@itan-journ@l praha

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『Všichni moji blízcí 』 僕の愛する人は皆・・・悲しいヨーロッパの歴史

allmylovedonesdvd.jpg


学校の文化プログラムで鑑賞しました。日本未公開作品でDVDも出ていない様ですが、チェコではわりとヒットした作品のようです。英語のタイトルは「All my loved ones」。ナチスのヨーロッパ侵攻によりバラバラになったユダヤ系一家の悲しいお話です。迫害されたヨーロッパのユダヤ系というとアンネ・フランクとその一家が有名ですが、同じように悲惨な目にあったユダヤ系ファミリーの話は当時の欧州中に無数にあったのでしょう。

中欧ではナチスドイツの侵略が本格的になってきた第二次大戦直前に、キンダートランスポートというイギリス政府による疎開プロジェクトが存在していたそうです。このプロジェクトはホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)による被害からユダヤ系の子供たちを守る為に集団でイギリスへ避難させるというもので、これによって多くの子供たちが救われたそうですが国に残った家族たちはホロコーストの犠牲になり、渡英した子供達だけが生き残ったという家庭も多かったとのこと。この話は、義理の母マミンカから聞いたことがあります。それというのもマミンカの友人のマダムR(以前にチェスキー・クルムロフを案内してくれた老婦人)もこのキンダートランスポートで助かった一人ということなのです。

マダムRと初めて会った時、イギリス人のように綺麗な英語を話すため(彼女によると若干ウェールズなまりがあるらしいが)普通に英国のおばあさんなんだと思っていましたが、キンダートランスポートで渡英しイギリス暮らしが長かったためなんだそう。「ナチスドイツ」とか「ホロコースト」とか、受験世界史の教科書の太文字でしか認識していなかった私は、リアルな歴史の生き証人と直に会って思わずゾクっと身震いする思いでした。マダムRは「イギリスはわたしの第二の故郷よ」とかなり英国びいき。「アメリカの英語は英語とは認められないわ。マイディアー」などと、この上なく美しいイギリス英語で言うのです。発話の最後に「マイディアー」をつける人とリアルで会ったのはこれが初めてかも知れません。そう言えばクリスティーナ・リッチ主演の「耳に残るは君の歌声」もロシアから英国に渡ったユダヤ系少女の話しだったっけ。船が英国の港に着いたときにイギリス人のおじさんが「ここは英国だよ。マイディアー」と言っていたのを覚えていますよ。シャーロック・ホームズだってワトソンくんに「マイディアーワトソン」と呼びかけているし、私の中でイギリス英語といえばマイディアーになってしまいました。

ドイツやオーストリアにおけるキンダートランスポートは政府からのサポートがあったそうですが、チェコスロバキア(当時)におけるそれは殆どある1人の英国人ニコラス・ウィンストンによってオペレーションがなされていたそうです(ウィンストン自身もユダヤ系らしい)。「シンドラーのリスト」みたいなことが当時のチェコでも行われていたんですね。彼の尽力によって700人近くの子供たちが英国に渡り、その中から著名人も輩出されています。ニコラス・ウィンストンさんは今もご存命で、プラハに来てキンダートランスポートによって救われた子供たちと同窓会をしたりするそうです。この映画もウィンストンさんがプラハで元子供たちとの再会を喜ぶ実際のニュース映像から始まりました。

主人公の男の子デイビット(ブラノ・ホリチェック)は、開業医のお父さんヤコブ(ヨゼフ・エイブラハム)と美人のお母さんイルマ(リブシェ・サフラーンコヴァー)の間に生まれて恵まれた環境の中、すくすくと育った男の子。彼はロンドンでの演奏旅行を終えて帰って来たバイオリニストの伯父さんのサミュエル(イジー・バルトシュカ)を迎えに駅まで行きます。サミュエル伯父さんはイギリス人のウィンストン(ルパート・グレイブス)と道中を共にしていました。この映画で実在する人物はウィンストンさんのみで、あとはすべて架空のキャラクターですが史実には忠実に作ってあるそう。なので実際にはデイビットくんのような家族もおそらく存在していたのでしょう。

ウィンストンを演じるのはBBCのドラマ「SHERLOCK」のレストレード警部役でおなじみのルパート・グレイブスです。99年の映画なので、この頃はまだ若いですね。彼の英語もとても綺麗です。私はこの映画がてっきりウィンストンを主軸にした伝記系ドラマかと思っていましたが、映画はほぼデイビット少年の目線で描かれます。大きなお家に優しい家族、可愛いガールフレンドのソシャ(ルシア・クルコヴァ)もいて幸せを絵に描いた様な生活を送っているんですね。家族みんなで集まって集合写真を撮るのですが、まさかこれが最後の集合写真になろうとは・・・という切なさが冒頭から滲むんですよ。

とにかくデイビットの役の子が可愛いこと!顔も天使のように可愛いし、利発さもありつつ子供らしさが残った演技も素晴らしいです。チェコには美少年がザクザクいる !と常日頃から思っていましたが、まさにその通り。しかしローティーンくらいの美少年はたくさんいるんですが、この国にはイケメンがいないんですよ。一体どうしてでしょう???ガールフレンドのソシャと目隠ししてジャムの味をあてっこしたり、二人だけの手作りの結婚式をあげたりとリア充爆発の可愛らしいシーンが続きます。

アメリカで風来坊をしていたお父さんの弟マックス(オンドジェイ・ベトヒー)が帰ってきました。チェコの映画を観ているとよくオンドジェイさんに出くわします。「ダーク・ブルー」や「幸福の罪」にも出ていました。彼はチェコ人ですが黒髪黒目で南欧っぽいエキゾチックなルックス。彼は私が観る映画でよく登場するので私の中では「チェコの香川照之」ということになりました。

一家には住み込みのドイツ人のお手伝いおじいさんがいるんですが、この人が情勢が移り変わるにつれてどんどん変わって行くんですよ。最初は人の良いおじいさんだったんですが、ナチスドイツ侵略後からドイツ側になって家財没収などの窓口になったりして。こういう戦争のせいで人が変わって行く描写も切ないんです。このドイツ人のおじいさんがデイビットとソシャにドイツの小唄を教えるんですが、それがナチスの軍歌だったんですね。「ドイツ語の歌うたえるよ!」と歌い出した子供たちに周りの大人がドン引きというシーンがありました。ドイツ人のクラスメートによると現在ドイツでは禁止になっている軍歌なんだそうです。ちなみにヒトラーの著書「我が闘争」もドイツ国内では規制されているんだとか(他国では翻訳版を手に入れることが出来るそうな)。

バイオリニストのサミュエル伯父さんは長らく独身貴族でしたが、心に決めた年若い恋人と結婚することにします。恋人はもちろん彼がユダヤ系ということを知っていてお嫁に来る予定だったのですが、彼女の父親に反対され婚約破棄することに。伯父さんはかなり可哀相で商売道具のバイオリンを売ったお金でフランスに移住しようとしますが、マネージャーに騙されてお金を持ち逃げされてしまったりします。そして最後はホテルの部屋で自殺。しかし生前、知り合いだったウィンストンにデイビットをイギリスに疎開させてくれるように頼んでいたのでした。

デイビットのお父さんとお母さんは疎開に関して悩みます。特にお母さんは可愛い息子を二度と会えないかもしれない外国に、たった1人でやるなんて・・・という気持ちと、でもここで疎開しなければ命が助からないかもしれない・・・という気持ちの間で悩むんですね。お母さんを演じるリブシェ・サフラーンコヴァーさんは色気のある熟女。どこかで見たことあるような・・・?と思ったらチェコのクラシック映画「ポペルカ」(シンデレラ)のヒロインを演じていた可憐な少女だったのでした。「ポペルカ」はクリスマスシーズンになると必ずテレビで放映されるおとぎ話です。私も観たことがありますが、馬を乗り回したりするちょっと勇敢なシンデレラという感じの話でした。お父さん役のヨゼフ・エイブラハムさんとは実生活でも夫婦なんだそうです。

結局、夫婦はデイビットをキンダートランスポートすることにするんですが、彼には「夏休みにイギリスへホームステイに行きなさい」と本当のことを言わないんですね。「イギリスってどんなところかなあ?」と言う息子と親が一緒にパッキングするシーンが切ないです。短パンばかり履かされていたデイビットはずっと長ズボンが欲しかったのですが、最後にお父さんから長ズボンをもらうんですよ。ここも切ないです。この辺の張り裂けそうな親心描写は、お子さんをお持ちの方なら号泣メン必至かもしれません。

出発の日、ソシャも一緒の列車でイギリスへ行く予定でしたが書類の不備で次の列車に乗ることになってしまいました。「イギリスで待ってるよー!」と車窓から手をふるデイビット。列車が見えなくなるまで追いかけるソシャ。しかし数日後に第二次世界大戦が会戦し新たなキンダートランスポートの列車が出ることはありませんでした。ここも切ない!!!結局、冒頭の記念撮影に写っていた人のなかで、デイビットだけが生き残ったのでした。最初タイトルの「All my loved ones」はウィンストンさんから見たユダヤ系の子供たちのことを意味しているのだと思っていましたが、実は戦争で愛する人すべてを失ったデイビット目線でのタイトルだったのです。僕の愛する人は皆・・・。悲惨すぎる・・・。

この作品は72回アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされたそうですが、残念ながら受賞は逃しています。「ダーク・ブルー」も知られざる戦時中のチェコ人の話でしたが、映画を通じて知らなかった歴史に触れられてとても有意義でした。私は本を読むのが苦手なので、フィクションでも歴史の一端を知ることが出来ることは良いことだと思うのでした。戦時中もいいですが、共産主義時代の話も気になります。「存在の耐えられない軽さ」も大昔に一度観たけど、また改めて見直してみたいですね。

参考URL:
http://en.wikipedia.org/wiki/All_My_Loved_Ones
http://en.wikipedia.org/wiki/Kindertransport
http://en.wikipedia.org/wiki/Nicholas_Winton

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『Vratné lahve』老いても何気にリア充なチェコのお年寄り


Empties.jpg

脚本/主演は、チェコのショーン・コネリーことズデネック・スヴェラーク。


学校の文化プログラムで鑑賞しました。映画の文化プログラムはこれで3本目です。1本目は宮崎駿も絶賛した「ダーク・ブルー」を鑑賞。2本目は昔のミュージカルだったのですが、退屈すぎて途中で寝てしまったので感想文はスキップすることに(汗)。そして3本目が本作です。

「ダーク・ブルー」と同じくヤン・スヴェラーク監督、ズデネック・スヴェラーク脚本の親子コンビによる映画です(今回お父さんのズデネックさんが脚本と主演を兼ねてます)。英語のタイトルは「Empties」。チェコ語のタイトル「Vratné lahve」は「払い戻し出来る瓶」みたいな感じなんですが、主人公のおじいさんが働いているのがスーパーの空き瓶回収コーナーなんですね。英語版タイトルだと、空き瓶も人間もみんなひっくるめて空っぽという意味なんでしょうかね。特に期待せずに観に行ったのですが、シニカルな中に愛らしさがある映画でした。

私はわりと最近知ったのですが、チェコのスーパーにはビールやワインの空き瓶回収窓口があって、空き瓶を持って行くと1つ数コルナに変えてくれるんだそうです。それを聞いてからうちも空き瓶を貯めているのですが、なかなか持って行く機会がなく、物置に転がっている状態です。あれ、いつ持って行けるんだろうか・・・。

解説してくれた先生の話によると、この親子コンビで一番有名な映画は「コーリャ 愛のプラハ」で、96年のオスカー外国語映画賞を受賞しました。先生によると、「Empties」はコーリャを越える興行収入があったそうで、92年以降に制作されたチェコ映画の中で最大のヒットになったそうです。人生の黄昏時に差し掛かった年代の人の気持ちをよく映し出しているビターなコメディーということで、熟年世代の人の支持が高い映画なのだそうです。しかしどうやら日本では公開されていないようだしDVDも出てないみたいです。残念・・・。





※ネタバレします。





プラハに住む高校教師のヨゼフ(ズデネック・スヴェラーク)は、少し精神が不安定なおじいちゃん先生。生意気な生徒の頭の上に水でひたひたのスポンジを絞って問題になってしまいます。同僚が庇ってくれたりするんですが、やっぱりこのまま仕事を続けていては幸せになれないということで、退職 。長年連れ添った妻のエリシュカ(ダニエラ・コラロヴァ)とは、もうお互い空気の様な存在になっています。どこにでもいる老夫婦という感じの二人ですが近年離婚率が上昇している都市部では、まあまあ上手く行っている夫婦と言っても良いのではないでしょうか。

老年クライシスに陥ったヨゼフは「学校は辞めたけど、オレまだまだ働けるし!」ということで次の仕事を探します。なんと、プラハの街を縦横無尽に駆け抜ける自転車速達便の仕事をゲット。「トラムの下敷きにならなきゃいいけどね・・・」という妻のイヤミをよそに大ハッスルして働きます。所在がないときによく行っていた公園で出会うおじいちゃん軍団にも「 オレ、今仕事してるんだ!」を見せつけたりして、可愛いと言えば可愛いです。

しかし案の定、どこかの庭先に自転車ごと突っ込んでケガ。「だから言わんこっちゃない・・・」と奥さん。そもそも奥さんは「リタイヤしたのにまたすぐ別の仕事なんて、私と家にいるのがそんなに嫌なの?!」と怒ったりしていたんですよ。そうじゃない、そうじゃないんですよ。男の沽券というか・・・やっぱり外で仕事をしてこそナンボって部分あるじゃないですか。それが奥さんはわかってないんですよ〜。

奥さんは家で語学の先生みたいなことをしているんですね。生徒はドイツ人のオッサンで、恐らく彼女からチェコ語を習っているんだと思うんですが。それで旦那の方はその生徒にちょっと嫉妬してたりしてるんですよ。もう連れ添って30年以上は経っていると思われる夫婦なんだけど、実はまだお互いにすごく関心を持ち合っているじゃないですか。無関心になるのが不仲の始まりだと思うので、充分仲がいい夫婦なんだと思うんです。

しかし、夫の方は学校の元同僚の熟女の夢を夜な夜な見たりしているんですね(笑)。列車のコンパートメントに、車掌のコスプレした同僚熟女が切符チェックに入って来るんですよ。そんで誘惑の目つきをしながら制服を脱ぐと下に、ビクトリアズ・シークレットも真っ青な赤いサテンのセクシー下着(ガーターも)を身につけているんですね。回を重ねるごとにゲスト美女も登場(笑)。そんな夢を夜な夜な見ているわけです。

他にも自転車便のオペレーションセンターみたいなところで、若いオナゴがいっぱい働いているんですが、胸元に目がいったりしていて60代のおじいさんでもこんな感じなの〜?それともズデネック・スヴェラークだから?(「コーリャ」でもそんな役でした)と思ってしまうのでした。じじいなんだけど、少年みたいなところもあってなんか憎めないんですよね。

自転車便を辞めたヨゼフ、今度はスーパーチェーンのアルベルトで空き瓶回収の仕事を始めます。先輩の退役軍人、イケてない大学院生(若ハゲ)が同僚です。最初は怖かった退役軍人のおじいさんですが、ヨゼフが仕事に慣れて来ると共に結構いい人だったことがわかります。気さくな常連さんとも顔なじみになり、すぐにいい感じになるヨゼフなのでした。もう歳なんだけど、サクっと仕事が見つかってストレスフリーな環境で楽しくお仕事、とっても羨ましいです。

この空き瓶回収部屋の壁には謎の3つのシミがあり「これって何?」と思っていたんですね。ヨゼフたちが仕事や恋で色々と悩んだときに、思わず壁に頭と両手を当てて「はあ〜、どうしたらいいんだ・・・」となるシーンがあるんですよ。そうしてハッと気が付いたら、オデコと手がそのシミと重なっているという(笑)。しかし、そのヨゼフの悩みも「元同僚の熟女から誘われちゃったたけど、どうしよっかな・・・」という贅沢な悩み。本当にリアみつるなんですよ!

若ハゲの大学院生は、いつも空き瓶を持って来るヘソ出しセクシー美女に一目惚れ。その美女はなぜかいつもヘソ出しルックで、ヘソの横に謎の縦線が何本も入っているの です。彼女の携帯を偶然拾ってラッキー!ってなるんですが、案の定フラレてしまいます。「オレブサイクだから、そのコンプレックスでいつも綺麗な女にばかりにアタックして玉砕するんだ・・・」と言っていましたが、その気持ちなんかわかる〜。ブサイクだからこそ自分と同レベルの顔では諦めきれない何かがあるんですよねえ。

そんなある日、ヨゼフの娘ヘレンカ(タチアナ・ヴィルヘルモヴァ)が幼い息子を連れて帰ってきます。夫が不倫したそうで、もうこの世の終わりみたいになっている娘なんですが、お母さんは「だからあの人は家庭人じゃないって、最初から言ったじゃない〜」と言ったりしていて結構クールです。娘が連れて帰って来た孫が、まだ2〜3歳くらいでメチャ可愛いんですよ。その子がおしっこするシーンがあるんですが、勢い良く放物線を描くおしっこを見て「その勢い、うらやましいなあ・・・」と思わず言ってしまうヨゼフなのでした。

ヨゼフの元同僚のランダ(イジー・マハーチェク)は娘のヘレンカに一目惚れ。それを知ったヨゼフは二人をくっつけようとします。ランダはヘレンカが働いているマリオネット屋さん(チェコっぽいですね)に毎日のように通い、バラの花を渡すのでした。この映画は本当に何でもない普通のプラハの街角がたくさん出て来るんですよ。「ああ、こんな場所あるよなあ〜」というロケーションがたくさん出て来て、プラハに住んだことのある人ならキュンとしてしまうのではないでしょうか。

さて、元同僚の熟女から「木曜日は何時から何時まで家に1人よ♥」という不倫のお誘いのお手紙をもらったヨゼフ。さっそく花束を携えて熟女の家に行きます。チャイムを鳴らすと、出て来たのは 熟女ではなくその旦那。手紙には木曜日と書いてあったのに間違えて火曜日に来てしまったのでした。熟女の旦那にはその場しのぎの嘘で「実は奥さんに友達の大学院生に補習授業を頼みたくて・・・」と言うのでした。

その言葉の通り、ヨゼフは若ハゲの大学院生に「元同僚が補習授業をしてやるから花もって行ってこい」って言うんですね。で、大学院生が花持って元同僚熟女の家に行くと、また曜日を勘違いしたか何かでセクシー下着をつけた彼女がお出迎え。翌日、ヨゼフが仕事場で大学院生に会うと「あんなインテンシブな授業、初めてだ〜♪」と舞い上がっている訳です(笑)。性に対して牧歌的というか、なんというか・・・。ははは・・・。

ところが、ヨゼフが元同僚熟女の家に行った日に奥さんが仕事場をサプライズ訪問していたのです。美容院に行って、髪を綺麗にした奥さんはなんだかウキウキ気分。孫の手をひいて「おじいちゃんのところに内緒で行ってびっくりさせちゃおう☆」って行くんですけど、ヨゼフは当然ながら不在。これが原因でケンカしちゃったりするんですよ。あ〜あ・・・。

奥さんの方は生徒のドイツ人男性の方に告られたりしてるんですよ。実はドイツ人のオッサン、流暢なチェコ語を操るのですが奥さんと一緒にいたいから、分からないふりをして授業を受けに来ていたんですね。「帰って下さい!」とキッパリ拒絶する奥さんなのでした。なんか夫婦二人とも年だけどチャンスがいっぱいあるじゃないですか〜。チェコのお年寄りのリアみつるっぷり、恐るべしですよ。

一方、ヨゼフが空き瓶回収の先輩である退役軍人と常連のおばさんとの仲を取り持っ たおかげで、なんと二人は結婚することに。ヨゼフはただフラフラしているだけではなく、ちゃんと良いこともしているのでした。他にも常連さんで病気がちなおばあさんの家に買物を届けたりしているんですよ。結婚式の二次会で行ったホスポダではヘソ出しルックの美女が働いていて、ズボンにボールペンを差し込むときにお腹をこすっていたから、何本も線が出来ていたのでした(笑)。こんな小ネタもいいですね!

スーパーの空き瓶回収コーナーは、新しい機械が導入されていました。お客さんが空き瓶を置くと自動的に回収するベルトコンベアーみたいな機械です。スーパーの上司は「これ導入したけど、人手はいるから心配しないで」と言うのですが、人と人の触れ合いみたいなものがなくなった職場で、もうこれ以上働きなくないということでヨゼフは辞めるのでした。ここはちょっと切ないですね〜。

やっぱり妻を大事にせんといかん!と思ったヨゼフは結婚記念日に妻に内緒で熱気球クルーズを予約。既に交際を始めた元同僚のランダと娘のヘレンカ、孫も一緒です。しかし、ランダは職業を先生ではなくIT 関係と偽っていたのでした(ヘレンカが学校の先生は嫌いなため、ヨゼフが入れ知恵していたのだった)。それもバレてしまって娘はキレるし、孫はおしっこ漏らすし、なんだか結婚記念日ムードが台無しに・・・。

妻に気球を見せて、サプライズのはずだったけど妻は「あんな風船みたいなもの怖いから絶対乗らない!!!」とガンとして動きません。熱気球の会社の人(「ダーク・ブルー」で主演したオンドジェイ・ベトヒー)が「奥さん、車より安全ですから」って言って乗せるんですが彼女が「ちゃんとライセンスを見せなさい!」と言うんです。で、会社の人がライセンスどこだっけ〜?と気球を降りて探している間に、アクシデントで気球が浮かんでしまってヨゼフと奥さんだけを乗せて飛んで行ってしまうのでした。

パニックになって「もう死ぬんだわ・・・」と奥さん。一方のヨゼフは「ほら、森だよ湖だよ、見てご覧!」とイキイキしています。気球は美しいチェコの丘陵地帯をふわふわと移動。予め用意してあった花束を奥さんに渡し、これからも二人で仲良く暮らして行こうじゃないか!とメデタシな雰囲気になりましたが、気球の火が消えてしまいどんどん下降していきます。トランシーバーで熱気球の会社の人が「ライターで火をつけてみて下さい」って言うんですが、二人ともタバコは吸わないので持ってない・・・と思いきや奥さんが持ってたんですよ。「あんたより先に死にたいからよ!」と奥さん。実は内緒でタバコを吸っていたのでした。気球は湖に着水し、沈みそうになりますが 間一髪で浮き上がりました。

これで、少し生き長らえたんだな・・・」とヨゼフのモノローグ。地面に着地してはためく気球・・・。なんだか人生って感じです。なんだかんだ言っても、当たり前に存在している平凡な幸せが一番有り難いことなんだよなあ〜と私もしみじみ。エンドロールが流れ始めましたが、すぐにおまけシーンが。

孫と一緒に列車に乗ってどこかへ移動するヨゼフと奥さん。和気あいあいとして、とても幸せそうです。ところがヨゼフは車掌さんの格好をしているんですね。で、切符チェックに行くんですが、コンパートメントの中から色っぽい女性の手が出て来て切符を彼に渡すんですよ。「お一人ですか?いやあ、これは長い旅になりそうだ・・・」と言って、個室に入るヨゼフなのでした。ふふふ・・・。このジジイは本当にしょうがないなあ〜という感じです。

観賞後、クラスメートたちは「私の国ではあんな終わり方の映画ないよ〜」とか「あんな色ボケなおじいさんはいないよ〜」と言っていました(笑)。最後の列車のシーンはヨゼフの妄想なのかなって気もしますが。だってあまりに都合が良過ぎるではないですか、ねえ。

いや〜しかし、チェコのリア充なお年寄りすごいですね。あんな風だったらきっと人生楽しいでしょう。スヴェラーク親子の映画を観ていて思うのですが、チェコ人って素朴な感じだけど性に関しては結構奔放なのかなあ〜ってことです。スーパーで逆光になった状態でスカートをはいている女性客の脚とか股とかをヨゼフと大学院生がウットリと眺めるシーンがあるんですけど 、単なるエロだけではなく女性讃歌みたいな視点も入っているように感じましたねえ。女性は綺麗だしシッカリしてるけど、男はいつまでたっても少年なんですよ、テヘへ!みたいな感じでしょうか。

しかしスヴェラーク親子の映画はどれも素晴らしいですね。限りなく優しくてポジティブな人間讃歌なんだけど皮肉っぽさもあったりして、甘辛のバランス加減が本当に絶妙です。そうそう、テレビ雑誌を見ていたヨゼフの奥さんが「あ、今日これ見なきゃ」って感じである映画に丸をつけるんですが、それが「コーリャ 愛のプラハ」でした!セルフパロディーですね。コーリャはもう10年以上前に観たんですが、また鑑賞してみたいです。

余談:スヴェラーク映画を観ての私の超個人的な印象ですけど、粋でお洒落な感じとかオープンさや陽気さをイタリア人から取り去って、性に奔放というところだけを残しつつ性格を素朴にしたらチェコ人になるような感じがします。あと理由がもうひとつ。皆さんはこの無人島エスニックジョークをご存知でしょうか?

無人島に二人の男と一人の美女が流れ着きました。さて、何が起こるでしょう?

スペイン人の場合:2人の男は決闘して、勝った方が美女と結婚する。
アメリカ人の場合:1人の男は美女と結婚して離婚。美女はもう1人の男と再婚する。
フランス人の場合:1人の男は美女と結婚して、もう1人の男は彼女の愛人になる。
ドイツ人の場合:1人の男は美女と結婚して、残った1人は戸籍係になる。
ロシア人の場合:美女は愛していない方と結婚して、3人で海辺に座って果てしなく嘆き悲しむ。
イタリア人の場合:何の気兼ねもなく2人の男は共に1人の美女を愛する。
イギリス人の場合:2人の男は愛し合い、美女には目もくれない。
日本人の場合:どうしたら良いか、本社に問いあわせようとする。

このジョークは色々なバリエーションがあるようですが、どれもパンチラインを担当するのは、やはり我が祖国ニッポンです!「もしも、これにチェコ人が入っていたらどうなりますかね〜?」と長年在住している日本人男性に聞いてみたところ、すぐに「イタリア人と同じだな!」と答えが返ってきました(笑)。

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