が高く、ベネチア映画祭で銀獅子賞を受賞。ゴダールはこの映画が好き過ぎて「気狂いピエロ」のラストシーンでまったく同じ構図の海のショットを撮ってオマージュを捧げているんだそうです。

時は平安くらい。ある貴族が没落してしまい夫はどこかへ左遷、妻子は夫に会いに行くため歩いて旅をすることになります。お母様の玉木(田中絹代)、少年の厨子王とその妹の安寿、そしてお付きのばあやという女子供だけの心もとない旅です。後から知ったんですが少年時代の厨子王を演じたのは子供の頃の津川雅彦だそう!すごいセリフまわしに学芸会感があったんだけど、まだ新人だったのね。津川雅彦、今は死にそうなお爺さん役やってますから、この映画も相当古いわけです(54年)。



※ネタバレします。



妻子は野宿をしているところ尼寺に住む老婆に出会います。老婆の親切で寺に泊めてもらい、その老婆が手配してくれた船に乗って旅を続けることになっていましたが悪い船頭に騙されて、親子が離ればなれになってしまいます(ババアもグルだった)。子供は人買いに連れられて都へ。山椒大夫(進藤英太郎)という長者の荘園で強制労働されるために売られてしまうのでした。この荘園がもう超絶ブラック企業で、可哀相な兄妹はクタクタになるまで日夜働かせられます。ただ1人、山椒大夫の息子である太郎(河野秋武)だけが兄妹を不憫に思い、新しい名前をつけてくれ親切にしてくれたのでした。

成長した厨子王(花柳喜章)と安寿(香川京子)は相変わらず強制労働に明け暮れる日々です。厨子王は荘園を抜け出そうとした者に焼印を加えるまでに変わってしまいました。ある日、安寿は新しく佐渡島からやって来た奴隷が歌う歌で、母親の玉木が生きていることを知ります。その歌には安寿たちの名前が歌詞になったものなのでした。もう労働力として見なされなくなった老女を姨捨山に捨てに行く役を言い渡された厨子王は、山の中で見張りをまいて安寿と逃げ出す作戦を立てます。しかし2人一緒に逃げるより厨子王だけで行った方が助かる確率が高いと考えた安寿は残って追っ手を止める係を志願するのでした。逃げ出した厨子王は、山椒大夫の息子で今は出家して山寺の住職になってる太郎のもとへ行き身を隠します。一方、安寿はこのまま残れば拷問され兄の行方を吐いてしまうと懸念してか、入水自殺を図るのでした。

という前編です。ここまでだけもかなりドラマですね。親子が湖のほとりで引き離されるシーンは「ええ~っ!」とビックリ。今まで静的な絵巻物風のシーンばかりだったので、急にこんな動的で心を揺さぶる様なシーンになって驚きました。可哀相すぎる!!!(最初から何やら怪しげな船頭だったが)そういえば「雨月物語」のときも湖畔で家族が別れるシーンがとても印象的でした。「おしん」で奉公に行くおしんと泉ピン子のおっかあが別れるシーンも思い出しますね~(古い)。 溝口作品がちょっと意識されていたのかな。

成長した厨子王(花柳喜章)と安寿(香川京子)。厨子王の花柳喜章は顔と芝居が濃くて、今の俳優で言うと山田孝之っぽい。安寿の香川京子様は昔から品があったんですね。強制労働の掃き溜めの中でもこの上品さをキープしてるってのが凄いです。今の女優で言うと堀北真希っぽい感じかな。私は美しく成長した安寿が山椒大夫に手籠めにされやしないかとヒヤヒヤしていました。

逃げた厨子王は太郎の勧めで関白に直訴し、父から別れる時にもらった家に伝わる小さな観音様のお陰で高貴な出だと認めてもらいます。そして山椒大夫の荘園を管轄する国司に就任します。国司としてまず着手したのが人の売買禁止、荘園での労働には相当の賃金を払うことなどでした。つまり奴隷解放を行ったのです。周囲からは前代未聞だと言われますが、書状を持って山椒大夫の荘園に行き皆を解放します。しかし妹安寿の姿が見えません。安寿は入水自殺をしたと知らされて悲しみに打ち拉がれる厨子王なのでした(どのタイミングだったか、左遷された父も亡くなっていることを知る)。その後、務めを果たした厨子王は国司を辞任して母親探しの旅に出ます。母は佐渡島の漁村にある売春宿に売られたという噂を聞き、漁村を訪れる厨子王。浜辺に腰掛けた盲目の老婆が変わり果てた母親の玉木なのでした。

ここから後半のリベンジ編なんですが、超絶ブラック企業の山椒大夫荘園から皆を解放する展開も、溜飲が下がるという感じにはあまり描かれていません。いまいち山椒大夫の腹黒さ描写が弱かったからかなあ・・・。国司になった厨子王にとたんにペコペコし出すとか卑屈極まりないところなど描かれていたら、また違った印象になったかもしれません。お母さんの玉木さんはやはりソープに沈められて、もとい遊郭に売られていたんですね。年老いた今は漁村で海苔を干したりするのを手伝っていたんですが、もう完全に人が変わっていて、厨子王が「お母さま、僕ですよ」と言ってもからかわれていると思って相手にしません。でも父の形見である観音様を触らせると、本物の厨子王だということがわかるんですよ。そうして固く抱き合う親子なのでした。

いや~、本当に可哀相な話でした。ハッピーエンドと言ってもいいのかなという感じですが、最後が少しでもポジティブに終ってよかったですよ。しかし、不思議に思ったのが何故タイトルがブラック長者の「山椒大夫」なのでしょうか・・・?なぜ彼がタイトルロール?主役でもなんでもないヒールなんですが。原作を読むとわかるのかな。この話から得られる教訓は、いくら親切で無害そうなババアから宿をオファーされても決して泊まってはいけない・・・ってことでしょうか。あと親からもらったギフトがピンチのときに助けてくれるから肌身離さず大事に持っとけ、とか?(「グリーン・インフェルノ」では父親からもらったネックレスがいい仕事をしてた気がします)無理矢理ですが、そんな感想を持ったのでした。

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『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』邦題は「アウトロー2:子連れ狼」でどう?



        


1作目「アウトロー」も観ていたので続編もチェックしてみました。我が家ではトム・クルーズ映画とマーベル映画はなるべく劇場で鑑賞するという不文律が出来上がっているようです・・・。しかし、Twitterでもポロリと書きましたが思ったよりつまらなくてガッカリしました。これだったら「ドクター・ストレンジ」(感想後日)か「ドント・ブリーズ」行った方がよかったなって感じ。監督は日本でもヒットした「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックなんですが、思ったよりもずっと小粒な出来でした。

良く言うとと地に足がついたリアルさがあるアクション映画なんですよね。すごく現実に即していて荒唐無稽さがない。アゲられない。ヌケない。そういや前作もそんな感じだったのでした・・・(今改めて感想文読んでみたら、やっぱり満足してない。行く前にちゃんと読んでおくのだった)。やっぱりトムのアクション映画だから「ミッション・インポッシブル」的な「どんだけー!」って展開やアクションを無意識のうちに期待してしまうんだと思います。それで肩すかしをくらってガッカリ・・・みたいな。恐らくジャック・リーチャーのシリーズ化を考えた上で制作されているんでしょうが、次回作あってももう見ないかも・・・。

元軍人で今は凄腕のはぐれ者、ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)が悪や不正をぶった斬る!というアクション映画なのは変わりないんですが。今回は一匹狼で行動するんじゃなくて陰謀にはめられた 女軍人ターナー( コビー・ スマルダーズ)と、ある理由で悪に狙われる少女サム(ダニカ・ヤロシュ)と行動を共にしながら陰謀を暴くというお話です。



※ネタバレします。




メインビジュアルとして使われていた本作のポスターなんですが(上にあるものと同じ)、トムちんと背中合わせである女性が写っているんですね。恐らくこの女性が今回の新キャラということは予想がつくのですが・・・顔が全然ハッキリ写ってないんですね。横顔ですらない。振り向き途中のような実に中途半端なアングルの写真なんですよ。この人がコビー・スマルダーズ演じる女軍人のターナーなんですが、この扱いはかなり可哀相。契約的にトムちんと二枚看板になるのに問題でもあったんでしょうか。

ターナーを演じるコビー・スマルダーズはキリリっとした感じの男顔知的美人で、軍服やアーミールックが似合いまくり(私服時は革ジャンにパンツスタイルというマニッシュさ)。ものすごいユニフォーム美人なんですよ。彼女で同じ様な軍服チックなものを着た役をどこかで見たことがある・・・と思ったらアベンジャーズの本部にいてニック・フューリーとよく話しているマリア・ヒルと同じ女優さんなのでした。アベンジャーズのときから気品があって素敵だな~と思っていましたが、そんな彼女の活躍を存分に見られたのがこの映画の収穫でしょうか。

トムちんはいつものトムちんでしたね。最初の登場シーンではどんな立ち回りを見せてくれるのかと思いきや、すでにケンカし終った後でした。勾留されていた女軍人ターナー(アーミーグリーンのTシャツと迷彩柄パンツがまた似合う )を助けるシーンは軽く変装も入ってちょっとミッション・インポッシブルみがありましたね。いかん、やはりイーサン・ハントを重ねている。やっぱりイマイチ、ジャック・リーチャーはキャラ立ちが弱いんですよね~。前作のときも書いたけどいまひとつ人間的な魅力に欠けてるというか・・・。

そんなジャック・リーチャー、今回は自分の血を分けた娘かも?という少女サムと行動を共にします。この子が15歳くらいなんだけど、ジャック・リーチャーの尾行に気付いて逆に待ち伏せしてたり、自宅に襲撃しにきた敵を機転でまいたり、逃亡に必要不可欠なクレジットカードをさっと盗んだり、と驚く程サバイバル能力に長けたストリートワイズな少女なんですよね。だから「これだけのタマならば、ジャックの娘でも不思議じゃない・・・」と思わされるわけです。ぶっちゃけ顔はあんまり可愛くないんだけど。でも物語が進むにつれて魅力的に見えだし、最後はちゃんと可愛らしく見えたのがよかったです。

もしジャック・リーチャーがゴリゴリのマッチョ野郎だったら「どうしてこのハードボイルドな俺様が女子供なんかと一緒に・・・」とかぼやいてると思うんですが、中の人トムちんがフェミニストなのもあってか、全然そういう感じにはならないんですよね。普通に女系家族のいいパパみたいに見える。これはジャックの性格設定をもっと古くさくして、女子供と協力せざるおえない状況で見くびっていた彼女たちに助けられるみたいな面白みが出て来る様な気がするんですが、原作小説がそもそもそういう感じじゃないのかな。ジャックは十分に女性をリスペクトしていると思うんだけど一方のターナーは「女だからってバカにしないで!」みたいなテンションだったのがちょっと違和感がありました。

あとはジャックとターナーが恋愛にならないところがよかったですね。バスローブ姿のターナーがベッドの上でジャックが食べていたファストフードを一緒に食べるシーンはちょっとドキドキしましたが。そういえば前作でもロザムンド・パイク演じる女弁護士(だっけ?)とも何もなかったような。まあヒーロー全員がジェームズ・ボンドというわけじゃないですしね(笑)。ラストでターナーが軍に復帰するシーンが、安易にロマンスに転ばずに戦友として戦った感があってよかったです。

しかし不満なのがアクションシーンと悪役(パトリック・ホーシンガー)なんですよ。なんか悪役が「いかにも悪 役でござい!」という外見とキャラで、そのまま過ぎて面白くない。というより陳腐。こういう悪役は今までに一万回以上も見て来ています。ものすごいサドっ気があったり、ロリコンだったり(娘かもしれない少女を付け狙っているわけだから活きる設定かと)こちらもフックがあればあるほど話が面白くなったんじゃないかと思うんだけど・・・。軍の上役のおじさん俳優たちも「いかにも不正やってんな~」という感じでしたね。まあこっちはそれで別にいいんですが。

アクションも普通。軍上部の陰謀自体も新鮮味がゼロ。えっ、これ2016年の映画なんだよね・・・?ってくらい普通です。このシーンのこのアクションが印象に残ってる!ってのが思い浮かびません。そしてすべてが解決し、結局サムはジャックの娘ではないことがわかったけど、2人の間には親子のような絆が芽生えてめでたしめでたしになった後、ジャック・リーチャーはまた流れ者生活に戻り旅に出るのだった・・・ということですが、ジャックは今回のお手柄でちょっとくらいお金もらってるのかな~?となんだか彼の懐具合が心配になってしまいました。アクションに比べてドラマ部分はいくらか良い出来ではあったと思うのですが、そもそもアクションが全然なんでドラマ部分もまあ普通の映画以下なんですよね~。女優陣は魅力的だったし好演してたのに、な~んかもったいない。

邦題の付け方が前作とリンクしてないので大丈夫なのかな?ってそれもちょっと心配。アウトロー2:子連れ狼」みたいな分かりやすさのほうがいいのでは・・・などと余計なお世話ですが思ったのでした。トムちんの大ファンならば劇場へだけど、これはDVDになるまで待っても大丈夫、それも新作落ちになってからでも問題ないと思います。今後ですが老婆心ながら「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」のタイトル通り、本当に次がなくてジャック・リーチャー戻って来ない状況にならないといいんだけど・・・。



『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』個人的には期待はずれ・・・


       


本作で5月6月のお休みの間ずっと溜まっていた感想文は終わりです(と言っている8月前半にまた間が空いてしまったが・・・)。大好物のマーベル映画、しかも推しメンのキャップ映画ということで期待値を上げて行って参りました。もう何度も何度も書いていることですが、なぜキャップが推しメンなのかと言うとなんとなく夫に似ているからなのです。これは中の人クリス・エヴァンスが夫と似ているという意味ではなく、キャップを演じているときのクリエヴァの雰囲気(ちょっとナイーブで童貞ぽいところ)、顔の型、髪型、引きで見た時の印象が似ているということなのです。決して私がクリエヴァのようなイケメンと結婚しているということではありません。

キ ャップ単体の主演作はこれで三作目なんですが、うーん、個人的にはだんだんボルテージが下がって来ている気がしています。一作目ファースト・アベンジャーが、もう最高に面白くって、私にとってアメコミ映画への偏見を取っ払ってくれた記念碑的な一作なんですね。またこれも何度も書いていますが、まったく予備知識を入れずに観たものだから、もやしっ子のスティーブがマシンに入って筋肉モリモリになったときは「えええーッ!」と仰天したんですよ。以後、予告編を始めとして映画に関する予備知識はなるべく持たずに鑑賞し、できるだけフレッシュな感触を楽しむというスタイルになったのでした。

二作目の「ウインター・ソルジャー」は面白かったんだけど、一作目ほどの興奮は得られず。そして三作目「シビル・ウォー」なんですが、個人的にはう~んという感じ。あともうひとつ致命的な問題が・・・。マーベル映画史上最高に英語が難しかったんですね。筋は掴めるけど細かい部分とか理解するのが私には難しかったです。そのことを同じくマーベル映画愛好家でローカルの大学生(18歳)に言ったところ「ちょっと政治ぽい話だから、普段からそういう英語に触れてないと難しいかも。僕は『ハウス・オブ・カード』を観てたから大丈夫だったけどね」ということでした。日本語でも政治って苦手だから、もう仕方ありませんね。

アメコミと言えば春に公開された「バットマン VS スーパーマン」もスーパーヒーロー同士が方向性の違いで戦うという話でしたね。内輪モメが世界的なブーム?ファンとしては、♪ケンカをやめて~♪二人を止めて~と歌いたくなってしまうところです。さて、例によって鑑賞からかなり時間が経っているため、また思い出せる印象だけを箇条書きで書いて行きたいと思います。


・冒頭、南米だかどっかでスパイ活動をするキャップたち。ここからアクションシーンへ展開していくのですが、画面がせわしなくて付いて行くのにひと苦労。前作も監督は同じなんですが、こんなゴチャゴチャしてるアクションだったっけ?ローカル市場での乱闘になり、ここでブルキナバスケット的なものがチラっと映って雑貨好きとしては「あっ!」と思ったのでした。

今回はトニー(ロバート・ダウニー・ジュニア)がとにかく可哀相だった・・・。両親の死の理由も露呈しちゃうし、キャップ達と仲違いするし。町山さんも有料ポッドキャストで仰っていたけど、トニー・スターク節とも言えるいつもの軽口も出ないしで、ちょっと寂しかったですね。あと若い頃のダウニーたんが出て来てビックリしました。ブラピの「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でも思ったけど、もう俳優を若返らせるのなんて今の技術では簡単なことなんでしょうね。

・新キャラとしてブラック・パンサー(チャドウィック・ボーズマン)が登場。バッキー推しだった友人Iは彼のことがえらく気に入ったようで、バッキーと陛下の二人に同時に口説かれたらどちらにしようか・・・と困っていました。このキャラってのは超人能力ってよりもブラック・ウィドウみたいに身体能力がすごい生身の人間ってことなんでしょうか。ヘルメットのフォルムが黒猫好きのハートをくすぐります。

・もう一人新キャラというか悪役が、ヘルムート・ジモ大佐(ダニエル・ブリュール)。ダニエルもついにマーベル映画に出演ですよ。私彼のこと結構好きです。最近の彼出演のドイツ映 画は言葉がわからないから観てないけど・・・。彼は一体どんな変身を?どんなキャラに?と思ったら最初から最後までダニエル・ブリュールのまま。意外と渋いキャラなのでした。

・そしてリブートされたスパイディ(トム・ホランド)が初登場。トニーに誘われてチーム・アイアンマンに入るんですが。彼が戦闘時まあうるさいこと(笑)。ユードンストップ!なんですね。まあまだ高校生だからしょうがないんですけど。男子高生が初陣で舞い上がっちゃうってこの構図はなんか既視感あるな~って思ったら、SATCでサマンサが筆下しする同姓同名の高校生サム・ジョーンズとの一戦と同じでした(笑)。スパイディのおばさんはマリサ・トメイってことで、ずいぶん色っぽく若返りましたね!

・アントマン( ポール・ラッド)はチーム・キャップに入ってました。今回は逆に巨大化して暴れるという漫画みたいな(まあどちらにせよ漫画っぽいんだけど)展開に。若人が多いチーム・キャップの中に混じると、やっぱりおじさんって感じがしましたね(笑)。ちなみに彼の単独主演作「アントマン」はめちゃめちゃ面白かったです。

・今回、キャップの初恋の人ペギーが死去。お葬式でエージェント13(エミリー・ヴァンキャンプ)がペギーの姪だと初めて知るキャップなのでした。で、その後キャップとエージェント13のキスシーンがあるんですが。うーん、ここはなんかご都合主義っぽい感じがしちゃいましたねえ・・・。前から彼女のことが気になっているってのは提示されてたんですが、ペギーの血縁だから同じ様なもんだろって行ったみたいな感じがしちゃって・・・。あと友達が見てるで堂々とキス(しかも初めての相手と)って、童貞が出来るスキルじゃないんじゃないですか?アメリカ人はそこんとこのメンタル違うのかな。

・でも、バッキー(セバスチャン・スタン)とサム(アンソニー・マッキー)がキャップとエージェント13のキスシーンを見て「やったな!」みたいに笑顔になるのがホッコリしててよかったです。特に今までずっと苦悩を抱えていて泣きそうな顔ばっかりしていたバッキーの笑顔が良かったですね~。笑った・・・バッキーが笑った!みたいな。

・ホークアイ(ジェレミー・レナー)は前作で家族のことを考えて引退・・・みたいなことになっていたと思うんだけど、チームキャップに入ってましたね。まあ彼の活躍を見られるのは嬉しいんですが、生まれたばかりの子供もいるし無茶しておとっつあん大丈夫なのかい?と少し心配です。

・チームキャップは海上のハイテク牢獄みたいなところ に閉じ込められちゃって、これからどうなるの?という感じ。キャップはトニーに手紙を送りますが(DHLの配達人がスタン・リー様)、意見の相違があっても僕たち友達だから!ってエンディングでなんだかスッキリしませんでした。次作はインフィニティ・ウォーということで、戦いはまだまだ終らない・・・ってことなんでしょうか。とにかく本作は吹き替え等でもう一度観なきゃと思っています。個人的にはキャップの童貞が今回も守られたということで安心してますが、もうエージェント13とAもしちゃったし今後の展開は早そうです。

以上です!





これが市場でチラ写りした
ブルキナバスケット。
これにハマって大・中・小と揃えました。
サンダルの見せる収納や、
ホームパーティーで大きなボウルを
運搬するとき、
取りあえず散らかってるものを
ポイポイ放り込んだりして使ってます。
私のは無地だけど柄入りも可愛いな〜。

『ザ・イースト』イケメンすぎるエコ・テロリストに萌え~



       



皆様、ご無沙汰しております。やっとブログを再開できるようになりました。以前のペースに戻れるかはわかりませんが、ゆっくりマイペースでやって行きたいと思います。またよろしくお願い致します。

さて、再開一発目は「ザ・イースト」(ジ・イーストじゃないのね)。ちょっと地味な作品ですが、たしかこの映画は・・・公開時に町山さんのたまむすびポッドキャストで紹介されていたので知ったのだと思います。潜入捜査の話なので、ちょっとサスペンスタッチの映画が観たいなと思ってチョイスしました。

いやー・・・なんか、切ない話でしたね・・・。潜入捜査したヒロインがターゲット側の信念に揺れ動くのもよく描けてるし、アレクサンダー・スカルスガルドはイケメンだしで、ヒロインにガッツリと感情移入してしまい、なんか心がちぎれそうになりましたよ。アレクサンダーの印象が強くて、なんと鑑賞翌日私の夢にも登場してくる始末(どんな夢だったか忘れてしまいましたが)。そんな北欧イケメン、アレクサンダーのお父っつあんは「ニンフォマニアック」 や 「マイティー・ソー」に出ているステラン・スカルスガルド。うーむ、どうやったらあんなイケメンが生まれて来るのだろうか・・・。お母さんが美人なのかな。しかし美男美女ってのは、わりと普通めの親から生まれて来る様な気がしませんか?






ヒロインのジェーン(ブリット・マーリング)は元FBIで今は民間の警備会社に勤務し主に潜入捜査を行っているという設定です。上司のシャロン(パトリシア・クラークソン)から、過激な環境保護テロ団体「ザ・イースト」について探り出し潜入するというミッションを言い渡されます。ジェーンは同棲しているボーイフレンド(ジェイソン・リッター)にドバイに出張だと嘘を付き、ミッションに入るのでした。

ヒロインのブリット・マーリングは初めましてなんですが、とっても知的な美人!こんな美人が潜入捜査なんて大丈夫なのかい?って思うけど・・・。しかし、美人で演技もいいんだけど、なんかイマイチ特徴がないな~とは思いました。ポスト・ナオミ・ワッツ?警備会社の上司を演じるのは「しあわせのまわり道」に出てたパトリシア・クラークソン。やっぱりババアだけど色気があって素敵ですね~。あんな熟女憧れます。ヒロインに「あなたは若い頃の私に似てるわ・・・」などと言ったりするけど、実は利益優先の冷徹なエクゼクティブだったりする彼女の存在感がよかったです。

ミッション開始時、ヒロインは栗色だった髪を金髪に染めるんですが、これはどういうことなんだろう?なんとな~く髪色が暗い方が信用出来そうな気がするけども・・・。サラという偽名を使いバックパッカーを背負って地方をさすらうヒロインですが、同じく放浪している旅人たちと出会って彼らと行動を共にします。仲間達と列車に無銭乗車していたところを駅員に見つかって捕まるんですが、すんでのところで逃げるヒロイン(ペンダントトップが脱出のための秘密道具になっているのだ)。しかしそのときに負傷してしまい、仲間だったルカ(シャイロ・フェルナンデス)に助けられます。実は幸運なことにルカはターゲットの「ザ・イースト」のメンバーだったのでした。

自ら負傷を深くしたヒロインはルカに助けを求めます。目隠しして連れて行かれたのが「ザ・イースト」のアジトで、医者のドク(トビー・ケベル)から治療を受けるのでした。ヒロインはアジトでリーダーのベンジー(アレクサンダー・スカルスガルド)とイジー(エレン・ペイジ)と出会います。この時点でアレクサンダー演じるベンジーはモジャモジャ長髪のヒゲぼうぼうなので、風貌がよくわからない。これがポイントですよ!一 方のエレン・ペイジ は町山さんから「いつもテロリスト少女」と言われていたけど、本当にこういう役が合いますね。

映画冒頭でザ・イーストが原油を海に垂れ流した石油会社かなんかの社長の家をテロるシーンがあるんですが、ここが実に小気味良いんですね。ザ・イーストのモットーは「目には目を」ということで、社長の豪邸に潜入し通気口などの穴という穴から原油を豪邸の中流し入れるというテロをするんです。ざまあみろ!という感じで溜飲が下がるんですよね〜。このザ・イーストは田舎の空き家を占領して暮らしてるんですが、電気もガスも水道もなさそうな環境でヒッピーのような生活を送っているわけです。湖(というより水たまり?)で身体を洗ったり、拘束服を着て手が不自由な状態にして食卓につき、口 でスプーンを操って隣 の人に食べさせたり。最初は怪しまれていたヒロインでしたが次第に メンバーたちに受け入れられて、あるミッションに参加することに。

そのミッションはパーティー会場潜入なので、今まで小汚かったメンバーたちが身なりを整え、ドレスアップするんですが。ここで別人28号になったアレクサンダー・スカルスガルドが出て来る訳です。えーっ、ちょ、イ・ケ・メ・ン!とヒロインもちょっとビックリ。イケメンすぎるエコ・テロリスト・・・イイ!(笑)忍び込んだのはある製薬会社の新作発表会。新薬の認可が通ったお祝いみたいなんですが実はその薬はアフリカで人体実験された成分が危険なもので、ドクのお姉さんか妹がその薬のせいで亡くなっていたのです。ドク自身にも手が痙攣する後遺症が残っていたのでした。ザ・イーストは人体に深刻な影響のない程度の濃度にした新薬をシャンパンに入れ 、集まったパーティー客に飲ませるというテロを企てます。

それを知って上司のパトリシア・クラークソンに電話をするヒロインですが、上司は「その製薬会社はクライアントじゃないから」と言われてしまうのでした。結局テロは決行され、パーティー出席者は嘔吐などの体の不調を訴えてニュースになりますが、狡猾な製薬会社からは逆に新薬のPRとして利用されてしまうのでした。








と・・・ここまで書いたものの、多忙の為約三ヶ月間も放置してしまったので、記憶が曖昧になってしまいました・・・。そのため、詳細なあらすじを追いながらの感想文が書けません。ここからは、二ヶ月経っても私の心の中に残る場面だけを書いて行きたいと思います。




以下、ネタバレします。





まあ、なんと言っても ヒロインとアレクサンダー・スカルスガルド演じるベンジー(ミッション・インポッシブルのペグ兄と同じ役名だ!)の関係性の構築がなかなかよく出来ていたと思います。ザ・イーストのアジトとなっていた空き家は、ベンジーの実家だったみたいなんですが、そこでヒロインが幼い頃のベンジーの写真を見つけるんですね。どうやらベンジーはいい家のお坊ちゃんだったようで、色々あって今こうなっているみたいな感じ。そしたら壁一枚隔てたところでお湯を使う音がするんですよ。ヒロインが隙間から除くとベンジーがお風呂に入っているんですね。バスタブから上がり、バックショットでのヌード。おお・・・。長身のわりに小さくて引き締まったお尻です。偶然に彼のプライベートな場面を垣間みてしまいヒロインも観客もハッとしちゃう。それで男として意識しちゃうんですよ。ここが良かったですね。

裸とか下着姿を偶然見ちゃって、その人のことを意識しちゃう演出ってのは、映画の中でたまにありますよね。ジェニファー・ローレンスがオスカー主演女優賞を取った「世界にひとつのプレイブック」(私は評価してないけど)でも、ブラッドレー・クーパーが着替え中のジェニファーを見て意識してしまうってシーンがありました。中学生みたいでベタっちゃベタですが。

あと意識するいいシーンが湖での水浴びシーン。ここでメンバーたちは全裸になり沐浴するのですが、湖の中で一人を浮かべ、後の二三人が頭や手足を持ち儀式めいたことをするんですね。彼らが考える「浄化」の一環みたいな感じなんです。最初は着衣のまま岸辺でそれを見ていたヒロインですが、次はあなたの番よ、と言われ戸惑うんです。そしたらベンジー(もちろん全裸)がやってきて「僕たちを信じて身を委ねて」と真剣な目で訴えかける訳ですよ。もう・・・もう・・・!!!って感じじゃないですか!!!で「浄化」をしてもらうんですが、ヒロインの頭を支えているのがベンジーなんですね。こんな、自分のドタマの至近距離に、好きな人のXXXがっ・・・!というわけかはわかりませんが、ヒロインはそのまま気を失ってしまうのでした。

このシーン、町山さんもポッドキャストで触れていましたが、赤江さんと山ちゃんがイマイチのこシーンのセンシティビティーを理解しておらず、「え~?この繊細さがわからないの?」とビックリされていましたね(笑)。

こうしてヒロインは ベンジーのことを男として意識し出すと共に、ザ・イーストのポリシーに少しづつ共鳴していくわけです。エコリストたちへの共鳴のプロセスも、決して「男に惚れたせいだろ」って感じでもなく、真面目に「果たして彼らのしていることは本当に間違っているのだろうか・・・。私サイドがしていることは本当に正解なのだろうか・・・」と揺れているのが伝わって来る感じだったと思います。ヒロインは何度か潜入捜査を抜けてリアル世界に戻るんですが、今までの世界で違和感を感じてしまったりするわけです。このベンジーへの恋心とエコリストたちへの共鳴がよく演出されていて、もうヒロインに共感してしまうんですよ。エクストリームなアクションは素晴らしかった潜入捜査映画「X-ミッション」に足りてなかったの はコレ、この丁寧な心理描写なんだよなああああ~と強く思ったのでした。

テロリスト少女、イジーも実はお嬢様。彼女のお父さんは権力側で大企業の社長だったんですね。で、その会社が有毒物質を工場から垂れ流しにしているので、お父さんの会社に脅しをしかけるんですが、その最中にイジーが警備員に撃たれてしまうんです。現場からバイクで逃げたザ・イーストでしたが、アジトに到着する頃にイジーはひん死の状態になっているのでした。ドクが緊急オペを施しますが、薬の副作用で手が痙攣していて上手く出来ません。ヒロインが「私が手を動かすから指示して」と彼からメスを取りオペを行うのでした。度胸座ってる!そしてそれを見てベンジーがガーン!とヒロインに惚れるんですね。ここも説得力あった 。

結局、手術の甲斐なくイジーは亡くなってしまうのでした。ここは最初説明されてないんですね。朝になってヒロインが泣きながら森の中に行くシーンがあるだけで。そうしたらベンジーも森にやってきて、そのまま二人は貪るように愛し合う訳です。このシーン、ここが切なくて痛い!死の後にセックスをするというのがまた象徴的じゃないですか。ここで思い出したのがトリュフォーのドワネルものの1シーンです。確かおじいさんが亡くなった後に、アントワーヌと従姉妹が屋根裏で泣きながらセックスしたというのがセリフで語られるんですね。いや人生ですよ。

もうすっかりザ・イーストになったヒロインですが、一度理由を作ってアジトから出てリアル世界に戻るんですね。そしてまた アジトに戻りベンジーと合流。ベンジーが「きみを連れて行きたいところがある」と言ってヒロインを車に乗せます。うたた寝をしていたヒロインが目を覚ますと、そこは見慣れた風景が・・・。そう、いつからかはわかりませんが、ベンジーは彼女が潜入捜査官であることを見抜いていたのでした。

ベンジーはヒロインを脅して、上司のパソコンから潜入捜査中のエージェントのリストを入手するようにと言うのでした。ヒロインは逆スパイをすることに。ここはサスペンスフルでかなりハラハラさせられました。上司パトリシア・クラークソンの留守を見計らってメディアにデータをダウンロードし、会社を出るヒロインですが、エレベーターホールのところで上司と鉢合わせしてしまいます。ここですっ かりエコリストに寝返ったヒロインがゴミ箱から食べかけのリンゴを取って齧り「ほら、まだ食べられるのに捨てられているの!」と言うシーンがあるんですが、ここも良かったですね。まあそれで何か変だと気付かれてしまうんですが。

騙し合ってはいたものの、同じ方向を見ていたベンジーとヒロインでしたが、最後は別々の道を選ぶという渋い終り方でした。その後のヒロインは潜入捜査のエージェントたちに一人一人コンタクトを取り、大企業の非人道的なやり方を伝えて彼らの考え方を変えて行くのです。うーん、正直そんな簡単なことじゃないでしょう、と思ってしまったのですが、真面目なヒロインらしい着地だったのかなと思います。

町山さんによると、監督のザル・バトマングリはこれが長編二作目で、主演女優のブリット ・マーリングとは公私とものパートナーらしいです。二人はこの映画を作る前にフィールドワークをして本当のエコリストたちと生活を共にしたりしたのだとか。アプローチも真面目で好感がもてます。そして何と言ってもアレクサンダー・スカルスガルドにやられちゃいました。彼はイケメンだけど、普通のイケメンじゃなくって、得体の知れない狂気を秘めたイケメン(北欧産)。だからどっぷり好きになっちゃ危険!みたいな感じがするんですよね。またそこも魅力なり。今まで「メランコリア」のちょい役ぐらいしか印象になかったけど、いい俳優さんだなと思ったのでした。お父っつあんのステラン、いい息子をありがとう!そんな彼の肉体美を余すところなく堪能できそうな「ターザン」も楽しみです。



『しあわせへのまわり道』大人の再出発ムービー



         



「何かいい映画ないかな~」と探していた時に見つけた作品です。イザベル・コイシェ監督で主演はベン・キングズレー。NYのインド系ドライバーの話ということで観てみました。インドが好きなんですがリアルなインド映画は字幕の問題もあって、なかなか難しいです(原語ももちろんわからないし、現地語の字幕もわからない)。そういえば、以前に日本人の知人がプラハでインド映画を観に行ったそうです。その映画の言語には「英語、ヒンディー語」と記載してあったそうで、英語があるんだったら大丈夫かなと思いオランダ人のパートナーと一緒に観に行ったそうですが、フタを開けてみると映画のセリフほとんどがヒンディー語。字幕はチェコ語だしで、二人ともわかる言葉がなく大変だったそうな。

イザベル・コイシェ監督とベン・キングズレー&パトリシア・クラークソンは「エレジー」という作品で既にタッグを組んでおります。私はコイシェ監督の映画をほとんど観ていますが、どれも結構好きですね。エロ爆発系とほのぼの系とあるような気がしますが、今回はタイトルでもお察しの通りほのぼの系です。いや~しかし、久々に心の機微を描いた映画を観たな~って気がしました。これ、よかったです。人生色々あるけど自分の人生のドライバーは自分だけ、自分でコントロールして前に進まなきゃいかんのやで!といったようなポジティブなメッセージがあるのです。






ピンクのターバンがカワイイ、ベン・キングズレー。私達が想像するベタなインド人てのはターバンを頭に巻いたシク教徒の姿を想像する人が多いと思われますが、ガイドブックによるとシク教徒はインドの全人口で数%しかいないそうですね。

ヒロインのウェンディ(パトリシア・クラークソン)は50代くらいで本の批評家。演じるパトリシア・クラークソンですが、彼女の出演作はフィルモグラフィー確認後、何本か観ていることが判明でも、このおばさんはどこかで見たことが・・・と思ってしまいました。「人生万歳!」で南部の保守的な主婦からNYのボヘミアンなアーティストへとドラマチックに変身するおかんをやってましたね。恥ずかしながら、今回初めて顔と名前が一致しました。顔は薄いんだけど、よく見るとスタイルが良くて熟女な色気のある女優さんです。お茶目で人の良さそうな感じもしますね。

ある日、ウェンディの夫(ジェイク・ウェバー)の浮気が判明して夫婦は離婚。彼女は別れたくなかったのですが、夫は愛人と一緒になる為に家を出てしまうのでした。ウェンディには田舎の牧場でリゾートバイトしているみたいな娘(メイミー・ガマー。メリル・ストリープの娘だそう。ソックリでした)がいるのですが、その娘に会いに行く為には車がないといけません。運転免許を持っていないウェンディは離婚のゴタゴタの中、一念発起して免許取得にチャレンジします。彼女の指導教官になったのがインド系アメリカ人のダルワーン(ベン・キングズレー)。人種も宗教も違う二人でしたが、自動車教習を通じて心を通わせて行くというお話です。



※ネタバレします。




なるほど人生ってのは自動車教習にも似ているところがあるわけです。最初はどうしたらいいのか全然わからないけど、次第に使い方を覚えて、様々な道を通って経験を積み、時にヒヤリハットに出会いながらも前に進んで行く・・・。自分で車をコントロール出来るようになったときは「ワールドイズマイン!」というような高揚感を覚えたりするわけですよ。愛していた夫に裏切られ離婚になってしまったウェンディの人生はもうボロボロで、なにか新しいことにチャレンジすることが必要だったわけですね。それでもまだウエンディは夫に未練があって荷物を撮りに来た時に復縁を迫ったりするんですが、やはり夫は愛人の元へ行ってしまうのでした。

一方でダルワーンの人生も描かれます。彼は同郷のインド人たちと一緒に共同生活をしており、非常に信心深く、真面目に真面目に生きている人。タクシードライバーのかたわら自動車教習を教えています。郷里の親戚からは見合いをすすめられ、写真だけでしか知らない新妻ジャスリーン(サリタ・チョウドリー)とNYで結婚します。私がベン・キングズレーを初めて認識したのが子供の頃に観た「迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険」でした。キングズレーはここで実に頭の切れるワトソンくんを演じており、素敵な俳優さんだな~と子供心に思ったものでした(ちなみにホームズ役はマイケル・ケイン)。

外国人をあまり見たことがなかった子供の頃はベン・キングズレーを普通に西洋人のおじさんだと思っていたのですが、その後彼がイギリスとインドのハーフだということを知ります。へえーっ!と驚いたのですが「ガンジー」はもとより、今ではどちらかと言うとインド系ぽい風貌を活かした役の方が普通な感じですよね。インドなまりの英語も完璧です。しかしベン・キングズレーって私が子供の時から全然変わってない。一体今何歳なの?と調べたら、72歳でした。ひえー、オーバー70か。なのに嫁をもらう役をしてるってのが凄いです。50代くらいにしか見えません。

この二人の心の交流が描かれるんですが、いかにもいかにもなヒューマンさで演出されていないのがいいんですね。教習を重ねるごとにお互いのことを話したりして、少しづつ少しづつ心が通って行くわけです。このまま二人は恋愛関係になるのかな?と思いきや、中盤でダルワーンは新妻を迎えます。女性が喜ぶプレゼントは何かとダルワーンがウェンディに聞き、彼がロマンチックな詩集を準備していたシーンがあったので、てっきりウェンディへのプレゼントなのかと思ってましたが新妻へでした。

インドから来たばかりの新妻ジャスリーンの人生も少し描かれるんですよ。ずっとインドにいた彼女は英語も苦手だし、家にこもりがちになってしまいます。引きこもりがちだったジャスリーンですが、生理用品が切れたので外に買いにいかなければならないことに。思い切って家の外に一人で出てみた彼女はお店へ。ところが店員に聞いても、まともに取り合ってくれません。そこで買い物をしていたインド系の女性が助けてくれて、彼女と友達になるという素敵エピソードがありました。

ウェンディは離婚(しかしその後に絶倫のお相手ゲット)、ダルワーンは結婚ということで、やっぱり恋愛にはならないのか、と思うわけですが。しかしこうやってなんでもかんでも恋愛に結びつけてしまう思考、我ながら単純だよなあ~と思ってしまいます(恥)。ダルワーンとウェンディのダイアローグのシーンが本当に心地よいんですよ。親愛の情に人種も性別も関係ないんだな~と改めて思い、爽やかな気分になるわけです。でもウェンディの家出してしまったお父さんのエピソードはちょっと余計だったかな~。

こうしているうちに、ウェンディの実技試験の日がやって来ました。一度はパニックになってしまって不合格、もう運転ムリ!と辞め てしまいそうになるのですが、ダルワーンが説得してもう一度トライします。二度目はめでたく合格。喜び合うウェンディとダルワーン。二人はその足で新しい車を買いにカーディーラーのところへ向かいます。赤い車を買うことにしたウェンディ。ディーラーがダルワーンのことを夫だと間違え、ダルワーンが否定しようとするんですが「いいから」とウインクするウェンディ。

教習卒業ということは、もう定期的に会うこともないわけで・・・。これはちょっと寂しいですね。ここでダルワーンが「よければ、お祝いも兼ねて、一度僕と食事を」と思い切って誘う訳なんですが、ここがすごくドキっとするんですよ。恋愛が始まると思ってたけど始まらないから、もう友情路線で行く訳ね〜と油断させられていた分、ドキっするんですよ。またベン・キングズレーの演技がすごくいいんだ。少し情熱を秘めた目になってるんですよね。でもウェンディは彼の気持ちを知りつつも優しく断るわけです。そう、これでいい、これでいいんだ・・・と寂しくも安心したり。ほんと、大人な仕上がりになってます。

その後、二人はお互いの人生に戻って行くんですが、それがやはりこれがベストという結果なんですよね。ダルワーンは新妻と一緒に慎ましくも幸せな生活を始め、ウェンディは新車で娘のいる田舎の牧場へ向かいます。きっとウェンディはウインカーを出す時、巻き込み確認をする時などに指導してくれたダルワーンのことを思い出してると思うんです。彼のインドなまりの英語も。離婚でひどい人生だと思っていたけど運転免許取得にチャレンジすることで、もう一度彼女は歩き出したのです。そしてタイトルの「Learning to drive」が出てEND 。これはちょっと泣いちゃいましたね~。車だけじゃなくもう一度人生をドライブする術を学ぶ教習だったのだな、ということですよね。

とにかく主演二人の演技が素晴らしい。大人(キングズレーはオーバー70)になっても、時に人生には不器用。その姿がキュートで愛おしいのです。爽やかな大人の再出発ムービーとしておすすめです。


『スポットライト 世紀のスクープ』ペンは剣よりも強し、を地で行く実録もの






実話ベースの社会派骨太な映画ということで、楽しみにしていました。しかし・・・しかし・・・今回も英語が難しかった・・・。マネーショート」よりはいくらかマシでしたが、敏腕記者たちが話す高速英語の聞き取りは難易度が高かったです。「マネーショート」といや、「華麗なる大逆転」という邦題サブタイトルが付いていますが、本作も「世紀のスクープ」という邦題サブが付いています。前者の邦題サブには困惑させられましたが、本作の方は内容と非常に合ってましたね。

本作はアカデミー賞の作品賞と脚色賞を受賞。 マーク・ラファロとレイチェル・マクアダムスがそれぞれ助演男優、女優でノミネートされていました。この通り、アカデミー会員も太鼓判を押すハイクオリティな映画なんですよ。スクープ の内容は聖職者による組織的な少年性暴行事件という非常にヘビーなものなんですが、当時の被害者一人一人に会ってインタビューし、記事にしていくという地味な地味な仕事に密着。記事発表の朝までの取材を静かに追った映画です。

ボストン・グローブ紙のジャーナリストに扮するのは「バードマン」のマイケル・キートン、リーヴ・シュレイバー、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズら。彼 らが「スポットライト」というコーナー担当で、チームを組んで取材にあたります。やっぱり実話ベースってことで「マネーショート」とどうしても比べてしまうんですが、やはり新聞記者たちのキャラ立ちに期待しちゃうじゃないですか。80年代はコウモリをモチーフにした自警団的ヒーローをしていた叩き上げの敏腕デスクがマイケル・キートン、手から極太の針を出す、クマのように獰猛になるミュータントのリーヴ・シュレイバー(同じ能力を持つ弟のヒュー・ジャックマンとは決別)、いつもは温厚だけどひとたび怒らせると緑の巨大怪物になって暴れ回るマーク・ラファロ、名探偵を翻弄する手練手管にたけた女スパイのレイチェル・マクアダムス(マーク・ラファロに想いを寄せられていたりする)・・・みたいなキャラ立ちを!(中の人過去の出演作が色々と混じってますが)

でも、そんなキャラ立ちないんですよ(てか当たり前)。みんな市井の普通の人なんですね。いかにもな劇映画っぽくわかりやすくしていないところがまたいいですね。制作側の真摯な姿勢が感じ取れますよ。フィクションの中でよくあるマスコミっぽいお約束描写(原稿書いてる横には吸い殻が山盛りになった灰皿、食べ散らかした中華料理のテイクアウト、会社のソファーで寝る、家に帰ってなくて襟が汚れていくシャツ)みたいなものもほぼなかったような気がします。

このメンツの中でマーク・ラファロは若手っぽいんですけど、年齢調べたら48歳なんですね!若々しく見えるので実年齢は意外でした。「フォックスキャッチャー」の助演も記憶に新しいですが、彼が脇にいると非常に映画が安定するような気がします。ガッチリとした助演。マーク・ラファロは主演よりも脇で輝く俳優さんなのかな。彼が出てる映画のクオリティーもそこまで「あれれ?」ってのはない気がしますし。取材中も彼の誠実な感じの人柄が出ていて、なんか好印象でした。紅一点のレイチェル・マクアダムスは敬虔なカトリッ ク教徒のおばあちゃんがいるんですが、取材を進めるごとに発覚していくカトリック神父たちの闇とおばあちゃんとの間で悩むんですね。これは辛い!宗教って、一体何なんだろう・・・とまで思ってしまいますね。

清廉潔白さが求められる職業の人が立場の弱い子供を狙って、普段から性的に虐待したり暴行したりしていたのを隠蔽していた・・・というのは、韓国映画の「トガニ」を思い出しました。あの映画も実話ベースでしたが、実際に子供たちが虐待されるシーンをホラー映画のように撮っていて胸が詰まるように恐ろしい映画でした。本作はそのようなシーンはないのですが、大人になった被害少年たちの目の死にっぷりとかが被害の深刻さを物語っているような感じでしたね。

取材の内容が内容だけに、被害者から話を聞くのは困難を極めるのだろう・・・と思ったんだけど、そこまで大変という描写はなかったように感じます。もちろん途中で泣き出したりする人もいるんですが。もしこれが日本だったら、被害者に取材するのはもっと大変なんじゃないかな・・・と思いました。取材内容が固まって来た頃に9月11日のテロが発生。アメリカ国内は色々なことが自粛ムードになり、スポットライトチームの準備していた記事も「こんな時にそんな記事誰が読みたがるんだ」ということで影響を受けてしまうのでした。打ち拉がれた時にすがりたいのは神様、でもその神様の代理人が・・・というパラドックス!

結局、ほとぼりが冷めた頃に記事を発表することになるのですが、ここの描写が静かな興奮を伝えていてよかったです。もの凄い勢いで回転する印刷所の巨大プリンター、紐で束ねられた新聞がトラックで運ばれて配達されて行きます。なんでもない早朝の風景ですが、汗と血と努力の結晶がついに世に出るのです。そして朝のオフィス、スポットライト班の部屋で鳴る電話。取ってみると記 事を読んだ読者からでした。そしてまた一本、また一本と鳴る電話・・・。それは読者だったり同じように被害を受けた人だったりの反応でした。記事は大きな 反響を呼び、隠蔽されていた忌むべき事件が世の中の人の知る所となったのです。ラストで事件が起きた場所のリストが表示されますが、もう一カ所づつ読めな いくらい多くの場所で起きていたのです・・・。恥ずかしながら、こんな事件が起きていたなんてこの映画を観るまで全然知りませんでしたよ・・・。

これは字幕か吹き替えでもう一度おさらいしなくては、と思いましたね。最近では報道の姿が問われたりしていますが、こんな風に真摯に取材を重ねて真実を伝えている人たちもいるんだ、世の中捨てたもんじゃないなと思わされました。マスコミでお仕事を頑張るレイチェル・マクアダムスといえば「恋とニュースのつくり方」というBSOL映画もありますので、キュートな彼女を見たい人はこちらも是非ご覧下さい。



『The Forest』記憶に残るのはエビのみ





日本の富士山の裾野に広がる青木ヶ原樹海が舞台とのことで、チェックしてみました。主演はナタリー・ドーマー。私が観ている映画では「ラッシュ/プライドと友情」でクリへム様のお相手をしていたり、「悪の法則」でブラピのお相手をしていたりしている「スターのお相手女優」というイメージがあります。愛嬌があって魅力的な女優さんなんですよね。前にも書いたけど、海外ドラマ「アリーmyラブ」のアリーの秘書で、カラオケやダンスが大好きなエレインを演じたジェーン・クラコウスキーに感じが似ていると思います。

そんなナタリー・ドーマー扮するサラが、日本の青木ヶ原樹海で行方不明になった双子のジェス(同じくナタリー・ドーマー)を探しに行くというホラー映画です。演じるのはどちらもナタリー・ドーマーだけど、サラはブロンドでジェスは黒髪なので見分けがつくという設定になっています。双子の片割れジェスは日本の高校で英語教師をしていたのですが、富士山の下に広がる青木ヶ原樹海に足を踏み入れてそのまま行方不明になったということ。一卵性双生児ならではの直感でジェスが助けを求めていると察したサラは、彼氏の制止を振り切って日本へ向かいます。


※以下、ネタバレします。


日本キター!!!ってことなんですが、渋谷や新宿の路上で撮影されていて、私は郷愁をかき立てられます。カラオケやファストフードの無秩序に並ぶ看板、すれ違えない程道幅の狭い歩行者用の道、そんな雑多な雰囲気さえも懐かしく、エキゾチシズムをかきたてられてしまいます。サラは東京を彷徨い「ロスト・イン・トランスレーション」な感じを味わうのですが・・・。そもそも失踪した家族を探しに来た旅なので、彼女の顔は険しいままです。ネガティブな日本描写、出るかな出るかな~とちょっとドキドキしながら観ていたら、やっぱりデター!!!

寿司屋に入ったサラは、カウンターに座っています。職人さんが「ヘイお待ち!」と寿司下駄を出すと・・・そこに乗っていたのはまだピチピチと動くエビの頭とシッポ・・・。「あら活きがいいわね」と思うでしょうか?でも、それが実にゲテモノっぽく撮られているんですよね。確かにピチピチと動く間隔が細かくてちょっと気持ち悪いんですよ(海外人気の高いホラー映画「オーディション」で切り取られた舌がピチピチと動いているシーンを思い出した)。「ヒッ!」とひるむサラ。「し、死んだのを下さい!」と言うんですが、それをカウンターに座っている他の日本人客が排他的な視線込みで笑っているというシーンがありました・・・。はあ~、やっぱり出ちゃった日本ディス。しかし、世界中に普及したスシが今さら気持ち悪いってセンス古くね・・・?とも思います。

サラは東京から富士山のふもとへ移動。青木ヶ原樹海の最寄り駅にある観光案内所に立ち寄ります。そこの地下は霊安室になっており、樹海で見つかった自殺者が一時的に安置されているのでした。しかしジェスの遺体はそこにはありませんでした。しかし観光案内所のおばちゃんもそこの娘も普通の日本人にしちゃ英語上手だな。サラは居酒屋(「やきそば」とか食べ物の名前が書かれた提灯が室内に置いてある妙なインテリア)で、オーストラリア人のジャーナリスト、エイダン(テイラー・キニー)と知り合います。エイダンは土地の事情に明るく日本語も少し話せます。サラは双子を探しに来た自分のことを記事にする約束で、エイダンと一緒に樹海へ入ることにしたのでした。

この肉厚バディな男優、どこかで見たことあるなあと思ったら、ガガ様の婚約者のテイラー・キニーですよ。私が観た映画では「The Other Woman」というBSOL映画でキャメロン・ディアスの相手役をしていました。そして、樹海のガイド役ミチに小澤征悦です(小澤さんはもちろん英語が流暢)。翌日、ミチを雇ったエイダンとサラは樹海に入るのですが 、ミチは行方不明の双子探しには否定的です。ここは自殺の名所であり、気をしっかり持っていないと、悪いスピリットに足下をすくわれっぞ!みたいな感じ。ちなみに、青木ヶ原樹海という設定の森は本当の樹海ではなく、セルビアの森なのだそうです。日本政府から樹海での撮影許可が降りなかった為の処置だとか。許可が降りないって大人の事情でしょうか、それとも危険だから?もしくはその両方?気になります。でも本物の樹海でなくても、薄暗く不気味な森の感じはまあまあ出ていたと思います。

森の中で三人は首つり死体を見つけます。死体を樹から下ろすミチとエイダン。怖いな、怖いな~。だって普通に歩いていたら自殺した人の遺体がある森なんて、恐ろし過ぎる・・・。その後、サラは森の奥深くでジェスのテントを発見します。中には見覚えのあるジェスの荷物、近くには彼女の洗濯物も干してありました。ここで待っていたらジェスはやって来る !ということでサラは残ることにします。ミチから反対されますが、エイダンもサラと残ることに。明日の朝またやってくると言ってミチは森から出るのでした。

・・・とまあ行方不明の双子を探しに来たわけですが、盛り上がるのはここまで。後はB級ともなんとも形容し難いホラー?てかそもそもこれホラーなの?という残念な映画です。サラとジェスの双子は幼い頃に両親が亡くなっているんですが、ジェスだけがその現場を目撃していたんです。だからジェスにはダークサイドに引き寄せられる性質みたいなものがあって、樹海に来た・・・みたいな回想があるんですね。サラとエイダン二人のキャンプシーンが延々と続きますが、信用出来る男だと思っていたエイダンが実は・・・みたいなくだりもあったりして、なんだったら心霊よりもそっちの方が怖いわと思いました。

サラは夜、森の中でホチコ(この名前は・・・?)という制服姿の女子高生と出会います。彼女はジェスの教え子で、ジェスの居場所を知っていると告げるのでした。女子高生ホチコは幽霊であり、おそらくジェスももう死んでいるのではないかと思っていたのですが、実は彼女は生きていたのです。それが判明するまでに森の中でサラが悪いスピリットに追いかけられたり、転んでケガしたり、穴の中に落ちたりとドタバタしますが、ここが本当につまらない。怖くもないし、ヒロインを応援したくもならないんですね。ナタリー・ドーマーは愛嬌のある女優さんと書きましたが劇中ではずっと追い詰められている顔をしているので、彼女のファニーな持ち味が全然活かされていません。

結局、行方不明になっていたジェスは無事で、探しに行ったサラが青木ヶ原樹海の悪霊にとらわれて命を落としてしまうという入れ替わりの話でした。姉妹の運命を隔てていたと思われる両親の事故にみせかけた自殺は一体なんだったのか?禍々しいものを全部目撃したジェスの方がピンピンしていて助かっていて、よくわかりません。捜索隊の中にははるばる駆けつけたサラの彼氏もいましたが、これはサラの彼氏に横恋慕したジェスがサラ破滅の為に仕組んだことで実は影でほくそ笑んでる→邪悪な双子の片割れ!みたいな話でもなかったし(そうだったとしても、どうやって悪霊をコントロールするんだってことですが)。しかし危険をおかして樹海にやってきた優しいサラがなんか気の毒という感じでもなく、結局はガイド小澤征悦が散々警告したにもかかわらず、それを聞かなかったアホなガイジン二人が樹海で無理やって自滅・・・という話なのでした。

・・・つ、つ、つ、つまらない・・・!!!せっかくの妖しい魅力に満ちた青木ヶ原樹海が可哀相!もったいない!そして筆者の心に残ったのは、寿司下駄の上でピチピチと動く切り離されたエビの頭とシッポとのみいう映画なのでした。エビのこと書いてたら、寿司が喰いたくなったわい!ということで、アカデミー賞が終ったので、名作続きの映画鑑賞はひとまず落ち着いた感じです。これからは、新作をチェックしながら、見逃していた旧作、駄作っぽいけどな〜んか気になるものをバランスよく観て行きたいものです。



『J・エドガー』プリオの確かなお仕事っぷり&アミハマのキュートさを確認


                             

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プリオの今までのお仕事っぷりを振り返る&イリヤ・クリヤキンことアーミー・ハマーの旧作チェックということで、観ました。FBIのフーヴァー長官ことJ・エドガーについて何も知らないし、アメリカの現代史に疎い私は途中で出て来る実際にあった事件を調べながらの鑑賞になりました。その途中で、この映画のことについて調べ始め(観ながら)「えっ、これクリント・イーストウッド監督なんだ!」と驚いたのでした(遅)。

J・エドガーその人とアメリカ近代史にまったく興味がないから退屈だったんですが、なんとな〜くJ・エドガーのことが憎みきれないですね。えげつないことを沢山しているおじさんなんだけど、お母さん(ジュディ・デンチ様)や公私に渡るパートナーのトルソン(アーミー・ハマー)との関係で、弱さを見せたりしてるから不思議とキュートにさえ見えて来る。プリオの熱演によって魂を吹き込まれているからでしょうか。やはりプリオのお仕事、ビシっと仕上げていますよ。今回はハゲちらかしたり、腹がダブダブになったりしていますが、そんな身体的欠点も哀愁に昇華されていました。

出世した後ドヤ顔で昔話を語るプリオ、キング牧師のセックス・スキャンダルの音声テープをコッソリと聞くプリオ(秘書にそれを見られてしまうプリオ)、ママボーイなプリオ、ママが亡くなった後でママのドレスや装飾品を身に付けるプリオ、ホテルの部屋でトルソンと「抱く抱かない」で乱闘騒ぎになるプリオ・・・と見所もいっぱいです。

しかし妙に照明が暗い映画だったので「妙に変だな〜。うちのテレビの光量が足りてないのかも・・・?」と調節してしまいましたよ。シーンによっては顔の表情が全然見えなくて、意図していたものだったとしてもかなり微妙な感じ。だからなのか、秘書のヘレンがナオミ・ワッツだと知ったのは途中で鑑賞しながらWikiを見ていたときでした!う~む、さすがは美人だけど印象に残らない女優ナンバーワン。この秘書がハッキリと明言されてはいないんだけどレズビアンで、ずっとJ・エドガーの近くで彼とパートナーのトルソンのことを見守っているという構図がなんだか泣かせました。

そしてそして、イリヤことアーミー・ハマーなんですが、もうほんっとうにキラキラしてる!美少女!フレッシュな新人としてJ・エドガーの前に現れるんですが、目がくらむかと思うくらいペカーッと輝いていました。くりっとした青いおめめがお人形さんみたいです。筆者は「コードネーム U.N.C.L.E.」にハマって、関連のTwitterアカウントをフォローさせて頂いているのですが、色々と彼の写真(オフショット含む)が流れて来るんですよ。本当に子供みたいな無垢な人なんだなあと思う次第です。「可愛い」というほめ言葉を男性にも使いますが、彼の場合は子犬や赤ちゃんと同じカテゴリーに属する「可愛らしさ」。ローン・レンジャー」のときはジョニデと二枚看板になってるけど、誰これ?で、特に何とも思わなかったんですけれども・・・これはもう巡り合わせですね。ホテルの部屋で乱闘というのはU.N.C.L.E.でもありましたな(笑)。

しかし、不思議なのが本作における老けの速度。どう見たってJ・エドガーの方がアーミー・ハマー演じるトルソンよりも年上なのに、トルソンのが急速におじいちゃん化しています。小刻みにブルブル震えたりしていて、妙に変だな~って感じ。老人メイクもかなり盛っていたし、ちょっとコント感があるのが残念でした。まあそう言ったって「サヨナライツカ」の西島さん(及び加藤雅也)の老けメイクの破壊度には到底かないませんが・・・(笑)あんなにブルブル震えていたトルソンよりも、ピンピンしていたJ・エドガーのが先にお迎えが来てしまうのもなんか変でしたねえ。

とうことで、イーストウッド監督作品&プリオ主演作なんですが残念ながら賞レースには引っかからなかったようです。しかしお爺さん同士のBL・・・・見た目は干し柿みたいなんだけど、この2人は長年連れ添って来た歴史があるから純愛度が高い。なんだったら可愛らしいですよ。子供がそのまま大きくなった様なアミハマにキラキラした瞳で「三食どれかのうち一食は僕と一緒に食べて欲しい」(セリフうろ覚え)なんて言われたらたまりませんよ。このセリフはほぼプロポーズですな。


『スティーブ・ジョブズ』おファスが存分にスキルを発揮!さて受賞は・・・?







久々のおファス出演作。嬉しいことにおファス出演作は何本か待機しているんですよね。マリオン・コティヤール共演の「マクベス」もそう。でもこれはシェイクスピアだし、あんまり面白そうじゃない・・・。X-MEN新作は楽しみですけれども。

ということで本作ですが、遂におファスがアカデミー賞主演男優賞にノミネート。二年前は「それでも夜は明ける」で助演男優賞ノミネート止まりでしたが、今年はどうでしょう。

映画を観た限りでは、あますところなく演技スキルを発揮し熱演していましたよ。もしかしたら取るかも・・・?でもそうしたら「レヴェナント」のプリオが可哀相・・・みたいな雑感といったところでしょうか。助演女優賞ノミネートのケイト・ウィンスレットもいつものようにガッツリ盤石の演技。ゴールデングローブでは受賞をしています。そういえばプリオとケイトは仲が良いらしいので、プリオ受賞の暁にはケイトの表情もカメラに抜かれそうですな。

アップルの偉い人(ザックリ)だったスティーブ・ジョブズの変則的な伝記映画なんですが、アップル製品ばかり使っているのにジョブズさんのことはほとんど何も知らなかったんですよね。でもそんな門外漢でも、重要なプレゼンの前に巻き起こるあれやこれやを三回見ることで、彼がどんな人物でアップルがどんな変遷を辿って来たのかが理解できるような作りになっていたと思います。

三回のプレゼン前に挟まれる細かいカットのニュース映像(恐らく実際のもの?)などでドキュメンタリー感があったし、80年代から90年代後半までをタイムマシーンでぶっとばしているような感覚がありました。脚本が優れていると思いましたよ(英語が高速でついていけないところもあったけど・・・汗)。監督はダニー・ボイルですか。スタッフ関係のオスカーノミネーションは今回は残念ながらなしでしたが、よく頑張っていると思います(上から目線)。

とにかくおファスの熱演がなければ成立しなかった、というくらい主演男優が出ずっぱりの映画です(駆け出しの頃の回想シーンもあり)。しかし今回のおファスはなんだか怖い!いつものように「ウホッ、いい男!」という視線でまったく見られないんですよ。なんか怖いからなるべく近づきたくない、面倒くさ〜い人。カリスマ的であるけれども暴君なリーダーでもあったというジョブズの演技がそうさせているんだと思います。

ジョブズとおファスの顔は全然似てないんですけどね。98年のときは白髪にして黒タートルネックにジーンズという記号があったので、それっぽい感じはかなり出ていましたが。前におファスのことを知らない友人に「この人が好きなの」って写真を見せたことがありますが「神経質っぽいハンサムだね」とコメントされました。神経質っぽい!そんな彼の持ち味が今回のジョブズ役にかなり取り入れられていたのではないかなと思います。

そんな暴君の脇でガッチリとサポートするのがマーケティング・エクゼクティブであるジョアンナ・ホフマンを演じた盤石のケイト・ウィンスレットですよ。あんな面倒くさそうな人と長年働いているのもすごいし、さりげなくプライベートの面倒も見てくれたりして、実に有能!いくらカリスマでもジョブズみたいな人は嫌だけど、ジョアンナみたいな人となら一緒に働きたいもんだのう・・・と思ってしまいました。

しかし大事な新製品発表の前に色んなことが目まぐるしく起こりまくる。元恋人が娘を連れて「認知しろ、養育費よこせ」って突撃してきたり、元ビジネスパートナー(ジェフ・ダニエルズ演じる元アップルCEOのジョン・スカリー)が喧嘩をふっかけてきたり。普通の人なら大規模な会場での新製品プレゼンなんて緊張してしょうがないだろうに、ジョブズには公私ともに厄介な問題が山積していてそれが容赦なく襲って来る。それなのに全然心が折れたりしないしブレないのが凄いなあ、やっぱり常人とは違うんだなあ・・・と感心してしまうのでした。

本作の中で主要な筋になっているのがジョブズと娘との関係です。すべてのプレゼン前に娘が現れて、絆したり喧嘩したりするんですね。町山さんのポッドキャストで「リア王」のリア王と末娘の関係がモチーフになっているということを知りました。最後、98年のプレゼン前に長年の確執がとけて和解ムードになるんですが、野暮な私は「認知拒んだり、学費を旧友に払ってもらってたりしてたのに、結局は娘のことを愛していってわけ・・・?だったら最初っから可愛がれよ!」と思ってしまったのでした(笑)。

おファスもケイトも素晴らしいパフォーマンス、脚本も素晴らしい良質作品なのはわかりますが、カリスマ的なリーダーの伝記ということで個人的にはあまり好みでない題材でした。今のところ観た中では「リリーのすべて」のエディ・レッドメインの演技が良かったかな。

しかしボンダイ・ブルーのi-Mac懐かしいですね。筆者が初めて触れたパソコンがコレだったんですよ。でも使い心地は決して快適とは言えないモノでした。初期不良だったのか高頻度でフリーズしまくり、まっすぐに伸ばしたゼムクリップを何回リセットの穴に突っ込んだことか・・・。その後はウィンドウズ機を一代経て、MacBook Proに買い替えました。これはすこぶる快適に動いていて6年目に入るところ。たぶん壊れてもまたMacを買うと思います。iPodを二代に渡り酷使した後はiPhone(未だ4)にし、iPad2で電子書籍を読んでいます。アップル製品がないと生活が成り立たない、という人の一人としてジョブズさん、パーソナルコンピューターを売り出してくれてどうもありがとう。と感謝の意を伝えたいと思います。


『Joy 』オスカー主演女優賞ノミネート、でも映画としては凡作





さてオスカーのノミネートも発表されたし、こちらの方もチェックしていかなければなりません。なるべく多くの作品を発表までに観て、一体感を味わいたいものです。ということで、まずは手始めに軽めのものから。ジェニファー・ローレンスがまたもや主演女優賞にノミネートされている映画です。アイディア商品を通販で売って大成功した主婦のサクセス・ストーリーらしい、という程度の情報で鑑賞してきました。

う〜ん、面白くないわけじゃないけど、軽い。オスカーの候補になるにはライトすぎるような気がする・・・と言ったところです。ゴールデングローブ賞のコメディー・ミュージカル部門の作品賞と女優賞にノミネートされ女優賞で受賞していますが、アカデミー賞はないんじゃないかなあと思います(もう一度もらってるしね)。しかしジェニファー・ローレンスは業界での人気が高そうですね。



※ネタバレ第一段階(予告編程度)



シングルマザーのジョイ(ジェニファー・ローレス)は一家の大黒柱。優しいおばあちゃん(ダイアン・ラッド)と、いつもテレビにかじりついているお母さん(バージニア・マドセン)と二人の子供たちと一緒に暮らしています。離婚した夫トニー(エドガー・ラミレス)が地下室に間借りしているという風変わりな家族。そこへ今嫁と別れたお父さん(ロバート・デ・ニーロ)が転がり込んできます。面倒ばかりかける家族にウンザリしているジョイ。実は彼女は発明や創意工夫に対する情熱を持っていました。ジョイのお父さんは雑誌の交際欄で知り合った新しい恋人トルーディー(イザベラ・ロッセリーニ)と付き合い始めます。トルーディーのボートで割れたワイングラスを片付けたジョイは、モップを絞る時に中にあった破片で手を切ってしまいます。それに着想を得て、取り外し出来るモップヘッドを考案し、プロトタイプを作ろうとしますが・・・という導入部です。

これは89年の話なんですが、取り外し出来るモップヘッドってアメリカになかったんだ・・・と意外でしたね。ジョイが発明したモップヘッドはそのまま洗濯機で洗えて新品のようになります!というのも売りのひとつ。えっ・・・床を拭いて汚れたモップヘッドを洗濯機に入れちゃうんだ・・・とこれもプチ・カルチャーショックですよ。友人から聞いた話ですが、欧米は洗濯機を2つ持ちして、汚いものを洗う洗濯機とそうでない洗濯機と使い分けている家庭もあるんだそうです。へえー!ちなみに筆者が住む中欧某国、義理の祖母も母も床掃除にはモップを使っています。筆者は小学校のころに学校でモップを使って以来ご無沙汰なので、どうもモップには抵抗があるというか馴染みがありません。水を絞る機械がついたバケツみたいなのがあるじゃないですか。あれに溜まった汚水を見るのも地味にイヤ・・・。日本式だと掃除機をかけて、その後ウェットのクイックルワイパーで拭くのがスタンダードですよね。

だから引っ越して来たときにクイックルワイパー的なものを探したんですよ。スーパーやホームセンターを何軒も回ったけど見つからず。ウェットになったシートは売ってましたが、スティックがない!どこにもない!!!義理の母に除菌も出来て使い捨てのクイックルワイパーの利点を説明すると「すごく合理的ね」と感心していました。ローカルも感心する商品なのにどこにもスティックが売ってない!だから帰省のときに買って持って来ましたよ、スティックを・・・。なんか情けなかったですね。こんなモノさえも日本から持って来なきゃいけない国に住んでるのかと思うと。でも思ったんですが、床面積が日本よりも広い為にウェットシートだと限界があるんじゃないかと。広いから拭き掃除の途中でウェットシートが乾いてしまうんですね。だから水で濡れ拭きしたほうが合理的で経済的なのかもしれません・・・。などと拭き掃除について長々と語ってしまいましたが、やっぱり除菌も出来るクイックルワイパーは素晴らしい商品です。



※ネタバレ第二段階(ラストまで)



ヒロインのジョイは小さい頃から何かをクリエイトするのが好きだったので、渾身の取り外しモップを作り親友ジャッキー(ダーシャ・ポランコ)と一緒にKマートの駐車場で寒空の下デモンストレーションするんですが、もちろん全然売れません。どちらかがサクラのフリをして、やっと人が集まったと思ったら警察が来て「敷地内で商売しないで下さい」と子供の前で怒られます。それを偶然通りかかった元夫にも見られます。最初はうまくいかなくって大変なんですが、やっぱりどん底描写がちょっと甘いんですよね(「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」も同じ)。こんな生活やだ、発明で一発当てて自分のビジネス切り開いたる!ってハングリー精神もそこまで強く描かれてなかったように感じます。

しかし別れても良好な関係を続けていた元夫が、通販会社の重役との間をつないでくれるんですよ。「一番仲の良い離婚カップル」と語り部になっているヒロインのおばあちゃんが言っていましたが、ヒロインの人間力が素晴らしいんですね。そしてほっぺたがプクプクの庶民派なジェニファー・ローレンスだから、応援したくなる。キャスティングは最高だと思います。しかし、彼女の演技力をもっと活かせる脚本でないのが残念と言えば残念。さて、元夫に紹介してもらった通販会社の重役ニールとは・・・ブラッドリー・クーパーでした。あれ、この二人のカップリング、それにデ・ニーロのお父ちゃん、これはもしかして「世界にひとつのプレイブック」と同じ監督かい?とここで気が付く私(遅い)。

デヴィッド・O・ラッセル監督と役者陣は「アメリカン・ハッスル」でも組んでいるので、非常に相性抜群&仕事しやすいのだとは思いますが、正直「またかよ!」って感じもしますね。「アメリカン・ハッスル」でジェニファー・ローレンスがゴム手袋してキレ気味にダンスしながら掃除するシーンは最高でしたが、この映画にはそういうドメスティックな面白みが足りてないように思いました。しかしやっぱりジェニファー・ローレンスとブラッドリーさんのスクリーン上の相性はすごくいいんですよね。ビジネスパートナーでロマンスには発展しないんですが、彼らがビジネスの関係を作り上げて行く過程はしっかりと描かれていたように思います。

通販番組でモップを売ることが決まって喜ぶジョイと家族ですが、パーソナリティーがデモに失敗したせいで大量の在庫を抱えてしまいます。ジョイは再びニールに直談判して今度は自身が番組でデモをすることに。衣装ではなく気取らないいつもの格好でテレビに出たジョイですが、初めてなので生中継に固まってしまいます。放送事故になりかけのとき、親友のジャッキーがお客さんとして電話をかけてきてくれるのでした(機転のきく、ええ友達や)。それで緊張のほぐれたジョイは立て板に水、素晴らしいデモをして注文が殺到。ここはドラマチックに撮られていて、ちょっと涙ぐんでしまいました。

その後もスマッシュヒットを飛ばしたモップですが、立て続けに不幸がジョイを襲います。愛するおばあちゃんの急逝、パテントを盗んだ会社とのトラブル、それによる多額の借金そして自己破産。しかしジョイは負けません。資料を調べ上げて有利になる証拠を掴み、直接敵側と交渉して勝利を収めるのでした。シングルマザーが持ち前のガッツで何か大きなことを成し遂げるというのは、ジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」みたい。その後、ビジネスは順調に成長しますが、デ・ニーロのお父さんと異母姉妹と経営でモメたりもしたようです。でもお父さんの面倒を最後までキッチリ見て、揺るぎないビジネスウーマンになったジョイは昔の自分と同じように発明をする若い女性をサポートしたりもしています。小さい頃に作った紙の工作を見つめて「ここまで来たんだわ」と人生を振り返るのでした。

長いタイムスパンのお話なので難しいかもしれないんですが、なんかシーンごとに出来が全然違うんですよね。一番の盛り上がりは生中継の通販でジョイがモップを売るところ。そこは素晴らしかったんですが、あとは特筆するべきところが見当たらない平凡な出来だったと思います。家族の人数が多過ぎてメンバー各人とジョイとの絆もなんか薄まっちゃった感じがしましたし・・・(ジョイと二番目の子供はほとんど話してなかった気がする)。あとやっぱり筆者はベタな浪花節が好きなので、どん底描写をもっと描いて欲しかったかなあ。イライラしたジョイが近所のおじさんのライフルを借りて打つシーンはよかったですが、たとえばジョイがテレビばっかり見てるお母さんにキレて、テレビを窓から投げたりとかしてもよかったと思うんですよ。それで仕事が成功した後で、お母さんの部屋に新しいテレビが置いてあればなんかいいじゃないですか。

今回の感想を書くにあたってラッセル監督の「世界にひとつのプレイブック」と「アメリカン・ハッスル」の感想を読み直してみたんですが、結構けなしていました。本作もつまらない映画じゃないんだけど何かが足りない。何かが3つくらい足りないんですよ。やっぱり過大評価されてんじゃないかな〜。彼の作品を全部観た訳じゃないですが、ラッセル監督作品と筆者は合わないんだな、と思った次第です。俳優や女優を輝かせる手腕はあるのだから余計なお世話かもしれませんが、これからは兼脚本しないで監督に専念した方が良いのではないかと。あとジェニファーやブラッドレーさんに代わる新しいスターを探した方が寿命が伸びるんじゃないかと思いました。




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