@itan-journ@l praha

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『ワーキングガール』80年代OL下克上物語

         



BSOL映画の元祖なのでは・・・と筆者が勝手に思っていた本作。20年振りくらいに見返してみました。一度観てはいるんだけど、もうほとんど記憶になくって色々なことが衝撃的で驚きましたね。BSOL映画の個人的な見解に関してはこちらをどうぞ。







淀川長治さんの解説↓ 日曜洋画劇場の音楽が懐かしい~。




何に驚いたかっていうと、当時の女性たちの髪型と衣装ですよ。髪型はライオンみたいにワッシャー!と根元から立ち上げてボリュームを出しスプレーでフィックスさせてるし、衣装は肩パッドが入ってて今でいうところのルーズフィット。イヤリングはでっかくて飾りボタンや円盤みたいだし、胸元にブローチつけてるし。88年の映画だから約30年前なんだけど、ものすごい異空間っていうか歴史資料を見ているみたいな気分になりましたね。80年代って本当に不思議な時代です。

主演のテスを演じるのはメラニー・グリフィス。淀川さんも仰っているようにヒッチコックの「鳥」で有名な女優のティッピ・ヘドレンの娘さんです。そしてアップデートされた経歴はというと・・・その後ラテン・ラヴァーのアントニオ・バンデラスと共演をきっかけに結婚(ぐぐぐ・・・)。一女をもうけ、バンちゃんはメラニー主演で監督デビューしたりしたけども色々あって最近離婚しました。バンちゃんの前の夫との間に出来た娘、ダコタは「フィフティー・シェイズ・オブ・グレイ」(観たけど感想ずっと書いてません)に主演しスターダムに、というメラニー本人のキャリアよりも彼女の家族の方が話題という感じですね。この頃のメラニー・グリフィスは整形前 なので唇が薄いんですよ。確かにもっと唇があったらセクシーかな~って思いますね。

テスの上司で恋のライバル、キャサリンを演じるのがシガニー・ウィーバー。なんか女性なんだけどゴツくって非常にマスキュリンな感じがするので80年代バリバリのキャリアウーマン役にはぴったりな感じ。確実に今より若いんだけど、今とそんなには変わってないってのが逆に凄いかも・・・。そして二人が取り合うイケメンビジネスマンのジャック役にはハリソン・フォードです。そもそも、なんでこの映画を観たかと言うと「インディー・ジョーンズ」で子供ながらにハリソン演じるインディーに恋してしまった筆者が、ハリソン・フォード出演作を色々観て行ったから出会ったということなのです。あんなに好きだったんだけど、今観るとハリソンがイケメン役ってな~んか笑っちゃう・・・どうしてなんでしょう?

ヒロインがドジっ娘でかつエキセントリックじゃないので、いわゆるBSOL映画というよりは日本のトレンディードラマっぽいかもしれません。ニューヨークの熾烈なM&Aビジネスが舞台なんだけど、なんかいい意味で薄っぺらくて、そこがトレンディー。メラニー・グリフィスが浅野温子で、シガニー・ウィーバーが浅野ゆう子で、ハリソン・フォードが石田純一、う~んトレンディー!!!(小石田純一風に)



※ネタバレします。




学歴はないけど夜学でビジネスを学んだテス(メラニー・グリフィス)は証券会社で働いていますが、上司からセットアップされてとあるエクゼクティブ(ケビン・スペイシー)と会うことに。しかし見事にセクハラを受けてしまい、テスは違う上司の下で秘書として働くことになります。その上司がキャサリン(シガニー・ウィーバー)。名門大学を出ているキャサリンはなんとテスと同じ30歳ですが、オフィスに個室を持ってバリバリと働くキャリアウーマンでした。

ケビン・スペイシーがセクハラ野郎の役でチョイ役出演しています。女性陣の髪型と服装にも驚いたけど、こういうセクハラがまかり通っているというのが時代ですなあ・・・。で、セクハラがないだろうと思われる女性上司の下で働くことになったヒロイン。クビにならなくてよかった・・・。しかしメラニー・グリフィスが、いくら夜学でビジネスを学んだシリアスなOLということでも、ライオンみたいな逆立てヘアーに可愛い声だから「簡単にヤレそうな女」っぽいんですよね。まあキャリアを積んで行くに従ってファッションは変わって行くんですが。しかし同じ30歳でこうも違うものかね・・・と思いますよ。

同じ年ということもあって、実にフランクでオープンな雰囲気で接して来るシガニー・ウィーバー。しかしさり気なくマウンティングしてますね。例えば、電話でペラペラとドイツ語を話してたりするシーンがありますが「あんた、外国語出来る?出来ないでしょ?」みたいな雰囲気を醸し出していました。何かアイディアがあればいつでもウェルカムよ、とシガニーに言われてメディア会社の買収を考えたテスはさっそく上司のキャサリンに提案しに行きます。

その後、スキーに行き骨折してしまったキャサリンの不在中、テスは彼女の留守を守ることに。キャサリンの家は豪華なマンションでインテリアも素敵です。一方、テスの家は街はずれの素末なアパート・・・(壁が薄そう)でもテスには素敵な彼氏がいるんですよ。それがアレック・ボールドウィン。若い!そして・・・濃 い!!!髪も真っ黒で胸毛もわっしゃー!と生えています。彼は年取って太ってしまったけど、いい感じに枯れたんだなあ・・・ということがよくわかりますね。このアレック・ボールドウィンの彼氏はヒロインが落ち込んでる最悪のタイミングで共通の女友達と浮気。後に逆ギレしてヒロインにプロポーズしますが拒絶されます(当たり前だ)。

ヒロインの親友シンシアを演じるのはジョーン・キューザック。彼女もビックリするくらい髪を逆立てて、オーロラみたいな複雑なグラデーションのアイシャドウを塗りたくり、でっかいイヤリングをして肩パッドの入った服を着ています。親友シンシアは暇なのか、オフィスだったり家だったり色んなところに出没し、ヒロインを助けてくれる存在です。

キャサリンの留守中に公私にわたってカバーをするテスですが、どうやらキャサリンが彼女のアイディアをパクろうと動いていたことがわかります。私にだって、M&Aのビジネスが出来るはず!と思い立ったテスは、キャサリンが目星をつけていた関係者のジャック(ハリソン・フォード)にコンタクトを取ることに。キャサリン宅にあったつけっぱなしのパソコン(モニターがものすんごく分厚い)に彼の名前が出てたからなんですが、当時は個人情報(誕生日、婚姻暦、家族等)丸出しの名簿的なものが閲覧出来たんですかね。これも時代を感じます。髪を短く切って、シックな黒いワンピースを着たテスは関係者が集まるパーティーへ乗り込みます。そこでハリソンにナンパされるわけです(テスはハリソンが関係者ジャックであることを知らな い)。ハリソン、キター!という感じ。しかし、私はどうして彼のことがあんなに好きだったんだろうか?と今更ながらに思う訳ですよ(笑)。やっぱりスーツじゃなくって日に焼けてホコリにまみれた冒険野郎インディーの衣装を着てないとダメなのかも?

共に仕事をするうちに、テスとジャックの仲は急接近するというお約束の展開ですが・・・これはうらやまディー(うらやましい、を超えるレベルのうらやましさを表す流行語by爆笑問題の太田光)ですよ。オフィスラブっつーのは私のアコガレだったわけです。だって仕事先にラブがあるなんて毎日会社に行くのが楽し過ぎるじゃないですか?!そんで、仕事も成功して彼との仲も深まるっていうキャリアとラブの一挙取り!でかい仕事が決まって、その帰りに盛り上がってキスをするテスとジャック。うらやまディー・・・。私も昔、会社に好きな人がいましたが仕事もうまく行かず、彼との仲はうまく行きかけてたのに絶望的になるという真逆のストーリーを体験しました。まあ、今となっては別にそれでよかったと思える訳ですが。

ところが、ジャックは上司キャサリンと付き合っていたことが判明!しかし、もうジャックの熱は冷めておりいつ別れを切り出そうかというフェーズにはいっていたのです。それを知り、テスはジャックに自分の正体を打ち明けることを思いとどまるのでした。そして女王様然としたキャサリンが松葉杖をついて復帰。何も知らないキャサリンは、ジャックと自分の関係を進展させるため、ランジェリー姿にゲランのシャリマー(彼が好きな香水)をまとって誘惑します(笑)。シャリマーはインドの宮廷がモチーフになっているオリエンタル調の香りで、かなり濃厚。それをつけた下着姿のシガニー・ウィーバーを考えるだけで胸焼けがしそうです(笑)。ところがジャックはアッサリとした対応で彼女の家を出て行くのでした。シガニー演じるキャサリンが「あれ・・・?」となるのがまた可笑しい。

キャサリンが留守中にテスがビジネスを進めていたことがバレて、大事なミーティングの席に松葉杖のキャサリンが乗り込んできます。アイディアはもともとテスのものでしたが、キャサリンに糾弾され泣く泣くその場を去るテス。そして会社を去らなければならなくなってしまうのでした。オフィスの同僚女子(みんなライオ ンヘアー)が名残惜しそうにテスが去るのを見送ります。ところが、関係者とキャサリン、ジャックとエレベーターホールでバッタリ。ここでテスの心意気に触れた相手方のお偉いさんとジャックが彼女に味方をして逆転下克上という展開になるんですね。会社はクビになったものの、お偉いさんからジョブオファーももらったし、いや~、よかったよかった。

新しい会社に出社した初日、フロアに置いてあるデスクに座ろうとしたテスですが「あなたの席はこちらです」と個室に案内されます。ニューヨークの街が見渡せる個室、そして専属の秘書まで!テスはラブも、好条件の転職も手にしたのです。うらやまディ~。不思議と「こんなうまく行くわけないだろ!」と毒づきたくならないんですよ。これも 80年代マジックなんでしょうか、どこか遠い国のおとぎ話を観ている様な感覚になってしまうのかもしれませんね。買収の話で日本企業が出て来たりするのも時代という感じ。911テロで攻撃されたツインタワーもニューヨークを語る風景として出て来ます。ラストはOL下克上、ここに完了!というストレートなハッピーエンディングでした。

いわゆるBSOL映画というよりは、ラブも絡めた女性のサクセスストーリーでした。イケメンビジネスマン役のハリソンは会社で必然性もなくシャツを取り替えるシーンがありましたが、これも今なら環境型セクハラか?でも女性陣が喜んでいたからいいのか?(笑)こういう男優のサービスシーンは現在にも脈々と受け継がれていますよね。BSOL映画「運命の元カレ」のクリス・エヴァンスなんか全裸で登場してるし。

前述しましたが、服飾文化的にはかなり歴史的な資料価値を持つものではないでしょうか。60年代70年代のファッションはリバイバルして、そういうテイストとして定着していますが80年代って結構特殊ですよね。ミレニアムのころにサッシュベルト(幅広布のベルトでリングを通して固定する)とか80年代にスターダムだったロックバンドのロゴTとか少し流行りましたが、その後80年代っぽいものはあまり出て来てないような気がします。そういえば筆者の母親が「アメリカのキャリアウーマンはみんな通勤時はスニーカーで、会社でヒールに履き替えるのよ。カッコイイわね〜」と言っていました。そういうシーンがまさにこの映画で出て来て、おおっと思いましたね。スーツにスニーカーってのもなんかNYっぺ〜!と思ったのでした(NY、まだ行ったことないんですが・・・)。



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『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』ペグ兄はボンクラ男子界の最高峰

        



ペグ兄旧作の旅、第一弾はこれです。しかし字幕なしで高速ノンストップでかまされるブリティッシュギャグを理解するのは、私には至難の業。ちゃんとセリフを理解出来ておらず状況だけを追うという感じでした。そのため感想文というよりは、どんな印象を受けたかをザックリとまとめてみたいと思います。







予告編を見る限りは単純明快なコメディー映画っぽいんだけども、とにかくセリフが高速(しかもひとつひとつが長い)!日本帰省から戻って字幕なしオリジナル復帰作第一弾目としては明らかにミスチョイスでした。あらすじは単純明快です。かつての悪ガキ仲間が故郷に集まって、昔は出来なかった地元パブのハシゴをするというもの。悪ガキ軍団の中心となるのがペグ兄演じるゲイリー(サイモン・ペッグ)、その他はでぶっちょのアンディ(ニック・フロスト)、顔の長いスティーブン(パディ・コンシダイン)、不動産屋のオリヴァー(マーティン・フリーマン)、ビー玉の様な目のピーター(エディ・マーサン)です。ニック・フロストはペグ兄の盟友なのでおなじみ。あ とジョン(from SHERLOCK)もいます。私的に一番セリフのリスニングが難しかったのがマーティン・フリーマンですね。SHERLOCKもオリジナル言語で何回か観たことがあるのですが(もちろん先に日本語吹き替え版を観ている)、それでも結構難しかったのを思い出しました。

さてこの悪ガキたち、現在はオッサンになって家族を養うために仕事をし、ローンを払うために仕事をし、というくたびれ気味の中年になっています。しかし一人だけ違うのがペグ兄演じるゲイリー。アル中の彼は定職なし妻子なしの超絶フリーダムを満喫中(テンションも高い)。そんなペグ兄に久しぶりに招集をかけられ集まるオッサンたち。その時点でみんな結構付き合いいいじゃんって思いましたが。地元に帰り、色々なバカ話をしながらビールを 一気してマグをテーブルに置いたら次の店へ。どのパブも色んな趣向を凝らした名前なんですが、内装や客層がほぼ同じなのが可笑しいです。筆者の居住国もビールどころなので居酒屋がいっぱいありますが、だいたいどこの店も雰囲気とか出してる料理とかが一緒。しかし明らかに混んでる店とそうでもない店があって面白いです。イギリスのパブはよく布張りのソファなんかが置いてあるので、まったり飲めそうなのがいいですね。紅一点として「ゴーン・ガール」でゴーン・ガール役を演じた、ロザムンド・パイクが出て来ます。マーティン・フリーマンの姉だか妹だかって設定なんですが、死ぬ程似てないですね(笑)。常々ロザムンド・パイクはコメディっぽい顔の女優だと思っていましたが、今回は彼女のコメ ディエンヌぷりがうまく活かされていたように思います。

パブはしご酒でダレ気味になったところで、この映画はまったく別の映画になってしまうんです。なんか周りの人間が人間じゃなくてロボットになってるんですよ。目を光らせて攻撃してきたり、頭や腕や足がもげると青い血が出たり。それでギャーッ!となるわけなんですが、私個人はそういう映画よりもそのまま現実路線でメンズ版「ヤング・アダルト」みたいな映画になった方が面白いんじゃないかなと思いました。ロボット(ちゃんと「ロボット」がチェコ語起源だということが説明される)とのバトルもなんかお腹いっぱいになるくらい見せられるし。しかしみんなただの酔っぱらいのオッサンなのに結構戦闘能力は高いんですね。あとあれだけビール飲んでるのにペグ兄以外のキャラクターがトイレ行くシーンがあんまりないのがトイレの近い私には気になりました(笑)。

しかしペグ兄(兼 脚本)最初から最後まで大活躍ですよ。同じく盟友であるエドガー・ライト監督の映画だし、輝いてる!イキイキしててまるで水を得た魚のよう・・・。こんなボンクラ男子な脚本だし本人もイギリス版ボンクラ男子のまま主演だし、それがそこそこヒットしてるしで、ボンクラ男子界の最高峰じゃないですか。そもそもエドガー・ライト監督ってどんな人?と思って検索すると、意外とイケメンでびっくり(写真によってかなり差があるが)。しかも女優のアナ・ケンドリックと付き合ってたそうです。

ということで、言葉の壁もあってあまり乗れなかった映画でしたがペグ兄がボンクラ男子界に君臨するスターだということは、よ〜くわかりました。引き続きペグ兄の旧作はチェックしていこうと思います。

『私の男』細か過ぎて伝わらない「ん?」のニュアンス

         



二階堂ふみと浅野忠信主演ということで鑑賞。原作は観てから読みました(ブックオフになかったので定価で買ったのだった)。映画の感想は・・・う~ん、病んでる!これは病んでる人の映画だと思いましたねえ・・・。しかし原作の方がもっともっと病んでた・・・「お、かあさーん!」の下りとかゾッとしました。こりゃあ、ちょっとした人間ホラーですよ。キャラクターに共感することはまったく出来ないんですが、いわゆるひとつの病んだ話としては面白かったです。



※ガッツリとネタバレします。



「私の男」といえば、同名のフランス映画があるんですよね。随分昔に観たのですけど(何故かというと、もはや身内のような俳優ジャン=ピエール・レオーが出てるから)、ヒロインのキャリアウーマンが路上生活者の男を拾って肉体関係を結びますが、いつしか立場は逆転して男はヒモにキャリアウーマンは身体を売るようになるというお話でした。レオーはキャリアウーマンが取る客としてちらっと登場します。彼女と寝たレオーは帰りがけ、「こんないい女を抱いたのは久しぶりだ、ありがとう!」というテンションでヒモと固く握手をするシーンがありましたなあ。

往々にして小説の映画化は難しいものだと思いますが、かなり健闘しているんじゃないでしょうか。特に映像表現の特性を活かせる場面に力を注いでいたように思います。流氷のシーンはものすごい緊張感があって実に映画的でした。キャストも二階堂さんはじめとして全員良かったです。しかしながら突っ込みどころもあります。駐在さん(モロ師岡)が花(二階堂ふみ)のメガネ(殺人事件の証拠品)を持って東京のアパートへやって来て、淳悟(浅野忠信)に刺し殺されるんですが普通ひとりで証拠品を持ってノコノコと容疑者の家になんて行かないじゃないですか?で、殺された駐在さんのボディーを透明にする作業があるのかと思ったら、そのままアパートの押し入れかどこかにに据え置かれてるみたいだし(ゴミ屋敷になってたのは異臭をカ モフラージュするため?でも人間の死臭をごまかすのは無理だと思う)。まあもともとの小説が警察捜査や遺体処理のリアリティをなぞっていないからその辺はあまり追求しちゃいけないんでしょうね。

二階堂さんは頑張ってました。女子中学生から結婚前の娘さんまで違和感なし。そして美乳もチラっと見せてくれましたよ(ブラしてたけど)。「地獄でなぜ悪い」でも美乳だなあと思ったけどロリ顔美乳、誠に素晴らしいです。演技力はもちろん折り紙付きだし、名実ともに日本映画界のエースですね。浅野忠信は原作の淳悟そのままだと思いました。切れ長の目、痩せて長身、女にだらしがない、実社会から浮いてる・・・みたいな佇まいが完コピされてました。実生活でもCharaと離婚した後は娘と同じくらいの年のモデルと付き合ったりしてロリコン気味ですし!Charaと浅野忠信ってヴァネッサ・パラディとジョニー・デップみたいだなあと思ってたんですよ。いくつになってもロリータな魅力のある歌手の嫁と個性派イケメン俳優の夫というおしどり夫婦ってところが同じだなと思って。どちらも残念ながら別れてしまいましたけど。

花と淳悟が近親相姦をするシーンは一回だけなんですよ。前半一回(藤竜也に気付かれる箇所)に対して後半にもう一回くらいあった方がよかったなと思うんですけど。そういえば同行した友人Iが「浅野忠信がセックスの前に『ん?』って言うシーンが超キモイ!」と熱弁していました。細か過ぎて伝わらないかもしれないんですが、ふてくされながら朝食を食べる花に淳悟がしかけるシーンがあって、そこで花に手を振りほどかれた淳悟が 「ん?」(どうした?みたいなニュアンス)って言うところがあって友人Iはそれに耐えられないんだそうです(笑)。そのまま近親相姦シーンに突入するんですが、重なり合う二人の上からポタッ、ポタッ・・・と血の雨が降って来るんですよ。私は後から「あの血は藤竜也とモロ師岡の血だったんだな・・・」と思ったけど、友人Iは「血の繋がりがあるということの象徴では・・・」と言っていました。なるほどな〜。他の人の解釈やキモがっているポイントを聞くのはとても面白いです。

原作では花と淳悟がキスしてるのを大塩さん(藤竜也)が見て「こりゃいかん・・・」となるんですが、映画版は近親相姦してるところを窓越しにバッチリ見られてしまうんですよね。これは映画の方がパンチ効いてて良いですよ。その後に花が流氷の上で大塩さんと対決して見殺しにするんですが、オープニングで流氷から上がった花がニヤリ・・・と笑うところに繋がるんですね。ニヤリと笑った花の右側に縦書きで「私の男」とタイトルが出るんですが、縦書きに痺れてしまいました。その流氷対決の前にニュースで「流氷到来ですが、昨年は観光客が流氷の上に乗って流された事例があるからくれぐれも乗らないように」と死亡フラグが流れるんですよ。これは「何かが起こるぞ、起こるぞ・・・」という感じビンビンでした。花は淳悟が本当の父親だって知っていたんですが、じゃあ母親は誰なの??てか花が生まれたときに淳悟はいくつなの??と頭の中がハテナに。原作を読んでわかったんですが、淳悟が16くらいのときに親戚の家に預けられていて、その家の奥さんと作ってしまった娘が花なんだそうです。恐ろしや~!花はその家で生まれ、その家の夫婦の子として育てられたのでした。その後、一家は奥尻島地震で被災して花以外の家族は死んでしまったので淳悟が花を養子にするんです。

花の子役(山田望叶)の子はまるっこい目と鼻が二階堂さんに繋がる感じでよかったです。体育館に置かれた家族(お母さん?)の亡骸に「ドン!」とケリを入れたりしているシーンがあるんですが、家族関係がうまくいってないことがケリひとつでわかるのでエコな演出だなと思いました。このとき花は10歳(原作では9歳)。原作では淳悟に引き取られてからしばらくして近親相姦をしていて超ドン引きしました(しかも花は既に初潮を迎えていたのだ)。そもそも淳悟という男が深く病んでいる人間で、お父さんが亡くなってから実のお母さんと色々確執があったみたいなんですね。で、花と近親相姦するときに「お、かあさーん!」と言ってしがみついたりしてるんで(原作)、あーこりゃ、あー相当こじらせてるわ・・・と彼の底知れぬ深みにゾゾゾ ・・・っとしてしまうわけです。

原作を読んで初めてわかったことはもうひとつあって、小町さん(河井青葉)がラブホで淳悟がシャワー浴びてる時に彼の荷物からアクセサリーを見つけるんですよ。ダイヤっぽいピアスでそれを見た彼女は実に微妙な表情を作るのですが、これって婚約指輪じゃなくてピアスを買って来た=結婚する気はないってことがわかって凹んでいるんだろうかと思ったんですね。そうじゃなくてピアスは花へのプレゼントだったのです。花が飴のようにピアスを舐めているシーンで私にはキャッチしか見えなかったのでわからなかったんですよ。受付嬢として働く花の耳に似た様なピアスが揺れてんな、と思ったんですけど、野暮天ですみません。しかし小町さんと淳悟のベッドシーンは意味もなく長かったですね。うつぶせになった彼女の身体(ちょっと痩せ過ぎ)を上から撮ってぐる~っと回したりする演出も長かったし。この時間を削ってもっと花と淳悟の病んだ関係性を掘り下げて欲しかったと思いました。

社会人になった花は会社で知り合った美郎(高良健吾)と親しくなるのですが、高良さんはまるで女子かと思うくらい華奢で美しいですね。タクシーで花を自宅まで送った彼が淳悟に絡まれるシーンがあるのですが「服を脱げ」という淳悟に「う、上だけですよ!」と答えてしまうシーンでは思わず吹き出してしまいました。原作では美郎と結婚する花ですが、ラストの銀座のレストランにいるのは別の男。この顔見覚えが!と思ったら「桜並木の満開の下に」に出てた三浦貴大さん。彼が、この病んでる父娘の血祭りにあげられてしまう可哀相な婚約者の役でした。原作は親子の会食から挙式当日、新婚旅行に新居入居まで悪意たっぷりに描かれていてかなり読み応えがありました。特にベテランの結婚式場の人が淳悟の方を新郎だと思うシーンが秀逸です。

花は結婚するんだけれども、淳悟との関係は引き続き続いて行くという後味が最高に悪いラストです。テーブルの下で淳悟の脚に自分の脚を這わせて「いい・・・?」と呟く花。私には「いい・・・?」って聞こえたんですが、あとから調べたらどうやら違ってるみたいです。劇中ではドボルザークの「遠き山に日は落ちて」が哀愁たっぷりに使われています。ドボルザークはチェコを代表する有名な作曲家。この曲はキャンプファイヤーや下校の歌として日本人にもおなじみですね。私も林間学校のとき歌いました。日本語の訳詩(かな?たぶん)もすごく綺麗なんですよね。ドボルザークはこれを作曲したときにアメリカにいて、遠き故郷チェコのことを思い浮かべながら作ったんだそうです(とチェコ語の先生が言っていました)。

監督の熊切和嘉さんのフィルモグラフィーを見たら「ノン子36歳(家事手伝い)」の監督をされている方でした。こういう日常の延長線上にある和エロなテイストには定評のある感じなのかな。まだ39歳だそうで、驚きです。同じく熊切監督で満島ひかり主演の「夏の終わり」は予告編何度も観たんですけど、まだ本編は観ていません。今度帰ったら観ようかな。原作は小町さんや美郎の心情も細かく描かれていて面白いです。「〜だわ、淳悟」みたいに花のセリフが芝居かかってるのは少しひっかかるんですが。しかし結婚式のサムシングオールドで大塩さんのカメラ(大塩さんが流される前に見た人物、つまり花が写っている)を持って来る淳悟って本当に最悪ですね(褒めてる)。


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